受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

民事調停法 第36条(過料についての決定)

クイックジャンプ
  1. 前二条の過料の決定は、裁判官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
  2. 2.前項に規定するもののほか、過料についての決定に関しては、非訟事件手続法第五編の規定(同法第百十九条並びに第百二十一条第一項及び第三項の規定並びに同法第百二十条及び第百二十二条の規定中検察官に関する部分を除く。)並びに刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第五百八条第一項本文及び第二項並びに第五百十四条の規定を準用する。

この条文の基本情報

過料についての決定とは何ですか?

定義過料についての決定とは、民事調停法第36条に定められた規定で、「前二条の過料の決定は、裁判官の命令で執行する。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事調停法第36条(過料についての決定)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
  2. 民事調停法第36条の条文原文は「前二条の過料の決定は、裁判官の命令で執行する。」で始まります。
  3. 民事調停法第36条は第三章 罰則に置かれています。
  4. 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
  5. 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事調停法第36条の前の条は民事調停法第35条です。
  7. 民事調停法第36条の次の条は民事調停法第37条です。
  8. 民事調停法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第36条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222
  • 本サイト収録民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/36

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事調停法36条は、不出頭や措置違反に科される過料の決定を裁判官の命令で執行すると定め、その命令に執行力ある債務名義と同一の効力を与える。

Q · 調停を欠席して科された過料、払わずに放っておいたらどうなるの?

判決なしで預金や給与を差し押さえられることがある

民事調停法36条により、34条・35条の過料の決定は裁判官の命令で執行され、その命令は執行力のある債務名義と同一の効力を持ちます。改めて訴訟を起こさなくても、国は預金や給与を差し押さえられます。ただし、陳述を聴かれずに出された略式の決定には告知から1週間以内に異議を、陳述を聴いたうえでの決定には即時抗告を申し立てることができ、いずれも執行を止める効力があります。

解説

過料は罰金ではない。前科もつかない。そのため「放っておいても大したことはない」と考える人が多い。民事調停法36条は、その考えが通らないことを定めた条文である。正当な事由なく調停期日に出頭しなければ5万円以下(34条)、調停前の措置命令に従わなければ10万円以下(35条)の過料(刑罰ではなく、手続の秩序を守るために科される金銭的な制裁)が科される。本条によると、その過料は裁判官の命令で執行され、その命令には「執行力のある債務名義(強制執行に使える公的な書面。確定判決と同じ働きをする)」と同じ効力がある。つまり国は改めて訴訟を起こさなくても、預金や給与を差し押さえられる。一般の過料事件では検察官が執行を命じるが、調停では裁判官が命じる仕組みに置き換えられている。ただし逃げ道もある。陳述を聴かれないまま出された決定には異議を、陳述を聴いたうえでの決定には即時抗告(上の裁判所に短い期間内で不服を申し立てる手続)を出すことができ、いずれも出している間は執行が止まる。決定書を受け取ったら放っておかず、最初の一週間で動くことが大事である。

法的な位置づけ

民事調停法36条は、調停手続における過料の執行方法を定める規定である。34条・35条の過料の決定は裁判官の命令によって執行され、当該命令は執行力のある債務名義と同一の効力を有する。決定の手続には非訟事件手続法第五編および刑事訴訟法の一部規定が準用されるが、検察官に関する部分は除かれる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.期日前に欠席理由を書記官へ伝える 呼出状の期日に出頭できない場合、前日までに担当書記官へ電話し、診断書や勤務シフト表など欠席理由を示す書面を提出する。過料の対象は正当な事由のない不出頭に限られるため、事前の記録が最も強い防御になる
  2. 2.決定書の種類と告知日を確認する 過料の決定書が届いたら、当事者の陳述を聴かずに出された略式の決定か、陳述を聴いたうえでの決定かを確認し、告知を受けた日(受領日)を記録する。ここで不服申立ての種類と期限が決まる
  3. 3.期限内に異議または即時抗告を申し立てる 略式の決定には告知から1週間の不変期間内に、決定をした裁判所へ異議を申し立てる。陳述を聴いたうえでの決定には即時抗告を申し立てる。いずれも執行停止の効力があり、期限内なら差押えに進まない
  4. 4.正当な事由の証拠を最初から添付する 異議後は裁判所が改めて陳述を聴いて判断し直すため、病気・災害・呼出状不着などの正当な事由を示す証拠を申立書に最初から添付する
  5. 5.争わない場合は早期に納付し次回期日に出頭する 争う理由がなければ納付書に従って早めに納付する。過料を払っても調停は続くため、次回期日には出頭し、合意できないならその場で伝えて不成立にする

よくある質問 AI による整理

Q1民事調停の過料はいくら?

