建築基準法 第32条(電気設備)
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建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。
この条文の基本情報
電気設備とは何ですか?
定義電気設備とは、建築基準法第32条に定められた規定で、「建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第32条(電気設備)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第32条の条文原文は「建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。」で始まります。
- 建築基準法第32条は第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第32条の前の条は建築基準法第31条です。
- 建築基準法第32条の次の条は建築基準法第33条です。
- 建築基準法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法32条は、建築物の電気設備を、電気工作物に係る安全及び防火に関する法令が定める工法によって設けるべきと規定する。基準の実体は電気設備技術基準省令にある。
Q · 電気工事の手抜きって、業者との契約の話だけで終わりますか?
電気工事の不備は建築基準法違反にもなります
建築基準法32条は、建築物の電気設備を、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によって設けなければならないと定めます。基準の実体は電気事業法39条に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令にあり、32条はそこへの参照装置です。そのため電気工事の不適合は電気工事士法や電気事業法の問題にとどまらず、同時に建築基準法違反となり、特定行政庁が同法9条に基づき是正命令を出せる対象になります。
解説
コンセントの増設をリフォーム業者に頼んだとする。工事は半日で終わり、見た目は何も問題ない。だがその配線が電気設備技術基準に適合していなければ、建物は建築基準法違反の状態に入っている。建築基準法32条は、建築物の電気設備について「法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法」によらなければならないと定める。つまり建築基準法は電気の技術基準を自前で書かず、電気事業法とその下の電気設備技術基準(省令)を丸ごと取り込んでいる。ここがこの条文の特異な構造だ。あなたにとって何が変わるか。電気工事の不良は「電気事業法の問題」で終わらず、同時に建築基準法違反となり、特定行政庁(建築行政を担当する市区町村または都道府県)が是正命令を出せる対象になる。そして火災が起きたとき、この二重の法的位置づけが保険金の査定と責任追及の射程を決める。
法的な位置づけ
建築基準法32条は、建築物の電気設備が満たすべき工法について、電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関する法令の定めによるべき旨を規定する。基準の実体を自ら定めず、電気事業法およびこれに基づく電気設備に関する技術基準を定める省令を参照することにより、電気設備の技術基準を建築物の法適合性の一要素として組み込む規定である。
手順
- 1.発注前に契約書へ技術基準適合条項を入れる 見積書にサインする前に、契約書へ「電気設備に関する技術基準を定める省令に適合すること」「竣工時に絶縁抵抗測定結果および接地抵抗測定結果を書面で提出すること」の二行を追記する。この二行があるだけで、後日の債務不履行立証が契約書一枚で足りる
- 2.施工者の資格と施工体制を確認する 実際に配線工事を行う者の電気工事士免状、電気工事業者の登録を確認し、下請が入る場合は施工体制台帳で責任範囲を書面化しておく。見積書の「電気工事一式」表記のままサインしない
- 3.竣工時に測定結果と図面を書面で受け取る 絶縁抵抗測定結果、接地抵抗測定結果、分電盤の回路図を含む竣工図面を書面またはPDFで受領し、保管する。記録がないと、数年後に事故が起きたときに不適合の立証が事実上できなくなる
- 4.不適合が疑われたら第三者点検と二系統の相談 第三者の電気工事業者または建築士に点検を依頼して不適合箇所を書面化し、業者が是正に応じない場合は特定行政庁(市区町村の建築指導課)と管轄の産業保安監督部の両方に相談して、どちらが動くかを見極める
よくある質問 AI による整理
Q1建築基準法32条とは何ですか?
建築物の電気設備を、電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関する法令が定める工法で設けるよう義務づける規定です。基準そのものは書かず、電気側の省令を参照する構造になっています。
Q2電気工事の不備で是正命令が出ることはありますか?
あります。技術基準に適合しない電気設備は建築基準法32条違反の状態となり、特定行政庁が同法9条に基づき所有者・管理者に是正命令を出しうる対象になります。
Q3賃貸物件の電気設備の維持責任は誰にありますか?
建築基準法8条により、建築物を法適合の状態に維持する責任は所有者・管理者・占有者に及びます。施工業者が廃業した後も、この維持責任は建物側に残ります。
Q4太陽光パネルの設置も建築基準法32条の対象ですか?
屋根上の太陽光発電設備は電気工作物であると同時に建築物の一部となるため、配線等が技術基準に反すれば32条違反の状態を同時に作りうると整理できます。
Q5電気工事の完了後に何をもらっておくべきですか?
電気工事士の資格者証の確認、絶縁抵抗測定結果、接地抵抗測定結果、竣工図面の書面交付です。記録がなければ後日の不適合立証が事実上困難になります。
Q6漏電火災が起きたら誰の責任になりますか?
施工業者の債務不履行・不法行為責任に加え、建築物を法適合に維持する所有者側の責任も問題になります。火災の場合は失火責任法の重過失要件も確認が必要です。
Q7建築確認で電気設備はどこまで審査されますか?
32条が単独で細部まで審査されるというより、実務上は工事完了時点の施工資格と施工記録で担保されます。だからこそ施主側の記録確保が実効的な自衛手段になります。
Q8EV 充電設備の設置に建築基準法は関係ありますか?
関係します。駐車場への充電設備設置工事が技術基準に反すれば、電気側の問題であると同時に建築物全体の法適合性、すなわち32条の問題に跳ね返ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1コンセント増設くらいなら自分でやってもいいんですか?
一般住宅の屋内配線工事は原則として電気工事士の資格が必要で、無資格施工は電気工事士法違反です。さらにその工事が技術基準に反していれば、建築基準法32条違反の状態も同時に作ります。実務のポイント:火災保険の実務では、火災原因が無資格・不適合な電気工事だと判明すると、保険金の支払いをめぐって争点になりやすい。DIY で節約した数万円が、保険で数千万円を失う分岐点になりうる
Q2建築基準法32条を読んでも、具体的にどうすればいいのか何も書いてないんですが?
