弁護士法 第30条の2(設立等)
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- 弁護士は、この章の定めるところにより、第三条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。)を設立することができる。
- 2.第一条の規定は、弁護士法人について準用する。
この条文の基本情報
設立等とは何ですか?
定義設立等とは、弁護士法第30条の2に定められた規定で、「弁護士は、この章の定めるところにより、第三条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第30条の2(設立等)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第30条の2の条文原文は「弁護士は、この章の定めるところにより、第三条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。」で始まります。
- 弁護士法第30条の2は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第30条の2の前の条は弁護士法第30条です。
- 弁護士法第30条の2の次の条は弁護士法第30条の3です。
- 弁護士法第30条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法30条の2は、弁護士が第3条の業務を営む弁護士法人を設立できると定める。2項で第1条の使命規定が準用され、社員は会社法の準用により法人債務に無限責任を負う。
Q · 「弁護士法人」と個人の法律事務所は何が違う?社員になったら責任はどこまで?
法人は事件を引き継げるが、社員は無限責任を負う
弁護士法30条の2により、弁護士は第3条の業務を行う弁護士法人を設立できます。法人格があるため、担当弁護士が退所・死亡しても法人が委任契約を引き継ぎ、複数事務所も展開できます。一方、2項が第1条を準用するため、法人も人権擁護と社会正義の使命を負います。最大の注意点は社員の責任で、会社法の合名会社規定が準用され、社員は法人債務に無限連帯責任を負います。株式会社の株主のような有限責任ではない点に注意が必要です。
解説
街角の法律事務所の看板に「弁護士法人◯◯」と書かれていることがある。この四文字は、ただの屋号ではない。弁護士法30条の2は、弁護士が個人としてだけでなく、法人格を持った組織として業務を行う道を開いた条文である。2001年の改正で生まれたこの制度により、法律事務所は担当弁護士が辞めても亡くなっても事件を引き継げる「継続する器」になれる。だが見落としてはならないのは、この法人が株式会社とは似て非なる存在だという点だ。2項が第1条(弁護士の使命規定)を准用するため、利益を扱う法人でありながら、人権擁護と社会正義の使命を背負わされる。さらに社員となる弁護士は、合名会社の社員と同じく法人の債務に無限責任を負う。「法人だから有限責任」という世間の常識は、ここでは一切通用しない。
法的な位置づけ
弁護士法第30条の2は弁護士法人制度の根拠規定であり、弁護士が第3条に規定する業務を行うことを目的として設立する法人格を認めるものである。2項は第1条の使命規定を準用し、当該法人にも基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命を及ぼす。社員となる弁護士は、会社法の合名会社に関する規定の準用により、法人の債務について無限責任を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法人とは何ですか?
弁護士が第3条の業務を行う目的で設立する法人です(弁護士法30条の2)。法人格があるため担当者が抜けても事件を継続でき、複数事務所も展開できます。
Q2弁護士法人は1人でも設立できますか?
現行制度では社員1人の弁護士法人も設立できます。ただし社員が欠けた場合の存続要件や代替手当てがあるため、定款と最新の弁護士法の規定を確認してください。
Q3弁護士法人の社員はなぜ無限責任なのですか?
弁護士法人には会社法の合名会社(持分会社)の規定が準用されるためです。社員は出資者ではなく無限責任社員として、法人債務に個人財産で連帯責任を負います。
Q4弁護士法人が解散したら進行中の事件はどうなりますか?
清算手続の中で事件の引継ぎ・委任契約の処理が行われます。依頼者は早めに後任の弁護士や引継ぎ方法を確認し、預けた書類の返還を求めることが重要です。
Q5弁護士法人と税理士法人・司法書士法人は同じ仕組みですか?
いずれも士業の法人制度で、社員が無限責任を負う点は共通します。根拠法が各士業法であり、業務範囲や使命規定の準用内容は異なります。
Q6弁護士法人の名称に決まりはありますか?
名称中に「弁護士法人」の文字を用いる必要があります。依頼者が法人か個人事務所かを名称から判別できるようにするための規律です。
Q7弁護士法人の社員を辞めた後も責任は残りますか?
合名会社の規定が準用されるため、退社の登記後一定期間は退社前に生じた債務について責任が残るのが原則です。就任・退社時は債務状況の確認が不可欠です。
Q8弁護士法人になると弁護士の独立性は失われませんか?
2項で第1条が準用され、法人も人権擁護と社会正義の使命を負います。組織化しても弁護士本来の独立性・公益使命に縛られる構造が維持されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士法人と普通の個人事務所、依頼するならどっちがいいんですか?
