航空法 第71条の5(技能発揮訓練)
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- 操縦技能証明を有する者は、航空機の航行中に管理技能を確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練であつて第九十九条の二の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録訓練機関」という。)(第九十九条の十四第一項の規定により国土交通大臣が当該訓練を自ら行う場合にあつては、国土交通大臣)が行うもの又はこれと同等以上の内容を有するものとして国土交通省令で定める要件に該当する訓練(以下この項及び次条において「技能発揮訓練」という。)を修了していなければ、当該操縦技能証明について限定をされた範囲の航空機について次に掲げる行為を行つてはならない。この場合において、当該技能発揮訓練は、当該行為を行う日前国土交通省令で定める期間内に修了したものでなければならない。
- 一航空交通管制圏に係る空港等から航空機を離陸させ、又はその離陸のために航空機を地上走行させる操縦(第三十五条の二第一項の計器飛行等の練習又は前条第一項の操縦の練習のために行うものを除く。)
- 二前号に規定する空港等へ航空機を着陸させ、又はその着陸のために降下飛行させる操縦(第三十五条の二第一項の計器飛行等の練習又は前条第一項の操縦の練習のために行うものを除く。)
- 三第一号に規定する空港等を使用して行う第三十五条第一項各号又は前条第一項の操縦の練習の監督
- 四第一号に規定する空港等を使用して行う第三十五条の二第一項の計器飛行等の練習の監督
- 2.前項の「管理技能」とは、航空機の操縦に従事するのに必要な知識及び能力であつて、滑走路への誤進入その他の国土交通省令で定める危険な事態の発生を防止するため航空機の操縦において必要となる複数の作業を適切に管理するためのものをいう。
- 3.第一項の規定は、国土交通大臣がやむを得ない事由があると認めて許可した場合には、適用しない。
この条文の基本情報
技能発揮訓練とは何ですか?
定義技能発揮訓練とは、航空法第71条の5に定められた規定で、「操縦技能証明を有する者は、航空機の航行中に管理技能を確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練であつて第九十九条の二の規定により国土交通大臣の登…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第71条の5(技能発揮訓練)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第71条の5の条文原文は「操縦技能証明を有する者は、航空機の航行中に管理技能を確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練であつて第九十九条の二の規定により国土交通大臣の登…」で始まります。
- 航空法第71条の5は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第71条の5の前の条は航空法第71条の4です。
- 航空法第71条の5の次の条は航空法第71条の6です。
- 航空法第71条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第71条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第71条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/71_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法71条の5は、操縦技能証明を有する者が管制圏のある空港で離着陸や練習の監督をする前に、省令の期間内に技能発揮訓練を修了していることを求める。
Q · 管制塔のある空港で飛ぶには、ライセンスとは別に訓練が必要なの?
必要。期限内に技能発揮訓練を修了していることが条件
航空法71条の5により、操縦技能証明を有する者は、航空交通管制圏に係る空港等で離陸・着陸(そのための地上走行・降下飛行を含む)をしたり、そこで操縦練習や計器飛行等の練習を監督したりする前に、登録訓練機関等が行う技能発揮訓練を修了していなければなりません。修了日は国土交通省令で定める期間内である必要があります。やむを得ない事由があり国土交通大臣が許可した場合は適用されません(同条3項)。
解説
