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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

建築基準法 第86条の8(既存の一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合の制限の緩和)

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  1. 第三条第二項の規定によりこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けない一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合において、特定行政庁が当該二以上の工事の全体計画が次に掲げる基準に適合すると認めたときにおける同項及び同条第三項の規定の適用については、同条第二項中「建築、修繕若しくは模様替の工事中の」とあるのは「第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事の工事中若しくはこれらの工事の間の」と、同条第三項中「適用しない」とあるのは「適用しない。ただし、第三号又は第四号に該当するものにあつては、第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事のうち最後の工事に着手するまでは、この限りでない」と、同項第三号中「工事」とあるのは「最初の工事」と、「増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替」とあるのは「第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事」とする。
  2. 一一の建築物の増築等を含む工事を二以上の工事に分けて行うことが当該建築物の利用状況その他の事情によりやむを得ないものであること。
  3. 二全体計画に係る全ての工事の完了後において、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地が建築基準法令の規定に適合することとなること。
  4. 三全体計画に係るいずれの工事の完了後においても、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地について、交通上の支障、安全上、防火上及び避難上の危険性並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害性が増大しないものであること。
  5. 2.前項の認定の申請の手続その他当該認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
  6. 3.第一項の認定を受けた全体計画に係る工事の建築主(以下この条において「認定建築主」という。)は、当該認定を受けた全体計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、特定行政庁の認定を受けなければならない。前二項の規定は、この場合に準用する。
  7. 4.特定行政庁は、認定建築主に対し、第一項の認定を受けた全体計画(前項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。次項において同じ。)に係る工事の状況について報告を求めることができる。
  8. 5.特定行政庁は、認定建築主が第一項の認定を受けた全体計画に従つて工事を行つていないと認めるときは、当該認定建築主に対し、相当の猶予期限を付けて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
  9. 6.特定行政庁は、認定建築主が前項の命令に違反したときは、第一項又は第三項の認定を取り消すことができる。

この条文の基本情報

既存の一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合の制限の緩和とは何ですか?

定義既存の一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合の制限の緩和とは、建築基準法第86条の8に定められた規定で、「第三条第二項の規定によりこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けない一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合において、…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 建築基準法第86条の8(既存の一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合の制限の緩和)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
  2. 建築基準法第86条の8の条文原文は「第三条第二項の規定によりこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けない一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合において、…」で始まります。
  3. 建築基準法第86条の8は第六章 雑則に置かれています。
  4. 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
  5. 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 建築基準法第86条の8の前の条は建築基準法第86条の7です。
  7. 建築基準法第86条の8の次の条は建築基準法第86条の9です。
  8. 建築基準法第86条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の8
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
  • 本サイト収録建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/86_8

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点建築基準法86条の8は、既存不適格建築物を二以上の工事に分けて改修する場合、特定行政庁の全体計画認定により現行規定の遡及適用を最後の工事の着手時まで繰り延べられると定める。

Q · 古いビルを何年もかけて階ごとに直したいんですが、途中で建物全体を今の法律に合わせろと言われませんか?

認定を取らずに一期目に着手すると、建物全体が現行法に引き戻されます

建築基準法86条の8の全体計画認定を受ければ、遡及適用のタイミングを「最後の工事に着手するまで」繰り延べられます。要件は三つ、工事を分けることが利用状況その他の事情によりやむを得ないこと(1項1号)、全工事完了後に建築物と敷地が建築基準法令に適合すること(同2号)、いずれの工事完了後も交通上の支障や安全上・防火上・避難上の危険性が増大しないこと(同3号)です。適合義務を免除する制度ではなく、適合の期限を分割する制度であり、認定を受けずに最初の工事に着手すれば既存不適格の扱いはその時点で失われます。

解説

築四十年の旧耐震ビルを相続した、あるいは古いホテルを買い取った。テナントや宿泊客を入れたまま、五年かけて階ごとに直していきたい。ところが設計者から告げられる。「大規模の修繕に着手した瞬間、この建物は既存不適格の傘を失い、建物全体を今の建築基準法に適合させることになります」。あなたの手元の見積りは三倍に膨らむ。ここで改修そのものを諦める所有者が大半だ。だが86条の8は、工事を分けることが利用状況その他の事情によりやむを得ず、全工事完了後には適合し、どの工事の完了時点でも危険性が増大しない、この三条件を満たせば、特定行政庁の認定によって遡及適用を「最後の工事に着手するまで」先送りできると定める。つまりこの認定は安全基準を免除する制度ではなく、適合させる時間を分割払いにする制度だ。そして認定を取らずに一発目の工事に着手してしまえば、その時計はもう止められない。

法的な位置づけ

建築基準法86条の8は全体計画認定を定める規定であり、既存不適格建築物について増築等を含む工事を二以上に分けて行う場合に、特定行政庁が全体計画を認定することで、同法3条3項の適用除外の失効時期を最後の工事の着手時まで繰り延べる効果を生じさせる。適合義務自体を免除するものではなく、適合すべき時期を分割する制度である。

よくある質問 AI による整理

Q1全体計画認定とは何ですか?

