弁護士法 第30条(営利業務の届出等)
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- 弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。
- 一自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき1商号及び当該業務の内容2
- 二営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この条において「取締役等」という。)又は使用人になろうとするとき1その業務を営む者の商号若しくは名称又は氏名、本店若しくは主たる事務所の所在地又は住所及び業務の内容並びに取締役等になろうとするときはその役職名2
- 2.弁護士会は、前項の規定による届出をした者について、同項各号に定める事項を記載した営利業務従事弁護士名簿を作成し、弁護士会の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
- 3.第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項に変更を生じたときは、遅滞なく、その旨を所属弁護士会に届け出なければならない。届出に係る業務を廃止し、又は届出に係る取締役等若しくは使用人でなくなつたときも、同様とする。
- 4.弁護士会は、前項の規定による届出があつたときは、直ちに、営利業務従事弁護士名簿の記載を訂正し、又はこれを抹消しなければならない。
この条文の基本情報
営利業務の届出等とは何ですか?
定義営利業務の届出等とは、弁護士法第30条に定められた規定で、「弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第30条(営利業務の届出等)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第30条の条文原文は「弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。」で始まります。
- 弁護士法第30条は第四章 弁護士の権利及び義務に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第30条の前の条は弁護士法第29条です。
- 弁護士法第30条の次の条は弁護士法第30条の2です。
- 弁護士法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法30条は、弁護士が営利業務や会社役員を兼ねる際、あらかじめ所属弁護士会への届出を義務づける。届出内容は公開名簿に記載され、誰でも縦覧できる。
Q · 弁護士って会社の役員や副業をやってもいいの?
届出すれば可能。その内容は公開名簿に載る
弁護士法30条により、弁護士は営利業務を営むことも、会社の取締役・執行役・使用人になることもできます。2003年の改正で許可制から届出制に変わり、事前に所属弁護士会へ届け出れば足ります。ただし届出内容は『営利業務従事弁護士名簿』として弁護士会の事務所に備え置かれ、公衆の縦覧に供されます。つまり、どの弁護士がどんなビジネスに関わっているかは、依頼者でも競合でも誰でも閲覧できます。
解説
あなたが顧問弁護士を雇った。その弁護士が、実はあなたの取引相手企業の取締役も務めていたとしたら、どう感じるだろうか。2003年(平成15年)まで、弁護士が営利事業を営むには弁護士会の「許可」が必要だった。司法制度改革でこの条文は書き換えられ、今は事前の「届出」だけで済む。弁護士は会社を経営してもいいし、スタートアップの取締役にもなれる。ただし所属弁護士会に届け出る義務がある。ここからが多くの人の知らない部分だ。届出を受けた弁護士会は「営利業務従事弁護士名簿」を作り、事務所に備え置いて公衆の縦覧に供しなければならない(2項)。つまり、あなたの弁護士がどんなビジネスに関わっているかは、依頼者でも競合でも、誰でも閲覧できる形で残っている。利益相反を疑ったとき、この名簿があなたの最初の武器になる。
法的な位置づけ
弁護士法30条は、弁護士が営利業務を営み又は営利企業の役員・使用人となる際の手続を定める規定である。2003年改正により従来の許可制を届出制に改め、事前の届出を要件としつつ、届出事項を記載した営利業務従事弁護士名簿を公衆の縦覧に供することで職業活動の透明性を確保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.依頼前に弁護士の所属弁護士会を特定 委任状にサインする前に、依頼を検討している弁護士がどの単位弁護士会(東京・大阪・第二東京など)に所属しているかを確認する。所属会ごとに営利業務従事弁護士名簿が備え置かれているため、縦覧先を先に固める
- 2.営利業務従事弁護士名簿を縦覧 所属弁護士会の事務所に備え置かれた営利業務従事弁護士名簿を縦覧し、その弁護士が営む事業や兼職する会社の商号・業務内容・役職名を確認する(弁護士法30条2項)
- 3.相手方・関連企業との兼職を照合 名簿で確認した兼職先と、自分の事件の相手方やその関連企業・グループ会社を突き合わせる。相手方企業の役員欄や使用人欄に名前があれば、利益相反の可能性を疑う
- 4.利益相反が疑われれば25条で再検討 兼職が確認できたら、職務を行い得ない事件(弁護士法25条)に該当しないか別途検討する。該当の疑いが強ければ、機密を渡す前に別の弁護士へ切り替えるか、辞任を求める
よくある質問 AI による整理
Q1営利業務従事弁護士名簿とは?
