医療法 第39条
クイックジャンプ
- 病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができる。
- 2.前項の規定による法人は、医療法人と称する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第39条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第39条の条文原文は「病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができ…」で始まります。
- 医療法第39条は第一節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第39条の前の条は医療法第38条の7です。
- 医療法第39条の次の条は医療法第40条です。
- 医療法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法39条は、病院や医師等が常時勤務する診療所、介護老人保健施設、介護医療院を開設する社団・財団が法人格を取得でき、その法人を医療法人と称すると定める。
Q · クリニックを開くとき、医療法人にすることはできるの?
できる。開設する社団・財団は医療法人になれる
医療法39条により、病院、医師または歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設、介護医療院を開設しようとする社団または財団は、法人格を取得して「医療法人」と称することができます。設立には都道府県知事の認可が必要です(医療法44条)。医療法人は剰余金の配当が禁止されており(54条)、現行制度で新設できるのは持分のない医療法人に限られます。
解説
駅前の「〇〇クリニック」の看板の裏には、二つの全く違う経営の形がある。院長個人の事業として開業している場合と、「医療法人社団〇〇会」として法人になっている場合だ。本条は、病院、医師または歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設、介護医療院を開設しようとする社団(人の集まり)または財団(財産の集まり)が、法人格を取れると定めている。法人になれば「医療法人」と名乗る。ここで押さえておきたいことが二つある。まず、医療法人は株式会社ではない。剰余金の配当は禁止されている(医療法54条)。どれだけ利益が出ても、出資者に配当として分けることはできない。次に、平成18年(2006年)改正(2007年4月施行)以降に新しく設立できるのは「持分なし」の医療法人だけである。つまり出資しても、将来その財産を自分の持分として払い戻すことはできない。「法人にすれば節税できる」とだけ聞いて決めると、この二つを見落とす。院長の家族、勤務先の職員、医院を継ぐかもしれない子ども。それぞれにとって、看板の後ろにある形の違いは大きい
法的な位置づけ
医療法39条は医療法人の設立根拠を定める規定であり、病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設または介護医療院を開設しようとする社団または財団に法人格の取得を認め、当該法人を医療法人と称する旨を定める。設立には都道府県知事の認可を要し、剰余金の配当は禁止される。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人とは何ですか?
病院や診療所、介護老人保健施設などを開設する社団・財団が、医療法39条に基づき法人格を得たものです。都道府県知事の認可で設立され、剰余金の配当は禁止されています。
Q2一人医師医療法人とは何ですか?
医師または歯科医師が一人だけ常時勤務する診療所を開設する医療法人のことです。昭和60年(1985年)の改正以降に設立できるようになり、現在のクリニック法人の多くがこの形です。
Q3医療法人を設立するための条件は?
定款または寄附行為を定め、都道府県知事の認可を受ける必要があります(医療法44条)。業務に必要な資産を持つことも求められ、認可後に設立の登記をして成立します。
Q4医療法人の設立にはどのくらい期間がかかる?
都道府県ごとに申請受付の時期が決まっていることが多く、事前相談から認可、登記まで半年前後かかる例が一般的です。具体的な日程は所管の都道府県に確認が必要です。
Q5医療法人社団と医療法人財団の違いは?
医療法人社団は人の集まり(社員)を基礎とし、社員総会が最高意思決定機関です。医療法人財団は拠出された財産を基礎とし、寄附行為に従って運営されます。クリニックの多くは社団です。
Q6医療法人でなければ「医療法人」と名乗れない?
はい。医療法40条により、医療法人でない者は名称に「医療法人」またはこれに紛らわしい文字を使うことができません。個人開業のクリニックが名乗ることはできません。
Q7医療法人はどんな施設を開設できますか?
本条が定めるのは病院、医師・歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設、介護医療院です。このほか医療法42条の範囲で附帯業務を行うことができます。
Q8医療法人は解散できますか?
できます。社員総会の決議や目的達成不能などの事由で解散します(医療法55条)。残余財産は定款の定めに従い、国や地方公共団体、他の医療法人などに帰属します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医療法人にしたら、院長の給料ってどうやって決まるんですか?
社員総会または理事会の手続きに沿って決める役員報酬として受け取る。利益が出ても配当はできない(医療法54条)。報酬は原則として期首に決め、期中に自由に変えることはできない。実務のポイント:法人税法上、役員報酬は定期同額が原則である。期の途中で増やした分は損金に算入できない。利益が出たから報酬を上げる、という個人事業のころの感覚は、法人化した初年度に最も多い失敗である
Q2昔からある『持分あり』の医療法人って、今でもそのままで大丈夫なんですか?
