医療法 第83条
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第八十一条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第83条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第83条の条文原文は「第八十一条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。」で始まります。
- 医療法第83条は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第83条の前の条は医療法第82条です。
- 医療法第83条の次の条は医療法第84条です。
- 医療法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法83条は、81条1項・82条1項の収賄罪で犯人が収受した利益を必ず没収し、没収できない場合はその価額を追徴すると定める必要的没収の規定である。
Q · 医療法人の理事が受け取った賄賂を使い切ってしまったら、もう取られないの?
取られる。使い切った分も価額で追徴される
医療法83条により、81条1項または82条1項の収賄罪で犯人が受け取った利益は必ず没収されます。現金を使ってしまった場合や、飲食・旅行のような形の残らない利益の場合は、没収に代えてその価額が追徴されます。裁判官に没収するかどうかの裁量はなく、拘禁刑に執行猶予が付いても没収・追徴は猶予されません。
解説
賄賂として受け取った金は、有罪判決と同時に国に持っていかれる。刑法の一般原則では没収するかどうかは裁判官の裁量(刑法19条)だが、医療法83条は「没収する」と言い切っている。裁判官に選択の余地がない「必要的没収」である。対象は、医療法81条1項または82条1項の収賄罪で犯人が受け取った利益だ(両項の具体的な構成要件と法定刑は、最新の条文で確認してほしい)。見落とされやすいのは後半である。現金をすでに使ってしまった場合、高級ワインを飲んでしまった場合、接待旅行のように形が残らない利益だった場合は、没収の代わりに「その価額」を追徴する。つまり、手元に何も残っていなくても、受け取った分の値段を現金で払えという命令が出る。拘禁刑に執行猶予が付いても、追徴は猶予されずに残る。医療法人の理事や監事にとって、業者からの見返りは「バレても返せば済む」ものではない。受け取った価値そのものに、国が差し押さえの札を貼る仕組みになっている。
法的な位置づけ
医療法83条は、同法81条1項または82条1項に定める収賄罪について、犯人が収受した利益を必要的に没収し、その全部または一部を没収することができないときはその価額を追徴する旨を定める規定である。刑法19条の任意的没収に対する特則として、不正な利益の剥奪を裁判所の裁量に委ねず一律に確保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法83条とは何ですか?
医療法81条1項・82条1項の収賄罪で犯人が受け取った利益を必ず没収し、没収できなければ価額を追徴すると定めた条文です。
Q2必要的没収と任意的没収の違いは?
任意的没収(刑法19条)は没収するかを裁判官が判断します。必要的没収は法律が「没収する」と定め、裁判官に選択の余地がありません。
Q3追徴とはどういう意味ですか?
没収すべき物がすでに消費・処分されて没収できないとき、その物の価額に相当する金銭の納付を命じる処分です。
Q4医療法人の理事がリベートを受け取るのは違法?
職務に関する不正の請託を受けて利益を受け取れば、医療法の収賄罪に該当しうる。その場合、受け取った利益は83条で没収・追徴されます。
Q5追徴金はいつまでに払う必要がありますか?
判決確定後、検察官の命令に基づいて執行されます。任意に納付しない場合は民事執行の手続で預金や不動産が差し押さえられることがあります。
Q6追徴の価額はいつの時点で計算されますか?
賄賂罪に関する判例は、原則として収受した時点の価額で算定する立場です。受け取った後に値下がりしても追徴額は軽くなりません。
Q7病院の役員が受けた接待も没収の対象になる?
飲食や旅行など形の残らない利益は没収できないため、その費用相当額が追徴の対象になりえます。一人あたりの額の算定が争点になりやすいです。
Q8医療法の収賄罪の時効は何年ですか?
法定刑によって決まります。長期10年未満の拘禁刑にあたる罪なら公訴時効は5年です(刑事訴訟法250条2項5号)。最新の条文で法定刑を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受け取ったお金を業者に返したら、没収とか追徴はなくなるんですか?
収賄者の手元からはなくなるが、それで終わりではない。賄賂罪に関する判例には、収受した賄賂が贈賄者に返還された場合、贈賄者から没収・追徴するとした例があり、医療法83条の運用でも同じ考え方がとられうる。実務のポイント:返還は一定の情状として考慮される余地があるが、発覚後の返還は「証拠隠しと紛らわしい」と見られやすい。返すなら弁護人を通して記録を残す形にする
Q2接待で飲み食いしただけでも、追徴されるんですか?
されうる。医療法83条は、没収できない利益について価額を追徴すると定めており、飲食や旅行のような消えてしまう利益もその対象になりうる。価額は実際にかかった費用をもとに算定されるのが一般的だ。実務のポイント:複数人での会食では一人あたりの額をどう割り出すかが争点になり、実務上は解釈が分かれる。出席者、店、金額の記録が追徴額を左右する
Q3執行猶予が付いたら、追徴も猶予されますか?
