民事調停法 第37条(評議の秘密を漏らす罪)
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民事調停委員又は民事調停委員であった者が正当な事由がなく評議の経過又は調停主任若しくは民事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
評議の秘密を漏らす罪とは何ですか?
定義評議の秘密を漏らす罪とは、民事調停法第37条に定められた規定で、「民事調停委員又は民事調停委員であった者が正当な事由がなく評議の経過又は調停主任若しくは民事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第37条(評議の秘密を漏らす罪)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第37条の条文原文は「民事調停委員又は民事調停委員であった者が正当な事由がなく評議の経過又は調停主任若しくは民事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金…」で始まります。
- 民事調停法第37条は第三章 罰則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第37条の前の条は民事調停法第36条です。
- 民事調停法第37条の次の条は民事調停法第38条です。
- 民事調停法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法37条は、民事調停委員やその経験者が評議の経過、委員の意見、賛否の数を正当な事由なく漏らした場合、30万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 調停委員が「委員の間で意見が割れていた」と漏らしたら、罪になるの?
なる。民事調停委員は30万円以下の罰金、当事者は対象外
民事調停法37条により、民事調停委員又はその経験者が、正当な事由なく評議の経過、調停主任や民事調停委員の意見、賛否の数を漏らすと、30万円以下の罰金に処されます。義務は退任後も続きます。一方、調停の当事者は本条の処罰対象ではありません。なお、当事者の私生活上の秘密を漏らした場合は、より重い同法38条の問題になります。
解説
罰金は30万円。調停室の奥で交わされた議論を外に漏らした調停委員に科される上限の額である。民事調停は、調停主任(通常は裁判官)1人と民事調停委員2人以上でつくる調停委員会が進める(民事調停法6条)。あなたに示される調停案の裏では、必ず「評議」(委員会の中だけで行う非公開の話し合い)が開かれている。本条が封じる情報は三つある。評議の経過、メンバー一人ひとりの意見、そして賛成と反対の数である。押さえておくべき点は二つ。一つ目は、処罰の対象が民事調停委員に限られ、退任した後も一生この義務が続くこと。二つ目は、当事者であるあなたは本条に縛られないことだ。調停で聞いた話を家族に話しても、本条の罪にはならない(ただし調停条項に口外禁止条項を入れた場合は、合意としてそれを守る義務が生じる)。反対に「実はもう一人の委員はあなたの味方だった」と耳打ちしてくる委員がいれば、その委員は一線を越えている。その一言を頼りに譲歩するかどうかを決めるのは危うい。
法的な位置づけ
民事調停法37条は評議の秘密漏示罪を定める規定であり、民事調停委員又は民事調停委員であった者が、正当な事由なく、調停委員会の評議の経過、調停主任若しくは民事調停委員の意見又はその多少の数を漏らした場合に、30万円以下の罰金を科す。守秘義務が退任後も存続する点に特色がある。
よくある質問 AI による整理
Q1民事調停法37条とは?
民事調停委員が調停委員会の評議の経過、個々の意見、賛否の数を正当な事由なく漏らした場合に、30万円以下の罰金を科す規定です。
Q2調停委員の守秘義務はいつまで続く?
期限はありません。条文が「民事調停委員であった者」も対象としているため、退任後も評議の秘密を漏らせば処罰の対象になります。
Q3調停委員が評議の内容を漏らすのは違法?
正当な事由がなければ違法で、30万円以下の罰金の対象です。評議の経過、委員の意見、賛否の数の三つが保護されています。
Q4調停委員 守秘義務違反 罰則はどのくらい?
評議の秘密の漏洩は30万円以下の罰金(37条)です。当事者の秘密の漏洩は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(38条)と、より重くなっています。
Q5裁判官が調停の評議を漏らしたら37条で処罰される?
37条の主体は民事調停委員とその経験者に限られ、調停主任の裁判官は書かれていません。裁判官の評議の秘密は裁判所法75条が別に規律しています。
Q6退任した調停委員が回顧録を書くのは違法?
評議の経過、委員の意見、賛否の数を書けば、退任後でも37条の対象になりえます。事件の一般的な紹介にとどめるなど、書く範囲に注意が必要です。
Q7調停委員の秘密漏洩の時効は何年?
37条は罰金刑のみのため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。漏洩行為が終わった時から数えます。
Q8調停委員の「正当な事由」とは?
条文は具体例を定めておらず、個別事案ごとの判断になります。法令に基づく開示などが想定されますが、範囲が明確でないため、慎重な判断が求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停で聞いた話をSNSに書いたら、私も罰金になるんですか?
本条で処罰されるのは民事調停委員とその経験者だけで、当事者は対象外である。ただし、相手の名誉を傷つければ刑法230条(名誉毀損)や民法709条の問題になる。口外禁止条項に合意していれば、その違反は合意違反にもなる。実務のポイント:口外禁止条項は、成立直前に相手側から持ち出されることが多い。サインする前に、範囲と違約金の有無を必ず確認すること
Q2調停委員に「委員会としてはこう考えています」と言われました。これは秘密を漏らしたことにならないんですか?
ならない。委員会としての結論や見通し、調停案の理由を伝えるのは、調停委員の職務そのものである。本条が封じているのは、評議の経過、個々のメンバーの意見、賛否の数の三つだけだ。実務のポイント:経験を積んだ委員ほど、主語を「委員会としては」にそろえて話す。「私個人は」「裁判官は」と主語が分かれ始めたら、その委員は線の際どいところに立っている
Q3評議の中身を漏らした調停委員を、直接訴えることはできますか?
