建築基準法 第77条の31(報告、検査等)
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- 国土交通大臣等は、確認検査の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定確認検査機関に対し確認検査の業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定確認検査機関の事務所に立ち入り、確認検査の業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2.特定行政庁は、その指揮監督の下にある建築主事等が確認その他の建築基準法令の規定による処分をする権限を有する建築物の確認検査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、指定確認検査機関の事務所に立ち入り、確認検査の業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
- 3.特定行政庁は、前項の規定による立入検査の結果、当該指定確認検査機関が、確認検査業務規程に違反する行為をし、又は確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をした事実があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に報告しなければならない。
- 4.前項の規定による報告を受けた場合において、国土交通大臣等は、必要に応じ、第七十七条の三十五第二項の規定による確認検査の業務の全部又は一部の停止命令その他の措置を講ずるものとする。
- 5.第十五条の二第二項及び第三項の規定は、第一項及び第二項の場合について準用する。
この条文の基本情報
報告、検査等とは何ですか?
定義報告、検査等とは、建築基準法第77条の31に定められた規定で、「国土交通大臣等は、確認検査の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定確認検査機関に対し確認検査の業務に関し必要な報告を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の31(報告、検査等)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の31の条文原文は「国土交通大臣等は、確認検査の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定確認検査機関に対し確認検査の業務に関し必要な報告を…」で始まります。
- 建築基準法第77条の31は第二節 指定確認検査機関に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の31の前の条は建築基準法第77条の30です。
- 建築基準法第77条の31の次の条は建築基準法第77条の32です。
- 建築基準法第77条の31には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の31 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の31(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の31は、指定確認検査機関への監督を定める。国土交通大臣等が報告徴収と立入検査を行い、特定行政庁にも独立の立入検査権があり、違反は業務停止命令へ接続する。
Q · 建築確認をした民間の検査機関って、誰がチェックしてるんですか?
指定した大臣・知事と、地元の特定行政庁の二系統です
建築基準法77条の31により、監督は二系統で行われます。第1項では指定権者である国土交通大臣または都道府県知事が、指定確認検査機関に報告を求め、事務所へ立ち入って帳簿・書類を検査できます。第2項では指定をしていない地元の特定行政庁にも独立の立入検査権があります。特定行政庁が確認検査業務規程違反や著しく不適当な行為を見つけたときは第3項で指定権者へ報告する義務を負い、第4項で業務停止命令その他の措置へつながります。第5項の準用により、職員は身分証明書の提示義務を負い、権限を犯罪捜査のために用いることはできません。
解説
日本で建てられる建物の建築確認は、その多くが役所ではなく民間企業から出ている。1998年の法改正で、それまで建築主事が独占していた確認検査業務が指定確認検査機関に開放されたからだ。では、その民間企業を誰が見張るのか。77条の31がその答えである。第1項で、指定をした国土交通大臣や都道府県知事が報告を求め、事務所に立ち入り、帳簿を検査できる。第2項はさらに踏み込み、指定したわけでもない特定行政庁(地元の市区町村の建築行政部門)にも立入検査権を与えた。地元の役所が、自分が選んだのでもない民間機関の書類をめくれる。第3項で不適当な行為を見つけたら大臣等へ報告する義務を課し、第4項でそれが業務停止命令へ接続する。第5項の準用により、検査に来る職員は身分証明書の提示義務を負い、その権限を犯罪捜査に使うことは禁じられている。あなたの家の確認済証の裏側には、この三層の監視回路が走っている。
法的な位置づけ
建築基準法77条の31は、指定確認検査機関に対する報告徴収および立入検査を定める監督規定である。指定権者たる国土交通大臣等による監督と、特定行政庁による独立の立入検査という二系統を置き、違反等の発見を指定権者への報告義務および業務停止命令等の措置へ接続する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確認済証から検査機関を特定する 引き渡し時のファイルから確認済証・検査済証を探し出し、確認をした指定確認検査機関の名称、確認番号、交付年月日を書き出す。行政の建築主事によるものか民間機関によるものかを最初に切り分ける
- 2.機関の処分歴・指定状況を調べる 国土交通省または都道府県(指定権者)の公表情報で、その機関が監督処分を受けていないか、指定の取消しを受けていないかを確認する。重要事項説明で機関名が出た段階でも同じ調査ができる
- 3.欠陥の事実を証拠として固める 写真・動画・専門家の調査報告で現状を記録し、設計図書との食い違いを具体的に特定する。第2項の立入検査の端緒として持ち込むには、印象論ではなく図書との対照が必要になる
- 4.特定行政庁へ書面で情報提供する 地元の特定行政庁の建築指導部門へ、日付・物件所在地・確認番号・具体的な食い違いを記載した書面を提出する。口頭相談は記録に残りにくく、書面で出すと行政内部で案件として立つ
- 5.指定権者側の窓口も同時に押さえる 国土交通大臣または都道府県知事(指定権者)の窓口にも同じ内容を提出する。第1項の監督系統と第2項の系統は主体も速度も異なるため、二系統に出すのが原則
- 6.請求先を複線で組み立てる 損害賠償は施工者・売主・設計者・確認検査機関・自治体の複線で検討する。確認の過誤を理由とする国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、行為時から20年の期間制限に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1指定確認検査機関とは何ですか?
