放送法 第80条(放送債券)
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- 協会は、放送設備の建設又は改修の資金に充てるため、放送債券を発行することができる。
- 2.前項の放送債券の発行額は、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による協会の純財産額の三倍を超えることができない。
- 3.協会は、発行済みの放送債券の借換えのため、一時前項の規定による制限を超えて放送債券を発行することができる。この場合においては、発行する放送債券の払込みの期日(数回に分けて払込みをさせるときは、第一回の払込みの期日)から六箇月以内にその発行額に相当する額の発行済みの放送債券を償却しなければならない。
- 4.協会は、第一項の規定により放送債券を発行したときは、毎事業年度末現在の発行債券未償却額の十分の一に相当する額を償却積立金として積み立てなければならない。
- 5.協会は、放送債券を償却する場合に限り、前項に規定する積立金を充当することができる。
- 6.協会の放送債券の債権者は、協会の財産について他の債権者に先立ち自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- 7.前項の先取特権の順位は、民法の一般の先取特権に次ぐものとする。
- 8.前各項に定めるもののほか、放送債券に関し必要な事項については、政令の定めるところにより、会社法(平成十七年法律第八十六号)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下「社債等振替法」という。)の社債に関する規定を準用する。
この条文の基本情報
放送債券とは何ですか?
定義放送債券とは、放送法第80条に定められた規定で、「協会は、放送設備の建設又は改修の資金に充てるため、放送債券を発行することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第80条(放送債券)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第80条の条文原文は「協会は、放送設備の建設又は改修の資金に充てるため、放送債券を発行することができる。」で始まります。
- 放送法第80条は第七節 財務及び会計に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第80条の前の条は放送法第79条です。
- 放送法第80条の次の条は放送法第81条です。
- 放送法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法80条は、NHKが放送設備の建設・改修資金に限り放送債券を発行できると定める。発行額は会計検査院の検査を経た純財産額の三倍が上限となる。
Q · NHKって借金できるの?いくらまで借りられるの?
設備資金に限り可能、上限は純財産の三倍まで
放送法80条により、NHKは放送設備の建設又は改修の資金に充てる場合に限り、放送債券を発行できます。発行額の上限は、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による純財産額の三倍です(2項)。借換えのための一時的な超過は認められますが、6か月以内に同額を償却しなければなりません(3項)。さらに毎事業年度末の未償却額の十分の一を償却積立金として積み立てる義務があります(4項)。
解説
NHKは借金ができる。ただし、借りられるお金には三つの縛りがある。一つ目は使い道で、放送設備の建設や改修の資金に限られる。番組制作費や人件費の穴埋めには使えない。二つ目は上限で、発行額は会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表に載っている純財産額の三倍まで。三つ目は返済の備えで、毎事業年度末の未償却残高の十分の一を償却積立金として積み立てる。この積立金は債券を償却するときにしか取り崩せない。もう一点、見落とされやすい規定がある。放送債券を持つ人は、NHKの財産から他の債権者より先に弁済を受ける権利(先取特権:担保を設定しなくても法律が自動的に与える優先弁済の権利)を持つ。ただし順位は、民法の一般の先取特権(職員の給料債権など)の次である。あなたが毎月払う受信料は、最終的にこの債券の元利払いを支える財源にもなっている。NHKの財務を「受信料の値段」だけで見るのか、「借金の上限と返済の順番」まで見るのか。その違いが、NHK改革をめぐるニュースの読み方を変える
法的な位置づけ
放送債券とは、日本放送協会が放送法第80条に基づき、放送設備の建設又は改修の資金に充てる目的で発行する債券をいう。発行額は会計検査院の検査を経た貸借対照表上の純財産額の三倍を上限とし、債権者は協会の財産について民法の一般の先取特権に次ぐ順位の先取特権を有する。
よくある質問 AI による整理
Q1放送債券とは何ですか?
日本放送協会(NHK)が放送法80条に基づいて発行する債券です。使い道は放送設備の建設又は改修の資金に限られています。
Q2NHKの借金の上限はいくらですか?
会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による純財産額の三倍までです(放送法80条2項)。
Q3償却積立金とは何ですか?
毎事業年度末の放送債券未償却額の十分の一をNHKが積み立てるお金です。債券の償却以外には使えません(80条4項・5項)。
Q4NHKは上限を超えて債券を発行できる?
発行済み債券の借換えに限り一時的に超過できます。ただし払込期日から6か月以内に同額の発行済み債券を償却する必要があります。
Q5放送債券の先取特権の順位は?
協会の財産について他の債権者に優先しますが、順位は民法の一般の先取特権(雇用関係の債権など)の次です(80条6項・7項)。
Q6放送債券に会社法は適用される?
