地方税法 第685条(市町村法定外普通税の特別徴収の手続)
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- 市町村法定外普通税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該市町村法定外普通税の徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
- 2.前項の特別徴収義務者は、当該市町村法定外普通税の納期限までにその徴収すべき市町村法定外普通税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
- 3.前項の規定によつて納入した納入金のうち市町村法定外普通税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
- 4.特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
この条文の基本情報
市町村法定外普通税の特別徴収の手続とは何ですか?
定義市町村法定外普通税の特別徴収の手続とは、地方税法第685条に定められた規定で、「市町村法定外普通税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該市町村法定外普通税の徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第685条(市町村法定外普通税の特別徴収の手続)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第685条の条文原文は「市町村法定外普通税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該市町村法定外普通税の徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指…」で始まります。
- 地方税法第685条は第九節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第685条の前の条は地方税法第684条の2です。
- 地方税法第685条の次の条は地方税法第686条です。
- 地方税法第685条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第685条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第685条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/685
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法685条は、市町村が法定外普通税を特別徴収する際、徴収の便宜を有する者を条例で特別徴収義務者に指定させ、納入申告・納入義務と未払分の求償権を定める。
Q · 市の独自課税で特別徴収義務者に指定されたら、客が払わなかった税も自分が納めるの?
原則として立て替えて納め、後で客に求償する
地方税法685条2項により、特別徴収義務者は納期限までに納入申告書を市町村長に提出し、納入金を納める義務を負います。客(納税者)が税相当分を払わなかった場合でも、その分を含めて納入したうえで、3項の求償権に基づき客に請求する構図です。求償の訴えを起こしたときは、4項により市町村の徴税吏員が職務上の秘密に当たる場合を除いて証拠提供などの援助をしなければなりません。ただし少額の求償は費用倒れになりやすいため、先払い制など精算方法の設計が実務上の要になります。
解説
市町村が独自の税を作り、その徴収を民間の事業者に任せる。ここに日本の税制の中でも特に見落とされやすい仕組みがある。法定外普通税(地方税法に名前が載っていない、市町村が自前で作る使い道自由な税)を特別徴収(納税者から直接ではなく、取引の途中にいる者が預かって納める方式)で集めるとき、市町村は「徴収の便宜を有する者」を条例で特別徴収義務者に指定する。指定されたのが駐車場の経営者や寺院であっても、その人は役所の代わりに客から税を預かり、納期限までに申告書と現金を市町村に届ける義務を負う。見落とされやすいのは第3項である。客が払わなかった分も、義務者はまず自腹で納める。そのうえで、払わなかった客に対して後から取り立てる権利(求償権)を持つ。つまりリスクは役所ではなく、あなたの帳場が負う。第4項は、その取り立て訴訟に役所の担当者が証拠を出して協力する義務まで定めている。指定を受ける側に回ったとき、この四つの項の順番どおりに動けるかどうかで、損を出すかどうかが決まる。
法的な位置づけ
地方税法第685条は、市町村法定外普通税の特別徴収に関する規定である。徴収の便宜を有する者を市町村条例で特別徴収義務者に指定すること、同義務者が納期限までに納入申告書を提出し納入金を納める義務を負うこと、納税者の未払分について同義務者が求償権を有すること、その求償訴訟で徴税吏員が証拠提供等の援助義務を負うことを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指定通知と根拠条例を確認する 特別徴収義務者の指定通知が届いたら、根拠条例の課税標準、税率、納期限、納入申告書の記載事項、徴収事務の交付金の有無を一覧にまとめる。不明点は市町村の税務担当課に書面で照会する
- 2.未収が出ない精算の仕組みに切り替える 料金と税を一体で先払いにする、精算機やレジに税額を自動計上させるなど、税の未収が構造的に生じにくい運用へ変更する。客向けの掲示文も用意する
- 3.預かり額を日次で記録する 課税標準となる台数・人数と預かった税額を毎日記録し、未収が出た場合は日時、車両番号、映像などの証拠を残す。帳簿が不十分だと申告額を争われたときに不利になる
- 4.納期限までに申告と納入を済ませる 課税標準額と税額を記載した納入申告書を市町村長に提出し、納入金を納める。数字に争いがある部分があっても、争いのない部分を先に納めて延滞金を抑える
- 5.未収分を求償し、必要なら徴税吏員の援助を求める 未払いの納税者に請求し、訴えを提起する場合は、地方税法685条4項に基づき市町村の徴税吏員へ証拠提供などの援助を書面で依頼する。費用対効果を事前に見積もる
よくある質問 AI による整理
Q1法定外普通税とは何ですか?
