地方公務員法 第24条(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)
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- 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。
- 2.職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。
- 3.職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。
- 4.職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
- 5.職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。
この条文の基本情報
給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準とは何ですか?
定義給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準とは、地方公務員法第24条に定められた規定で、「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第24条(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第24条の条文原文は「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」で始まります。
- 地方公務員法第24条は第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第24条の前の条は地方公務員法第23条の4です。
- 地方公務員法第24条の次の条は地方公務員法第25条です。
- 地方公務員法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法24条は、職員の給与を職務と責任に応じて定め、生計費や国・民間の給与を考慮することを求める。給与・勤務時間などの勤務条件は条例で定めなければならない。
Q · 市役所の職員の給料や手当は、誰がどうやって決めているの?
議会が可決した給与条例で決まり、条例外の支給は違法
地方公務員法24条5項により、職員の給与・勤務時間その他の勤務条件は条例で定めます。首長にできるのは条例案を議会に出すことまでで、条例にない手当は労使が合意していても支給できません(地方自治法204条の2)。条例の中身には、職務と責任に応じること(1項)と、生計費や国・他の自治体・民間の給与を考慮すること(2項)が求められます。改定の目安になるのは人事委員会の勧告(同法26条)です。
解説
市役所の窓口職員の給与明細に並ぶ手当は、どれ一つとして市長の裁量や組合との交渉だけでは払えない。議会が可決した条例に書かれていなければ、一円も出せないのである。第5項が定めるこの仕組みを「勤務条件条例主義」という。民間なら社長と従業員が合意すれば昇給できる。しかし公務員の給与は住民の税金であり、住民の代表である議会を通すことがその条件になる。一方で職員は、争議行為(ストライキ)を禁じられ(同法37条)、団体協約(労使間で法的拘束力のある約束)を結ぶ権利もない(同法55条2項)。その埋め合わせとして置かれたのが、第2項の均衡原則と人事委員会の勧告である。つまり、あなたが公務員なら、給与への不満をぶつける先は上司ではなく条例と勧告になる。あなたが住民なら、条例にない手当を見つけた時点で住民監査請求を使える。第1項の職務給原則は、実際の職務より上の級の給料を払う「わたり」を違法とする根拠にもなっている。
法的な位置づけ
地方公務員法24条は、地方公務員の給与および勤務条件の根本基準を定める規定である。給与を職務と責任に応じたものとする職務給原則、生計費・国・他の地方公共団体・民間事業の給与等を考慮する均衡原則、兼職に対する給与受領の禁止、給与以外の勤務条件の権衡原則を置く。さらに、給与・勤務時間その他の勤務条件は条例で定めるとする勤務条件条例主義を採る。
よくある質問 AI による整理
Q1勤務条件条例主義とは何ですか?
地方公務員の給与・勤務時間その他の勤務条件は、議会が定める条例で決めなければならないという原則です。地方公務員法24条5項が根拠です。
Q2公務員の「わたり」とは?違法ですか?
実際の職務より上の級の給料を支給する運用のことです。給与を職務と責任に応じたものとする職務給原則(24条1項)に反し、違法とされます。
Q3人事委員会勧告はいつ出されますか?
例年8月から10月ごろに出されます。民間給与の実態調査を基に給料表の改定を勧告し、それを受けた条例改正案が12月議会にかけられることが多いです。
Q4自治体の給与条例はどこで見られますか?
各自治体のサイトの例規集で給与条例と規則を読めます。給与の状況は地方公務員法58条の3に基づいて公表されるので、広報やサイトで確認できます。
Q5条例にない手当を受け取ったら返還しなければいけませんか?
条例に根拠のない支給は違法支出なので、返還を求められる可能性があります。住民訴訟では、支出を命じた首長などに損害賠償の請求がされることもあります。
Q6地方公務員はストライキできますか?
できません。地方公務員法37条が争議行為を禁じています。代わりに人事委員会勧告と措置要求の制度が、労働基本権制約の代償措置と位置づけられています。
Q7公務員の給料表とは何ですか?
職務の級と号給ごとに給料月額を並べた表です。給与条例の別表として定められ、職員は職務の級に格付けされて、その級の号給の給料を受けます。
Q8地域手当とは何ですか?
民間の賃金水準が高い地域に勤める職員に支給される手当です。支給割合は国の基準を踏まえて地域ごとに違うため、隣り合う自治体の給与差の大きな原因になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所の給料って、結局市長が決めてるんですか?
