放送法 第70条(収支予算、事業計画及び資金計画)
クイックジャンプ
- 協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
- 2.総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付すとともに同項の中期経営計画を添え、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。
- 3.前項の収支予算、事業計画及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が付してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。
- 4.第六十四条第一項の規定により同条第八項第一号に規定する受信契約を締結した者から徴収する受信料の額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。
この条文の基本情報
収支予算、事業計画及び資金計画とは何ですか?
定義収支予算、事業計画及び資金計画とは、放送法第70条に定められた規定で、「協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第70条(収支予算、事業計画及び資金計画)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第70条の条文原文は「協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。」で始まります。
- 放送法第70条は第七節 財務及び会計に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第70条の前の条は放送法第69条です。
- 放送法第70条の次の条は放送法第71条です。
- 放送法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法70条は、NHKの収支予算を総務大臣の意見付きで内閣経由で国会に提出し承認を受けると定める。受信料の額は国会の予算承認で決まる。
Q · NHKの受信料の額は、どういう手続で決まるの?
国会がNHKの収支予算を承認することで決まる
放送法70条により、NHKは毎事業年度の収支予算・事業計画・資金計画を作り、中期経営計画を添えて総務大臣に提出します。総務大臣はこれを検討して意見を付け、内閣を経て国会に提出し、承認を受けます。同条4項は、受信契約者から徴収する受信料の額は、国会がこの収支予算を承認することによって定めると規定しています。大臣が変更すべき旨の意見を付けた場合、国会の委員会はNHKの意見を聴くものとされています(同条3項)。
解説
NHK の受信料の額は、NHK が自分で決めているわけではない。本条4項によれば、国会が NHK の収支予算を承認することで、受信料の額も決まる。値下げも値上げも、法的には国会の承認で確定するということだ。仕組みは三段階になっている。NHK が毎年度の収支予算、事業計画、資金計画を作り、中期経営計画を添えて総務大臣に出す(1項)。総務大臣はそれを検討して意見を付け、内閣を経て国会に出し、承認を受ける(2項)。大臣が「変更すべき」という意見を付けた場合、国会の委員会は NHK の言い分を聴かなければならない(3項)。毎年春、衆参の総務委員会で NHK 会長が答弁している場面は、あなたが払う月々の受信料の額を国会が審議している場面なのである。受信料に不満があるなら、言う相手は NHK の集金窓口だけではない。地元選出の国会議員も、その相手になる。
法的な位置づけ
放送法第70条は、日本放送協会の収支予算、事業計画及び資金計画について、総務大臣への提出、総務大臣による意見の付記、内閣を経た国会への提出及び国会の承認という一連の手続を定める規定である。同条4項は、受信契約を締結した者から徴収する受信料の額が、国会による収支予算の承認によって定められる旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1NHK予算の国会承認とは?
NHKの毎年度の収支予算・事業計画・資金計画を、総務大臣の意見を付けて内閣経由で国会に提出し、承認を受ける手続です。放送法70条が根拠です。
Q2NHK予算はいつ国会で審議される?
新年度の予算として、通常は年度が始まる前の2月から3月ごろ、衆参の総務委員会で審議されます。NHK会長らが出席し質疑に答えます。
Q3受信料の値下げはいつ確定する?
値下げを盛り込んだ収支予算を国会が承認した時点で、法的に額が定まります(放送法70条4項)。NHKの発表段階ではまだ「案」にすぎません。
Q4総務大臣の意見とは何?
総務大臣がNHKの予算案を検討して付ける意見です。決定権ではなく、国会審議の参考資料という位置づけ。変更すべきとの意見なら委員会はNHKの意見を聴きます。
Q5NHKの中期経営計画とは?
NHKが複数年度にわたる経営方針を示す計画です。放送法70条により、毎年度の収支予算等に添えて総務大臣、さらに国会へ提出されます。
Q6NHK予算の附帯決議とは?
国会が予算を承認する際に付ける要望・注文の決議です。法的な拘束力は限られますが、NHKはその後の経営計画や国会答弁で対応を問われます。
Q7受信料に国会で反対できる?
一般の人が直接投票することはできません。ただ審議する総務委員会の議員や地元選出議員に意見を届ければ、質疑の材料になることがあります。
Q8NHK予算の審議はどこで見られる?
