地方税法 第389条(道府県知事又は総務大臣の評価の権限等)
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- 道府県知事(次に掲げる固定資産について関係市町村が二以上の道府県に係るときは、総務大臣。以下この条において同じ。)は、次に掲げる固定資産について、固定資産評価基準により、第四百九条第一項から第三項までの規定の例により評価を行つた後、総務省令で定めるところにより、当該固定資産が所在するものとされる市町村並びにその価格及び第三百四十九条の三、第三百四十九条の三の二又は第三百四十九条の三の四の規定の適用を受ける固定資産についてはその価格にそれぞれこれらの規定に定める率を乗じて得た額(以下固定資産税について「価格等」という。)を決定し、決定した価格等を当該市町村に配分し、毎年三月三十一日までに当該市町村の長に通知しなければならない。ただし、災害その他特別の事情がある場合には、四月一日以後に通知することができる。
- 一総務省令で定める船舶、車両その他の移動性償却資産又は可動性償却資産で二以上の市町村にわたつて使用されるもののうち総務大臣が指定するもの
- 二鉄道、軌道、発電、送電、配電若しくは電気通信の用に供する固定資産又は二以上の市町村にわたつて所在する固定資産で、その全体を一の固定資産として評価しなければ適正な評価ができないと認められるもののうち総務大臣が指定するもの
- 2.市町村長は、前項の規定による通知を受けた場合には、遅滞なく、当該市町村に配分された固定資産の価格等を固定資産課税台帳に登録しなければならない。
- 3.前項の場合において、第一項第一号の償却資産に係る価格等の配分の通知を受けた市町村長は、当該償却資産がその通知のあつた日前に登録されていなかつたときは、新たに第三百八十一条第五項に規定する登録事項を登録しなければならない。
- 4.市町村長は、第一項の規定により道府県知事がした価格等の配分が当該市町村に著しく不利益であると認める場合には、道府県知事に対して、事由を具してその配分の調整を申し出ることができる。
- 5.道府県知事は、第四百九条第一項から第三項までの規定による市町村における固定資産の評価が固定資産評価基準により行われていないと認める場合には、第一項の規定により当該市町村に配分される当該固定資産の価格等について必要な調整を加えることができる。
- 6.総務大臣は、次に掲げる場合には、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。
- 一第一項第一号又は第二号の規定による固定資産の指定をしようとするとき。
- 二第一項の規定による固定資産の価格等の決定及び配分をしようとするとき。
- 三第四項の規定による固定資産の価格等の配分の調整の申出を受けたとき。
- 四前項の規定による固定資産の価格等の配分の調整をしようとするとき。
この条文の基本情報
道府県知事又は総務大臣の評価の権限等とは何ですか?
定義道府県知事又は総務大臣の評価の権限等とは、地方税法第389条に定められた規定で、「道府県知事(次に掲げる固定資産について関係市町村が二以上の道府県に係るときは、総務大臣。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第389条(道府県知事又は総務大臣の評価の権限等)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第389条の条文原文は「道府県知事(次に掲げる固定資産について関係市町村が二以上の道府県に係るときは、総務大臣。」で始まります。
- 地方税法第389条は第五款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第389条の前の条は地方税法第388条です。
- 地方税法第389条の次の条は地方税法第390条です。
- 地方税法第389条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第389条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第389条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/389
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法389条は、鉄道・送電・通信設備や移動性償却資産等を道府県知事または総務大臣が一体評価し、価格等を関係市町村に配分して毎年3月31日までに通知すると定める。
Q · 町を通る新幹線や送電線の固定資産税は、町役場が評価しているの?