経過措置医療法人として、存続は認められている(平成18年改正の附則)。ただし出資者が亡くなると、持分の評価額が相続財産になる。社員が退社すれば、払戻請求を受けるおそれもある。実務のポイント:利益を積み上げてきた法人ほど、持分の評価額は大きくなる。それを知らずに相続を迎え、相続税の納税資金に困る事例がある。持分なし法人への移行を検討する時期は早いほど選択肢が多い(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「医療法人は会社だから、儲かれば出資者に配当できる」と思われがちだが、医療法54条が剰余金の配当を禁止している。院長が利益を受け取るのは、役員報酬という形に限られる。見た目は法人でも、中身は株式会社と正反対の設計である
- 「法人化は節税策」という点は知っていても、どこまで影響するかは知られていない。いまの制度で新しく設立できるのは持分なし医療法人だけである。設立時に拠出した財産は、解散しても個人に返ってこない。定款の定めによって、国、地方公共団体、他の医療法人などに渡る(医療法44条5項、56条)。節税と引き換えに、個人の財産の一部を公共に近い場所へ差し出す判断になる
- 「法人化すべきか」を税金だけで考えると、判断を誤る。税率の差より、承継(誰が理事長を継ぐか。原則として医師または歯科医師でなければならない、医療法46条の6)、出口(廃業したとき財産はどこへ行くか)、事務負担(毎年の届出と登記)を先に比べるべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 医療法39条:医療法人の法人格取得の根拠と名称 | 医療法44条:都道府県知事による設立認可 医療法54条:剰余金配当の禁止 |
| 院長・出資者への影響 | 個人事業から法人へ器を切り替えられる | 認可を得なければ法人として成立しない 利益が出ても配当として受け取れない |
| 実務上の確認点 | 開設施設が本条の四類型に当たるか | 定款の残余財産条項と申請受付時期 役員報酬や MS 法人取引が実質的な配当になっていないか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も醫療財團法人と醫療社團法人の二類型を置き、非営利性を前提に主管機関の許可制をとる点で日本と構造が近い
韓国では医療機関の開設主体を医師や非営利法人に限定し、의료법인の設立に知事の許可を要する。営利法人による病院開設は原則として認められない
ドイツには医療法人に相当する独立の法人類型はなく、公的医療保険の枠内で医療供給センター(MVZ)が法人形態での外来診療を担う
米国では州法により医師が専門職法人を設立できる一方、非医師による医療支配を制限する法理を持つ州も多く、扱いは州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開業8年目、年間所得が大きく伸びた院長に、顧問税理士が「そろそろ法人化を」と勧めてきた。ではこの院長が法人化したら、医院の財産は誰のものになるのか? 設立時に出した財産は法人のものになり、持分なし法人では解散しても院長個人には原則として戻らない(医療法56条、定款の定め)。その事実を聞かないまま、決算期までに判断しなければならない
- あなたは医療法人の理事長で、決算が終わった。事業報告書などを都道府県知事に届け出る期限は、会計年度が終わってから3か月以内である(医療法52条)。忘れれば行政指導の入口になる
取るべき行動
被害を受けた側:法人化を勧められた院長、またはその家族の場合:1. 持分なし法人になると、拠出した財産は個人に戻らない。この点を書面で説明してもらう。2. 定款案の残余財産の帰属先と理事長の後継候補を確認する。3. 税理士、司法書士、行政書士の役割を分けて相談する(設立認可申請の書類作成は行政書士、登記は司法書士)。4. 都道府県ごとに認可申請の受付時期が決まっていることが多い。所管課で日程を確かめる
訴えられた側:医療法人の理事長として、都道府県から指導や報告の求めを受けた場合:1. 事業報告書の届出(医療法52条)と登記の漏れがないか、まず自分で確認する。2. MS 法人との取引や役員報酬が、剰余金配当の禁止(54条)をすり抜けた利益移転に見えないか点検する。3. 改善命令(64条)の段階で是正計画を出す。設立認可の取消し(66条)まで進ませない
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。実務上の期限は、事業報告書等の届出が毎会計年度終了後3か月以内(医療法52条)であること。設立については、都道府県ごとの認可申請受付時期と、医療審議会の審議日程に合わせる必要がある(最新の運用は各都道府県にご確認ください)
学説
通説:医療法人は医療の非営利性を前提とする特別法上の法人であり、剰余金配当の禁止(54条)と知事の認可制(44条)によって営利法人と区別される。本条は法人格付与の根拠規定と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
- 昭和25年(1950年)改正 第6章として医療法人制度を新設し、病院などを開設する社団・財団に法人格を認めた
- 昭和60年(1985年)改正 診療所について「医師等が常時三人以上勤務」の要件を改め、一人医師医療法人を可能にした(詳細は要確認)
- 平成29年(2017年)改正 開設施設に介護医療院を加えた(2018年4月施行、要確認)
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:医療法の一部改正により医療法人制度を創設し、病院等を開設する社団・財団に法人格を認めた
- 2.昭和60年(1985年) 改正:医師等が常時勤務する診療所について一人医師でも医療法人を設立できるよう改め、いわゆる一人医師医療法人が可能になった
- 3.平成29年(2017年) 改正:開設施設に介護医療院を加えた(2018年4月施行)
- 医療法 第40条医療法人の名称使用制限
- 医療法 第44条都道府県知事による設立認可
- 医療法 第54条剰余金配当の禁止
- 医療法 第42条附帯業務の範囲
- 医療法 第56条解散時の残余財産の帰属
- 介護保険法 第94条介護老人保健施設の開設許可
- 租税特別措置法 第67条の2特定医療法人の法人税率特例
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める