パイロットのライセンス(操縦技能証明)は、一度取れば機種などの限定の範囲で飛び続けられる通行証だと思われがちだ。航空法71条の5は、その通行証に有効期限付きの条件を重ねている。管制圏が設定された空港で離陸する。そのための地上走行をする。着陸する。そのための降下飛行をする。さらに、その空港で練習生の操縦練習や計器飛行等の練習を監督する。この四つの行為をする前に、あなたは「技能発揮訓練」を修了していなければならない。訓練の実施者は、国土交通大臣の登録を受けた訓練機関(登録訓練機関)か、それと同等以上として省令の要件を満たす訓練に限られる。しかも、修了日は省令で定める期間内でなければならない。訓練の中身は、操縦桿をうまく扱う腕前ではない。滑走路への誤進入などの危険な事態を防ぐために、管制指示の聴取、地上走行経路の確認、機内の作業といった複数の作業を同時にさばく力、つまり「管理技能」である。経験を積んだパイロットほど「自分には関係ない」と考えやすい。法律が的を絞っているのは、まさにその油断である。
法的な位置づけ
航空法71条の5は、操縦技能証明を有する者に対し、航空交通管制圏に係る空港等での離着陸操縦、そのための地上走行・降下飛行、及び同空港等での操縦練習・計器飛行等の練習の監督に先立ち、滑走路誤進入等の防止に必要な管理技能を維持するための技能発揮訓練を、国土交通省令で定める期間内に修了することを義務づける規定である。
手順
- 1.修了日と期限をログブックで確認 管制圏のある空港を使う予定が入ったら、まず技能発揮訓練の修了日と、国土交通省令で定める期間に基づく期限を確認する。期限が運航予定日をまたぐかどうかをチェックする
- 2.登録訓練機関で受講を予約 期限が近い場合は、登録訓練機関(航空法99条の2)または省令要件を満たす訓練の受講枠を早めに確保する。社内訓練の場合は、省令の要件に該当するかを訓練部門に確認する
- 3.修了記録を保管し所属先へ提出 修了日・訓練内容・実施者が後から証明できるよう、修了証明を保管し、所属する運航事業者やクラブの乗員管理部門にも写しを提出する
- 4.期限内受講が無理なら事前に大臣許可を申請 やむを得ない事由で期限内に修了できない場合は、該当行為をする前に国土交通大臣の許可(3項)を求める。飛行後の事情説明は許可の代わりにならない
よくある質問 AI による整理
Q1技能発揮訓練とは何ですか?
滑走路誤進入などを防ぐため、管制指示の聴取や地上走行経路の確認など複数の作業を同時に管理する「管理技能」を維持する訓練です。航空法71条の5が根拠です。
Q2技能発揮訓練の有効期限はいつまでですか?
本条は「行為を行う日前、国土交通省令で定める期間内」の修了を求めています。具体的な期間は航空法施行規則で定められるため、最新の省令を確認してください。
Q3技能発揮訓練はどこで受けられますか?
国土交通大臣の登録を受けた登録訓練機関(航空法99条の2)が実施します。省令の要件を満たす同等以上の訓練でも足ります。
Q4管制圏のない飛行場でも技能発揮訓練は必要ですか?
本条の対象は航空交通管制圏に係る空港等での行為に限られます。管制圏のない飛行場だけを使う場合、第1項各号には当たりません。
Q5技能発揮訓練の期限切れで飛ぶと違法?
違法です。期限切れのまま管制圏の空港で離着陸等をすれば本条違反となり、技能証明の取消しや業務停止(航空法30条)の対象となりえます。
Q6飛行教官も技能発揮訓練を受ける必要がある?
あります。第1項3号・4号は、管制圏の空港等を使用して行う操縦練習や計器飛行等の練習の「監督」自体を対象にしています。
Q7技能発揮訓練を受けずに飛べる例外はある?
国土交通大臣がやむを得ない事由があると認めて許可した場合は適用されません(3項)。許可は行為の前に得る必要があります。
Q8自家用操縦士も技能発揮訓練の対象?
対象になりえます。本条は「操縦技能証明を有する者」全般を対象とし、事業用と自家用を区別していません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自家用の免許で週末にちょっと飛んでるだけでも、この訓練って要るんですか?
要る場合がある。本条は「操縦技能証明を有する者」全般が対象で、事業用と自家用を区別していない。管制圏が設定された空港で離着陸などをするなら対象になる。一方、35条の2の計器飛行等の練習や71条の4の操縦の練習のために行う操縦は、第1項1号・2号から除外されている。実務のポイント:管制圏のない飛行場だけで飛ぶなら1号から4号には当たらない。訓練が必要かどうかは、免許の種類よりも行動範囲で決まる
Q2期限が切れてたのに気づかずに飛んじゃったら、どうなりますか?
本条違反になる。技能証明の取消しや業務停止(航空法30条)の対象となりうるし、罰則が適用される可能性もある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:自分で気づいた時点で次の乗務を止め、すぐに報告するのが最善である。発覚が遅れ、隠していたと受け取られると、処分の場面でかなり不利になる。航空安全情報の自発報告制度(VOICES)もあるが、処分が軽くなることを保証するものではない
Q3会社の社内訓練を受けていれば、登録訓練機関のものじゃなくても大丈夫ですか?
