地方公務員法 第25条(給与に関する条例及び給与の支給)
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- 職員の給与は、前条第五項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。
- 2.職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。
- 3.給与に関する条例には、次に掲げる事項を規定するものとする。
- 一給料表
- 二等級別基準職務表
- 三昇給の基準に関する事項
- 四時間外勤務手当、夜間勤務手当及び休日勤務手当に関する事項
- 五前号に規定するものを除くほか、地方自治法第二百四条第二項に規定する手当を支給する場合には、当該手当に関する事項
- 六非常勤の職その他勤務条件の特別な職があるときは、これらについて行う給与の調整に関する事項
- 七前各号に規定するものを除くほか、給与の支給方法及び支給条件に関する事項
- 4.前項第一号の給料表には、職員の職務の複雑、困難及び責任の度に基づく等級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。
- 5.第三項第二号の等級別基準職務表には、職員の職務を前項の等級ごとに分類する際に基準となるべき職務の内容を定めていなければならない。
この条文の基本情報
給与に関する条例及び給与の支給とは何ですか?
定義給与に関する条例及び給与の支給とは、地方公務員法第25条に定められた規定で、「職員の給与は、前条第五項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第25条(給与に関する条例及び給与の支給)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第25条の条文原文は「職員の給与は、前条第五項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない…」で始まります。
- 地方公務員法第25条は第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第25条の前の条は地方公務員法第24条です。
- 地方公務員法第25条の次の条は地方公務員法第26条です。
- 地方公務員法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法25条は、職員の給与を給与条例に基づいてのみ支給できると定め、条例外の金銭・有価物の支給を禁じる。給与は通貨で直接全額払うのが原則である。
Q · 市役所が職員に記念の図書カードを配るのは、少額なら問題ないの?
条例に根拠がなければ、少額でも支給できない
地方公務員法25条1項は、職員の給与を給与条例に基づいて支給することを求め、条例に基づかずに「いかなる金銭又は有価物」も支給してはならないと定めています。判断基準は金額ではなく条例上の根拠の有無です。ただし、同法42条の厚生制度として行う福利厚生との線引きは実務上解釈が分かれるため、個別に支給の性質を確認する必要があります。
解説
市役所が職員に「ご苦労さま」と公費で商品券を配る。善意に見えるこの行為が、地方公務員法25条1項に触れる可能性がある。本条は、職員に渡してよい金銭や有価物(商品券・ギフトカードのように金銭価値のあるもの)を、給与条例に書かれたものだけに限っている。これを給与条例主義という。条例にない手当や、名目だけ変えた実質的な上乗せは、金額の大小に関係なく違法な支出の問題になる。2項は支払い方も縛る。給与は通貨で、本人に直接、全額を払わなければならない。天引きが許されるのは、所得税や共済掛金のように法律か条例が認めたものだけである。職員なら、根拠の分からない控除を人事課に問いただす足場になる。住民なら、自治体の「ヤミ手当」(条例に根拠のない隠れた手当)を住民監査請求で追及する入口になる。給料表が条例として公開されているのは、住民が公務員の給与をチェックできるようにするためでもある。
法的な位置づけ
給与条例主義とは、地方公務員に対する給与その他の金銭・有価物の支給を、議会が制定する給与に関する条例に根拠がある場合に限る原則をいう。地方公務員法25条1項が定め、同条3項から5項は、給料表や等級別基準職務表など条例に規定すべき事項を法律で定めている。
手順
- 1.給与明細と給与条例を照合する 給与明細の支給項目と控除項目を一行ずつ書き出し、自治体の例規集で給与条例・給与規則の該当条項と突き合わせる。根拠条項が見つからない項目に印を付ける
- 2.人事担当へ文書で根拠を照会する 根拠が分からない控除や支給について、人事担当課に「根拠となる条例の条項」を文書またはメールで照会する。口頭ではなく記録が残る形にする
- 3.人事委員会・公平委員会へ措置要求する 照会しても是正されない場合、地方公務員法46条に基づき、人事委員会または公平委員会に給与等の勤務条件に関する措置要求を行う
- 4.住民として監査請求を行う 条例に根拠のない手当の支出を知った住民は、情報公開請求で支出資料を入手し、支出から1年以内に監査委員へ住民監査請求を行う(地方自治法242条)
よくある質問 AI による整理
Q1給与条例主義とは
地方公務員の給与は議会が定める給与条例に基づいてのみ支給できるという原則です。地方公務員法25条1項と地方自治法204条の2が根拠です。
Q2公務員 給料 天引き 違法?