決めるのは市長ではなく議会である。第5項により、給与は条例で定めなければならず、市長にできるのは条例案を議会に出すことまでだ。給料表は条例の別表に載っており、細かい支給手続は規則に任されることが多い。実務のポイント:監査で問題にされやすいのは、条例には手当の名前しかなく、支給額や要件をまるごと規則に任せているケースである。任せる範囲が広すぎると、条例主義に反すると指摘されうる。
Q2隣の市のほうが給料高いの、ずるくないですか?
第2項は、他の自治体や国の職員との均衡を考慮することを求めている。ただし、まったく同じ額にすることまでは求めていない。差が生まれる大きな原因の一つが地域手当で、その割合は国の基準に沿って地域ごとに違う。実務のポイント:隣り合う市どうしでも、地域手当の区分が一段違うだけで年収に数十万円の差が出ることがある。差の正体を知りたければ、まずラスパイレス指数(国家公務員の給与を100とした比較指数)と地域手当の区分を比べてみるとよい。
Q3兼務させられてるのに手当ゼロって、違法じゃないの?
違法ではない。第3項は、他の職員の職を兼ねても、その職に対して給与を受けてはならないと定めている。兼務のたびに給与が二重に払われるのを防ぐための規定である。実務のポイント:ただし第1項の職務給原則により、職務と責任が明らかに重くなった場合には、級の格付けや管理職手当の区分を見直すことで処遇に反映させる余地がある。主張の筋は「兼務手当をくれ」ではなく「職務の格付けを見直してほしい」になる。
Q4会計年度任用職員でもボーナスって出るんですか?
条例に定めがあれば出る。フルタイムの会計年度任用職員は給料と手当を受け(地方自治法204条)、パートタイムの職員は報酬と期末手当を受ける。令和6年度からは、パートタイムにも勤勉手当を支給できるようになった(同法203条の2)。実務のポイント:法律上は支給できるようになっても、条例の改正が遅れている自治体もある。自分の自治体の条例に勤勉手当の規定があるかどうか、確かめる価値は大きい(最新の改正状況をご確認ください)。
間違えやすい点 AI による整理
- 「地方公務員の給料は国が一律に決めている」と思われがちだが、実際は各自治体がそれぞれの給与条例で定めている。国家公務員との均衡は第2項が挙げる考慮要素の一つにすぎない。だから同じ県内の隣り合う市町村でも、給料表の運用や地域手当の割合には差が出る
- 「組合が交渉で勝ち取れば給料は上がる」という考え方自体がずれている。職員団体は当局と交渉でき、書面協定を結ぶこともできる(同法55条9項)。しかし、それで給与が確定するわけではない。条例改正案が議会で可決されて初めて効力が生じる。本当の決定の場は交渉の席ではなく、議会の議場である
- 条例に根拠のない手当が違法だということは、多くの職員も知っている。見落とされがちなのは、それがどれほど重い結果を招くかである。住民訴訟(地方自治法242条の2)では、支出を命じた首長や職員個人に損害賠償の請求がされうる。善意の慣行でも、何年分もまとめて返還を求められることがある
- 職員の側から見れば、長年支給されてきた手当は当然の福利厚生である。法律の側から見れば、条例に書かれていない手当は、毎月の違法支出の積み重ねになる。この見え方のずれに気づいたときには、すでに監査委員の調査が始まっていることが多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 地公法24条:給与・勤務条件の根本基準(職務給・均衡・条例主義) | 地公法25条:給与条例に書くべき事項と、条例に基づかない支給の禁止 地公法26条:人事委員会による給料表の報告・勧告 |
| 主な名宛人 | 給与を定める地方公共団体(議会・首長)と職員 | 給与条例を立案し支給する地方公共団体 人事委員会(議会と首長に対して勧告) |
| 法的な性格 | 条例の中身を方向づける基準と、条例で定めることの要求 | 給与条例の具体的な記載事項 法的拘束力のない勧告(代償措置として尊重される) |
| 違反したときの争い方 | 措置要求(46条)、住民監査請求・住民訴訟 | 条例外支給は違法支出として住民監査請求・住民訴訟の対象 勧告の不実施そのものを直接争う手段は乏しい |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では中央・地方を問わず公務員の俸給を法律で統一的に定めている。自治体ごとの条例で給与を決める日本の条例主義とは、決め方の単位が異なる
韓国も地方公務員法で報酬決定の原則を定め、職務の困難度と責任に応じた報酬を求めるなど、日本の職務給原則と発想が近い
