医療法 第60条の2
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- 医療法人が吸収分割をする場合には、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一吸収分割をする医療法人(以下この目において「吸収分割医療法人」という。)及び吸収分割承継医療法人の名称及び主たる事務所の所在地
- 二吸収分割承継医療法人が吸収分割により吸収分割医療法人から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項
- 三前二号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第60条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第60条の2の条文原文は「医療法人が吸収分割をする場合には、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。」で始まります。
- 医療法第60条の2は第一目に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第60条の2の前の条は医療法第60条です。
- 医療法第60条の2の次の条は医療法第60条の3です。
- 医療法第60条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第60条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第60条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/60_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法60条の2は、医療法人の吸収分割契約に、両法人の名称・所在地、承継する資産・債務・雇用契約等、省令事項の記載を義務づける。契約で特定されない債務は原則元の法人に残る。
Q · 医療法人の吸収分割契約には、何を書かなければならないの?
両法人の名称・所在地、承継する権利義務、省令事項の三つ
医療法60条の2により、吸収分割契約には、吸収分割医療法人と吸収分割承継医療法人の名称・主たる事務所の所在地、承継する資産・債務・雇用契約その他の権利義務に関する事項、厚生労働省令で定める事項を定める必要があります。承継対象として契約で特定されなかった債務や契約は、原則として元の法人に残ります。社会医療法人など省令で除外された法人は、そもそも分割できません(医療法60条)。
解説
医療法人は株式会社と違い、長いあいだ「事業の一部だけを切り出して別の法人に渡す」手段を持っていなかった。平成27年(2015年)の医療法改正で分割制度が入り、分院一つ、介護施設一つだけを他の医療法人へ移せるようになった。その設計図が吸収分割契約であり、本条は必ず書く三項目を定めている。両法人の名称と主たる事務所の所在地、承継する資産・債務・雇用契約その他の権利義務、そして厚生労働省令で定める事項である。見落とされやすいのは二番目だ。契約で承継対象として特定されなかった債務や契約は、原則として元の法人に残る。相手が「細かいところは別紙で」と言ったら、その別紙こそが本体と考えてよい。なお、社会医療法人など省令で除外された法人は、そもそも分割できない(医療法60条)。あなたが職員でも取引先でも、自分の名前が別紙のどちらに載るかで、来月の給与や代金を誰が払うかが変わる。
法的な位置づけ
医療法第60条の2は、医療法人が吸収分割を行う際の吸収分割契約の必要的記載事項を定める規定である。吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の名称と主たる事務所の所在地、承継される資産・債務・雇用契約その他の権利義務に関する事項、並びに厚生労働省令で定める事項の三点を契約に定めることを求める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.分割できる法人類型かを確認 自法人が社会医療法人など厚生労働省令で分割対象から除外された法人に当たらないか、持分のある医療法人でないかを、医療法60条と最新の省令で確認する
- 2.承継する権利義務を個別に洗い出す 移す部門に属する資産、債務、雇用契約、リース・保守・賃貸借契約を棚卸しし、別紙で個別に特定する。相手方の承諾が必要な契約も併せて抽出する
- 3.吸収分割契約を作成し法人内で承認 医療法60条の2の三事項(名称・所在地、承継する権利義務、省令事項)を漏れなく記載した契約書を作成し、社員総会など法定の承認手続を経る
- 4.都道府県知事の認可を申請 吸収分割契約書を添付して認可を申請する。医療審議会の意見聴取を経るため、審査期間を見込んで効力発生日を設定する
- 5.債権者保護手続と職員への説明 法定の公告・催告を行い異議申述期間を確保する。並行して職員に承継対象と労働条件を説明し、個別協議の記録を残す
- 6.登記と事後手続 認可後に登記を行い分割の効力を生じさせる。開設許可や保険医療機関の指定に関する届出等を所管機関に確認して行う
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の吸収分割とは何ですか?
医療法人が事業の一部に関する権利義務を、既存の別の医療法人に承継させる再編手法です。平成27年の医療法改正で導入され、分院や介護施設単位での移管が可能になりました。
Q2吸収分割契約の記載事項は何ですか?
医療法60条の2により、両法人の名称と主たる事務所の所在地、承継する資産・債務・雇用契約その他の権利義務、厚生労働省令で定める事項の三つが必要です。
Q3医療法人の分割 できない法人は?
医療法60条と厚生労働省令により、社会医療法人など一定の法人は分割の対象外です。持分のある医療法人(経過措置医療法人)も対象外と解されています。最新の省令を確認してください。
Q4医療法人の分割に都道府県知事の認可は必要?
必要です。認可申請には吸収分割契約書を添付し、医療審議会の意見聴取を経るため、審査に数か月かかることもあります。事前相談で日程を所管の都道府県に確認しましょう。
Q5吸収分割で職員の雇用はどうなる?
吸収分割契約で承継対象として定められた雇用契約は、分割の効力により承継されるのが原則とされます。自分が承継リストに載っているかの確認が出発点です。
Q6吸収分割で承継されなかった債務は誰が払う?
契約で承継対象として特定されなかった債務は、原則として吸収分割医療法人(元の法人)に残ります。債権者は元の法人に請求することになります。
Q7医療法人の分割 いつ効力が生じる?
分割の効力は、知事の認可を受けたうえで登記をすることによって生じるとされています。効力発生日から逆算して、承認・認可・債権者保護手続の日程を組む必要があります。
Q8医療法人の吸収分割で開設許可は引き継がれる?
病院・診療所の開設許可や保険医療機関の指定の扱いは、分割契約とは別に確認が必要です。空白期間を避けるため、認可申請前に都道府県と地方厚生局へ相談するのが実務です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1部門ごと別の法人に移るって言われたけど、断れないの?