80条8項により、政令の定めるところで会社法と社債等振替法の社債に関する規定が準用されます。直接適用ではなく準用です。
Q7放送債券の発行上限 会計検査院 なぜ?
第三者検査を経た数値を基準にすることで、NHKが自ら純財産を大きく見せて借入枠を広げることを防ぐ仕組みです。
Q8放送債券はNHKのどんな設備に使われる?
条文上は放送設備の建設又は改修の資金です。送信所や放送局の設備などが該当し、運営費の穴埋めには充てられません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1NHKの放送債券って、もしNHKが潰れたらちゃんと返ってくるんですか?
放送法80条6項により、債券保有者はNHKの財産から他の債権者より先に弁済を受ける先取特権を持ちます。ただし7項で順位は民法の一般の先取特権(民法306条、職員給料など)の次とされ、本条に政府保証の定めはありません。実務のポイント:優先弁済権は担保を持たない債権者より強い一方、最優先ではありません。「NHKだから絶対安全」ではなく、財産の厚みで判断する商品です
Q2NHKって番組を作るお金が足りなくなったら、債券を出して借金できるんですか?
できません。放送法80条1項は、放送債券の使途を放送設備の建設または改修の資金に限っています。番組制作費や人件費の不足を債券で埋めることは想定されていません。実務のポイント:この使途制限があるため、NHKの運営費は基本的に受信料収入でまかなう構造になります。設備投資の時期と規模を見ると、財務の先行きが読めます
間違えやすい点 AI による整理
- 「NHKの債券なのだから国債と同じで、国が返済を保証している」と思われがちだが、本条に政府保証の定めはない。債券保有者を守るのは、NHKの財産に対する先取特権と償却積立金の仕組みである。信用の源泉は国ではなく、NHK自身の財産と受信料収入だ
- 「純財産の三倍まで」という上限は知られていても、その基準が直近の業績ではなく、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表である点はあまり知られていない。検査を経るまでの時間差があるため、足元で財務が悪化していても、上限額はすぐには縮まない。上限は常に少し過去を見て決まっている
- 先取特権というと「誰よりも先に返してもらえる」と受け取られがちだが、法律から見ると話は違う。第7項は順位を民法の一般の先取特権の次と定めている。つまり、未払いの職員給料などの雇用関係の債権が先に立つ。債券保有者は担保を持たない一般債権者より前だが、最前列ではない。この落差を知らずに「最優先」と信じると、リスクの見積もりを誤る
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公共電視は政府の寄付予算や事業収入等を経費来源とし、日本の放送債券のような法定先取特権付きの債券発行制度は条文上見当たらない
韓国KBSは受信料を主な財源とする点で日本と近いが、財源構成の規律は方式が異なる
ドイツの公共放送は放送負担金(Rundfunkbeitrag)を主財源とし、独立委員会(KEF)が所要財源を審査する点で、外部検査を基準とする日本と発想が近い
米国は受信料制度を持たず、CPBを通じた連邦交付金と寄付が中心で、公共放送の債券発行を個別法で規律する構造ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし NHK が大規模な送信設備の更新を決め、放送債券を新たに発行するとニュースで報じられたら、受信料にどう跳ね返ってくるのか? 発行額は純財産の三倍が上限で、毎年度末の残高の一割を積み立てる義務がある。その積立と元利払いの原資の大部分は受信料収入である。設備投資の規模を見れば、将来の受信料値下げ余地がどれだけ食われるかを逆算できる
- 証券会社の担当者から「日本放送協会の放送債券、優先弁済権付きです」と勧められた。返事の期限は明後日の申込締切。確認すべきは、優先順位が民法の一般先取特権の次であり、政府保証の規定は本条にないという点だ
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)改正 放送法の全体的な再編に伴い、日本放送協会の規定の条番号が移動し、現行の第80条に位置付けられたとみられる。旧条番号と文言変更の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:放送法制定(昭和25年法律第132号)により日本放送協会が設立され、協会の財務規定の一部として放送債券制度が設けられた。制定時の条番号は現行と異なる
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、第8項の準用先が会社法の社債に関する規定となった
- 3.平成22年(2010年) 改正:放送法の全体的な再編に伴い条番号が整理され、現行の第80条に位置付けられたとみられる(旧条番号と文言変更の有無は要検証)
- 放送法 第64条受信料制度、債券償還の主な原資
- 放送法 第79条会計検査院の検査、発行上限の基準(現行効力を要確認)
- 放送法 第70条収支予算・資金計画の国会承認(現行効力を要確認)
- 民法 第306条一般の先取特権の種類、7項の順位基準
- 民法 第329条一般の先取特権相互間の順位
- 会社法 第676条準用される社債の募集事項の規定
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