既存不適格建築物を二以上の工事に分けて改修する計画を、特定行政庁が建築基準法86条の8に基づいて認定する制度です。認定を受けると現行規定の遡及適用が最後の工事の着手時まで繰り延べられます。

Q2全体計画認定を受けると何が変わりますか?

3条2項・3項の読み替えが働き、複数の工事の期間中と工事の間の期間も既存不適格の扱いが続きます。適合義務が消えるのではなく、適合すべき時点が最後の工事の着手時まで移動します。

Q3全体計画認定の三つの要件は何ですか?

工事の分割が建築物の利用状況その他の事情によりやむを得ないこと、全工事完了後に建築物と敷地が建築基準法令に適合すること、いずれの工事完了後も危険性や有害性が増大しないことの三つです(1項1号〜3号)。

Q4認定を受けずに最初の工事に着手するとどうなりますか?

3条3項の原則どおり、大規模の修繕や模様替に着手した時点で既存不適格の適用除外が失効し、建物全体を現行の建築基準法令に適合させる必要が生じます。後から認定へ載せ替えることは実務上困難です。

Q5全体計画に従わずに工事を進めるとどうなりますか?

特定行政庁は5項により、相当の猶予期限を付けて改善に必要な措置をとるよう命じることができます。命令に違反すると6項により認定そのものが取り消されます。

Q6全体計画認定が取り消されるのはどんな場合ですか?

6項は、認定建築主が5項の改善命令に違反したときに、1項または3項の認定を取り消すことができると定めます。取消し後は既存不適格の扱いが外れ、違反是正の枠組みへ移行します。

Q7工事と工事の間の期間も既存不適格の扱いは続きますか?

続きます。1項は3条2項の「工事中の」を「認定を受けた全体計画に係る二以上の工事の工事中若しくはこれらの工事の間の」と読み替えており、工事の合間の期間も対象に含まれます。

Q8特定行政庁から工事の状況について報告を求められますか?

4項により、特定行政庁は認定建築主に対して認定を受けた全体計画に係る工事の状況について報告を求めることができます。変更認定を受けた場合は変更後の計画が基準になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1工事を二回に分ければ、いつでもこの認定は使えるんですか?

使えません。1項1号が「当該建築物の利用状況その他の事情によりやむを得ない」ことを要件にしています。営業を止められない病院・ホテル・商業施設、入居者のいる共同住宅が典型で、単に予算配分の都合で分けたいだけでは通りにくい。実務のポイント:やむを得なさの立証材料は建築図面ではなく、テナント契約書・稼働率・患者受入体制といった建築外の資料です。設計図だけ持って事前協議に行くと、そこで止まる

Q2認定を取ったあとで、計画を変えたくなったらどうなりますか?

3項で特定行政庁の変更認定が必要です。国土交通省令で定める軽微な変更を除き、黙って変えると5項の改善命令、6項の認定取消しへ直結します。取り消されれば既存不適格の傘が外れ、建物全体が現行規定に引き戻される。実務のポイント:テナント都合で工事順序が入れ替わるのは日常茶飯事です。申請書に工事順序を細かく書き込みすぎず、どこまでが軽微な変更かを事前協議の段階で詰めておく

Q3この認定を持っていることは、ビルを売るときに関係しますか?

大いに関係します。既存不適格のままのビルは買主側で追加改修コストが読めず価格を叩かれますが、全体計画認定は是正の道筋を特定行政庁が認めた公的書面です。ただし工事義務、4項の報告、5項の命令リスクもセットで承継の整理が要る(説明義務の運用は最新の取扱いをご確認ください)。実務のポイント:デューデリでは認定書そのものより、特定行政庁への報告履歴を見ます。報告が滞っている案件は、改善命令の一歩手前のことがある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「どうすれば現行法の適用を免れるか」という問いの立て方そのものが誤っている。86条の8は適合義務を免除しない。全体計画に係る全ての工事の完了後に建築物と敷地が建築基準法令に適合することは1項2号の要件そのものであり、この制度が動かせるのは適合の「期限」だけである
  • 既存不適格に遡及適用があること自体は知られているが、その引き金の軽さが知られていない。引き金は増築だけではなく、大規模の修繕、大規模の模様替も含まれる(3条3項3号)。外壁や屋根の改修が主要構造部の過半に及べば、それだけで時計が動き出す。耐震補強のつもりの工事が、建物全体の遡及適用を呼び込む
  • 所有者から見れば「段階的に直している途中」でも、特定行政庁から見えているのは認定した全体計画の履行状況だけである。この落差が4項の報告徴収と5項の改善命令になって現れ、悪意がなくても工程遅延の説明を怠った時点で6項の認定取消しの射程に入る
比較の観点この条文ほかの条文
制度の目的86条の8:工事を分割し、遡及適用の時期を最後の工事の着手時まで繰り延べる3条2項・3項:既存不適格の適用除外と、工事着手による失効
86条の7:既存不適格建築物の増築等における制限の個別緩和
効果の中身適合の「期限」を動かす。適合義務そのものは全工事完了後に残る着手により適用除外が失効し、建物全体へ現行規定が及ぶ
一定範囲の規定について緩和された基準の適用を認める
必要な手続特定行政庁の認定(1項)、変更時は変更認定(3項)法律上当然に適用・失効し、独立の申請手続はない
建築確認の中で施行令の緩和基準への適合を判断
従わなかった場合報告徴収(4項)→ 改善命令(5項)→ 認定取消し(6項)違反状態となれば9条の是正命令の対象
緩和要件を欠けば確認済証が下りない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
建築法(中華民国)および各地方自治体の建築管理自治条例