弁護士が届け出た営利業務や兼職先を記載した名簿です。弁護士会が作成し事務所に備え置き、公衆の縦覧に供されます(弁護士法30条2項)。誰でも閲覧できます。
Q2弁護士の営利業務届出はいつまでにする?
営利業務を始める前、又は会社の取締役等・使用人になる前に『あらかじめ』届け出る必要があります(弁護士法30条1項)。事後ではなく事前の届出です。
Q3弁護士の営利業務届出はどこにするの?
自分が所属する弁護士会(東京弁護士会など)に届け出ます。届出先は単位弁護士会であり、日弁連や裁判所ではありません。
Q4弁護士は社外取締役になれる?
なれます。届出さえすれば営利企業の取締役・執行役・使用人を兼ねられます。届出を怠ると懲戒リスクが残ります(弁護士法30条1項)。
Q5弁護士法30条はいつ許可制から届出制に変わった?
2003年(平成15年)の司法制度改革で、所属弁護士会の許可制から事前届出制に改正されました。規制緩和と透明化を同時に図ったものです。
Q6営利業務従事弁護士名簿はどこで閲覧できる?
弁護士会の事務所に備え置かれ、公衆の縦覧に供されます(弁護士法30条2項)。所属弁護士会へ問い合わせれば縦覧の方法が確認できます。
Q7弁護士が届出をした会社を辞めたらどうする?
届出事項に変更が生じたとき、又は業務を廃止し役職・使用人でなくなったときは、遅滞なく変更届・廃止届を出す必要があります(弁護士法30条3項)。
Q8弁護士の兼職は届出すれば利益相反も解消する?
しません。届出は営利業務の透明化手続にすぎず、特定の依頼者との利益相反は別規定(弁護士法25条・職務を行い得ない事件)で個別に判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士って副業や会社経営していいんですか?
できる。2003年の改正で許可制から届出制になり、弁護士は営利事業を営んだり、会社の取締役・執行役・使用人になれる(弁護士法30条1項)。ただし事前に所属弁護士会への届出が必須。実務のポイント:届け出た内容は『営利業務従事弁護士名簿』として弁護士会の事務所で公衆の縦覧に供される(同条2項)。どの弁護士がどんなビジネスに関わっているかは、依頼者も競合も誰でも閲覧できる。これを知っている依頼者は、依頼前にここを覗く
Q2依頼する弁護士が相手企業と利害関係がないか、確認できますか?
できる。所属弁護士会に備え置かれた営利業務従事弁護士名簿を縦覧すれば、その弁護士が営む事業や兼職する会社の役職名がわかる(弁護士法30条2項)。実務のポイント:ただし名簿に載るのは『営利業務』の届出だけで、利益相反そのものの審査は別問題。職務を行い得ない事件の規定(弁護士法25条)で争う。名簿で兼職を見つけたら、次は25条の利益相反に当たらないかを確認する、という二段構えで動くのが実務の勘所
Q3弁護士が届出をせずに会社経営していたら、どうなりますか?
届出義務違反として弁護士会の懲戒対象になりうる。弁護士法56条の『品位を失うべき非行』に該当すると判断されれば、戒告から業務停止、最悪は除名まである。実務のポイント:懲戒には時効があり、事由があったときから3年を過ぎると手続を開始できない(弁護士法63条)。ただし兼職が継続中なら事由が続くと見られ時効は進みにくい。届出漏れに気付いた弁護士は、発覚を待つより自ら遅滞なく届け出る方が情状で有利になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士は副業禁止で、事件処理に専念しているはず」と思い込んでいる人が多いが、実際は届出さえすれば営利事業の経営も会社役員の兼職も自由(弁護士法30条1項)。あなたの弁護士が別の顔を持っている可能性は、想像より高い
- 名簿の存在を知っている人でも、それが「公衆の縦覧」、つまり一般市民の誰でも閲覧できる代物だという深刻さを見落としている(同条2項)。これは内部資料ではなく、依頼前のあなたが堂々と確認できる公開情報だ。使わないのは権利を捨てているに等しい
- 「弁護士が届出さえしていれば利益相反は問題ない」という問いの立て方自体が誤っている。届出は営利業務の透明化のための手続にすぎず、特定の依頼者との利益相反を禁じる規定(弁護士法25条)は完全に別ルートで動く。届出済み=利益相反クリア、ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の目的 | 弁護士法30条:営利業務・兼職の透明化(届出と公開名簿) | 弁護士法25条:特定の依頼者との利益相反の遮断 弁護士法23条:依頼者の秘密保持 |
| 規制の方式 | 事前届出制(2003年に許可制から移行) | 職務を行い得ない事件の禁止(実体的制限) 守秘義務の課賦 |
| 公開の有無 | 営利業務従事弁護士名簿として公衆の縦覧に供する | 非公開(個別事件ごとに判断) 非公開(秘密を保持する義務) |