建築確認や完了検査を行う民間の機関で、国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けています。1998年の法改正で建築主事の独占が解かれ、確認業務が民間に開放されました。
Q2特定行政庁はなぜ自分が指定していない機関を検査できるのですか?
建築基準法77条の31第2項が、指揮監督下の建築主事等が権限を持つ建築物の確認検査の適正実施を確保する必要があるときに、独立の立入検査権を認めているためです。
Q3指定確認検査機関の処分歴はどこで調べられますか?
指定権者である国土交通省または都道府県が監督処分や指定取消しを公表しています。重要事項説明書に出てきた機関名で検索すれば、過去の処分の有無を確認できます。
Q4立入検査を拒否するとどうなりますか?
報告拒否・虚偽報告・検査忌避には罰則が用意されています(罰則の条番号は最新の改正状況をご確認ください)。拒否の可否より、確認検査の業務に関する範囲の見極めが実務上の論点です。
Q5立入検査で出す書類の範囲はどこまでですか?
第1項・第2項とも対象は確認検査の業務の状況、帳簿、書類その他の物件です。確認検査の業務に関しない経営情報まで当然に及ぶものではなく、範囲を確認しながら対応します。
Q6検査に来た職員に身分証明書の提示を求められますか?
求められます。第5項が建築基準法15条の2第2項を準用し、職員は身分を示す証明書を携帯して関係者に提示する義務を負います。
Q7立入検査の結果は刑事事件に使われますか?
第5項が準用する15条の2第3項により、この立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされています。行政調査と刑事捜査は制度上分離されています。
Q8建築確認に問題があった場合、自治体に賠償を請求できますか?
指定確認検査機関の確認事務を地方公共団体に帰属する事務と捉え、特定行政庁が置かれた自治体の国家賠償責任を認める余地を示した判断があります(最決平成17年6月24日)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民間の検査機関が建築確認してるって聞いて不安なんですが、誰かちゃんと見張ってるんですか?
見張る仕組みは二重にあります。指定をした国土交通大臣または都道府県知事が報告徴収と立入検査を行い(第1項)、それとは別に地元の特定行政庁も立ち入れます(第2項)。実務のポイント:監督処分を受けた機関や指定を取り消された機関は、国土交通省・都道府県が公表しています。物件の重要事項説明で機関名が出たら、その名前で検索するだけで過去の処分歴が分かる。不動産会社から教えてくれることは、まずありません。
Q2うちのマンションの確認に問題があった気がするんですが、どこに言えばいいんですか?
指定権者(国土交通大臣または都道府県知事)と、地元の特定行政庁の両方です。特定行政庁は第2項で直接立入検査ができ、違反や著しく不適当な行為を見つければ第3項で指定権者へ報告する義務を負い、第4項の業務停止命令へ接続します。実務のポイント:口頭の相談は記録に残りにくい。日付・物件・確認番号・具体的な食い違いを書いた書面で出すと、行政内部で案件として立ち、後日の国家賠償請求でも経緯の証拠になります。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば確認済証は「役所のお墨付き」だが、法律から見れば民間企業が行政処分として出した書面である。この落差に気付かないまま「確認済証があるから安全」と信じ込むのが最も危ない。確認は設計図書が建築基準法令に適合するかの審査であって、施工の品質を保証するものではない。
- 民間機関が監督されていること自体は知っている人でも、監督主体が二系統ある意味を知らない。指定をした国土交通大臣または都道府県知事(第1項)と、地元の特定行政庁(第2項)は別の主体で、動き出す速度も、現場の建物についての知識量も違う。どちらに話を持ち込むかで結果が変わる。
- 「立入検査は拒めるのか」という問いの立て方がすでに誤っている。本条の検査は第5項の準用により犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと明記される一方、報告拒否・虚偽報告・検査忌避には罰則が用意されている(罰則の条番号は最新の改正状況をご確認ください)。問うべきは拒否の可否ではなく、確認検査の業務に関する範囲がどこまでかである。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 監督の主体 | 77条の31:国土交通大臣等(第1項)+特定行政庁(第2項)の二系統 | 77条の18:国土交通大臣または都道府県知事(指定権者)のみ 77条の35:国土交通大臣等(指定権者)のみ |
| 規定の機能 | 報告徴収・立入検査・報告義務という情報収集の回路 | 指定確認検査機関の指定という入口の審査 指定取消し・業務停止命令という出口の制裁 |
| 発動の場面 | 確認検査の業務の公正かつ適確な実施の確保が必要と認めるとき | 民間機関が確認検査業務への参入を申請したとき 違反や著しく不適当な行為が認定されたとき |