そのとおりで、32条は基準を書かず、電気事業法39条に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令とその解釈に丸投げする構造です。実際に確認すべきはそちらの省令と、経済産業省が示す解釈です。実務のポイント:建築確認の実務でも32条は単独で細かく審査されるより、電気工事の完了時点の資格と施工記録で担保される。だから記録を残させることが、施主にとって唯一実効性のある自衛手段になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「電気工事の不備は電気事業法や電気工事士法の問題」と整理している人は多い。だがそこで止まると射程を見誤る。同じ不備が建築基準法32条違反でもあり、建築基準法9条の是正命令、さらに違反が是正されない場合の罰則まで射程が伸びる。監督官庁が経済産業省系だけでなく、建築行政側にも存在するという事実が、交渉相手の選択肢を二本にする
- 32条を読んで「どういう工法が適法なのか」を探そうとするなら、問いの立て方が違っている。この条文は基準そのものを一切書いていない。基準は電気事業法39条に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令にあり、32条はそこへの参照装置でしかない。条文を何度読んでも答えが出ないのは、答えが別の法律に置いてあるからだ
- 建物の持ち主から見れば「工事を発注して代金を払えば終わり」だが、建築基準法から見れば、竣工後もその建築物を法適合の状態に維持する責任は所有者・管理者に張り付いている(建築基準法8条)。この落差が、施工業者が倒産・廃業した後にあなたを直撃する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 建築基準法32条:建築物の電気設備の工法 | 建築基準法33条:避雷設備の設置 建築基準法8条:建築物全体の維持保全 |
| 基準の所在 | 自ら基準を書かず、電気事業法に基づく電気設備技術基準省令を参照 | 高さ20m 超の建築物について本法・政令が要件を定める 基準は各規定に分散、本条は維持する努力義務の根拠 |
| 主たる義務者 | 建築物を建築・設置する側(設計者・施工者・建築主) | 建築主・所有者 所有者・管理者・占有者 |
| 違反時の接続先 | 建築基準法9条の是正命令+電気事業法・電気工事士法の系統 | 建築基準法9条の是正命令 12条の定期報告等を通じた行政指導 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建築技術規則の中に電気設備の章を置き、詳細は屋內線路裝置規則に委ねる。建築法規側が章を持つ点で、条文一本で外部法令を参照する日本32条とは構造が異なる
韓国も建築法に建築設備の基準規定を置き、細目を大統領令・国土交通部令に委任する。電気関係法令との二系統の監督という点は日本と類似する
ドイツは州建築法(LBO)が配線設備の防火要件を定め、技術的細目は VDE 規格が担う。規格を法が参照する構造は日本の32条と同型である
米国は民間団体 NFPA が策定した NEC を各州・地方政府が建築基準として採択(adoption by reference)する方式。私的規格の法への取り込みという点で参照構造が際立つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古の店舗物件を借りて飲食店を開こうとしたら、厨房の電気容量が足りず、前のテナントが無資格で分電盤をいじった痕跡が見つかった。この状態で営業を始めて火災が起きれば、原因は「あなたの内装工事」と切り分けられず、32条違反の是正命令があなた宛に来る可能性がある
- もし賃貸アパートで漏電火災が起き、原因が大家の発注した電気工事の手抜きだったとしたら? 借主であるあなたは家財の損害を負う。この場合、施工業者の債務不履行だけでなく、建築物の安全確保を怠った所有者側の責任構成に32条が材料として効く
- リフォーム見積書に「電気工事一式15万円」とだけ書かれている。電気工事士の資格者が施工するのか、絶縁抵抗測定の結果を書面でもらえるのか、確認しないままサインした。工事後に瑕疵が判明しても、記録がなければ立証できない
- あなたが工務店の現場監督で、下請の電気業者が期限に追われて接地工事を省略した。竣工検査は通ってしまった。あと数年、引渡後に事故が起きればその判断が掘り返される。特定行政庁の是正命令は建物所有者に向かうが、その後の求償はあなたの会社に来る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 施工記録・見積書・契約書・完成図面を確保し、電気工事士の資格者証の提示を求める2. 第三者の電気工事業者または建築士に点検を依頼し、技術基準への不適合箇所を書面化する3. 業者に是正を求めても応じない場合、特定行政庁(市区町村の建築指導課)と管轄の産業保安監督部の両方に相談、どちらが動くかを見極める4. 並行して施工業者への損害賠償(民法415条、709条)を検討、火災が発生していれば失火責任法の重過失要件も確認する
訴えられた側:1. まず指摘された不適合が技術基準のどの条項に対するものかを特定、基準そのものは電気設備に関する技術基準を定める省令にある2. 是正可能なものは工期を示して先に是正計画を提出、特定行政庁は是正の意思と計画を重視する3. 下請に施工させた部分であれば、契約書と施工体制台帳で責任範囲を整理、求償の準備を並行させる4. 火災等の結果が生じている場合は、行政対応と民事賠償と刑事(業務上過失)を別々の窓口で管理し、行政向けの説明書面をそのまま民事の場に出さない
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。建築基準法9条の是正命令は違反状態が続く限りいつでも発動しうる。施工業者への契約責任は、引渡から不適合を知った時より1年以内の通知(民法637条)および債権の一般消滅時効(民法166条、知った時から5年または権利行使可能時から10年)、不法行為であれば民法724条(知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)が基準となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定に伴い、建築物の電気設備に関する規定として設けられた。技術基準の実体を電気関係法令に委ね、建築行政が安全・防火の観点からこれを取り込む参照構造が採られた
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