建築基準法 第77条の32(照会及び指示)
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- 指定確認検査機関は、確認検査の適正な実施のため必要な事項について、特定行政庁に照会することができる。この場合において、当該特定行政庁は、当該照会をした者に対して、照会に係る事項の通知その他必要な措置を講ずるものとする。
- 2.特定行政庁は、前条第二項に規定する建築物の確認検査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定確認検査機関に対し、当該確認検査の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
この条文の基本情報
照会及び指示とは何ですか?
定義照会及び指示とは、建築基準法第77条の32に定められた規定で、「指定確認検査機関は、確認検査の適正な実施のため必要な事項について、特定行政庁に照会することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の32(照会及び指示)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の32の条文原文は「指定確認検査機関は、確認検査の適正な実施のため必要な事項について、特定行政庁に照会することができる。」で始まります。
- 建築基準法第77条の32は第二節 指定確認検査機関に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の32の前の条は建築基準法第77条の31です。
- 建築基準法第77条の32の次の条は建築基準法第77条の33です。
- 建築基準法第77条の32には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の32 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の32(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の32は、指定確認検査機関が特定行政庁に照会でき、特定行政庁は必要な措置を講ずるものとし、逆に特定行政庁が民間機関へ措置を指示できると定める。
Q · 民間の確認検査機関が出した確認済証でも、役所は口を出せるの?
出せる。建築基準法77条の32が照会と指示の回線を定めている
建築基準法77条の32は、指定確認検査機関と特定行政庁をつなぐ二方向の回線を定めます。第1項は民間機関から役所への照会で、照会を受けた特定行政庁は通知その他必要な措置を講ずるものとされ、応答を求められます。第2項は役所から民間機関への指示で、前条第二項に規定する建築物について確認検査の適正な実施を確保するため必要があると認めるとき、必要な措置をとるべきことを指示できます。民間開放後も公的統制は残されています。
解説
あなたの家やオフィスの確認済証に記されているのは、役所名ではなく民間企業の名前かもしれない。建築確認の民間開放以降、確認と検査の相当部分は指定確認検査機関という民間事業者が処理している。本条はその民間機関と特定行政庁(建築行政を担う市区町村長や都道府県知事)をつなぐ二本の回線を定める。第1項は民間機関から役所への「照会」。しかも照会を受けた特定行政庁は「通知その他必要な措置を講ずるものとする」とされ、黙殺する自由がない。第2項は役所から民間機関への「指示」。前条第二項が定める建築物について、適正な実施を確保するために必要があれば、役所は個別案件に踏み込んで措置をとるよう指示できる。民間に任せたが、手綱は切っていない。あなたの建物の審査が甘かったとき、役所に「うちは関係ない」と言わせないための根拠がここにある。
法的な位置づけ
建築基準法77条の32は、指定確認検査機関と特定行政庁との間の情報交換および監督的関与を定める規定である。第1項は民間機関から特定行政庁への照会権と、これに対する特定行政庁の応答義務を、第2項は特定行政庁から民間機関への個別案件における措置指示の権限を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確認済証の発行者を特定する 確認済証または重要事項説明書の写しを入手し、発行者が建築主事か指定確認検査機関かを確認する。民間機関であれば機関名と確認済証番号を控える
- 2.所管の特定行政庁を確定する 建築地の市区町村に建築主事が置かれていればその市区町村長、置かれていなければ都道府県知事が特定行政庁となる。窓口は建築指導課等
- 3.不適合の具体的箇所を書面化する 図面と現況の差異、該当する建築基準関係規定、確認済証番号、発行機関名を1枚に整理する。口頭の苦情ではなく書面で提出し、受領の記録を残す
- 4.77条の32第2項の指示および9条の措置の検討を求める 特定行政庁に対し、指定確認検査機関への措置指示および違反建築物に対する是正命令の検討を求める旨を文面に明記する。発動先を特定することで案件として処理されやすくなる
- 5.着工前後のタイミングを最優先で動く 工事が完了すると建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるとされる。是正を実効的に求めるなら基礎工事が動き出す前に行政へ持ち込む
よくある質問 AI による整理
Q1指定確認検査機関とは何ですか?