されない。執行猶予が付くのは主刑である拘禁刑などの執行であり、83条の没収・追徴は付加的な処分として判決確定後に執行される。実務のポイント:追徴金を払えない場合は、検察官の命令に基づいて民事執行の手続で財産が差し押さえられる。預金や不動産が対象になるので、「猶予だから日常は変わらない」とはならない
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行猶予が付けば、実際には何も失わない」と考えるなら、それは誤りである。執行猶予が及ぶのは拘禁刑の執行であり、83条による没収・追徴は判決が確定すればそのまま実行される。刑務所には入らなくても、受け取った分の財産は確実に失う
- 没収は現物の取り上げだけだと理解している人は多いが、本当に重いのは追徴のほうである。消費した現金、飲食接待、値引きのように形がない利益でも、価額に換算して金銭で取り立てられる。判例は賄賂の追徴価額を原則として収受時の価額で算定する立場であり、後で値下がりしても軽くはならない(最大判昭和43.9.25、賄賂罪に関する判断)
- 「医療法人のお金ではなく、自分個人が受け取っただけだから法人の問題ではない」という見方は、視点がずれている。83条が狙うのは個人の懐に入った利益そのものである。法人に損害が出ていなくても、個人の手元で発生した利益は収受された時点で国に帰属すべき対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 没収の性質 | 医療法83条:必要的没収(「没収する」) | 刑法19条:任意的没収(「没収することができる」) 刑法197条の5:公務員賄賂の必要的没収 |
| 対象となる犯罪 | 医療法81条1項・82条1項の収賄罪 | 刑法上の犯罪一般 公務員の収賄罪(刑法197条〜197条の4) |
| 没収できない場合 | 価額を必ず追徴する | 刑法19条の2により価額を追徴することができる(任意) 価額を必ず追徴する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は犯罪所得を原則として没収し、没収不能時は価額を追徴する総則規定を置く。日本のように個別法ごとに必要的没収を定める方式とは構造が異なる
韓国も賄賂について必要的没収・追徴を定め、日本の刑法197条の5と類似の構造をとる
ドイツは犯罪収益の剥奪(Einziehung)を総則で包括的に規律し、価額剥奪(Wertersatz)の規定も置く
米国は刑事没収(criminal forfeiture)として犯罪収益の没収を定め、代替資産(substitute assets)の没収も認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医療法人の理事が、電子カルテの更新で特定ベンダーを推す見返りに300万円を受け取っていた。発覚した時には住宅ローンの繰上げ返済に消えていた。もしこうなったら、どうなる? 現金は残っていなくても、300万円の追徴が判決に書き込まれる
- 病院の建て替えで、施工業者から「視察」名目の海外旅行と会食を受けた監事。形の残らない接待でも、旅行代金や飲食代に相当する額が追徴の計算対象になりうる
- あなたが医療機器メーカーの営業担当で、理事にリベートを渡した側だとする。理事が後で怖くなり、受け取った金をあなたに返してきた。判例上、この場合は返還を受けた贈賄者の側から没収・追徴されうる。返ってきたから一件落着、とはならない
- 捜査が始まり、弁護人との面談まであと3日。受け取った商品券を慌てて換金したり、家族名義の口座に移したりすれば、没収を免れようとする行為として情状が大きく悪くなるだけで、追徴額は一円も減らない
取るべき行動
被害を受けた側:医療法人の側が、役員の不正な受領によって業者選定をゆがめられた立場なら、まず内部監査で契約書、稟議書、メール、会食記録を保全する。収受された利益は国が没収・追徴するので、法人の損害回復は別ルートになる。役員への損害賠償請求(任務懈怠責任など)や業者との契約見直しを弁護士と並行して検討し、所管の都道府県への報告の要否も確認する
訴えられた側:受け取った金品は処分、換金、名義移転をせずに現状のまま保管し、すぐに刑事弁護人に相談する。受領日、金額、名目を正確に整理し、講演料など正当な対価と評価できる部分があるならその根拠資料(講演の実施記録、契約書)を集める。追徴額は利益の範囲をどう認定されるかで変わるため、名目ごとの切り分けが防御の中心になる
時効(請求できる期限):本条自体に独自の期限はない。前提となる81条1項・82条1項の罪の公訴時効は法定刑によって決まり、長期10年未満の拘禁刑にあたる罪であれば、犯罪行為が終わった時から5年である(刑事訴訟法250条2項5号)。具体的な法定刑は最新の条文で確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:賄賂罪等における必要的没収・追徴は、犯人に不正な利益を保持させないことを目的とする付加的な処分であり、刑の執行猶予の効力は及ばないと解されている
- 医療法 第81条没収追徴の前提となる収賄罪(第1項)(現行効力を要確認)
- 医療法 第82条没収追徴の前提となる収賄罪(第1項)(現行効力を要確認)
- 医療法 第54条剰余金配当禁止、利益流出を封じる原則
- 刑法 第19条任意的没収の一般規定を必要的に修正
- 刑法 第197条の5公務員賄賂の必要的没収追徴と同じ構造
- 会社法 第969条取締役等の収賄利益の没収追徴と同じ構造
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