弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。
要点弁護士法 23 条は、弁護士及び弁護士であった者に、職務上知り得た秘密を保持する権利と義務を課す。廃業後も守秘は続き、法律に別段の定めがある場合のみ例外となる。
Q · 弁護士に話したことって、本当に外に漏れないんですか?
原則漏れません。守秘義務は廃業後も続きます
弁護士法 23 条により、弁護士及び弁護士であった者は職務上知り得た秘密を保持する義務を負い、同時に開示を拒める権利も持ちます。この守秘は担当を外れても廃業しても存続し、依頼者の秘密は事実上墓まで守られます。違反すれば刑法 134 条の秘密漏示罪、弁護士法に基づく懲戒、民法 709 条の損害賠償の対象になります。ただし法律に別段の定めがある場合や、秘密の主体である依頼者本人の同意がある場合は例外です。
過去の不倫を離婚相談で打ち明ける。会社の横領を顧問弁護士に相談する。逮捕された家族のために、言いにくい家庭の事情を弁護士の前で並べる。これらに共通するのは、あなたが口を開く前に一瞬ためらう、その「この話、本当に外に漏れないのか」という躊躇だ。弁護士法23条は、そのためらいを消すために置かれている。「弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う」。注目すべきは二つ。第一に、これは弁護士の義務であると同時に「権利」でもある。だから弁護士は裁判所や警察に対しても、依頼者の秘密の開示を堂々と拒める。第二に、縛られるのは現役の弁護士だけではない。「弁護士であつた者」、つまり廃業しても、担当を外れても、あなたの秘密は死ぬまで守られる。ただし但書がある。「法律に別段の定めがある場合」は例外だ。この一行の射程を知る者と知らない者では、最初の面談で口にする情報の量が、まるで違ってくる。
弁護士法 23 条は弁護士の守秘義務を定める規定であり、弁護士又は弁護士であった者が職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う旨を規定する。守秘は義務かつ権利として構成され、資格喪失後も存続するが、法律に別段の定めがある場合には例外として開示が許容される。
弁護士及び弁護士であった者が、職務上知り得た秘密を保持する権利と義務のことです。弁護士法 23 条が根拠で、依頼者が安心して相談できる信頼関係を制度的に保護します。
原則として一生続きます。弁護士法 23 条は「弁護士であつた者」も縛るため、担当を外れても、廃業しても、依頼者の秘密を漏らせません。期間の定めはありません。
職務上知り得た秘密を、依頼者の同意も法律上の根拠もなく第三者に開示した場合です。懇親会での口外、SNS 投稿、別事件での流用などが典型例として問題になります。
できます。職務上知り得た秘密について、刑事訴訟法 149 条・民事訴訟法 197 条に基づく証言拒絶権があり、押収拒絶権(刑訴 105 条)も連動します。
話せます。守秘義務が保護する秘密の主体は依頼者であり、本人の同意があれば守秘は解除されます。問題は「誰の同意で扉が開くか」という射程の理解です。
弁護士会照会(弁護士法 23 条の 2)は情報を集める制度、守秘義務は秘密を出さない制度で方向が逆です。照会先が守秘義務を理由に回答を拒める場面があり、両者は緊張関係にあります。
趣旨は似ますが根拠条文が異なります。弁護士は弁護士法 23 条、医師は刑法 134 条 1 項が中心で、いずれも秘密漏示罪(刑法 134 条)の対象になります。
弁護士法 23 条が直接縛るのは弁護士本人ですが、事務職員は弁護士職務基本規程や雇用契約・就業規則を通じて守秘を負い、漏洩すれば弁護士の監督責任も問われます。
原則として通報義務はなく、むしろ守秘義務(弁護士法23条、刑法134条)があるため通報できません。すでに終わった犯罪の告白は守秘の対象です。ただし依頼者がこれから重大な犯罪を犯そうとしている場合は別の判断になります。業界裏話ヒント:弁護士は依頼者が真実を話さないと適切な弁護ができないため、不利な事実こそ知りたがります。隠されるのが一番困る。だから安心して全部話すのが結果的に自分の利益になる、という構造をベテラン弁護士は依頼者に最初に説明する
前の弁護士も守秘義務を負い続けます。23条は「弁護士であつた者」も縛るため、担当を外れても、廃業しても、あなたの秘密を漏らせません。新しい相談者にあなたの件を話すこともできません。業界裏話ヒント:弁護士を変えるとき、前の弁護士に対して秘密の取扱いに不安があれば、引き継ぎ範囲を書面で確認しておくと安全。守秘義務は当然続くが、記録の返却・廃棄の段取りまで詰めておくと後のトラブルを防げる
三方向の責任があります。刑法134条の秘密漏示罪(6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)、弁護士法56条に基づく懲戒(戒告から除名まで)、そして民法709条の損害賠償です。業界裏話ヒント:刑事の秘密漏示罪は実際に立件される例が極めて少ない一方、弁護士会の懲戒はかなり実効的に機能します。漏らされた側が動くなら、刑事告訴より懲戒請求のほうが現実的なダメージを与えられる(最新の改正状況をご確認ください)
私選も国選も守秘義務は全く同じ弁護士法23条で縛られます。報酬が国費か自費かは、秘密が守られるかどうかと一切無関係です。国選だから情報が雑に扱われる、ということはありません。業界裏話ヒント:国選弁護人を信用できず本当のことを話さない被告人は少なくないが、それは自分の弁護を弱らせるだけ。守秘義務の構造は同じなのだから、国選であっても不利な事実を含めて全部話すほうが防御は固くなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の核心 | 弁護士法 23 条:秘密を保持する権利・義務 | — |
| 方向性 | 秘密を「出さない」 | — |
| 主体 | 弁護士・弁護士であった者 | — |
| 効果 | 証言拒絶権・押収拒絶権の根拠となる | — |
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