いいえ。知事か総務大臣が評価し、町には配分額が届くだけです
地方税法389条により、鉄道・送電・電気通信設備や複数の市町村で使われる船舶・航空機などのうち総務大臣が指定した資産は、道府県知事(二以上の道府県にまたがる場合は総務大臣)が一体として評価します。知事・大臣は所在市町村と価格等を決めて配分し、毎年3月31日までに市町村長へ通知します。市町村長はそれを固定資産課税台帳に登録し、著しく不利な配分なら知事に調整を申し出ることができます。
解説
新幹線の線路、山を越える送電線、全国を飛び回る旅客機。どれも固定資産税の課税対象だが、どの町が課税するのかを一つの市町村だけでは決められない。そこで地方税法389条は、こうした資産の評価を市町村から取り上げ、道府県知事に任せている。関係する市町村が二つ以上の道府県にまたがる場合は、総務大臣が受け持つ。知事または大臣は、資産全体を一体として評価する。そのうえで、資産がどの市町村にあるものとして扱うか、いくらの価格を割り当てるかを決め(配分)、毎年3月31日までに各市町村長へ通知する。市町村はこの数字をそのまま固定資産課税台帳(課税の基礎になる公式の帳簿)に登録するしかない。不利な配分だと考えれば、知事に調整を申し出ることはできる。あなたの町の財政を支えている税収の一部は、町役場ではなく霞が関や県庁の机の上で、数字として割り振られている。
法的な位置づけ
地方税法389条は、道府県知事または総務大臣による固定資産の評価・配分を定める規定である。総務大臣が指定する広域的・移動性の固定資産について、固定資産評価基準に基づき一体評価を行い、所在するものとされる市町村と価格等を決定・配分して市町村長へ通知する。市町村長はこれを固定資産課税台帳に登録する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社資産のうち指定資産を洗い出す 鉄道・送電・配電・通信設備、複数市町村で使う船舶・車両・航空機などのうち、総務大臣の指定を受けた資産を一覧化し、評価主体(知事か総務大臣か)を資産台帳に明記する
- 2.1月31日までに知事または総務大臣へ申告 1月1日現在の指定資産について、取得価額・耐用年数・除却済み資産を正確に反映し、市町村ではなく道府県知事または総務大臣に申告する(地方税法394条)
- 3.3月31日までの配分通知を確認 市町村の財政担当は、知事・大臣からの配分通知を受け取ったら前年度と資産区分ごとに比較し、増減の原因を確認したうえで固定資産課税台帳に遅滞なく登録する(389条2項)
- 4.著しく不利な配分なら調整を申し出る 区域内の線路延長や設備数など配分の基礎となる事実を独自に確認し、著しく不利益と認める事由を書面にまとめて道府県知事に配分の調整を申し出る(389条4項)
よくある質問 AI による整理
Q1大臣配分資産とは何ですか?
総務大臣が指定し、関係市町村が二以上の道府県にまたがるため総務大臣が評価・配分する固定資産です。鉄道、送電線、通信網、航空機などが典型です(地方税法389条1項)。
Q2知事配分資産と大臣配分資産の違いは?
関係市町村が一つの道府県内に収まれば道府県知事が、二以上の道府県にまたがれば総務大臣が評価・配分します。仕組み自体は同じ389条に基づきます。
Q3固定資産税の配分通知はいつ届く?
原則として毎年3月31日までに知事または総務大臣から市町村長へ通知されます。災害その他特別の事情がある場合は4月1日以後になることもあります。
Q4鉄道の固定資産税はどこの市町村に入る?
線路などが所在するものとされる各市町村に、総務省令で定める方法で価格等が配分されます。課税するのは配分を受けた各市町村です。
Q5配分に市町村が不満なときはどうする?
市町村長は、配分が著しく不利益だと認める場合、事由を示して道府県知事に配分の調整を申し出ることができます(地方税法389条4項)。
Q6大臣配分の決定に地方財政審議会は関わる?
関わります。総務大臣は資産の指定、価格等の決定・配分、調整の申出を受けたときなどに、地方財政審議会の意見を聴かなければなりません(389条6項)。
Q7航空機や船舶にも固定資産税はかかる?
かかります。二以上の市町村にわたって使われる移動性・可動性償却資産で総務大臣が指定したものは、389条により知事または大臣が評価・配分します。
Q8固定資産評価基準は誰が決める?
総務大臣が定めて告示します(地方税法388条)。389条の評価も、この固定資産評価基準に従って行われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社の送電線って、市役所に申告すればいいんですか?
複数の市町村にまたがり、総務大臣の指定を受けた送電・配電設備などは、市町村ではなく道府県知事または総務大臣に申告する(地方税法394条、389条1項)。実務のポイント:同じ会社の中でも、一つの町で完結する変電所は市町村へ、町をまたぐ線路は大臣へ、と申告先が分かれることがある。資産台帳に「評価主体」の列を一つ足しておくだけで、毎年1月の申告漏れはほぼ防げる
Q2配分された価格がおかしいと思ったら、普通の固定資産税と同じように審査委員会に申し出ればいいんですか?
