建築基準法 第77条の26(確認検査の義務)
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指定確認検査機関は、確認検査を行うべきことを求められたときは、当該確認検査が大規模建築物に係るものである場合において当該指定確認検査機関が確認検査員を選任しないものであることその他の正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、確認検査を行わなければならない。
この条文の基本情報
確認検査の義務とは何ですか?
定義確認検査の義務とは、建築基準法第77条の26に定められた規定で、「指定確認検査機関は、確認検査を行うべきことを求められたときは、当該確認検査が大規模建築物に係るものである場合において当該指定確認検査機関が確認検査員を選任しない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の26(確認検査の義務)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の26の条文原文は「指定確認検査機関は、確認検査を行うべきことを求められたときは、当該確認検査が大規模建築物に係るものである場合において当該指定確認検査機関が確認検査員を選任しない…」で始まります。
- 建築基準法第77条の26は第二節 指定確認検査機関に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の26の前の条は建築基準法第77条の25です。
- 建築基準法第77条の26の次の条は建築基準法第77条の27です。
- 建築基準法第77条の26には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の26 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の26(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の26は、指定確認検査機関に対し、確認検査を求められたときは正当な理由がある場合を除き、遅滞なく確認検査を行う義務を課している。
Q · 民間の確認検査機関って、面倒な案件は断ってもいいんですか?
正当な理由がなければ、断ることも遅らせることもできません
建築基準法77条の26により、指定確認検査機関は確認検査を求められたとき、遅滞なく確認検査を行わなければなりません。例外は、大規模建築物に係る確認検査について確認検査員を選任していない場合その他の正当な理由があるときに限られます。単に繁忙である、案件が複雑であるといった営業上の都合は正当な理由に当たりません。指定を受けた機関は特定行政庁の建築主事に代わって公の事務を担う立場にあり、申込者を選別する自由を原則として手放しています。
解説
確認申請を出したのに、指定確認検査機関から何週間も音沙汰がない。担当者は「今は繁忙期で」「社内で検討中で」と繰り返す。着工予定日は迫り、職人の手配も資材の発注もすべて空転する。このとき、あなたの手には条文が一本ある。建築基準法77条の26は、指定確認検査機関に対し「遅滞なく、確認検査を行わなければならない」という作為義務を課している。つまり民間の確認検査機関は、仕事を選べる普通の民間企業ではない。国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けた瞬間、建築主からの申込みを原則として断れない立場になる。断れるのは、大規模建築物なのに確認検査員を選任していない場合など、条文が認める正当な理由があるときだけだ。「忙しい」「この案件は面倒」は正当な理由に入らない。この非対称を知っているかどうかで、あなたが電話口で言える台詞が変わる。
法的な位置づけ
建築基準法77条の26は、指定確認検査機関の確認検査応諾義務を定める規定である。同機関は、確認検査を行うべきことを求められた場合、当該確認検査が大規模建築物に係るものであって確認検査員を選任していないことその他の正当な理由があるときを除き、遅滞なく確認検査を行わなければならない。特定行政庁の建築主事に代わり公の事務を担う地位に伴う作為義務である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請の記録を時系列で固める 申請日、受付番号、担当者名、電話やメールのやり取りの日時をすべて一覧化する。後から遅延を主張するとき、記録の有無がそのまま交渉力になる
- 2.遅延に気付いた当日、書面で照会する 電話催促ではなくメールで「確認検査の完了見込み時期」と「遅延の理由」を照会する。建築基準法77条の26の趣旨に照らしてご教示ください、と一行添える。書面化された瞬間、機関内部では問い合わせから記録案件へ扱いが変わる
- 3.拒否されたら正当な理由の中身を書面で求める 口頭での拒否に食い下がるより、77条の26が認める正当な理由のいずれに当たるのかを書面で示すよう求める。大規模建築物に係る確認検査員の不選任、業務区域外といった具体的事由の明示を求めるのが要点
- 4.回答が得られなければ指定権者へ相談する 国土交通大臣または都道府県知事(指定の範囲による)に相談する。指定権者への相談は監督命令や指定取消しの検討につながる入口であり、機関側の判断が再検討されることは珍しくない
- 5.並行して他機関への申請準備で工期の二段構えを組む 是正を待つ間に、業務区域内の別の指定確認検査機関への申請一式を準備しておく。手数料と審査期間が二重になるリスクを前提に、工期と費用のどちらを優先するかを先に決めておく
よくある質問 AI による整理
Q1指定確認検査機関とは何ですか?
国土交通大臣または都道府県知事の指定を受け、特定行政庁の建築主事と同等の建築確認・完了検査を行う民間機関です。指定と引き換えに応諾義務や秘密保持義務などの公的義務を負います。
Q2建築確認が遅い場合はどうすればいいですか?
電話ではなくメールで、確認検査の完了見込み時期と遅延理由を書面で照会します。建築基準法77条の26の遅滞なき確認検査義務に触れて照会すると、記録が残るため機関側の処理順位が動きやすくなります。
Q3「遅滞なく」とはどのくらいの期間ですか?