所得税や共済掛金のように法律か条例が認めた控除は適法です。根拠のない天引きは地方公務員法25条2項の全額払原則に反するおそれがあります。
Q3ヤミ手当 とは
給与条例に根拠がないのに支給される隠れた手当のことです。地方公務員法25条1項違反となり、住民監査請求や住民訴訟で返還を求められることがあります。
Q4地方公務員 給料表 どこで見れる?
給料表は給与条例の一部として定められ、各自治体の例規集(条例集)で公開されています。多くの自治体がウェブサイトで例規集を公開しています。
Q5公務員 給与 口座振込 根拠
通貨払原則の例外として、給与条例に口座振込の定めを置き、職員の申出に基づいて行うのが一般的です。条例の根拠が前提になります。
Q6地方公務員 労働基準法24条 適用される?
一般職の地方公務員には労働基準法24条1項が適用されません(地方公務員法58条3項)。代わりに地方公務員法25条2項が働きます。
Q7住民監査請求 いつまで
原則として違法な支出があった日または終わった日から1年以内です(地方自治法242条2項)。正当な理由があれば例外が認められます。
Q8給与条例に書かなければならない事項は?
給料表、等級別基準職務表、昇給の基準、時間外・夜間・休日勤務手当、その他の手当、非常勤職等の給与調整、支給方法・条件です(25条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員でも給料をスマホ決済で受け取れるようになるんですか?
本条2項は通貨払を原則とし、例外は法律か条例で特に認めた場合に限られる。一般職の地方公務員には労働基準法24条1項が適用されない(地方公務員法58条3項)ため、民間のデジタル払い解禁がそのまま及ぶわけではない。口座振込も、給与条例に定めを置いたうえで職員の申出に基づいて行うのが一般的である。実務のポイント:導入を実現したいなら、働きかける先は人事課ではなく条例改正、つまり議会である
Q2払いすぎた手当を、翌月の給料から一気に引かれました。これって仕方ないんですか?
過払いを後の給与から差し引く「調整的相殺」は、全額払原則の例外として判例上一定の範囲で認められている(最判昭和44.12.18)。ただし、過払いの時期と近いこと、予告があること、生活を脅かさない額であることが条件とされる。実務のポイント:条件を外れた一括控除には異議を唱える余地がある。分割での返還を文書で申し出れば、それが交渉の出発点になる
Q3市が職員全員に記念品を配ったらしいけど、違法にならないの?
本条1項は、条例に基づかずに「いかなる金銭又は有価物」も支給することを禁じている。職員という身分に基づく給付と見られれば、給与条例主義の問題になる。ただし、厚生制度(地方公務員法42条)として行う福利厚生との線引きは、実務上解釈が分かれている。実務のポイント:住民監査請求で争われやすいのは、「福利厚生」の名札を付けた実質的な給与の上乗せである
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員の給料は高すぎるのか」という問いは、本条の視点から見るとピントがずれている。本条が問うのは額の多寡ではなく、条例に根拠があるかどうかである。500円でも条例外なら違法の問題になり、高額でも条例どおりなら25条違反にはならない。額が妥当かどうかは24条の均衡原則と議会で議論されるべき問題である
- 民間と同じ労働基準法24条の賃金全額払がそのまま公務員にも及ぶと考えられがちだが、一般職の地方公務員には労働基準法24条1項が適用されず(地方公務員法58条3項)、本条2項が代わりに働く。反対に、水道局やバス事業などの地方公営企業の職員には本条が適用されず(地方公営企業法39条)、労働基準法24条が効いてくる。同じ役所の中でも、身分によって効くルールが入れ替わる
- ヤミ手当が違法だということは多くの人が知っているが、その責任が誰に向かうかはあまり知られていない。住民訴訟では、支出を決めた首長や職員個人に損害賠償を請求するよう自治体に求める形がとられる(地方自治法242条の2第1項4号)。「役所のお金の問題」で終わらず、決裁した個人の財布にまで届きうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 地公法25条:給与支給の根拠(条例)と支払方法 | 地公法24条:給与額の決定原則(職務給・均衡) 地公法42条:厚生制度(福利厚生) |
| 問われる点 | 条例に根拠があるか、通貨・直接・全額で払われたか | 額が職務や民間・他団体と均衡しているか 職員の保健・元気回復等の計画的実施か |
| 違反時の典型的な争い方 | 住民監査請求・住民訴訟、職員の措置要求 | 議会審議、人事委員会勧告 実質的な給与上乗せとして住民監査請求 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では公務員の俸給・加給を法律で定め、法定外の給与支給を認めない点で日本の給与法定主義と同じ方向にある。地方の条例ではなく全国一律の法律で規律する点が異なる
