建築基準法 第34条(昇降機)
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- 建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
- 2.高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。
この条文の基本情報
昇降機とは何ですか?
定義昇降機とは、建築基準法第34条に定められた規定で、「建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第34条(昇降機)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第34条の条文原文は「建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。」で始まります。
- 建築基準法第34条は第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第34条の前の条は建築基準法第33条です。
- 建築基準法第34条の次の条は建築基準法第35条です。
- 建築基準法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法34条は、昇降機を安全な構造とし昇降路の周壁・開口部を防火上支障がない構造とすることを求め、高さ31メートル超の建築物に非常用昇降機の設置を義務づける。
Q · 非常用エレベーターって、火事のとき一般の人も乗っていいんですか?
原則ダメ。消防隊の消火・救助活動用の設備です
建築基準法34条2項の非常用の昇降機は、高さ31メートルを超える建築物(政令で定めるものを除く)に設置が義務づけられる設備で、火災時に消防隊が装備を担いで上階へ到達するための「消防活動の足場」です。一般の避難は階段が原則であり、火災時には消防隊が専用操作に切り替えます。また同条1項は、昇降機そのものの安全構造に加え、昇降路の周壁と開口部に防火上支障がない構造を求めています。縦穴が火災時に煙突化するのを防ぐためです。
解説
オフィスビルのエレベーターに乗るとき、あなたが無意識に信頼しているものがある。「このカゴは落ちない」「火事のとき、この昇降路が煙突にならない」という前提だ。建築基準法34条は、その前提を法的な義務に変換している。1項は昇降機そのものの安全構造に加え、昇降路の周壁と開口部に防火上支障がない構造を求める。ここが肝心で、多くの人はエレベーターの安全を「カゴとワイヤー」の問題だと思っているが、法が本当に警戒しているのは縦穴そのものである。高層ビルの昇降路は、火災時に炎と煙を上階へ一気に吸い上げる巨大な煙突になりうる。2項はさらに踏み込み、高さ31メートルを超える建築物(政令で除外されるものを除く)に非常用昇降機の設置を義務づける。これは避難者が乗るためのものではない。消防隊が重い装備を担いで上階へ到達するための「消防活動の足場」である。あなたが8階建て以上のビルで働いているなら、あなたの命綱の一部は、この条文が強制した設備で成り立っている。
法的な位置づけ
建築基準法34条は昇降機に関する構造規制であり、1項で昇降機の安全な構造と昇降路の周壁・開口部の防火性能を要求し、2項で高さ31メートルを超える建築物(政令で定めるものを除く)に非常用の昇降機の設置を義務づける。具体的な技術基準は建築基準法施行令および国土交通大臣告示に委任されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確認済証・検査済証で高さ算定を確認 所有・賃借しようとする建物の確認済証と検査済証を取り寄せ、建築基準法上の高さが何メートルと算定されているかを確認する。見た目の階数ではなく、この数値が34条2項の31メートル基準の判断材料になる
- 2.政令の除外規定に該当するか切り分ける 34条2項の「政令で定めるものを除く」に当たるかを建築基準法施行令129条の13の2で確認する。除外規定の有無が設置義務の成否を分けるため、条文本文だけで判断しない
- 3.昇降路の防火性能を図面で検証 昇降路の周壁が防火区画として構成されているか、乗場戸・三方枠に required な防火性能があるかを設計図書で確認する。34条1項の要求と施行令・告示の細目を切り分けて整理する
- 4.定期検査報告と前室の運用状況を点検 建築基準法12条の定期検査報告書を確認し、指摘事項が未是正で残っていないかを見る。あわせて非常用昇降機の乗降ロビー(前室)が物置化していないかを現地で写真記録する
- 5.不備があれば書面で是正を求める 前室の物品放置や防火戸の固定など管理不備を発見したら、口頭ではなく書面(メール可)で貸主・管理会社へ是正を求め、送付記録を保存する。記録の有無が事故後の責任論であなたの立場を決める
よくある質問 AI による整理
Q1非常用エレベーターとは何ですか?
建築基準法34条2項に基づき、高さ31メートル超の建築物に設置が義務づけられる、消防隊の消火・救助活動用の昇降機です。一般の避難用ではありません。
Q2非常用エレベーターは何階建てから必要?