国土交通大臣または都道府県知事の指定を受け、建築確認と完了検査を民間の立場で行う機関です。指定要件は建築基準法77条の18以下が定めます。
Q2特定行政庁とは誰のことですか?
建築主事を置く市町村の区域では市町村長、それ以外の区域では都道府県知事を指します。是正命令など建築行政の権限を持つ主体です。
Q3建築基準法77条の32の照会は誰が出すものですか?
指定確認検査機関が出します。確認検査の適正な実施のため必要な事項について特定行政庁に照会でき、建築主や近隣住民が出す制度ではありません。
Q4特定行政庁は照会を無視できますか?
条文は照会に係る事項の通知その他必要な措置を講ずるものとすると定めており、応答が求められます。照会と回答の記録は後の責任所在の証拠になります。
Q5特定行政庁の指示に従わないとどうなりますか?
指定確認検査機関に対する監督上の処分や指定の取消しに連なりうる圧力となります。具体的な処分要件は建築基準法の監督規定が定めます。
Q6確認済証が後から失効することはありますか?
あります。特定行政庁が建築基準関係規定に適合しないと認めて通知した場合、指定確認検査機関の確認済証は効力を失うとされています(建築基準法6条の2)。
Q7民間機関の審査ミスで自治体に賠償請求できますか?
最高裁は指定確認検査機関の建築確認事務が建築主事の置かれた地方公共団体に帰属するとして、国家賠償責任の余地を認めています(最決平成17年6月24日)。
Q8近隣の建物が違法な疑いがあるとき、どこに言えばよいですか?
確認済証を出した民間機関ではなく、所管の特定行政庁(建築指導課等)です。是正命令の権限は建築基準法9条により特定行政庁にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民間の検査機関が確認済証を出したあとでも、役所がひっくり返すことってあるんですか?
ある。指定確認検査機関は確認済証の交付を特定行政庁に報告する仕組みになっており、特定行政庁が建築基準関係規定に適合しないと認めて通知すれば、その確認済証は効力を失う(第6条の2)。本条第2項の指示は、その手前で個別に是正を促す回路である。実務のポイント:実務で失効まで至る例は多くなく、その手前の指示や指導の段階で図面が直る。だからこそ、争点は着工前に特定行政庁へ持ち込むほど通りやすい
Q2民間機関のミスで欠陥住宅をつかまされたら、相手はその民間企業だけですか?
その一社に限られるとは限らない。最高裁は、指定確認検査機関による建築確認の事務について、本来その建築物の確認権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体に帰属するとして、当該地方公共団体が国家賠償責任を負う余地を認めている(最決平成17年6月24日)。実務のポイント:民間機関が資力不足や保険上限で払いきれない場面に備え、請求先として自治体を並べて検討するのが実務の定石。この判断を知らないと、相手を一社に絞って回収不能で終わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間の検査機関が出した確認済証だから、役所は関係ない」という問いの立て方そのものがずれている。指定確認検査機関は確認済証の交付を特定行政庁に報告する仕組みに組み込まれており、特定行政庁が建築基準関係規定に適合しないと認めて通知すれば、その確認済証は効力を失う(第6条の2)。役所は制度の外にいるのではなく、最後の関門として内側に残されている
- 照会という制度の存在を知っている実務者は多いが、条文が特定行政庁に「措置を講ずるものとする」と書いている重みまでは意識されていない。これは善意のお願いへの返事ではなく、役所側に応答の義務を生じさせる回路である。照会を出した記録と回答の有無は、後に責任の所在が争われたとき、どちら側の落ち度かを分ける物証になる
- あなたから見れば第2項の「指示」は役所同士の事務連絡に見えるが、指定確認検査機関から見れば、無視すれば監督処分や指定の取消しに連なりうる強い圧力である。この落差が、外部から見て「何も起きていない」ように見える間に現場を動かす。なお、この指示が抗告訴訟の対象となる「処分」にあたるかは、実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰から誰への作用か | 77条の32:機関→行政庁の照会/行政庁→機関の指示 | 6条の2:行政庁の通知による確認済証の失効 9条:行政庁→建築主等への是正命令 |
