放送法 第32条(委員の権限等)
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- 委員は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。
- 2.委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない。
この条文の基本情報
委員の権限等とは何ですか?
定義委員の権限等とは、放送法第32条に定められた規定で、「委員は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第32条(委員の権限等)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第32条の条文原文は「委員は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。」で始まります。
- 放送法第32条は第三節 経営委員会に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第32条の前の条は放送法第31条です。
- 放送法第32条の次の条は放送法第33条です。
- 放送法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法32条は、NHK経営委員が個別の放送番組の編集や協会の業務を執行することを原則禁じ、番組編集について同法3条の編集の自由に抵触する行為を禁止する。
Q · NHKの経営委員は、ニュースや番組の内容に口出しできるの?
できない。個別番組の編集への介入は本条で禁止
放送法32条1項により、NHK経営委員は法令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他協会の業務を執行できません。2項は、個別番組の編集について同法3条の放送番組編集の自由に抵触する行為を禁じています。経営委員会の役割は、会長の任命や予算・経営計画の議決など経営の大枠の監督にとどまり、番組の中身を決めるのは会長以下の執行部です。
解説
NHKの経営委員は12人いる。内閣総理大臣が任命し、衆参両院の同意を得て就任する(放送法31条)。会長の任命・罷免、予算、経営計画を決める権限を持つ、NHKの最高意思決定機関の構成員である(同29条)。それだけの権力者でも、ニュースの中身には口を出せない。それを定めているのが本条だ。1項は、委員個人が番組の編集や協会の業務執行に手を出すことを原則として禁じる。2項は、個別の番組について、第3条の「放送番組編集の自由」に抵触する行為をしてはならないと定める。仕組みの意味はこうだ。毎月あなたが払う受信料(64条)は、政治が任命した人たちが監督する組織に流れている。その組織の報道が任命した側に都合よく曲がらないよう、経営の席と編集の席の間に法律で壁を立てている。2018年、かんぽ生命の不正販売を追った番組をめぐり、経営委員会が会長を厳重注意した件では、この壁を越えたのではないかと国会で追及された。本条を知っていれば、NHKの報道が揺れたとき、どこを見ればよいかが分かる。
法的な位置づけ
放送法32条は、日本放送協会(NHK)経営委員会の委員の権限を制限する規定である。委員は法令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他協会の業務を執行できず、個別番組の編集について同法3条の放送番組編集の自由に抵触する行為を禁じられる。監督と執行を分離し、報道の独立を確保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1NHK経営委員会とは何ですか?
NHKの経営の基本方針や会長の任命、予算・経営計画などを議決する最高意思決定機関です。委員12人で構成され、首相が両議院の同意を得て任命します。
Q2NHK経営委員は何人いますか?
12人です。内閣総理大臣が衆参両議院の同意を得て任命し、全国各地や各分野から公平に選ぶことが求められています。
Q3NHK経営委員の権限はどこまで?
会長の任命・罷免、予算、経営計画など経営の大枠を決める権限を持ちますが、放送法32条により個別番組の編集や業務執行はできません。
Q4NHK経営委員会の議事録は見られる?
見られます。放送法は経営委員会に議事録の作成と公表を義務付けており、NHKのウェブサイトで過去の議事録を確認できます。
Q5放送法32条 違反するとどうなる?
本条違反そのものへの刑罰規定はありません。実際には国会での追及や報道による批判、委員の罷免手続の議論といった形で責任が問われます。
Q6かんぽ報道 NHK 経営委員会 何が問題だった?
かんぽ生命の不正販売を扱った番組をめぐり、経営委員会が会長を厳重注意したことが、形式は監督でも実質は個別番組への介入ではないかと国会で問題視されました。
Q7NHK経営委員と会長の違いは?
経営委員会は監督と基本方針の決定を担い、会長は執行部のトップとして番組を含む業務を執行します。会長は経営委員会が任命します。
Q8放送番組編集の自由とは?
放送法3条が定める原則で、放送番組は法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉・規律されないとするものです。本条2項の保護対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1NHKの経営委員って、番組に文句を言っちゃいけないんですか?