弁護士法人(30条の2)は法人格があるので、担当弁護士が辞めても亡くなっても法人が委任契約を引き継ぎ、複数の事務所も持てます。個人事務所は担当者個人と運命を共にします。実務のポイント:ただし法人でも実際に手を動かすのは個人の弁護士です。法人だから安心とは限らないので、委任契約書に担当弁護士の氏名を明記させ、その人が抜けたときの引継ぎ条項を確認しておくと、看板倒れを防げます
Q2弁護士法人の社員になれば、出資した分だけ責任を負えばいいんですよね?
違います。弁護士法人の社員は、会社法の合名会社(持分会社)の規定が准用され(弁護士法30条の30、会社法580条)、法人の債務に無限連帯責任を負います。出資額で責任が切れる株式会社の株主とは別物です。実務のポイント:社員に就任する前に、法人がすでに負っている債務や係争中の損害賠償リスクを必ず確認すること。就任した瞬間、過去の負債にも自分の個人財産が引き当てられる立場になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「法人なのだから有限責任のはず」と思い込みがちだが、弁護士法人の社員は会社法の合名会社の規定が准用され、法人の債務に無限連帯責任を負う。出資額で責任が切れる株式会社の株主とは、立場がまったく違う
- 「弁護士法人は普通の会社と同じ営利組織」という前提自体が誤っている。あなたから見れば単なる事業体でも、法律から見れば第1条の准用で人権擁護・社会正義の使命を負わされた特殊な公益的法人であり、利益だけを理由に依頼を断ったり選り好みしたりする自由が制度上抑えられている
- 「法人の方が個人より規模が大きく安心」と考えて選ぶ人は多いが、問うべきは規模ではなく、実際に自分の事件を誰が担当し、その担当者が抜けたときに法人が引き継ぐ体制になっているかだ。看板の大きさは担当者の質を保証しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 事件の継続性 | 弁護士法人:法人が委任契約の当事者、担当者の退所・死亡でも法人が引き継ぐ | 個人事務所:担当弁護士個人と運命を共にし、引退・死亡で宙に浮きうる 株式会社:法人が継続するが弁護士業務は営めない |
| 社員・出資者の責任 | 弁護士法人:社員は会社法の合名会社規定の準用で無限連帯責任 | 個人事務所:弁護士個人が全責任を負う 株式会社:株主は出資額を限度とする有限責任 |
| 使命・公益性 | 弁護士法人:2項で第1条準用、人権擁護・社会正義の使命を負う | 個人事務所:弁護士本人が第1条の使命を負う 株式会社:営利目的が原則、公益使命の法定なし |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は長く個人・共同経営が中心で、法律事務所の法人化は日本の弁護士法人と対比される制度論点である
韓国の법무법인は確立した制度で、社員の責任構造や設立要件の点で日本の弁護士法人と類似する
ドイツは弁護士会社(Rechtsanwaltsgesellschaft)を認め、2022年改正で職業遂行会社(Berufsausübungsgesellschaft)に再編された
フランスは弁護士の自由業会社(société d'exercice libéral)等を認め、出資・責任の形態が会社類型ごとに分かれる
米国は州ごとに法律事務所の法人形態を規律し、PC や PLLC が用いられるが、職業上の責任は限定されない設計が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 顧問弁護士に長年お世話になってきたが、もしその先生が高齢で引退したら、進行中の案件や預けた書類はどうなる? 個人事務所なら宙に浮くが、弁護士法人なら法人が当事者として委任契約を引き継ぐ。依頼の前にどちらかを確認しておくかどうかで、十年後の安心が変わってくる。
- 弁護士法人から社員就任を打診された。肩書きが一つ上がる話だと喜んだが、社員になった瞬間、法人の借金に自分の個人財産まで差し出す立場になる。出資者ではなく、無限責任を負う共同経営者だ。
学説
通説:弁護士法人には会社法の合名会社(持分会社)の規定が準用され、社員は法人債務に無限連帯責任を負う。2項による第1条の準用により、営利的な法人格でありながら人権擁護・社会正義の公益的使命を負う特殊な法人と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正・平成14年(2002年)4月施行 弁護士法人制度を新設した中心条文。それまで個人または共同事務所の形態しかなかった弁護士業務に、法人格を持った組織形態を初めて認めた。その後の社員要件等に関する改正の有無は要人的検証
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法改正により弁護士法人制度を新設(平成14年〔2002年〕4月施行)。個人または共同事務所しかなかった弁護士業務に、初めて法人格を持つ組織形態を認めた中心条文。
- 弁護士法 第1条弁護士の使命規定、本条2項で弁護士法人に准用
- 弁護士法 第3条弁護士の職務範囲、弁護士法人の業務目的の前提
- 弁護士法 第30条の4社員の資格、社員は弁護士でなければならない(現行効力を要確認)
- 弁護士法 第30条の6定款の作成等、設立の手続(現行効力を要確認)
- 弁護士法 第30条の30会社法等の準用、合名会社の規定を準用する根拠(現行効力を要確認)
- 会社法 第580条持分会社の社員の無限責任、弁護士法30条の30で準用(現行効力を要確認)
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