| 事業者への効果 | 受忍義務(拒否・虚偽には罰則)、ただし犯罪捜査目的の利用は禁止 | 指定基準を満たさなければ参入できない 業務停止・指定取消しという事業の存続に直結する不利益処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築執照審査に専業機構・専業技師の簽証を組み込みつつ、主管機關が査核・撤銷の権限を保持する構造。日本の二系統監督ほど明確に地元行政庁の独立検査権を切り出してはいない
韓国は建築士事務所等への業務代行と、許可権者による報告徴収・検査という枠組み。民間代行+行政監督という骨格は日本と類似する
ドイツは州法レベルで公認鑑定人制度を置き、建築監督官庁が監督する。連邦統一の指定機関制度ではなく州ごとに制度設計が分かれる
米国は third-party inspection agency の承認と監督を自治体の building official が担い、州・市の条例によって運用が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、引き渡し直後の新築で構造上の欠陥が見つかったら、まず誰に言えばいい? 施工会社でも売主でもなく、確認済証を開いて確認をした指定確認検査機関の名前を押さえる。そこから特定行政庁への情報提供という、第2項の回路が動き出す。
- あなたが指定確認検査機関の確認検査員だとする。ある朝、特定行政庁の職員が事務所に来て帳簿を出せと言う。指定をしたのは国土交通大臣なのに、なぜ市の職員が、と思う。その根拠が第2項である。しかも次の中間検査まであと数日、過去案件の書類整理が追いつかないまま検査が始まる。検査の結果は第3項で大臣等へ報告され、第4項の業務停止命令まで一本の線でつながっている。
- 中古マンションの重要事項説明で、確認をしたのが行政ではなく民間の検査機関だと知る。当時その機関が監督処分を受けていなかったか、指定の取消しを受けていないか。国土交通省や都道府県の公表情報で追える。買う前の三十分で調べられることを、多くの買主は調べないまま契約書にサインする。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確認済証・検査済証を探し出し、確認をした機関名と番号、担当した確認検査員を特定する2. 欠陥の状態を写真・動画・専門家の調査報告で固める。設計図書との食い違いが鍵になる3. 特定行政庁の建築指導部門へ事実関係を書面で情報提供し、第2項の立入検査の端緒とする4. 同時に国土交通省または都道府県(指定権者)の窓口も押さえる。二系統に出すのが原則5. 損害賠償は施工者・売主・設計者・確認検査機関・自治体の複線で検討し、資力のある相手から組み立てる
訴えられた側:1. 立入検査を受けたら、まず身分証明書の提示を求め、根拠が第1項か第2項かを確認する。検査主体で射程が違う2. 提出物は確認検査の業務に関するものに限られる。範囲外の要求はその場で範囲を確認する3. 応答記録を必ず自社で残す。第3項の報告を経て第4項の業務停止命令まで一本道である4. 不利益処分が見込まれる段階で聴聞(行政手続法13条)の準備に入り、確認検査業務規程との適合性を自ら再検証した資料を用意する
時効(請求できる期限):報告徴収・立入検査そのものに期限の定めはない。第4項を受けた業務停止命令を争うなら、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。確認の過誤を理由とする国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、人の生命または身体の侵害は5年、行為時から20年(国家賠償法4条、民法724条、724条の2)。
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)改正 指定確認検査機関制度の創設に伴い新設。建築確認・検査を民間に開放すると同時に、指定権者による報告徴収・立入検査の仕組みを置いた
- 平成18年(2006年)前後の改正(改正年・範囲は要検証) 構造計算書偽装事件を契機とする一連の建築基準法改正で、特定行政庁による立入検査と指定権者への報告義務(第2項から第4項)が整備されたと理解されている。導入時期と条項の対応関係は原典での確認が必要
- 令和4年(2022年)改正、令和7年(2025年)4月1日施行(要検証) 建築副主事の新設に伴い、第2項の「建築主事」が「建築主事等」に改められた(最新の改正状況をご確認ください)
- 建築基準法 第15条の2第5項が準用する立入検査の共通規律(身分証提示、犯罪捜査解釈の禁止)
- 建築基準法 第6条の2指定確認検査機関による確認、監督対象業務の根拠
- 建築基準法 第7条の2指定確認検査機関による完了検査、監督対象業務の一部
- 建築基準法 第77条の18指定確認検査機関の指定、監督権者を定める前提
- 建築基準法 第77条の35第4項が接続する指定取消し・業務停止命令の制裁規定
- 国家賠償法 第1条確認の過誤について地方公共団体が負う賠償責任の根拠
- 行政手続法 第13条業務停止命令に先立つ聴聞手続の保障
- 行政事件訴訟法 第14条監督処分を争う取消訴訟の出訴期間
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