地方税法に税目の定めがなく、市町村などが条例で独自に新設する、使い道を限定しない税です。新設や変更には総務大臣との協議と同意が必要です(地方税法669条)。
Q2特別徴収義務者とは誰のことですか?
納税者から直接ではなく、取引の途中で税を預かって自治体に納める者です。法定外普通税では「徴収の便宜を有する者」が条例で指定されます(地方税法685条1項)。
Q3特別徴収した税の納入申告書には何を書きますか?
課税標準額、税額、その他条例で定める事項です。納期限までに市町村長に提出し、あわせて納入金を納めます(地方税法685条2項)。
Q4特別徴収義務者が税を納めないとどうなりますか?
延滞金が発生し、滞納処分の対象になりえます。意図的な不納入は罰則の対象にもなりうるため、具体的な内容は条例と地方税法の該当規定を確認してください。
Q5特別徴収義務者の求償権の時効は?
求償権は私法上の債権として、民法166条の一般消滅時効(知った時から5年、行使できる時から10年)が適用されると考えられます。早めの請求が安全です。
Q6法定外普通税の特別徴収に手数料は出ますか?
地方税法685条自体は手数料を定めていません。徴収事務への交付金の有無や金額は各市町村の条例と運用によるため、指定を受けたら条例を確認してください。
Q7特別徴収義務者の指定に不服がある場合は?
処分性が認められる場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討します(行政不服審査法18条)。条例の適法性自体を争う道もあります。
Q8法定外普通税の特別徴収の実例はありますか?
太宰府市の「歴史と文化の環境税」は、駐車場の経営者が利用者から税を預かって市に納める方式です。過去には京都市の古都保存協力税で寺院が徴収を担いました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちが特別徴収義務者に指定されたって通知が来たんですけど、断れないんですか?
条例に基づいて指定された以上、本条1項により個人の意思で拒否はできません。争うなら、指定が条例の要件に合っているか、条例そのものが適法かを審査請求や訴訟で争う形になります。実務のポイント:条例に徴収の手数料にあたる交付金の規定があるかを確認してください。規定がない、または低すぎる場合、業界団体を通じた条例改正の要望は、個別に争うよりはるかに通りやすいことがあります
Q2お客さんが税金分を払わずに帰ったら、その分はどうなるんですか?
本条2項の納入義務は残るため、まず義務者が市に納め、3項の求償権で客に請求するのが基本です。訴訟になれば4項により市の徴税吏員に証拠提供などの援助を求められます。実務のポイント:少額の求償は費用倒れになりやすいので、実務の勝負は事後の回収より、税込み料金を先払いにする精算の設計で決まります。条例の運用上、未収分の扱いを市と事前に協議できる場合もあるので、指定直後に担当課に確認しておくと有利です
間違えやすい点 AI による整理
- 「客が払わなかった税は、払わなかった客の問題で自分には関係ない」と考える事業者は多い。第2項の納入義務は預かった金額ではなく「徴収すべき」税額にかかる。未収分も原則として義務者が立て替え、後から求償する構図であり、回収できなければ損はそのまま残る
- 求償権があることは知っていても、その実効性まで見ている人は少ない。逃げた客一人あたり数百円の税のために訴訟を起こすのは、費用の面でまず割に合わない。第4項の役所の協力義務は訴訟の段階で初めて効いてくる仕組みであり、少額の未収には事実上の救済になりにくい。対策は事後の求償ではなく、事前の精算の仕組みづくりにある
- 「市の税なのだから、集め方の苦労は市が考えるべきだ」という発想は、法律の目線とずれている。条例で義務者に指定された瞬間から、あなたは行政の補助者として法的義務を負う立場にある。苦情を言う相手は市でも、帳簿と申告の責任を負うのはあなた自身だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる税 | 地方税法685条:市町村が条例で新設する法定外普通税 | 地方税法321条の4:個人の市町村民税(住民税)の給与からの特別徴収 |
| 特別徴収義務者 | 駐車場経営者など「徴収の便宜を有する者」を条例で指定 | 給与を支払う事業者(給与支払者) |