委員会の合議として経営方針を議論することは認められるが、委員が個別番組の編集について第3条の編集の自由に抵触する行為をすることは本条2項で禁じられている。個人として担当者に意見をぶつけることも危うい。実務のポイント:問題視されるのは露骨な指示より、会長への『注意』や『説明要求』という形の間接的な働きかけである。議事録の言い回しの変化にこそ痕跡が残る
Q2違反したら経営委員は罰せられるんですか?
本条違反そのものに刑罰はない。ただし委員の罷免について定める放送法31条の規定があり、職務上の義務違反などがあれば内閣総理大臣が両議院の同意を得て罷免できる仕組みになっている(具体的要件は条文で要確認)。実務のポイント:実際に効くのは罷免より国会審議と報道である。本条を根拠にした国会質問は議事録に残り、委員会運営を事実上変えさせてきた
間違えやすい点 AI による整理
- 「経営委員会はNHKのトップなのだから、番組の方針も決められるはずだ」と思われがちだが、本条1項は委員による業務執行を原則として禁じている。業務を執行するのは会長以下の執行部であり、経営委員会の役割は監督と基本方針の決定にとどまる
- 「番組に介入しなければ、経営委員は何を言っても自由だ」という理解は浅い。問題になりやすいのは、番組そのものではなく会長や執行部への『ガバナンス上の注意』という形をとった働きかけである。かんぽ報道をめぐる会長への厳重注意が批判されたのは、形式は経営への監督でも、実質が個別番組への圧力に見えたからだ。外形が監督か介入かではなく、効果が編集に及ぶかが問われる
- 視聴者から見れば経営委員会は遠い存在だが、法律から見れば、受信料を払う人の利益を代表して執行部を監督する機関である。その機関が議事録の公開に消極的だった時期には、視聴者は判断材料すら持てなかった。遠いと感じて関心を手放すことが、壁を緩める一番の原因になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 放送法32条:経営委員個人の権限の制限 | 放送法29条:経営委員会(合議体)の権限と議決事項 放送法3条:何人に対しても及ぶ番組編集の自由 |
| 内容 | 個別番組の編集・業務執行の禁止と、3条に抵触する行為の禁止 | 会長任命、予算、経営計画など経営の大枠の議決 法律の権限に基づかない番組への干渉・規律の禁止 |
| 名宛人 | NHK経営委員 | NHK経営委員会 何人も(政府・第三者を含む) |
| 実効性の担保 | 議事録公表(41条)、国会審議、報道による監視 | 議決手続と議事録公表 放送事業者の自律と番組基準 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公共電視も董事会が経営を監督する構造をとり、董事の選任には立法院関与の審査委員会が関わる。政治的選任と編集の独立をどう両立させるかという課題は日本と共通する
韓国は放送編成の自由と独立を明文で保障し、KBS理事会が経営を担う。理事の推薦をめぐる政党間の対立が繰り返し問題となっている点は、日本の同意人事の議論と比較できる
ドイツの公共放送は放送評議会(Fernsehrat)と管理評議会が監督し、国家から距離をとる原則(Staatsferne)が憲法上要請される。政府・政党関係者の比率の制限が問題とされてきた
米国では公共放送公社(CPB)を通じた資金配分の仕組みがとられ、番組内容への政治的干渉を避ける設計が意図された。資金と編集の分離という発想が本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- NHKで調査報道の続編が突然延期されたとニュースで見た。その数週間前に経営委員会で番組への苦情が話題になっていたら、これは偶然だろうか? 本条2項と、委員会の議事録公表義務(41条)を合わせて読むと、市民が自分で確かめる道筋が見えてくる
- 経営委員に就任した企業経営者が、会食の席で番組の担当者に「あの特集は偏っている」と漏らした。委員会の場ではなく個人として言っただけでも、個別番組の編集に介入したと評価されかねない。善意の感想が、本条2項の問題に化ける
学説
一般的理解:本条は、経営委員会による監督と、会長以下の執行部による業務執行を分離する規定と理解される。経営の大枠への監督は許されるが、その効果が個別番組の編集に及ぶ働きかけは2項に抵触しうるとされ、監督と介入の境界が議論の中心となっている
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