階数ではなく高さ31メートル超が基準です。階高により9階でも超える場合と超えない場合があります。確認済証の高さ算定で判断してください。
Q331メートルの高さはどう測る?
建築基準法施行令の高さ算定規定によります。階段室・昇降機塔などの屋上部分は一定の条件で不算入となる例外があり、見た目の高さとは一致しません。
Q4昇降路の防火構造とは何ですか?
昇降路の周壁と開口部(乗場戸など)を、火災時に炎や煙を上階へ通さない構造にすることです。具体仕様は施行令と国土交通大臣告示で定まります。
Q5エレベーターの定期検査報告は義務?
建築基準法12条により、昇降機は定期検査を受けて特定行政庁へ報告する義務があります。検査結果は建物の安全性を確認する重要な資料です。
Q6非常用エレベーターの前室に物を置くのは違法?
乗降ロビーは消防活動の拠点であり、物品放置は避難・消防の支障となります。消防法上の是正指導の対象となり、事故時は管理者の責任論に直結します。
Q7既存不適格のビルでも非常用昇降機は必要?
建築時に適法なら直ちに違反ではありませんが、増改築や大規模の修繕・模様替えの際に現行基準への適合を求められる場合があります。
Q8非常用エレベーターの設置費用はいくら?
本条は費用を定めません。シャフト・前室・特別避難階段の床面積と設備費が生じるため、設計段階で31メートル以下に抑える設計判断も実務上あります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1火事のとき、非常用エレベーターに乗って逃げていいんですか?
原則として避難には使わない。34条2項の非常用昇降機は消防隊の消火・救助活動のための設備であり、火災時は消防隊が専用の操作に切り替える。一般の避難は階段が原則である。実務のポイント:非常用昇降機は乗降ロビー(前室)と特別避難階段が一体で設計されていることが多い。つまり非常用エレベーターの表示を見つけたら、その近くに最も信頼できる避難階段があるということ。エレベーターに乗るのではなく、その隣を探すのが正しい行動である
Q2うちのビルは9階建てですが、非常用エレベーターは必要ですか?
階数ではなく高さ31メートル超が基準である(34条2項)。階高によって9階でも31メートルを超える場合も、下回る場合もある。政令による除外規定もあるため、確認済証の高さ算定を見るのが確実である。実務のポイント:不動産取引の現場では「31メートル」がコストの分水嶺として強く意識されており、設計段階で意図的に31メートル以下に抑える例が多い。逆に言えば、31メートルギリギリの建物は設計上の余裕がなく、将来の増築余地がほぼないということでもある
Q3昇降路の防火って、具体的に何をすれば基準を満たすんですか?
34条1項は「防火上支障がない構造」と抽象的に定めるだけで、具体的な仕様は建築基準法施行令や国土交通大臣の告示で定まる。一般には昇降路を防火区画とし、乗場戸に一定の防火性能を求める設計になる。実務のポイント:エレベーターの更新工事では、カゴや制御盤だけを入れ替えて乗場戸周りの防火性能を現行基準に合わせないケースがある。見積書に乗場戸や三方枠の項目があるかどうかを確認すること。ここを省くと、更新したのに防火性能が旧いままという状態が残る(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 非常用エレベーターは「火災のとき一般の人が避難に使うもの」と広く誤解されているが、実際は消防隊の消火・救助活動用である。火災時、一般の利用者は原則として階段で避難する。あなたがビル火災に遭遇したとき、この誤解のまま非常用エレベーターに向かえば、貴重な避難時間を失う
- エレベーターの安全といえばカゴの落下防止だと考えている人は多い。だが34条1項が周壁と開口部の防火性能をわざわざ明記しているのは、昇降路が火災の延焼経路として極めて危険だと立法者が認識しているからだ。落下事故より、昇降路を伝った煙による死者の方が歴史的に多い
- 「31メートルを超える建物」を「ビルの看板の高さ」や「見た目の階数」で判断する人がいるが、建築基準法上の高さの算定は施行令に細かい規定があり、階段室・昇降機塔などの屋上部分の扱いに例外がある。あなたが立てるべき問いは「うちのビルは何階か」ではなく「建築確認上の高さは何メートルと算定されているか」である
- 34条を読んで「政令で定めるものを除く」の一行を読み飛ばす人が多いが、除外規定の有無が設置義務の成否を分ける。条文本文だけを見て判断すると、義務がないのに設置したり、逆に義務を見落としたりする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 建基法34条:昇降機の安全構造・昇降路の防火・非常用昇降機の設置 | 建基法35条:特殊建築物等の避難・消火に関する技術的基準 建基法12条:昇降機等の定期検査・報告 |
