要点弁護士法57条の2は、業務停止または退会命令の懲戒を受けた弁護士法人が、当該弁護士会の地域内で法律事務所を設置・移転することを、停止期間中または処分日から3年間禁止する規定である。
Q · 業務停止になった弁護士法人は、隣のオフィスで営業を続けられる?
できない。停止地域内では事務所の新設・移転が禁じられる
弁護士法57条の2により、特定の弁護士会の地域内の全事務所について業務停止の懲戒を受けた弁護士法人は、停止期間中、その地域内で法律事務所を設けたり移転したりできません。さらに退会命令(57条2項3号)を受けた場合は、処分日から3年間、その弁護士会の地域内で事務所を設置・移転できません。看板を下ろして近隣で営業を続ける抜け道を、地理と時間の二重の縛りで封じる規定です。
弁護士法人が懲戒で業務停止を受けたとき、多くの人は「一定期間だけ営業を休むだけ」と考える。だが、それで終わらない。57条の2は、停止を受けた地域内で停止期間中に新しく法律事務所を構えたり移転したりすることを禁じる。つまり、看板を下ろして隣のオフィスを拠点に営業を続ける、という抜け道を法律であらかじめ塞いでいる。さらに重いのが2項だ。前条57条2項3号の退会命令(その弁護士会から事務所ごと追い出される、最も重い部類の処分)を受けた弁護士法人は、処分を受けた日から3年間、その弁護士会の地域内に事務所を設けることも移すこともできない。あなたがその法人に案件を任せている依頼者なら、依頼先が突然その地域から消える事態が現実に起こりうる。懲戒は単なる「一時停止」ではなく、地理的な縛りを伴う実効的な制裁なのだと、この一条が告げている。
弁護士法57条の2は、懲戒を受けた弁護士法人の事務所設置移転を制限する規定である。特定の弁護士会の地域内の全事務所について業務停止の懲戒を受けた場合は停止期間中、退会命令の懲戒を受けた場合は処分日から3年間、当該地域内での法律事務所の設置および移転を禁止する。
弁護士法57条が定め、戒告・2年以内の業務停止・退会命令・除名の4種類があります。57条の2はこのうち業務停止と退会命令に事務所の地理的制限を付け加える規定です。
退会命令はその弁護士会から事務所ごと追い出される処分で、別地域では活動余地が残ります。除名は最も重く、一定期間弁護士資格を失います。57条の2の3年制限は退会命令に課されます。
日本弁護士連合会が懲戒処分を公表しており、処分の種類・対象・期間を確認できます。重要案件を委任する前に確認すれば、地域からの撤退リスクを事前に把握できます。
違います。57条の2の事務所設置移転禁止は「全ての法律事務所について業務停止を受けた場合」が要件です。一部停止なら継続できる業務もあるため、処分の主文の範囲確認が重要です。
退会命令の処分を受けた日が起算点です。処分日を一日でも読み違えると、許されない時期の事務所移転で新たな懲戒事由を積み増す危険があります。
その法人は3年間その地域で事務所を持てず、担当体制が揺らぎます。担当社員弁護士が個人や別法人として受任継続できるかを早急に確認し、記録の引継ぎを書面で残す必要があります。
国の役所ではなく弁護士会という自治組織が判断・執行します。弁護士が弁護士を律する弁護士自治の枠内で、懲戒手続が進められます。
57条の2が禁じるのは「当該懲戒を行った弁護士会の地域内」のため、別の弁護士会の地域は条文上の射程外です。ただし処分歴は公表され、評判は地域を越えて追いかけます。
業務の停止そのものは57条1項の懲戒の効果で止まりますが、57条の2が加えるのは「場所」の縛りです。停止を受けた地域内で停止期間中に事務所を新設・移転することを禁じ、別拠点で実質営業を続ける抜け道を塞ぎます。業界裏話ヒント:停止の範囲は「全部」か「一部」かで実務上の動ける幅が変わります。一部停止なら継続できる業務もあるため、処分の主文を一字一句確認することが、依頼者にとっても法人にとっても決定的になります
禁じられるのは「当該懲戒を行つた弁護士会の地域内」での設置移転であり、別の弁護士会の地域は条文上の射程外です。ただし3年間その地域に戻れない点は重く、依頼者基盤や拠点が固定された法人には致命傷になりえます。業界裏話ヒント:退会命令は弁護士法人にとって除名に次ぐ重さの処分で、その地域での再起を3年凍結します。処分歴は日弁連で公表されるため、地域を変えても評判は追いかけてきます(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 規定の性質 | 57条の2:懲戒に伴う事務所設置移転の地理的・時間的制限 | — |
| 発動の起点 | 業務停止・退会命令の処分を受けた日 | — |
| 効果 | 地域内での事務所の設置・移転禁止(停止期間中または3年間) | — |
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