ドイツでは官吏の俸給は法律でしか定められない(法律留保)。憲法上の扶養原則(Alimentationsprinzip)が、俸給水準の下限を画している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、隣の市で同じ係長級の職員が自分より月2万円多くもらっていると知ったら、どう動ける? 第2項は、他の地方公共団体の職員の給与を考慮して給与を定めることを求めている。人事委員会または公平委員会に勤務条件の措置要求(同法46条)を出せば、少なくとも審査の土俵には上げられる
- あなたは町役場の人事係長。職員組合との交渉で「特別業務協力金」を毎年払う合意が慣行になっていた。調べると、給与条例のどこにもこの手当が載っていない。支給を続ければ地方自治法204条の2に反する違法支出になり、住民訴訟で町長個人が返還を求められることもありうる
- 課長が隣の課の課長も兼ねることになった。それでも給与は一円も増えない。第3項が、兼ねた職に対して給与を受けることを禁じているからである
- 市の決算書で、条例に根拠が見当たらない手当の支出を見つけた住民がいる。住民監査請求は、原則として支出の日から1年以内でなければ出せない(地方自治法242条2項)。支出から10か月が過ぎていれば、残りは2か月しかない。情報公開請求で支出命令書を手に入れるところから始めなければ間に合わない
- パートタイムの会計年度任用職員として図書館で働いている。令和6年度から、条例に定めがあれば勤勉手当も支給できるようになった(地方自治法203条の2)。自分の自治体の条例が改正されたかどうか、確認したことはあるだろうか
取るべき行動
被害を受けた側:1. 給与明細の各項目を、給与条例とその委任を受けた規則に一つずつ照らし合わせ、根拠と支給基準を確かめる。2. 他の自治体や国との差に合理的な理由が見当たらなければ、人事委員会または公平委員会に勤務条件の措置要求(同法46条)を書面で出す。3. 降給などの不利益処分を受けた場合は、審査請求(同法49条の2)を期限内に行う。4. 職員団体を通じて交渉し、勧告の時期に合わせて要望を出す。住民の立場なら、情報公開請求で支出記録を入手してから住民監査請求に進む。
訴えられた側:1. 支給しているすべての手当について、条例に根拠があるか、規則への委任が広すぎないかを点検する。2. 「わたり」や名目だけの手当が見つかったら、次の議会で条例化するか廃止するかを決め、それまでの経緯を記録しておく。3. 住民監査請求を受けたら、支出命令書や決裁文書、労使交渉の記録をそろえ、違法性や過失についての主張を組み立てる。4. 返還を求められる可能性がある場合は、早い段階で顧問弁護士に相談し、首長個人の責任がどこまで及ぶかを確かめる。
時効(請求できる期限):本条そのものに時効の定めはない。不利益処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に行う必要がある(地方公務員法49条の3)。住民監査請求は、原則として支出などの行為があった日から1年以内(地方自治法242条2項、正当な理由があれば例外あり)。未払い給与の請求権は、労働基準法115条により5年(当分の間は3年)と扱われることが多い(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:勤務条件条例主義は、財政民主主義にもとづく形式面の統制と、労働基本権制約の代償措置という実質面の保障を兼ねる。条例から規則への委任が広すぎると、条例主義の趣旨に反しうると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 昭和25年(1950年) 地方公務員法の制定とともに設けられ、職務給原則、均衡原則、兼職給与禁止、勤務条件条例主義を定めた
- 平成26年(2014年)改正(平成28年施行) 職務給原則の速やかな達成を求めていた旧第2項が削られ、項番号が繰り上がったと解される。改正内容の詳細は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定とともに設けられ、職務給原則、均衡原則、兼職給与の禁止、勤務条件条例主義を定めた
- 地方公務員法 第14条情勢適応の原則、給与改定の責務
- 地方公務員法 第25条給与条例の記載事項と条例外支給の禁止
- 地方公務員法 第26条人事委員会による給料表の勧告
- 地方公務員法 第46条勤務条件に関する措置要求の手段
- 地方公務員法 第55条職員団体の交渉と協約締結権の否定
- 地方自治法 第204条の2条例に基づかない給与支給の禁止
- 地方公営企業法 第38条企業職員の給与決定の特則
- 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法 第3条教職調整額による時間外手当の代替(通称 給特法)
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