正当な事由のない不出頭は5万円以下(民事調停法34条)、調停前の措置に従わない場合は10万円以下(同35条)です。具体額は裁判所が決めます。

Q2調停の過料を払わないとどうなる?

裁判官の執行命令が債務名義と同じ効力を持つため、判決を経ずに預金や給与の差押えに進むことがあります(民事調停法36条1項)。

Q3民事調停は何回欠席したら過料になる?

回数の基準はありません。過料の対象は「正当な事由」のない不出頭で、1回目の欠席でも科される可能性があります。科すかどうかは裁判所の判断です。

Q4調停の相手方に過料を科すよう申し立てできる?

過料は裁判所が職権で科すもので、申立人に申立権はありません。過料は国に納められ、申立人には入りません。欠席状況を記録してもらうことはできます。

Q5過料で給与はどこまで差し押さえられる?

差押えは民事執行の手続によるため、給与は原則として手取り額の4分の1までが対象とされます(民事執行法の差押禁止範囲)。高額所得者は例外があります。

Q6調停に代理人を出せば欠席にならない?

民事調停は本人出頭が原則ですが、やむを得ない事由があれば裁判所の許可を得て代理人を出頭させられます(民事調停規則)。事前に書記官へ相談してください。

Q7家事調停を欠席しても過料になる?

なります。家事事件手続法にも正当な事由のない不出頭に5万円以下の過料の規定があり、離婚や遺産分割の調停も同じく注意が必要です。

Q8過料の決定書が届いたらまず何をする?

決定書に「陳述を聴かずに」出されたかを確認し、告知日を控えます。略式なら1週間以内の異議、それ以外は即時抗告の期限を逆算して動きます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1調停をすっぽかして過料になったら、前科がつくんですか?

つきません。民事調停法34条・35条の過料は刑罰ではなく、手続の秩序を守るための制裁なので、前科にも犯罪歴にもなりません。ただし本条により、裁判官の命令が債務名義と同じ効力を持つので、払わなければ財産を差し押さえられます。実務のポイント:過料には、罰金のように払えなければ労役場に留置するという仕組みがありません。その代わりに使われるのが、民事と同じ差押えです。身体を拘束されない分、取り立ては淡々と進みます

Q2過料の決定に納得いかないとき、どうすれば止められますか?

陳述を聴かれないまま出された決定なら、告知から1週間以内に、決定を出した裁判所へ異議を申し立てます(非訟事件手続法122条の準用)。陳述を聴かれたうえでの決定なら即時抗告をします(同120条の準用)。どちらにも執行を止める効力があります。実務のポイント:異議が出されると、裁判所はあらためて陳述を聴いてから判断し直さなければなりません。そこで正当な事由を示す証拠を出せるかどうかが決め手になるので、診断書や交通機関の遅延証明は異議申立書に最初から付けておくとよい