| 徴収の場面 | 客との取引の際に料金と一緒に税を預かる | 従業員の毎月の給与から天引きする |
| 未収リスク | 客の未払分も納入し、求償権(3項)と徴税吏員の援助(4項)で回収を図る | 天引きのため未収は生じにくく、主な論点は天引き後の不納入 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも直轄市・県(市)が地方税自治条例により特別税課を開徴できるが、事業者に代徴させる手続と求償の明文は日本ほど体系化されていない
韓国は租税法律主義が厳格で、自治体が独自に税目を新設する余地は日本より狭い。特別徴収義務者の制度自体は存在する
ドイツの州・市町村は地方消費税・奢侈税(例:Zweitwohnungsteuer)を課すことができ、宿泊税などでは事業者が徴収を担う例がある
米国では宿泊税や駐車場税を事業者が徴収・納付する方式が広く採用され、未徴収分も事業者が責任を負う設計が一般的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが観光地で月極・時間貸しの駐車場を経営している。市が新しい法定外普通税を作り、条例であなたを特別徴収義務者に指定した。料金と一緒に一台いくらの税を集め、毎月まとめて市に納めることになる。レジの設定変更は自分持ちだ
- 出口ゲートを突破して料金も税も払わずに逃げた車がいた。それでも、その一台分の税をあなたが市に納める義務は消えるのか? 第2項の納入義務は残り、第3項の求償権で後から運転者に請求する構図になる
- 納期限まであと3日。申告書の課税標準額(税額計算の土台となる台数や金額)と、手元の預かり金が合わない。合わないまま放置すると延滞金が日割りで積み上がる。数字を確定させて先に提出し、差額は後で調べる方がまだ安い
- 友人が経営する寺から「拝観料に税を上乗せして市に払えと言われた、断れないのか」と相談された。条例で指定された以上、個人の意思で拒否はできない。争うなら条例そのものの適法性や指定の当否を、手続に沿って争う話になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 指定通知を受けたら、根拠条例の課税標準、税率、納期限、申告書の記載事項、徴収の手数料(交付金)の有無を確認する2. 精算の仕組みを先払い制にするなど、税の未収が構造的に生じない運用へ切り替える3. 未収が出たら、日時、車両番号、映像などの証拠を残す4. 求償の訴えを起こすときは、第4項に基づき市の徴税吏員に証拠提供と援助を書面で求める5. 指定や賦課に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する
訴えられた側:1. 納入が遅れた、または申告額を争われた場合、まず条例上の課税標準と自社の帳簿を突き合わせ、計算の根拠を整理する2. 延滞金は日割りで増えるため、争いのない部分だけでも先に納入して負担を抑える3. 帳簿の記載が不十分だと推計で更正されうるため、取引記録を保存する4. 意図的な不納入は条例と地方税法上の罰則の対象になりうるので、早い段階で税理士に相談する(罰則の内容は最新の条例をご確認ください)
時効(請求できる期限):納入期限は各市町村条例で定める納期限。地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(地方税法18条)。義務者の納税者に対する求償権は、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)による。処分への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)
学説
通説:特別徴収義務者は納税者ではないが、徴収・申告・納入について自治体に対し公法上の義務を負う者と位置付けられる。納税者との間の求償関係は私法上の債権関係として処理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定により、市町村法定外普通税の特別徴収に関する手続規定が置かれた。
- 2.平成12年(2000年) 改正:地方分権一括法の施行により、法定外普通税の新設・変更が許可制から総務大臣との協議・同意制に改められ、本条の前提となる制度環境が変わった。
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