日数の定めはなく、合理的理由なく遅れてはならないという規範的な時間概念です。実務上は建築基準法6条・6条の2が定める審査期間が目安となり、それを大きく超える場合は理由の説明を求められます。
Q4確認検査を断れる正当な理由とは何ですか?
条文が例示するのは、大規模建築物に係る確認検査について確認検査員を選任していない場合です。ほかに業務区域外の物件なども該当し得ますが、繁忙や案件の複雑さは正当な理由になりません。
Q5確認検査機関が義務に違反したらどうなりますか?
指定権者である国土交通大臣または都道府県知事による改善命令や業務停止命令、さらに指定の取消しの対象になり得ます。建築主にとっては指定権者への相談が実効的な是正ルートです。
Q6業務区域外の物件は断られますか?
指定確認検査機関には指定時に定められた業務区域があり、区域外の物件は行えません。この場合の拒否は正当な理由に当たるため、区域内の別機関に申請する必要があります。
Q7完了検査も77条の26の対象ですか?
本条の「確認検査」には建築確認と完了検査・中間検査が含まれます。したがって完了検査済証の交付に向けた検査についても、正当な理由なく遅らせることはできません。
Q8確認済証が出ないと着工できませんか?
原則として確認済証の交付前に工事に着手できません(建築基準法6条)。だからこそ確認検査の遅延が工期そのものを止め、違約金や金利負担に直結します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民間の検査機関に申請を断られたんですけど、これって違法じゃないんですか?
正当な理由がなければ建築基準法77条の26に反します。条文が例示するのは、大規模建築物なのに確認検査員を選任していない場合などです。単に忙しい、案件が複雑だという理由は該当しません。実務のポイント:断る側は口頭で済ませたがります。書面で理由を求めると、その時点で「やはり受けます」に転じることが実務上あります。書面化は相手にとって記録が残る行為だからです
Q2確認検査が遅れて工期が延びた分、検査機関に損害賠償を請求できますか?
正当な理由のない遅延であれば、不法行為(民法709条)または契約上の債務不履行(民法415条)として請求の余地はあります。ただし遅延と損害の因果関係の立証が要になります。実務のポイント:指定確認検査機関の確認は行政処分と同じ効力を持つため、瑕疵ある確認については特定行政庁側の責任が問われた最高裁判例もあります(最決平成17.6.24)。請求先が一つとは限らない、という視点を持っておくと交渉の幅が変わります
Q3そもそも民間の会社が建築確認をやっていいんですか?役所の仕事じゃないんですか?
1998年の建築基準法改正で民間開放されました。国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けた機関が、特定行政庁の建築主事と同等の確認検査を行えます(77条の18以下)。だからこそ応諾義務や守秘義務など、民間企業には通常ない公的義務が課されています。実務のポイント:どの機関が指定を受けているかは指定権者が公示しており、業務区域も決まっています。区域外の物件は受けられないので、断られた理由が業務区域なら、それは正当な理由です
間違えやすい点 AI による整理
- 指定確認検査機関は民間企業だから、どの案件を受けるかは営業判断で自由に決められる、と建築主も機関側も思っていることが多い。実際は逆で、指定を受けた時点で応諾義務が発生する。1998年の法改正で建築確認が民間に開放されたとき、その対価として課されたのがこの義務である
- 「遅滞なく」という文言の緩さを、多くの人が過小評価している。遅滞なくは法令用語として「速やかに」より強く、正当な理由なく遅れれば義務違反になる水準を指す。問題は、建築主側がこの言葉の重みを知らないため、遅延を「まあそういうものか」と受け入れてしまうことだ。知っている建築主は遅延理由を書面で求め、知らない建築主は待ち続ける
- 「断られたら他の機関に出し直せばいい」と考えて終わる人がいるが、問いの立て方が誤っている。他機関に出し直すと申請手数料も審査期間も最初からやり直しになり、工期は二重に削られる。本当に問うべきは「その拒否は正当な理由に基づくものか、書面で示せるか」であり、ここを詰めた方が結果的に速い
- 確認検査機関の遅延は自分たちの工期リスクだ、と建築主は考えるが、法の側から見ると機関の指定要件そのものに関わる問題である。この落差が重要で、機関にとって「正当な理由なく検査を行わない」ことは、監督処分や指定取消しの検討材料になりうる。あなたが困っている程度の話ではなく、機関にとってはもっと痛い話なのだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に義務を課すか | 建基法77条の26:指定確認検査機関に遅滞なき確認検査義務 | 建基法6条:建築主に確認申請義務、建築主事に審査義務 建基法77条の24:機関に確認検査員の選任・配置義務 |
| 時間の規律方法 | 「遅滞なく」という規範的概念(日数の定めなし) | 審査期間を日数で明定(6条・6条の2) 選任は業務開始の前提、期間の定めなし |
| 例外・免責 | 大規模建築物での確認検査員不選任その他の正当な理由 | 申請書の不備補正・期間延長の手続あり 例外なし(欠けたまま業務はできない) |
| 違反したときの帰結 | 建基法77条の35の監督処分・指定取消しの検討材料 | 確認なき着工は違反建築として是正命令の対象 指定基準不適合として監督処分の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では主管建築機関が建築図説の審査を専門機構・技師に委託できる構成で、民間への全面開放ではなく委託型。委託先の応諾義務は委託契約で処理され、日本のような条文上の作為義務の明文はない
