地方公務員法 第55条の2(職員団体のための職員の行為の制限)
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- 職員は、職員団体の業務にもつぱら従事することができない。ただし、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもつぱら従事する場合は、この限りでない。
- 2.前項ただし書の許可は、任命権者が相当と認める場合に与えることができるものとし、これを与える場合においては、任命権者は、その許可の有効期間を定めるものとする。
- 3.第一項ただし書の規定により登録を受けた職員団体の役員として専ら従事する期間は、職員としての在職期間を通じて五年(地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和二十七年法律第二百八十九号)第六条第一項ただし書(同法附則第五項において準用する場合を含む。)の規定により労働組合の業務に専ら従事したことがある職員については、五年からその専ら従事した期間を控除した期間)を超えることができない。
- 4.第一項ただし書の許可は、当該許可を受けた職員が登録を受けた職員団体の役員として当該職員団体の業務にもつぱら従事する者でなくなつたときは、取り消されるものとする。
- 5.第一項ただし書の許可を受けた職員は、その許可が効力を有する間は、休職者とし、いかなる給与も支給されず、また、その期間は、退職手当の算定の基礎となる勤続期間に算入されないものとする。
- 6.職員は、条例で定める場合を除き、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行ない、又は活動してはならない。
この条文の基本情報
職員団体のための職員の行為の制限とは何ですか?
定義職員団体のための職員の行為の制限とは、地方公務員法第55条の2に定められた規定で、「職員は、職員団体の業務にもつぱら従事することができない。ただし、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもつぱら従事する場合は、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第55条の2(職員団体のための職員の行為の制限)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第55条の2の条文原文は「職員は、職員団体の業務にもつぱら従事することができない。ただし、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもつぱら従事する場合は、この限りでない。」で始まります。
- 地方公務員法第55条の2は第九節 職員団体に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第55条の2の前の条は地方公務員法第55条です。
- 地方公務員法第55条の2の次の条は地方公務員法第56条です。
- 地方公務員法第55条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第55条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第55条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/55_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法55条の2は、職員が職員団体の業務に専ら従事することを原則禁止し、任命権者の許可を受けた登録職員団体の役員に限り、無給の休職者として認める規定である。
Q · 役所の組合専従の役員って、税金から給料をもらっているの?
許可を受けた専従者は無給。ヤミ専従は違法です
地方公務員法55条の2により、職員が職員団体の業務に専念できるのは、任命権者の許可を受けた登録職員団体の役員に限られます。許可期間中は休職者として扱われ、いかなる給与も支給されず、その期間は退職手当の勤続期間にも算入されません(同条5項)。また条例で定める場合を除き、給与を受けながら組合活動をすることは禁止されています(同条6項)。許可を受けずに給与を受けたまま組合業務に専念する「ヤミ専従」は、給与返還や懲戒処分の対象となります。
解説
役所の組合委員長は職員の身分のまま組合の仕事だけをして、給料も受け取っている。そう信じている人は少なくない。条文の答えは逆である。職員が職員団体の仕事に専念すること(在籍専従)は原則として禁止されている。認められるのは、任命権者(職員の人事権を持つ首長や委員会)の許可を受け、登録を受けた職員団体の役員になる場合だけだ。しかも許可を受けている間は休職扱いで、給与は一切出ない。その期間は退職金の勤続年数にも数えられない。通算の上限は五年である。ただし附則により、当分の間は「七年以下の範囲で人事委員会規則等が定める期間」に読み替えられている(最新の改正状況をご確認ください)。実際に火種になりやすいのは第6項だ。条例(通称「ながら条例」)が認める場合を除き、給与を受けながら勤務時間中に組合活動をすることは禁止されている。許可を受けないまま組合の仕事に専念することは「ヤミ専従」と呼ばれ、給与の返還や懲戒処分につながってきた。役員を引き受ける職員も、税金の使い道を見張る住民も、注目すべきは第6項である。
法的な位置づけ
在籍専従とは、地方公務員が職員の身分を保有したまま、職員団体の役員として専らその業務に従事することをいう。地方公務員法55条の2は、これを任命権者の許可制とし、許可期間中は休職者として無給・退職手当の勤続期間不算入とするほか、在職期間を通じた通算上限を定め、条例の定めがない限り給与を受けながらの団体活動を禁止する。
手順
- 1.専従か非専従かを確認する 役員就任を打診されたら、まず専従役員か非専従役員かを確認する。専従なら休職・無給・退職手当の勤続期間不算入(本条5項)となるため、家計への影響を見積もる
- 2.通算専従期間を人事課に照会する 地方公営企業等の労働関係に関する法律に基づく労働組合の専従歴も含め、これまでの専従期間を人事課に照会し、上限まで残り何年あるかを確かめる(本条3項)
- 3.任命権者に専従許可を申請する 登録職員団体の役員に選任された後、任命権者に在籍専従の許可を申請する。許可の有効期間が定められるため、任期と整合しているかを確認する(本条2項)
- 4.退任時に許可取消と復職を確認する 役員を退任すると許可は取り消される(本条4項)。復職の時期や配属について人事課と事前に調整し、専従期間の記録が正しいか確認する
よくある質問 AI による整理
Q1在籍専従とは何ですか?