韓国も地方公務員の報酬を法令で定める原則を採る。報酬の具体的内容は大統領令等で規律される
ドイツの官吏俸給は法律で定められ(Gesetzesvorbehalt)、法律に基づかない給付を約する合意は無効とされる。州の官吏は各州の俸給法による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 給与明細に、職場の親睦会費が毎月2,000円天引きされていた。同意書を書いた覚えはない。給与条例の控除規定に根拠がなければ、25条2項の全額払原則に反する可能性がある。まず人事課に、根拠となる条例の条項を文書で尋ねるところから始まる
- 市が払っていた特殊勤務手当が、実際にはない業務に対して支給されていたと地元紙が報じたら、住民は何ができるのか。地方自治法242条の住民監査請求で、返還などの措置を求められる。ただし期限は原則として支出から1年。報道が支出の10か月後なら、残りは2か月しかない
- 給与担当のあなたが、半年分の過払い手当を今月の給与からまとめて差し引いた。予告なしに生活が立ち行かなくなる額を引けば、判例が認める調整的相殺の範囲を超えるおそれがある
- 若手職員が「民間はもう給与を PayPay で受け取れるのに、なぜうちはダメなのか」と聞いてきた。一般職の地方公務員には労働基準法24条1項が適用されず、本条2項の通貨払原則が効いている。条例に定めがない限り、人事課の判断だけでは導入できない
- 退職する課長に、部署の予算から「餞別」名目で5万円を包もうという話が出た。退職手当も給与の一種であり、条例に基づかない公費からの支給は25条1項違反の疑いを呼ぶ。私費で出し合うのと公費で出すのでは、法的な意味がまったく違う
取るべき行動
被害を受けた側:職員の場合:1. 給与明細の支給額と控除項目を、給与条例・規則と一つずつ照合する2. 根拠の分からない控除や未払いは、人事担当に文書で根拠条項を照会する3. 解決しなければ、人事委員会または公平委員会への措置要求(地方公務員法46条)を検討する。住民の場合:情報公開請求で支出資料を入手し、支出から1年以内に住民監査請求(地方自治法242条)を出す
訴えられた側:1. すべての支給・控除について、根拠となる条例の条項を一覧にする2. 条例外の給付が見つかったら即座に止め、法務担当や監査委員と協議する3. 過払いの調整は時期と額を合理的な範囲に収め、事前に本人へ通知する4. 住民監査請求を受けたら、条例上の根拠と支出を決めた経緯を資料で説明する。決裁者個人が責任を問われうるので、早めに顧問弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):住民監査請求:違法な支出があった日または終わった日から1年(正当な理由があれば例外あり、地方自治法242条2項)。住民訴訟:監査結果の通知から30日以内(同242条の2第2項)。未払給与の請求:労働基準法115条(経過措置により当分の間3年)が適用されるとする扱いが一般的だが、地方自治法236条との関係も含め確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条1項の給与条例主義は、給与の決定を議会の条例制定を通じて住民の統制下に置く趣旨であり、名目や金額を問わず条例に根拠のない給付を禁じる。福利厚生との区別は給付の実質で判断される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、給与条例の必要記載事項に等級別基準職務表が加えられ、その内容を定める第5項が整備されたとされる。改正の範囲・施行日・引用項番号の変更は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定により、給与条例主義と給与の支払方法に関する原則を定める規定として設けられた。
- 2.平成26年(2014年) 改正:地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律により、給与条例の記載事項に等級別基準職務表が加えられた。施行日と項番号の変動は原典での確認が必要。
- 地方公務員法 第24条給与決定原則と勤務条件条例主義
- 地方公務員法 第26条人事委員会の給料表に関する報告勧告
- 地方公務員法 第46条給与など勤務条件の措置要求
- 地方公務員法 第58条労働基準法24条1項の適用除外
- 地方公務員法 第42条厚生制度、給与との線引き
- 地方自治法 第204条の2法律・条例に基づかない給付の禁止
- 地方自治法 第204条給料・手当の種類と条例事項
- 地方公営企業法 第39条企業職員への本条適用除外
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