| 違反の効果 | 届出義務違反として懲戒対象(弁護士法56条) | 職務行為の禁止・辞任、懲戒対象 守秘義務違反として懲戒・刑事責任 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師の兼職・兼業を制限し、公務員兼任の禁止や商業経営の制限を定める。日本のような全国一律の公開名簿制度は採らず、許可・制限型に近い。
韓国は弁護士の兼職について所属地方弁護士会の許可を要する許可制を維持しており、届出制へ移行した日本とは方式が異なる。
ドイツは弁護士業と相容れない第二職業(Zweitberuf)を理由に登録の拒否・取消しを定め、職業の両立可能性を実体的に審査する。届出公開型の日本とは設計思想が異なる。
米国は連邦統一規制を持たず、各州弁護士会規則とモデル規則が利益相反(1.7)や法務関連サービス(5.7)を規律する。兼職そのものより個別の利益相反審査に重点がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 顧問契約を結ぼうとしている弁護士が、あなたの競合他社の社外取締役も務めていた。守秘義務はあるとはいえ、業界の機密を握る相手の盤上に自分の手の内をさらすことになる。委任状にサインする前に弁護士会の名簿を縦覧していれば、兼職は事前に見抜けた
- もしあなたが弁護士で、友人のスタートアップから社外取締役を頼まれたら? 引き受ける前に、商号・業務内容・役職名まで所属弁護士会へ事前届出が要る。怠れば懲戒リスクが残る
- M&A のデューデリで、相手方の顧問弁護士がどんな企業と利害でつながっているか調べたい。クロージングまであと10日。弁護士会の営利業務従事弁護士名簿を縦覧すれば、その弁護士の兼職先が役職名つきで確認できる。交渉の最終局面で相手の足元を読む材料になる
- 離婚事件を依頼した弁護士が、なぜか相手配偶者の勤務先企業の事情にやけに詳しい。その弁護士が当該企業の役員や使用人を兼ねていないか、名簿が手がかりになる。兼職が事実なら、職務を行い得ない事件の問題として辞任を求める足場ができる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士に依頼する前、所属弁護士会の営利業務従事弁護士名簿を縦覧し、その弁護士の営む事業や兼職している会社・役職名を確認する(弁護士法30条2項) 2. 自分の事件の相手方やその関連企業の役員欄に名前があれば、利益相反の可能性を疑う3. 既に依頼済みで利益相反が疑われる場合は、職務を行い得ない事件(弁護士法25条)に該当しないか別途検討し、該当すれば辞任を求める4. 悪質なら所属弁護士会への懲戒請求も選択肢
訴えられた側:1. 営利業務を始める前、または会社の取締役・執行役・使用人になる前に、必ず所属弁護士会へ事前届出(弁護士法30条1項)。商号・業務内容・役職名まで記載する2. 届出事項に変更が出たら遅滞なく変更届を、業務をやめ役職を退いたら廃止届を出す(同条3項) 3. 届出をしても利益相反規制(弁護士法25条)は別途かかる、特定の依頼者との関係は個別に判断4. 届出漏れに気付いたら、発覚を待たず自ら遅滞なく届け出る、情状で大きく違う
時効(請求できる期限):営利業務を営む・役員等になる場合は「あらかじめ」(事前)の届出、届出事項の変更や廃止は「遅滞なく」の届出が義務(弁護士法30条1項・3項)。届出義務違反を理由とする懲戒は、事由があったときから3年で時効(弁護士法63条)。ただし兼職が継続している間は事由が続くと解されやすく、時効は進行しにくい
学説
通説:弁護士法30条の届出制は、弁護士の職業活動の自由を原則として認めつつ、届出と公衆縦覧という透明化装置によって依頼者の信頼と利益相反のリスクを社会の監視下に置く制度と理解される。実体的な利益相反の遮断は25条が担い、本条は自由と透明性の調整規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正 司法制度改革の一環として、弁護士が営利業務を営み又は営利企業の役員・使用人となるための要件を、従来の所属弁護士会の『許可制』から『届出制』へと改めた。あわせて営利業務従事弁護士名簿を作成し公衆の縦覧に供する仕組みを新設し、規制緩和と透明化を両立させた
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:司法制度改革の一環として、弁護士が営利業務を営み又は営利企業の役員・使用人となるための要件を、所属弁護士会の許可制から届出制へ改めた。あわせて営利業務従事弁護士名簿を作成し公衆の縦覧に供する仕組みを新設し、規制緩和と透明化を両立させた。
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