韓国は許可権者が建築士に現場調査・検査・確認業務を代行させる仕組み。代行者の選定が行政側にあるため、申込者からの直接申込みに対する応諾義務という構成にはなっていない
ドイツは Prüfingenieure/Prüfsachverständige が建築技術上の審査を担い、公的任務を委ねられた者(beliehener Unternehmer)として扱われる。公的地位に伴う受任義務の発想は日本の本条と近い
米国は third-party inspection/plan review が州・自治体ごとに制度化され、統一法典上の応諾義務は存在しない。市場競争に委ねる度合いが日本より高い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 確認申請を出して3週間、機関からは「確認中です」の一言だけ。着工が遅れれば工期遅延の違約金があなたに降ってくる。ここで「77条の26の遅滞なき確認検査義務との関係で、遅延の理由を書面でいただけますか」と一言添える。書面を求められた時点で、機関の内部処理の優先順位が変わる
- 設計事務所を営むあなたが、ある機関から「この物件は当社では受けられません」と口頭で断られた。理由の説明はない。指定確認検査機関は原則として拒否できない立場にある。拒否するなら正当な理由の中身を説明させる。それが記録として残れば、指定行政庁への相談材料になる
- もし、あなたが指定確認検査機関の側で、確認検査員が一人退職して大規模建築物の体制が組めなくなったとしたら? この条文は、その状況をむしろ明示的に「正当な理由」として書いている。無理に受けて不適格な検査をするより、体制不備を理由に断る方が法の想定に沿う。ただし、その判断の記録は残しておくこと
- 分譲マンションの買主として、完了検査済証の交付が引渡し予定日に間に合いそうにないと知らされた。残された時間は10日。売主の言う「検査機関の都合」が本当に正当な理由なのか、それとも申請自体が遅れていたのか。この区別ができると、引渡し延期の責任がどちらにあるかの交渉軸が見える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申請日、受付番号、担当者名、やり取りの日時をすべて時系列でメモ化する2. 遅延に気付いた時点で、電話ではなくメールで「確認検査の完了見込み時期」と「遅延理由」を書面で照会する3. 拒否された場合は、77条の26の正当な理由に該当する具体的事由を書面で求める4. 回答が得られない、または理由が不合理な場合は、指定権者である国土交通大臣または都道府県知事(指定の範囲による)へ相談する。並行して他機関への申請も準備し、工期の二段構えを組む
訴えられた側:1. 機関側であれば、まず拒否または遅延の理由が条文上の正当な理由に当たるかを内部で文書化する。大規模建築物に対する確認検査員の不選任は条文が明示する事由であり、堂々と主張できる2. 体制不備を理由とする場合、いつから不足し、いつ回復見込みかを記録に残す3. 申込者には拒否理由を書面で示し、他機関への案内を添える4. 単なる繁忙は正当な理由にならないため、繁忙が常態化しているなら確認検査員の増員そのものが指定要件の問題になると認識しておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限日数の定めはなく、「遅滞なく」という規範的な時間概念で規律される。ただし建築確認の審査期間は建築基準法6条、6条の2に日数の定めがあり、実務上はそれが目安になる。損害賠償を検討する場合の時効は、不法行為として損害および加害者を知った時から3年(民法724条)、債務不履行として構成するなら権利を行使できることを知った時から5年(民法166条)
学説
通説:77条の26の義務は、建築確認という公の事務を民間に委ねる制度の均衡装置と理解される。民間機関に営業上の選別を許せば小規模・地方・手間のかかる物件が排除され、確認を受ける手段自体が失われるため、応諾を原則としつつ体制不備を例外として明示したと説明される。
実務的理解:「遅滞なく」は法令用語として「速やかに」より強い規律であり、正当な理由のない遅延は義務違反を構成しうると解されている。建築基準法6条・6条の2の審査期間が事実上の目安として機能する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:建築基準法改正により建築確認・検査が民間に開放され、指定確認検査機関制度が創設された。本条の確認検査義務は、民間参入の対価として課された公的義務として置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:構造計算書偽装問題を受けた改正で、指定確認検査機関に対する監督体制が強化された。本条の義務違反が指定要件・監督処分の文脈でより重く扱われる素地となった
- 建築基準法 第77条の21確認検査員の選任義務、本条の正当な理由の前提
- 建築基準法 第77条の24確認検査員の資格要件と選任手続
- 建築基準法 第77条の27確認検査機関の守秘義務
- 建築基準法 第77条の35義務違反に対する監督命令・指定取消し
- 建築基準法 第6条建築確認の原則と審査期間の定め
- 建築基準法 第6条の2指定確認検査機関による確認の効力
- 行政手続法 第7条申請に対する審査・応答の遅滞禁止の一般法理
- 民法 第709条不当な遅延・拒否による損害の賠償根拠
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