公務員の身分を保ったまま、職員団体の役員として組合業務に専念することです。地方公務員法55条の2により任命権者の許可が必要で、期間中は休職・無給となります。
Q2ヤミ専従とは?違法ですか?
許可を受けずに、職員として給与を受けながら実質的に組合業務に専念することです。本条1項・6項に反し、給与返還や懲戒処分(地方公務員法29条)の対象になります。
Q3ながら条例とは何ですか?
給与を受けながら職員団体の活動ができる場合を定めた各自治体の条例の通称です。本条6項の「条例で定める場合」を具体化するもので、適法な交渉への参加などを列挙します。
Q4専従許可は誰が出すのですか?
職員の任命権者(首長、教育委員会など)です。任命権者が相当と認める場合に限って許可でき、許可する際には有効期間を定める必要があります(本条2項)。
Q5在籍専従中も公務員の身分はありますか?
あります。許可を受けた専従者は退職するのではなく休職者として扱われ、職員の身分を保有します。ただし許可期間中はいかなる給与も支給されません(本条5項)。
Q6専従許可が取り消されるのはいつですか?
許可を受けた職員が、登録職員団体の役員として専らその業務に従事する者でなくなったときです(本条4項)。役員を退任すれば許可は取り消されます。
Q7登録していない職員団体でも専従できますか?
できません。本条1項ただし書は「登録を受けた職員団体」の役員であることを要件としています。登録の要件は地方公務員法53条が定めています。
Q8ヤミ専従の給与返還はいつまで請求できる?
過払給与の返還請求には消滅時効が適用されます。民法の一般時効か、公法上の債権として地方自治法236条の5年となるかは解釈が分かれる余地があります(最新の解釈をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1組合の委員長って、仕事しないで役所から給料もらってるんですか?
許可を受けた在籍専従者なら、給料はもらっていない。本条5項により休職者として扱われ、いかなる給与も支給されず、その期間は退職手当の勤続期間にも入らない。実務のポイント:報道で問題にされるのは、たいてい許可を受けた専従ではなく、職員として給与を受けながら実質的に組合業務をしていた「ヤミ専従」である。ニュースを見たら、まずどちらの話かを見分けることだ
Q2勤務時間中に組合の会議に出たら、給料は引かれますか?
条例に定めがなければ引かれる。本条6項は、条例で定める場合を除き、給与を受けながらの組合活動を禁じている。多くの自治体のながら条例は、適法な交渉(55条)への参加や年次有給休暇の使用などを例外として列挙している。これとは別に、職務専念義務の免除(35条)も必要になる。実務のポイント:当局との「交渉」そのものと、交渉に向けた組合内部の打合せは、条例上扱いが分かれやすい。勤務時間中の打合せが問題化するのは、たいていこの隙間である
Q3専従を上限まで続けたら、そのあとはどうなるんですか?
上限を超えて専従は続けられないため、職務に復帰するかどうかの選択を迫られる。上限は在職期間を通じた通算で、附則により当分の間は七年以下の範囲で人事委員会規則等が定める期間とされている(本条3項、最新の改正状況をご確認ください)。役員でなくなった時点で許可は取り消される(同4項)。実務のポイント:通算なので、若いうちに使い切ると、後に要職に就いても専従には戻れない。どの時期に専従を使うかは、組合側の人事戦略そのものになっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「専従の組合幹部は税金で養われている」とよく言われるが、許可を受けた在籍専従者は休職者であり、本条5項により給与は一切支給されない。専従者の生活費は通常、組合が組合費から賄っている。批判の矛先を向けるべきなのは、許可を受けないヤミ専従のほうである
- 「勤務時間中に組合活動をしてよいか」という問いは、そもそも立て方が誤っている。関門は二つある。一つは職務に専念する義務を免除されているか(地方公務員法35条)、もう一つはその時間の給与を受けてよいか(本条6項と条例)である。職務専念義務の免除を受けていても、条例に根拠がなければ給与は減額される。片方だけ確認して安心するのが、いちばん危ない
- 上限が五年(附則による読み替えあり)であることを知っている人は多い。ところが、それが任期ごとではなく「在職期間を通じて」の通算であり、公営企業で労働組合の専従をしていた期間まで差し引かれることは、あまり知られていない。一度使い切れば、何度役員に再選されても専従には戻れない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 55条の2:職員団体業務への専従と、給与を受けながらの団体活動 | 35条:勤務時間中の職務専念義務とその免除 55条:職員団体と当局の交渉 |
| 勤務時間中の組合活動との関係 | 給与を受けてよいかを決める(条例の定めが必要) | 職務を離れてよいかを決める(法律・条例による免除が必要) 適法な交渉は勤務時間中にも行いうる根拠となる |