医療法60条の2第2号により、雇用契約も吸収分割契約で承継対象として定めることができ、定められれば分割の効力で移るのが原則とされる。ただ、会社分割のような労働契約承継法上の異議手続は医療法人には直接用意されておらず、民法625条による承諾が要るかどうかも実務上解釈が分かれている。実務のポイント:法人側は紛争を避けたいので個別の同意書を取りたがる。署名する前こそ、労働条件の維持を文書で約束させる最大の交渉機会である
Q2契約書に書き忘れた借金って、結局どっちが払うの?
吸収分割で承継されるのは、本条第2号にもとづき契約で定めた権利義務である。定めのない債務は原則として元の法人に残り、債権者は元の法人に請求することになる。実務のポイント:実務では別紙で列挙したうえで「本件事業に関する一切の債務」といった包括条項を置くことが多いが、範囲があいまいだと後で紛争の火種になる。調印前のデューデリジェンスで、帳簿に載っていないリースや保守の契約を洗い出すのが先である
間違えやすい点 AI による整理
- 「分割なら株式会社と同じで、職員には法律上の異議手続がある」と思われがちだが、それは会社分割の話である。医療法人の分割には労働契約承継法が直接適用されないと解されており、職員を守るのは主に吸収分割契約の中身と、法人側との事前協議になる
- 「うちの医療法人も分割できるのか」という問いの立て方が、そもそも出発点としてずれている。医療法60条は社会医療法人など厚生労働省令で定める法人を分割の対象から外しており、持分のある医療法人(経過措置医療法人)も対象外と解されている。契約書の記載事項を考える前に、まず自法人の類型を確認する必要がある(最新の省令を確認のこと)
- 記載事項が法律で決まっていることは知っていても、書き漏らしの重さまで知っている人は少ない。承継対象として特定されなかった債務は元の法人に残るため、切り離したつもりの赤字部門の負債が、分割後も手元の帳簿から消えない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手法 | 医療法60条の2:吸収分割(事業の一部を既存の医療法人へ承継) | 医療法61条:新設分割(事業の一部で新たな医療法人を設立) 医療法57条:合併(法人全体を統合) |
| 承継の範囲 | 契約で特定した資産・債務・雇用契約その他の権利義務のみ | 新設分割計画で特定した権利義務のみ 消滅法人の権利義務を包括的に承継 |
| 書面の名称 | 吸収分割契約 | 新設分割計画 合併契約 |
| 注意点 | 特定漏れの債務は元の法人に残る | 新法人設立の手続も並行する 一部だけを切り出すことはできない |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では分割計画の記載事項は会社法制に置かれ、医療社団法人について同種の分割規定は医療法に見当たらない
ドイツ組織再編法は分割・承継契約の必要的記載事項を詳細に列挙し、承継対象の特定を厳格に求める点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤め先の病院で、訪問看護部門だけが隣県の医療法人に吸収分割されると告げられたら、あなたの雇用契約はどうなる? 答えは、契約書の「承継する雇用契約」の欄に自分が入っているかどうかで決まる。会社分割のための労働契約承継法は医療法人には直接適用されないと解されており、同法のような異議申出の手続は用意されていない。職員の個別同意が必要かどうかは、実務上解釈が分かれている
- あなたは理事長として、赤字の分院を切り離す吸収分割契約を急いで仕上げた。医療機器のリース契約を別紙に書き漏らしていた。効力が生じた後、リース会社はあなたの法人に請求してくる
- 理事会で決めた効力発生の予定日まであと30日。都道府県知事の認可申請には吸収分割契約書を添付し、医療審議会の意見聴取を経るため、審査に数か月かかることもある。記載事項が欠けていれば差し戻され、日程はすべて崩れる(手続の詳細は所管の都道府県に確認すること)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 分割を告げられたら、吸収分割契約書のうち承継する資産・債務・雇用契約の欄と別紙の写し、または内容の説明を書面で求める2. 自分の雇用契約、退職金規程、有給休暇の残日数が承継対象に入っているか、労働条件が変わらないかを書面で確認する3. 取引先や債権者の立場なら、債権者保護手続の公告や催告を見落とさず、定められた期間内に異議を述べる4. 納得できなければ、労働組合、労働基準監督署、弁護士に相談する
訴えられた側:1. 自法人が分割できる類型か(社会医療法人などに当たらないか)を医療法60条と省令で確認する2. 承継する権利義務を個別に特定し、リース、保守、賃貸借、雇用を別紙で列挙する。相手方の承諾が必要な契約も洗い出す3. 社員総会などでの承認、知事の認可、債権者保護手続、登記の順に日程を逆算する4. 職員への説明と個別協議を記録に残す。労働契約承継法が直接適用されなくても、同法の手続にならった協議が紛争の予防になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。分割の効力は認可後の登記によって生じるとされ、債権者保護手続には法定の異議申述期間が置かれている(最新の改正状況をご確認ください)。承継された債権債務の請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)医療法改正(平成28年9月施行とされる) 医療法人の分割制度が導入され、吸収分割契約の記載事項を定める本条が置かれたとみられる。制定時の条番号と、その後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:医療法改正により医療法人の分割制度が導入され、吸収分割契約の記載事項に関する規定が置かれた。施行は平成28年とされる。制定時の条番号とその後の改正の有無は要確認
- 医療法 第60条吸収分割の可否と契約締結義務
- 医療法 第61条新設分割の規定(現行効力を要確認)
- 医療法 第57条医療法人の合併の規定(現行効力を要確認)
- 民法 第625条使用者の権利譲渡と労働者の承諾
- 会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律 第2条会社分割専用で医療法人には直接不適用
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