間違えやすい点 AI による整理

  • 前科がつかないから軽い、という認識は半分しか正しくない。確かに過料は刑罰ではなく前科にもならない。しかし罰金にはない特徴がある。裁判官の命令が債務名義になるので、民事の判決を取ったのと同じように財産を差し押さえられる。軽さは「記録に残るかどうか」の話であって、取り立てられるかどうかとは関係がない
  • 「過料を払えば調停の問題も片付く」というのは前提が間違っている。過料は国に納めるお金で、申立人には一円も入らない。払っても調停自体は続くし、調停が成立しなければ、調停に代わる決定(17条)が出たり、訴訟に移ったりする可能性がある。過料の支払いと紛争の解決は別々に考える必要がある
  • 欠席するあなたにとっては「話し合いには応じない」という意思表示のつもりでも、法律から見れば、正当な事由のない不出頭は裁判所の手続を妨げる行為である。この見え方の違いのせいで、言い分を伝える場も失い、しかも過料だけは課されるという結果になる。応じたくないのなら、出頭したうえで「合意できない」と伝えれば、調停は不成立で終わる
比較の観点この条文ほかの条文
規定内容民事調停法36条:過料決定の執行方法と手続(裁判官の命令=債務名義)民事調停法34条:正当な事由のない不出頭に対する過料
民事調停法35条:調停前の措置に従わない場合の過料
金額金額は定めない(34条・35条の過料を執行する)5万円以下
10万円以下
対象となる行為過料決定の不履行(執行段階)呼出しを受けた当事者・利害関係人の不出頭
12条の調停前の措置命令への違反
当事者が取れる手段異議(略式・1週間)・即時抗告による執行停止正当な事由の事前提出、次回期日への出頭
措置命令の内容確認と履行、正当な事由の主張

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第409条

台湾では法院の調解期日に正当な理由なく出頭しない当事者に罰鍰を科せる。日本と同じく、出頭を確保するための刑罰でない金銭的制裁という位置づけ

ドイツ
ZPO § 278 Abs. 3, § 141 Abs. 3

ドイツでは和解弁論(Güteverhandlung)への本人出頭が命じられた場合、不出頭に Ordnungsgeld を科せる。刑罰ではない秩序金という点で日本の過料に近い

アメリカ
Federal Rules of Civil Procedure Rule 16(f)

米国連邦民事訴訟では、pretrial conference や settlement conference への不出頭に裁判所が制裁(費用負担命令等)を科せる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 貸したお金の返済をめぐって、元同僚が簡易裁判所に民事調停を申し立てた。あなたは「話すことはない」と二回続けて欠席した。後日届いたのは、裁判所からの過料3万円の決定書だった
  • 過料の決定書が届いたのに、払わずに放っておいたらどうなる? 裁判官の執行命令が出れば、その命令がそのまま債務名義になる。ある月、給与の振込口座が差し押さえられる可能性がある
  • 陳述を聴かれないまま過料の決定が届いた。異議を出せる期間は、告知を受けた日から1週間しかない。その日は入院していたという診断書は、今週中に裁判所へ出さなければ使えなくなる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 相手方が欠席を続けても、過料は国に入るお金で、あなたには入らない。過料が科されるかどうかは裁判所が職権で判断するので、期待しすぎないこと2. 書記官を通じて相手方の欠席状況を記録してもらい、調停委員に、調停に代わる決定(17条)を出してほしいと伝えることを検討する3. 相手方が異議を出す可能性が高いなら、早めに訴訟や支払督促に切り替える。過料は相手方への圧力になるだけで、回収の手段にはならない

訴えられた側:1. 決定書の種類を確認する。陳述を聴かれないまま出された略式の決定なら異議、陳述を聴かれたうえでの決定なら即時抗告を出せる2. 正当な事由(病気、災害、呼出状を受け取れなかったなど)の証拠を集める3. 期間内に申し立てて執行を止める4. 争う理由がなければ、納付書に従って早めに納付する。放置すると執行命令が出て、預金や給与が差し押さえられるおそれがある5. 次回の期日には出頭し、合意できないのであればその場で伝える

時効(請求できる期限):陳述を聴かれないまま出された過料決定への異議は、告知を受けた日から1週間の不変期間内(非訟事件手続法122条2項の準用)。陳述を聴いたうえでの決定には即時抗告ができ、執行を止める効力がある(同法120条の準用。期間は同法の一般規定による)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:民事調停法上の過料は刑罰ではなく、調停手続の実効性を確保するための秩序罰と解される。刑法総則は適用されず、前科にもならない一方、執行は債務名義に基づく民事執行の方法による

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法の制定に伴い、過料の決定の執行に関する規定として設けられた
  2. 2.平成23年(2011年) 改正:新しい非訟事件手続法の制定に伴う整備により、準用先が同法第五編(過料事件)に改められた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事調停法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›