| 守るべき主体 | 建築主・設計者(設置時)および所有者・管理者(維持時) | 特殊建築物の建築主・設計者 所有者・管理者(継続的義務) |
| 発動のタイミング | 建築確認(建基法6条)の審査時に適合性を判断 | 同じく建築確認時に判断 竣工後、定期的に繰り返し発動 |
| 違反時の帰結 | 建基法9条の是正命令、民法717条の工作物責任の根拠事実 | 同じく是正命令の対象 報告懈怠・虚偽報告への罰則、行政指導 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は一定の階数(10層以上)を基準に緊急用升降機を要求する点で、高さ基準の日本と線引きの発想が異なる
韓国も一定規模以上の建築物に비상용 승강기 の設置を要求し、消防活動用という位置づけは日本と同旨
ドイツは各州建築法(Landesbauordnung)で高層建築物に Feuerwehraufzug を要求。州ごとに基準が分かれる
米国は模範法典 IBC を各州・自治体が採択する方式。9.11以降、消防隊進入用エレベーターの要求が強化された経緯がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築古の10階建てビルを購入してリノベーションを計画している。エレベーターを増設したいが、非常用昇降機の要件も同時に検討しなければならない。確認申請の段階で「31メートル」の測り方(地盤面からの高さか、塔屋を算入するか)を誤ると、設計をやり直すことになる。設計費と工期が数か月単位で飛ぶ
- テナントとして入居したビルで、非常用エレベーターの前室に段ボールが山積みされていた。もし火災が起きたら消防隊はそこに到達できない。これは所有者・管理者の管理義務の問題だが、放置すれば消防法上の是正命令の対象になり、さらに実際に被害が出たときの責任論に直結する
- もし、あなたが所有する建物を用途変更して階数を増やしたら、どうなる? 既存不適格だった建物が、増改築のタイミングで現行基準への適合を求められる場合がある。「昔から建っているから大丈夫」は、工事に着手した瞬間に崩れる
- 確認申請の差し戻しまであと5日。特定行政庁から昇降路の防火区画について照会が来ている。設計図の見直しと再提出の期限が迫るなか、どの部分が34条1項の要求で、どの部分が施行令の細目なのかを切り分けられないと、無駄な設計変更を重ねることになる
- マンション管理組合の理事になり、大規模修繕の議案でエレベーター更新が上がってきた。見積の内訳に「防火設備」の項目があるが、これが法定義務なのか、業者の提案なのかを判断できるかどうかで、数百万円の支出の妥当性が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. ビル火災や昇降機事故で被害を受けた場合、まず建物の確認済証・検査済証・定期報告(建築基準法12条の定期調査報告)の写しを求める。所有者が任意に出さなければ、特定行政庁への情報開示請求も検討2. 非常用昇降機の前室が物置化していた、防火戸が固定されていたなどの管理不備は写真で記録3. 建築基準法違反そのものは行政取締の問題だが、違反の事実は民事の損害賠償(民法709条、717条の工作物責任)で過失・瑕疵を立証する強力な材料になる4. 所有者と占有者のどちらを相手にするかを早期に切り分ける
訴えられた側:1. 特定行政庁から是正命令や報告徴収を受けたら、まず指摘が34条本体の問題か施行令の細目かを切り分ける2. 既存不適格(建築時には適法だった)であれば、その旨を確認済証・検査済証で立証する。既存不適格と違反建築物は法的扱いが全く異なる3. 建築士・施工者に責任がある場合、設計契約・工事請負契約に基づく責任追及を並行して検討4. 命令に不服がある場合は、建築審査会への審査請求の道がある。教示文の期限を必ず確認
時効(請求できる期限):本条自体に期限規定はない。ただし特定行政庁の是正命令等の行政処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。事故による損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、人の生命または身体を害する場合は5年(民法724条、724条の2)
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