| 名宛人 | 指定確認検査機関(指示)/特定行政庁(照会への応答) | 指定確認検査機関および建築主 建築主、工事施工者、所有者等 |
| 効果の強さ | 個別案件への措置指示。監督処分に連なりうる圧力 | 確認済証そのものが効力を失う 工事停止・除却等の命令、違反には罰則 |
| 使いどころ | 解釈の食い違いを着工前に整理する段階 | 適合しないと認められた確認を無効化する段階 違反建築物が現に存在する段階 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築執照の審査に専業機構・専門技師の簽証を組み込みつつ、主管建築機関が抽查権限を保持する構造。民間関与と公的監督の併存という設計思想が日本と近い
韓国は建築許可権者(市長・郡守・区庁長)が審査と監督を担う構造が基本で、日本ほど全面的な民間開放は行われていない
ドイツは州法レベルで審査の一部を認定された検査技師に委ねつつ、Bauaufsichtsbehörde(建築監督官庁)が最終的な監督責任を負う。州ごとに関与の度合いが異なる
米国は州・自治体単位で building official が権限を持ち、第三者によるプランレビューや special inspection を認める例が多い。連邦統一の制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引き渡し直前の建売住宅で、隣地との距離が図面と違うと気付いたら、最短で誰に言うべきか? 確認済証を出した民間機関に抗議しても、その機関は是正命令の権限を持たない。動かすべきは特定行政庁であり、本条第2項の指示と第9条の違反建築物に対する措置が、役所側に残された手札になる
- あなたは指定確認検査機関の確認検査員で、条例の解釈が読み切れない案件を抱えている。独自解釈で押し切れば、後から特定行政庁に覆され、確認済証の効力まで揺らぎかねない。第1項の照会は、その判断の重さを役所と分け合うための正規ルートである。
- 近隣に日影規制ぎりぎりのマンション計画が出て、着工まで残り数週間。判例の立場では、工事が完了すると建築確認の取消しを求める訴えは訴えの利益を失うとされ、争う土俵そのものが消える。特定行政庁への情報提供と第2項の指示発動を促す働きかけは、基礎工事が動き出す前が勝負になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確認済証の写しを入手し、発行者が指定確認検査機関か建築主事かを特定する2. 所管の特定行政庁(建築指導課等)に、確認済証番号と不適合の具体的箇所を書面で提出する3. 口頭の苦情で終わらせず、本条第2項の指示および第9条の措置の検討を求める旨を文面に残す4. 工事完了後は建築確認の取消しを争う訴えの利益が失われるとされるため、着工前後の動きを最優先する
訴えられた側:指定確認検査機関の側なら、解釈が割れる論点を独自判断で処理せず、第1項の照会を書面で出し、回答とその日付を記録に残す。これが監督処分や賠償責任が争われる場面で最大の防御資料になる。建築主の側なら、機関に指示が出た段階で設計変更の余地を確保し、着工を急がない。指示の名宛人は機関であって建築主ではないが、確認済証の効力に波及しうる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。関連する争い方の期限として、行政処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。損害賠償請求権は損害および加害者を知った時から3年、人の生命または身体の侵害は5年(民法724条、724条の2)。加えて、工事が完了すると建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるとされる(最判昭和59年10月26日)(最新の改正状況をご確認ください)
- 建築基準法 第6条の2指定確認検査機関の確認と確認済証の失効
- 建築基準法 第77条の31前条第二項が指示の対象建築物を画定
- 建築基準法 第77条の18指定確認検査機関の指定要件、本条の名宛人を定義
- 建築基準法 第9条違反建築物に対する特定行政庁の是正命令
- 建築基準法 第12条報告徴収・立入検査による事実把握の手段
- 行政手続法 第32条第2項の指示が行政指導にとどまる場合の統制原理
- 行政事件訴訟法 第3条指示の処分性が抗告訴訟の可否を左右
- 国家賠償法 第1条確認事務の過誤に対する公共団体の賠償責任
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