通常の資産と同じ扱いにはならない。知事や大臣が決定・配分した価格は、固定資産評価審査委員会への審査申出の対象から除外されている(地方税法432条1項括弧書)。実務のポイント:争うルートについては実務上、議論が整理しきれていない部分がある。そのため、価格が確定した後に争うより、申告段階で根拠資料を厚くしておく方が確実である。大手インフラ企業の税務部門が1月の申告にもっとも人手をかけるのはこのためだ
間違えやすい点 AI による整理
- 固定資産税は「市町村長が評価し、市町村が課税する税」だと理解されている。土地や家屋の大半はそのとおりだ。しかし、複数の市町村にまたがる鉄道・電気・通信設備や、移動する船舶・車両などで大臣・知事の指定を受けたものは、評価と配分の権限が知事または総務大臣にある。課税するのは市町村だが、価格を決めるのは市町村ではない
- 問いの立て方が誤っている典型が「うちの町は鉄道会社からいくら税金を取れるか」である。389条の資産では、町が自ら評価して取りにいくのではない。上から割り当てられた価格を台帳に登録する立場にある。町にできるのは、配分が著しく不利だと事由を示して調整を申し出ることだ。税額を交渉する場面ではない
- 企業から見れば、数十の市町村に分散している設備は、数十の税務窓口と付き合う面倒な資産に見える。法律から見れば、一体評価を一か所で行うことで市町村ごとの評価のばらつきを防ぐ仕組みである。その代わり、申告先も不服を申し立てる経路も通常の資産とは異なる。社内の申告スケジュールを市町村向けの一本だけで組んでいると、ここで漏れが出る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 評価する者 | 389条:道府県知事または総務大臣 | 409条:市町村長(固定資産評価員の評価に基づく) 394条:評価主体は389条と同じ(申告先を規定) |
| 対象資産 | 鉄道・送電・通信設備、移動性償却資産等で総務大臣が指定したもの | 上記以外の土地・家屋・償却資産 389条の指定資産の所有者による申告 |
| 価格への不服 | 市町村長は知事へ配分調整の申出(4項) | 納税者は固定資産評価審査委員会へ審査申出 432条1項括弧書により配分価格は審査申出の対象外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の房屋税は直轄市・県(市)政府が不動産評価委員会の評定に基づき課税する。償却資産への財産課税や広域資産の配分制度はない
ドイツは財産ではなく営業税の課税標準を、複数市町村に事業所を持つ企業について市町村間で分割(Zerlegung)する。広域事業の税収を配分する発想は共通する
フランスの IFER は鉄道車両、変電設備、通信設備などネットワーク事業者の資産に定額で課税し、地方団体の財源とする
米国の多くの州は鉄道・公益事業資産を州の機関が一体評価(unit valuation)し、地方の課税団体に配分する。連邦法は鉄道資産への差別的課税を禁じている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 電力会社の税務担当として着任した初年度、送電設備の固定資産税の申告先が市町村ではなく総務大臣だと知らされた。1月31日の申告期限まで残りは数週間しかない(地方税法394条)。前任者の引継書にこの区別が書かれていなかったら、どこに出せばよいか迷うことになる
- もし、隣の町には新幹線の駅があり、自分の町は線路が通っているだけだとしたら、税収の配分はどうなるのか。実は線路部分も配分の対象になる。町議会で「鉄道からいくら入っているのか」と聞かれた財政課職員は、県や国からの通知書を確認することになる
- 市の税務課職員が、今年の配分額が前年から大きく減っていることに気付いた。設備の撤去はなかったはずだ。このとき使える手段は、事由を示して道府県知事に配分の調整を申し出ることである(本条4項)
- あなたは地方の小さな航空会社の経理担当。機体の価格に不服があり、いつもどおり市の固定資産評価審査委員会に申し出ようとした。ところが、知事や大臣が決めた配分価格は、この委員会の審査対象から外されている(432条1項括弧書)。普段の争い方が通用しない
取るべき行動
被害を受けた側:市町村の立場で配分が不利だと感じたら、1. 前年度の通知との差額を資産区分ごとに分解する2. 区域内の線路延長、設備数、発着回数など、配分の基礎となる事実を独自に確認する3. 著しい不利益の事由を書面で整理し、道府県知事に調整を申し出る(本条4項)。大臣配分の資産では、地方財政審議会の意見聴取を経る(6項)ため、根拠資料の質が結果を左右する
訴えられた側:資産の所有者である企業の立場では、1. 自社のどの資産が大臣・知事の指定資産なのかを一覧化する2. 申告先が市町村ではなく知事または総務大臣であること(394条)を社内マニュアルに明記する3. 価格に不服がある場合、市町村の固定資産評価審査委員会は使えない(432条1項括弧書)。どのルートで争うかは、早い段階で税理士・弁護士に確認する
時効(請求できる期限):知事・大臣から市町村長への通知期限は毎年3月31日(災害その他特別の事情があれば4月1日以後も可)。所有者の申告期限は毎年1月31日(1月1日現在の資産について、394条)。市町村による調整申出には条文上の期限がないが、課税スケジュールを考えると通知を受けてすぐ動くのが現実的である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:広域的・移動性の資産を各市町村が個別に評価すると評価の重複や不均衡が生じるため、知事・総務大臣による一体評価と配分は評価の統一性を確保する合理的な仕組みと理解されている。市町村の課税権自体は維持され、評価権限のみが上位機関に移る構造である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定に伴い、固定資産税の創設とともに道府県知事・大臣による評価・配分の仕組みが設けられた
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