衆議院・参議院のインターネット審議中継で総務委員会を視聴でき、後日は国会会議録検索システムで議事録を読めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受信料って結局誰が決めてるんですか?NHKが勝手に上げられるの?
NHK が単独で上げることはできない。放送法70条4項により、受信料の額は国会が NHK の収支予算を承認することで定まる。NHK は額を盛り込んだ予算案を作り、総務大臣の意見を付けて内閣経由で国会に提出するだけである。実務のポイント:毎年の審議では附帯決議が付くことが多い。そこに書かれた内容は、NHK の次の経営計画で回答を求められる宿題になる
Q2国会で決まるなら、受信料は税金と同じじゃないの?
同じではない。受信料の支払義務は、受信設備の設置者が NHK と結ぶ受信契約(放送法64条)から生じる契約上の債務であり、最高裁も契約締結を義務づける仕組みを合憲と判断した(最大判平成29.12.6)。国会が関与するのは額の決定だけである。実務のポイント:契約上の債権なので、未払分には消滅時効(5年)が問題になる。請求された期間が5年を超えていないか確認する価値はある(最新の判例・改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「受信料は NHK が一方的に決めている」と思われがちだが、本条4項は、額を定めるのは国会だと明記している。NHK は予算案に額を盛り込んで提出できるだけで、国会の承認がなければ額は確定しない
- 国会の承認があると知っていても、多くの人はそれを形式的な手続にすぎないと見ている。だが毎年の総務委員会審議では、受信料の水準、不祥事、ネット業務の拡大などについて NHK 会長が厳しく追及される。承認に付される附帯決議は、翌年度以降の NHK の経営方針を実際に縛る材料になっている
- 「国会が額を決めるなら受信料は税金だ」と考える人もいるが、法の建て付けは違う。受信料は、受信設備の設置者が NHK と結ぶ受信契約(64条)に基づく債務であり、税ではない。額の決め方だけが国会の関与を受ける特殊な料金なのである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 放送法70条:NHKの収支予算・事業計画・資金計画と受信料の額の決定手続 | 放送法64条:受信設備設置者の受信契約締結義務(受信料債務の発生根拠) 放送法29条:経営委員会による協会内部の議決事項 |
| 関与する機関 | NHK→総務大臣→内閣→国会 | NHKと受信設備の設置者(契約当事者) NHKの経営委員会 |
| 受信料との関係 | 受信料の「額」を国会の予算承認で定める | 受信料を「払う義務」を受信契約で基礎づける 予算案を外部に出す前の協会内部の意思決定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公共電視は受信料制度を持たず、政府捐贈経費が立法院の予算審議を経る。国会による財政統制という点では共通するが、財源の性質が異なる
韓国KBSの受信料は、KBS理事会の議決、放送通信委員会を経て国会の承認で確定する。国会承認型という点で日本と最も近い
ドイツは独立機関KEFが必要額を審査・勧告し、州間協定を各州議会が承認する。政治的介入を抑えるため専門機関を挟む点が日本と異なる
米国は受信料制度がなく、公共放送公社CPBへの連邦議会の歳出承認と寄付で運営される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受信料が1割下がったとニュースで聞いたが、なぜ NHK が勝手に値下げできたのか不思議に思わないだろうか。値下げを盛り込んだ収支予算を国会が承認し、それで新しい額が確定した。値下げも値上げも、国会の承認を通らなければ実現しない
- もし3月末までに国会が NHK 予算を承認できなかったら、どうなる? 年度が始まっても、新しい受信料額の根拠が定まらない状態が生じうる。国会の空転は、あなたの受信料にまで波及する(暫定的な扱いの具体的な手続は最新の条文をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は、番組編集の自律には立ち入らず、財政の入口である予算と受信料の額だけを国会承認にかけることで、国民負担への民主的統制と公共放送の自主自律を両立させる仕組みと理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)改正(要確認) 放送法の大規模な改正に伴い、旧37条の協会予算に関する規定が現行の条番号へ移ったとみられる。人的検証が必要
- 令和4年(2022年)改正(要確認) 中期経営計画を予算に添えて提出する仕組みが導入されたとみられる。受信料の引下げ原資の扱いとの関係も含め、人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:放送法制定時に、協会の収支予算等を総務大臣(当時は電波監理委員会等の関与を経る体制)経由で国会承認にかける制度が設けられた。当時の条番号と手続の細部は要確認
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める