台湾では既存建築物が現行規定に適合しない場合の扱いを建築法と地方の建築管理自治条例で個別に運用しており、日本の全体計画認定のように工事を分割して遡及適用を一括で繰り延べる統一的な認定制度は明文化されていない(対応条文は人的検証が必要)

韓国
건축법 제6조(既存の建築物等に関する特例)

韓国建築法にも既存建築物に対する特例があり、大統領令の定めるところにより現行基準の適用が緩和される。ただし工事を二以上に分割する計画を行政庁が一体として認定する枠組みとは構造が異なる

ドイツ
Bestandsschutz(既存保護の法理)/ Landesbauordnungen

ドイツでは既存建築物は原則として現行規定の遡及適用を受けないが、本質的変更(wesentliche Änderung)があれば既存保護が失われる。遡及の引き金が工事の性質で決まる点は日本の3条3項と機能的に近い

アメリカ
International Existing Building Code (IEBC)

米国では IEBC が既存建築物の alteration を段階に区分し、Work Area Method により工事範囲ごとに適用基準を定める。段階的改修を前提に基準を組み立てる発想は86条の8と目的を共有する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、最初の工事の確認済証が下りた翌週に全体計画認定の存在を知ったとしたら? 着手前なら間に合うが、着手してしまえば後から載せ替えることは実務上できない。着工日まであと10日。設計者と特定行政庁への事前協議を今週中にねじ込めるかどうかで、残り四期分の工事費が変わる
  • 認定は取った。だが二期目の工事をテナント都合で先送りし、特定行政庁への報告(4項)も止めていた。改善命令の文書が届く
  • あなたはテナントとして入居中のビルで、オーナーが階ごとの段階改修を始めた。工事期間中、あなたのフロアの避難経路は仮設のままだ。1項3号は「いずれの工事の完了後においても」安全上、防火上及び避難上の危険性が増大しないことを認定の条件にしている。仮設が長期化しているなら、特定行政庁に照会する筋がある
  • 親から旧耐震の雑居ビルを相続した友人に、「全館空にしないと直せないと言われた、どうすればいい」と相談される。あなたは三要件と、最初の工事に着手する前に事前協議へ持ち込むという順序を、三分で説明できる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 最初の工事の確認申請を出す前に特定行政庁へ事前協議、着手後の載せ替えは実務上ほぼ不可能2. 三要件のうち最難関は1項1号の「やむを得ない」の立証、テナント契約・稼働率・入院患者の受入体制など建築以外の資料で固める3. 全工事完了後の適合図に加え、各工事の完了時点での避難経路・防火区画・敷地の安全を検証した図面を工事ごとに用意4. 工事順序と期間には幅を持たせ、3項の変更認定が必要になる範囲を事前に特定行政庁と握っておく

訴えられた側:1. 5項の命令には相当の猶予期限が付く、期限内に是正するか3項の変更認定へ切り替えれば6項の取消しは回避できる2. 「全体計画に従っていない」の中身を文書で特定させる、単なる工程遅延か計画内容の変更かで打ち手が違う3. 資金難による中断なら、工事順序の変更認定で現実的な計画へ組み直す道を先に探る4. 取消しが出れば既存不適格の傘が外れ、以後は9条の是正命令ルートへ移って対応コストが跳ね上がる

時効(請求できる期限):本条自体に消滅時効の定めはない。実務上の期限は二つ、5項の改善命令に付された「相当の猶予期限」(経過すれば6項の認定取消し)と、認定の効力が及ぶ終点である最後の工事の着手時点である。認定の取消しなど特定行政庁の処分に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)改正 全体計画認定制度として新設。営業を継続しながら段階的に改修する既存不適格建築物について、遡及適用を最後の工事の着手時まで繰り延べる枠組みを創設した(改正年・施行日は人的検証が必要)
  • 平成30年(2018年)改正 既存建築ストックの活用促進の一環として、段階的・計画的な改修を支える全体計画認定の射程が用途変更の場面へ拡張されたとされる(対象条文と条番号は人的検証が必要)

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:全体計画認定制度として新設された。営業や居住を継続しながら段階的に改修する既存不適格建築物について、遡及適用を最後の工事の着手時まで繰り延べる枠組みを創設したもの(施行日および改正法律番号は人的検証が必要)

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建築基準法の全文を見る所属する編章節を開く:第六章 雑則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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