刑事では告発ができる(刑事訴訟法239条1項)。民事では、調停委員は公務員にあたるため、職務上の違法行為については国家賠償法1条に基づいて国に請求するのが原則である。判例上、公務員個人への直接の請求は認められていない(最判昭和30.4.19)。実務のポイント:現実に一番効き目があるのは、裁判所への申出で担当を代えてもらうことである。訴訟にするより早く、調停そのものを立て直せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「離婚調停の委員が評議の中身を漏らしたなら民事調停法37条違反だ」という問い自体がずれている。離婚や遺産分割は家事調停であり、根拠になるのは家事事件手続法の罰則である。同じ「調停委員」でも、どの手続の委員かによって適用される法律が違う
- 調停委員に守秘義務があることは知っていても、それが二段構えになっていることは知られていない。評議の秘密を漏らした場合(本条)は30万円以下の罰金にとどまる。これに対し、当事者の秘密を漏らした場合は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と、より重い(民事調停法38条、最新の改正状況をご確認ください)。法は「委員会の内側」よりも「あなたの私生活」を重く守っている
- 委員から内輪話を聞けたことを「有利な情報を手に入れた」と感じるのは、当事者から見た景色である。法から見れば、それは調停手続の公正さが崩れかけているサインだ。その委員が関わる調停案そのものの信頼性を疑う理由にさえなる
- 条文が処罰の対象として名指ししているのは民事調停委員(とその経験者)だけである。調停主任を務める裁判官は、本条の主体として書かれていない。「調停委員会のメンバーなら誰でも同じ罰則を受ける」と思い込むと、条文を読み違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 民事調停委員とその経験者 | 民事調停法38条:民事調停委員とその経験者 |
| 保護される情報 | 評議の経過、調停主任・委員の意見、その多少の数 | 職務上知り得た人の秘密(当事者の私生活・営業上の秘密など) |
| 法定刑 | 30万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(最新の改正状況を要確認) |
| 守る利益 | 委員会内部での自由な議論と手続の公正 | 当事者個人のプライバシー |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の法院調解では、民事調停法37条のように評議の秘密漏洩を独立して処罰する規定は確認できない。公務員の秘密漏洩罪などの一般規定で対応する構造と考えられる
韓国の民事調停法は、日本と同じく評議の秘密漏洩と当事者の秘密漏洩を分けて処罰する二段構えを採るとされる
ドイツは名誉職裁判官に評議の秘密(Beratungsgeheimnis)の保持を義務づける。調停手続における秘密は別の規律に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし調停委員が休憩中の廊下で「裁判官はあなたの主張に否定的でね」と耳打ちしてきたら、どうなる? 調停主任の意見を漏らしたことになり、本条の典型的な場面にあたりうる。あなたが罰せられることはない。ただ、その内輪話を信じて大きく譲歩するかどうかは、まったく別の問題である
- あなたは定年後に民事調停委員に任命された元会社員である。夕食の席で妻に「今日の件、三人で意見が割れて二対一だった」と話した。悪気はなかった。それでも賛否の数は、条文が名指しで封じている情報そのものだ
- 退任から10年が経ち、昔の案件を回顧録に書くことにした。条文には「民事調停委員であった者」とある。期限はない。
- 調停に代わる決定(民事調停法17条)が届いた。担当委員から「本当は別の案が有力だった」と聞かされ、あなたは迷っている。異議を申し立てられるのは告知を受けた日から2週間以内である(同法18条)。漏れ聞いた内輪話ではなく、決定書に書かれた理由と金額を基準に判断すること
取るべき行動
被害を受けた側:1. 委員がいつ、どこで、何を漏らしたのかを、その日のうちにメモに残す。評議の経過なのか、誰の意見なのか、賛否の数なのかを区別して書く2. 担当書記官を通じて裁判所に申し出て、委員の交代を求めるか検討する3. 刑事責任を問うなら、誰でも告発できる(刑事訴訟法239条1項) 4. 損害が出た場合、調停委員は公務員にあたるため、委員個人ではなく国に国家賠償法1条で請求するのが筋である。ただし、漏洩と損害のつながりを立証するハードルは高い
訴えられた側:1. まず事実関係を整理する。漏らしたのは委員会としての結論や調停案の理由(これは職務の範囲内)なのか、評議の経過・個々の意見・賛否の数(本条の対象)なのかを分ける2. 開示に「正当な事由」があったかを検討する。どこまでが正当な事由にあたるかは、実務上、個別の判断に委ねられている3. 自分だけで裁判所や当事者に弁明する前に、刑事弁護に詳しい弁護士へ相談する4. 罰金刑で済んでも前科は残る。それ以上広めないよう、直ちに発信を止める
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑が罰金のみのため、刑事訴訟法250条2項6号)で、漏洩した時から数える。国家賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年(国家賠償法4条により民法724条を適用)。調停に代わる決定への異議は、告知を受けた日から2週間(民事調停法18条)
- 民事調停法 第6条評議を行う調停委員会の構成
- 民事調停法 第8条民事調停委員の地位と職務
- 民事調停法 第38条当事者の秘密を漏らす罪、より重い類型
- 民事調停法 第17条評議を経て出される調停に代わる決定
- 民事調停法 第18条17条決定に対する2週間の異議申立て
- 裁判所法 第75条合議体の評議の秘密の一般原則
- 家事事件手続法 第291条家事調停委員の評議漏示罪(現行効力を要確認)
- 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第108条裁判員の秘密漏示罪、拘禁刑ありの比較類型
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