地方公務員法 第39条(研修)
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- 職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。
- 2.前項の研修は、任命権者が行うものとする。
- 3.地方公共団体は、研修の目標、研修に関する計画の指針となるべき事項その他研修に関する基本的な方針を定めるものとする。
- 4.人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができる。
この条文の基本情報
研修とは何ですか?
定義研修とは、地方公務員法第39条に定められた規定で、「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第39条(研修)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第39条の条文原文は「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。」で始まります。
- 地方公務員法第39条は第七節 研修に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第39条の前の条は地方公務員法第38条の7です。
- 地方公務員法第39条の次の条は地方公務員法第40条です。
- 地方公務員法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法39条は、職員に研修を受ける機会を与えるよう求め、研修は任命権者が行い、基本方針は地方公共団体が定め、人事委員会が研修方法を勧告できると定める。
Q · 地方公務員の研修って、職員の義務なの?役所の義務なの?
機会を与える義務は役所側、実施は任命権者が担う
地方公務員法39条1項は、職員に研修を受ける機会が「与えられなければならない」と定めており、研修の機会を保障する責務は組織の側にあります。研修を行うのは任命権者(2項)、研修の目標や計画の指針を含む基本方針を定めるのは地方公共団体(3項)です。人事委員会は研修方法について任命権者に勧告できます(4項)。一方で、正式に命じられた研修は職務そのものであり、正当な理由なく拒めば職務命令違反(32条)となりえます。
解説
「研修は上から押し付けられる面倒な義務」と感じている地方公務員は多い。だが条文の書き出しは逆である。職員には研修を受ける「機会が与えられなければならない」。義務を負っているのは役所の側で、研修はもともと組織があなたに対して負う投資なのだ。実施するのは任命権者(あなたを採用し、異動させる権限を持つ首長や教育委員会など)である。研修の基本方針を定めるのは地方公共団体である。人事委員会は研修のやり方について任命権者に「勧告」(法的な強制力はないが、公式に改善を求める意見)ができる。ここには押さえておくべき二つの顔がある。一つ目に、正式に命じられた研修は職務そのものである。原則として勤務時間として扱われ、正当な理由なく拒めば職務命令違反(32条)として懲戒の対象になりうる。二つ目に、研修の機会が特定の人に偏っていれば、組織自身が定めた基本方針とのずれとして問題にできる余地がある。ただし、本条から個々の職員が「この研修を受けさせろ」と請求できる権利まで導けるかは、実務上、解釈が分かれている。
法的な位置づけ
地方公務員法39条は、地方公務員の研修制度の基本を定める規定である。職員に勤務能率の発揮及び増進のための研修機会を与える責務を組織側に課し、研修の実施主体を任命権者、研修の目標や計画の指針を含む基本方針の策定主体を地方公共団体、研修方法に関する勧告の主体を人事委員会と定めている。
手順
- 1.自治体の研修方針と研修計画を確認する 人事課や自治体ウェブサイトで人材育成基本方針と年度の研修計画を入手し、自分の職種・任用形態が対象に含まれているかを確認する
- 2.人事評価面談で受講希望を書面化する 次期の業務目標とセットで受けたい研修名を目標シートに記入し、評価者の確認を記録として残す
- 3.研修機会の偏りを記録する 研修案内、受講者一覧、受講を認められなかった際の上司の発言を日付入りで保存し、同期・同職種との差を客観的に整理する
- 4.人事委員会・公平委員会または職員団体に相談する 改善されない場合、記録と基本方針の文言を示して苦情相談や職員団体を通じた交渉を行う。懲戒処分を受けた場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法39条とは?
地方公務員の研修制度の基本を定めた条文です。職員への研修機会の保障、任命権者による実施、地方公共団体の基本方針、人事委員会の勧告権の4点を規定しています。
Q2研修に関する基本的な方針とは何ですか?
地方公共団体が定める研修の目標や研修計画の指針などをまとめた方針です(39条3項)。多くの自治体では人材育成基本方針の中で定められています。
Q3自治体の人材育成基本方針はどこで見られる?
多くの自治体が公式ウェブサイトで公開しています。見当たらない場合は人事課に問い合わせるか、情報公開請求で入手することも考えられます。
Q4人事委員会の研修に関する勧告に強制力はある?
法的な強制力はありません。ただし第三者機関からの公式な改善意見であり、任命権者は研修運営の見直しを事実上求められます(39条4項)。
Q5研修を受けさせてもらえないのは違法?
本条から特定の研修を受けさせろという具体的請求権までは読み取りにくく、直ちに違法とは言いにくいです。ただし基本方針との不整合として問題提起する余地はあります。
Q6任命権者とは誰のこと?