| 違反時の帰結 | 根拠のない給与は返還・懲戒の対象 | 職務専念義務違反として懲戒の対象(29条) 交渉の要件を欠けば適法な交渉と扱われない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公務員は労働組合ではなく公務人員協会を組織する。教員組合等には工會法の会務公假が適用され、日本の無給休職型の在籍専従とは制度設計が異なる
韓国も公務員労組の専任者を任命権者の同意による無給休職とする点で日本と近い。ただし近年は勤務時間免除制度の導入が議論・立法されている
フランスは組合活動のための職務免除(décharge d'activité de service)を認め、給与を維持したまま組合業務に従事できる点で日本と対照的
米国連邦公務員は official time として、有給で団体交渉等の組合代表活動を行うことが法律上認められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 来月の定期大会で書記長に推される、と先輩から耳打ちされた。専従になれば給与は止まり、その期間は退職手当の勤続期間にも算入されない。住宅ローンや教育費の計画を組み直せるのは、選挙の前だけである
- もし市の職員が勤務時間中に組合事務所で機関紙を刷っていたら、その時間の給与は誰のお金から出ていることになる? 条例に根拠がなければ、本来受け取れないはずの公金である
- あなたは水道局から本庁へ異動したばかりの組合役員だ。水道局時代に、地方公営企業等の労働関係に関する法律に基づいて二年間専従していた。本庁で専従許可を申請しても、使える期間は上限からその二年を差し引いた残りしかない
- 内部調査で、三年間にわたり勤務時間の大半を組合事務に使っていたと指摘された。懲戒と給与返還の請求が同時に届く
- 住民として決算資料を読んでいたら、職員団体の事務所が庁舎の一角にあった。これは本条の問題ではなく、行政財産の使用許可(地方自治法238条の4)の問題である。論点を取り違えると、監査請求は空振りに終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 役員就任を求められたら、専従か非専従かをまず確認する。専従なら休職・無給・退職手当の勤続期間に不算入(本条5項)を家計に織り込む2. 公営企業での専従歴を含む通算期間を人事課に照会する3. 勤務時間中の組合活動を求められたら、ながら条例の列挙事項と職務専念義務の免除(35条)の手続を確認し、根拠がなければ応じない4. 住民の立場なら、疑わしい給与支出について住民監査請求を検討する
訴えられた側:1. 指摘された期間の出勤簿、職務専念義務免除の承認書、組合活動の記録をすぐに確保する2. 活動の一件ずつについて、ながら条例の列挙事項(適法な交渉など)や職免に当たるかを照合する3. 根拠を示せない時間分の給与は、早い段階で返還協議に応じるほうが、懲戒処分の重さを判断する際に不利になりにくい4. 懲戒処分を受けたら、人事委員会または公平委員会への審査請求を検討する
時効(請求できる期限):本条そのものに時効の定めはない。懲戒処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(地方公務員法49条の3)。住民監査請求は、当該行為のあった日または終わった日から1年以内(地方自治法242条2項、正当な理由があれば例外あり)。過払給与の返還請求には一般消滅時効(民法166条、5年または10年)が適用されるが、公法上の債権と扱われれば地方自治法236条の5年となる余地がある(最新の解釈をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は、職員団体の自主性を確保し、使用者である自治体が団体の運営費を実質的に負担することを防ぐ趣旨とされる。民間における経費援助の禁止(労働組合法7条3号)と同様の発想に立つと説明されることが多い
改正沿革 AI による整理
- 昭和40年(1965年) ILO第87号条約の批准に伴う地方公務員法改正で、在籍専従を許可制とする本条が設けられたとされる。当初の上限期間とその後の変更経緯は要確認
- 改正年要確認 第3項の括弧書きで引用する法律名が、現行の「地方公営企業等の労働関係に関する法律」に改められた
改正の年表
- 1.昭和40年(1965年) 新設:ILO第87号条約の批准に伴う地方公務員法改正で、在籍専従を許可制とする本条が設けられたとされる。上限期間の変遷は要確認
- 地方公務員法 第35条職務専念義務、勤務時間中の活動の前提
- 地方公務員法 第52条職員団体の定義と結成の自由
- 地方公務員法 第53条職員団体の登録、専従許可の前提
- 地方公務員法 第55条交渉、勤務時間中の適法な交渉
- 地方公務員法 第29条違反時の懲戒処分の根拠
- 地方公営企業等の労働関係に関する法律 第6条企業職員の組合専従、期間通算の対象
- 国家公務員法 第108条の6国家公務員の在籍専従の対応規定
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