本条は、登録訓練機関の訓練のほか、「同等以上の内容」として国土交通省令の要件に該当する訓練でも足りるとしている。社内訓練が認められるかどうかは、その要件を満たしているか次第である。実務のポイント:問題になりやすいのは訓練の中身よりも修了記録である。修了日、訓練内容、実施者を後から証明できなければ、受講していても「未修了」と同じ扱いを受けるおそれがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「技能証明を持っていれば飛べるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。本条が見ているのは資格の有無ではなく、「どの空港で」「どんな行為を」するかである。管制圏が設定された空港での離着陸、地上走行、降下飛行、練習の監督に限って訓練修了を求めている。同じライセンスでも、行き先と役割によって飛べるかどうかが変わる
- 訓練の期限切れは事務的なミスで済むと考えられやすい。しかし本条違反は航空法違反であり、国土交通大臣による技能証明の取消しや業務停止(航空法30条)の対象となりうる。乗務停止は、そのままキャリアの空白期間になる。期限管理の甘さが職業生命に直結するという深刻さは、あまり意識されていない
- パイロットから見れば、誤進入はとっさの一瞬の判断ミスである。法律から見ると、それは「複数の作業を管理する能力」が定期的に維持されていなかった結果として捉えられる。個人の注意力の問題として片付けるのではなく、事前の訓練義務の問題として扱う。この視点の違いのため、事故が起きた後には「期限内に訓練を受けていたか」が真っ先に確認される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 求められる内容 | 航空法71条の5:管制圏の空港等での離着陸・監督前に、期限内の技能発揮訓練(管理技能)修了 | 航空法35条の2:計器飛行等の練習に関する規律(本条1項1号・2号の適用除外の基準) 航空法99条の2:技能発揮訓練を行う登録訓練機関の登録制度 |
| 本条との関係 | 訓練修了を義務づける本体規定 | 35条の2第1項の練習のために行う離着陸操縦は本条1号・2号から除外、その練習の監督は4号で対象 訓練の実施主体を定める制度規定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は航空人員の検定と運航者の定期訓練・考験で技能維持を図る。管制圏空港での行為に絞って訓練修了を求める日本の設計とは切り口が異なる
ドイツを含む EU は欧州共通の乗員規則でライセンスの有効性維持(技能審査・定期訓練)を規律する
米国は一般操縦士に定期的な flight review を、エアラインには recurrent training を求める。空港の種類で対象を絞る方式ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の飛行クラブで自家用機を飛ばしているあなたが、週末に管制圏のある空港への着陸を計画した。技能発揮訓練の修了日を確認すると、省令で定める期間をすでに過ぎていた。このまま着陸すれば本条違反になる。予定を組み替えるしかない
- もし、機長として乗務予定の三日前に、訓練の修了期限が明日で切れると気づいたら、どうなる? 期限内に受講できなければ、管制圏の空港からの離陸はできない。乗員繰りを担当する部署への連絡は今日中に必要になる
- 飛行教官のあなたは、訓練生の離着陸練習を管制圏のある空港で監督している。自分自身は練習の当事者ではないため、本条は関係ないと思っていた。しかし第1項3号・4号は、その「監督」という行為そのものを訓練修了の対象にしている
- 地上走行中に管制から「滑走路手前で待機」の指示を受けた。同じタイミングでチェックリストの確認と客室からの連絡が重なった。本条でいう「管理技能」が試されるのは、こうした数十秒間である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訓練生として教官の監督を受けるなら、管制圏の空港で練習を始める前に、教官が技能発揮訓練を修了しているかを訓練機関に確認する2. 運航事業者として乗員を受け入れる立場なら、修了証明と期限を記録で管理し、期限の一覧表を作っておく3. 未修了者の運航で損害を受けた場合は、事故・インシデントの記録を確保したうえで、民法709条や715条に基づく損害賠償請求を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 期限切れに気づいたら、次の該当行為をする前に乗務を止め、所属先へすぐに報告する2. やむを得ない事由があるなら、第3項の許可を事前に申請する3. 修了した訓練が省令の「同等以上の訓練」に当たると主張できるか、記録と省令の要件を照らし合わせる4. 航空法30条の処分手続では、弁明の機会を使って経緯と再発防止策を書面で示す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。訓練は、該当行為をする日より前の、国土交通省令で定める期間内に修了していなければならない(具体的な期間は最新の改正状況をご確認ください)。損害賠償が問題になる場合は、民法724条の消滅時効(損害と加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害は5年)が適用される
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