職員を採用・異動・昇任させる権限を持つ者で、知事や市町村長、教育委員会、議会の議長、公営企業管理者などが該当します(地方公務員法6条)。
Q7研修中のけがは公務災害になる?
職務として命じられた研修中の災害は、公務上の災害として地方公務員災害補償法の補償対象となりうるのが原則です。任意参加の研修かどうかで判断が分かれることがあります。
Q8国家公務員の研修とは何が違う?
国家公務員の研修は国家公務員法に基づき人事院や各府省が実施します。地方公務員は任命権者が実施し、地方公共団体が基本方針を定める点が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勤務時間外に研修をやらされたら、残業代って出るんですか?
職務として受講を命じられた研修は勤務にあたり、正規の勤務時間外に行われれば時間外勤務として扱うのが原則です(本条1項・2項により任命権者が行う研修)。実務のポイント:案内文に「任意参加」と書かれていても、欠席すると評価や昇任で不利に扱われる実態があれば、実質的には命令と評価されうる。案内文の「任意」という一語だけで判断せず、欠席者がどう扱われているかまで記録しておくこと
Q2会計年度任用職員でも研修は受けられるんですか?
会計年度任用職員も一般職の地方公務員なので、本条の「職員」に含まれます。任期が短いから研修の対象外、という理屈は条文からは出てきません。実務のポイント:総務省も、任用の実態に応じた研修を行うよう自治体に助言している。窓口で責任ある業務を任されているのに研修がないなら、個人のわがままとしてではなく「業務の質の問題」として人事課に提起したほうが通りやすい
Q3研修を断ったら処分されるんですか?
正式な職務命令に正当な理由なく従わなければ、職務命令に従う義務(32条)の違反として懲戒(29条)の対象になりえます。病気や緊急の業務といった正当な理由があれば話は別です。実務のポイント:研修の中身が能率の増進を超えて、思想や信条の告白を繰り返し迫るようなものだった場合、研修命令の適法性そのものが争点になりうる。裁判例の中にはこの点に言及したものもある。拒否する前に、中身の記録を残すことが先決だ
Q4うちの町には人事委員会がないんですが、研修について誰が意見を言ってくれるんですか?
人事委員会は都道府県と指定都市では必ず置かれ、人口15万以上の市と特別区では人事委員会か公平委員会のどちらかを置きます。それ以外の市町村は公平委員会です(7条)。本条4項の勧告権を持つのは人事委員会だけです。実務のポイント:公平委員会しかない小さな自治体では、研修の偏りを外から正す公式ルートが細い。実際には職員団体との交渉や議会での質問が、研修計画を動かす現実的なてこになっている
間違えやすい点 AI による整理
- 研修は「受けさせられるもの」だと思われがちだが、条文の構造は逆である。職員に研修の機会を与える責務を負っているのは組織の側で、職員は投資を受ける側に立つ。研修の案内を業務の邪魔と見るか、組織が負っている義務の履行と見るかで、上司への切り出し方がまったく変わる
- あなたから見れば研修は日常業務の合間の息抜きかもしれない。しかし法律から見れば、命令に基づく研修は職務そのものである。研修中の無断中座、課題の放棄、正当な理由のない受講拒否は、服務の根本基準(30条)、職務命令に従う義務(32条)、職務専念義務(35条)の問題として扱われうる。この意識のずれが、戒告という記録になって残る
- 「研修を受ける権利を裁判で請求できるのか」と問う人がいるが、その問いの立て方自体がずれている。本条は主に組織側の責務と研修の仕組みを定めたもので、特定の研修を名指しして受講させるよう求める具体的な請求権までは読み取りにくい(実務上、解釈が分かれている)。問うべきは権利があるかないかではない。基本方針、研修計画、人事評価の運用の中で自分だけが外されているという事実を、記録として積み上げられるかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 39条:任命権者が行う研修(職務として命じられれば勤務) | 26条の5:自己啓発等休業(職員の申請による休業) 26条の2:修学部分休業(勤務時間の一部を修学に充てる) |
| 誰が主導するか | 任命権者が実施、地方公共団体が基本方針を策定 | 職員が申請し任命権者が承認 職員が申請し任命権者が承認 |
| 給与の扱い | 職務としての研修は勤務として扱うのが原則 | 休業期間中は給与を支給しない 勤務しない時間分を減額して支給 |
| 条例の要否 | 本条に基づき実施(条例制定は前提としない) | 条例で制度化されていることが前提 条例で制度化されていることが前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務員の訓練と進修を独立の法律で体系化しており、進修(学位取得等)まで同一法で扱う点が日本より包括的
韓国は地方公務員の教育訓練を専用法で定めており、日本の本条と人材育成基本方針を合わせた内容に近い
ドイツは研修参加を公務員の義務として構成する点が特徴で、日本の「機会の保障」型の書き方とは発想が異なる
米国連邦は Government Employees Training Act に基づき各省庁の研修を規律する。州・地方公務員は各州法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会計年度任用職員として窓口に立って半年になる。正規職員だけが接遇研修やシステム研修に呼ばれ、自分は見よう見まねで対応している。会計年度任用職員も一般職の地方公務員であり、本条の「職員」から外れてはいない。研修から外されたままミスだけを責められる状態は、自治体の研修方針との整合性を問える
- もし人事課から、終業後の18時に始まるオンライン研修へ「必ず参加」と通知が来たら、それは残業にならないのか? 職務として受講を命じられた研修は勤務として扱うのが原則で、正規の勤務時間外なら時間外勤務の問題になる。案内文の「自主参加」という建前と、欠席者リストを作っている実態が食い違っていないかが分かれ目になる
- あなたは係長で、ミスが続く部下に改善目的の研修を命じた。ところがその研修で反省文を何度も書き直させ、内容が本人の信条の告白にまで踏み込んでいた。研修の目的は勤務能率の発揮と増進である。そこから外れた瞬間、研修命令そのものの適法性を問われる立場に回るのは、命じたあなたの側だ
- 「その研修は行かなくていい、仕事が回らないから」と上司に言われ続けて三年になる。昇任試験の直前、同期との差がはっきり研修歴に出ていた。
- 指定研修を欠席したとして戒告処分を受け、処分説明書が手元に届いた。人事委員会または公平委員会への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う必要がある。正式な受講命令だったのか、欠席に正当な理由があったのかを、メールや勤務記録で固めるのに残された時間は多くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 研修の案内、受講者一覧、上司に受講を認められなかったときの発言を、日付入りで記録する2. 自治体の人材育成基本方針と研修計画を人事課やウェブサイトで確認する3. 人事評価の面談で受講希望を書面化し、評価者の確認を得る4. それでも改善されなければ、人事委員会(または公平委員会)の苦情相談や職員団体を通じた交渉を検討する。勤務条件に関する措置要求(46条)の対象になるかは解釈が分かれるため、事前に相談しておく
訴えられた側:1. 受講の命令が正式な職務命令だったかを確認する(文書の有無、発令者、日時、対象者) 2. 欠席の理由(病気、災害、業務上の緊急対応)を診断書や業務記録で証拠化する3. 研修内容が能率の増進という目的を超え、内心の告白を強いるなど不相当だった場合は、具体的なやり取りを記録する4. 懲戒処分を受けたら処分説明書を確認し、審査請求を検討する。研修を命じる管理職の側は、目的、内容、時間の扱い(勤務か任意か)を文書で明示しておくことが最大の防御になる
時効(請求できる期限):研修そのものに特定の時効はない。研修命令違反などを理由に懲戒処分を受けた場合、人事委員会・公平委員会への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に行わなければならない(地方公務員法49条の3)。時間外の研修について手当の未払いを争う場合は、給与請求権の消滅時効が問題になる(職種ごとの適用関係は、最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は組織側の研修実施責務と研修体制を定めたもので、個々の職員が特定の研修の受講を具体的に請求できる権利までは導きにくいとされる。ただし研修の目的は勤務能率の発揮と増進に限られ、内心に踏み込む研修命令は適法性が問われうる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成28年(2016年)施行 人事評価制度の導入などを内容とする地方公務員法の改正で、地方公共団体が研修の基本的な方針を定める旨の規定(現3項)が加わり、人事委員会の勧告に関する規定が4項に移ったとされる。改正の経緯と項番号の変動は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定とともに、職員の研修機会の保障と任命権者による実施、人事委員会の勧告権を定める規定として置かれた
- 2.平成26年(2014年) 改正:人事評価制度の導入等を内容とする改正で、地方公共団体が研修の基本的な方針を定める旨の規定が加わったとされる(平成28年施行)。項番号の変動は要確認
- 地方公務員法 第32条研修受講命令に従う義務の根拠
- 地方公務員法 第23条人事評価の根本基準、育成との連動
- 地方公務員法 第26条の5自己啓発等休業、研修とは別の学び直し制度
- 地方公務員法 第26条の2修学部分休業、大学等での修学制度
- 地方公務員法 第7条人事委員会と公平委員会の設置区分
- 教育公務員特例法 第21条教員の研修義務と任命権者の研修計画の特則
- 教育公務員特例法 第25条指導改善研修という教員固有の研修類型
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