航空法 第82条(巡航高度)
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- 航空機は、地表又は水面から九百メートル(計器飛行方式により飛行する場合にあつては、三百メートル)以上の高度で巡航する場合には、国土交通省令で定める高度で飛行しなければならない。
- 2.航空機は、航空交通管制区内にある航空路の空域(第九十四条の二第一項に規定する特別管制空域を除く。)のうち国土交通大臣が告示で指定する航空交通がふくそうする空域を計器飛行方式によらないで飛行する場合は、高度を変更してはならない。ただし、左に掲げる場合は、この限りでない。
- 一離陸した後引き続き上昇飛行を行なう場合
- 二着陸するため降下飛行を行なう場合
- 三悪天候を避けるため必要がある場合であつて、当該空域外に出るいとまがないとき、又は航行の安全上当該空域内での飛行を維持する必要があるとき。
- 四その他やむを得ない事由がある場合
- 3.国土交通大臣は、前項の空域(以下「高度変更禁止空域」という。)ごとに、同項の規定による規制が適用される時間を告示で指定することができる。
この条文の基本情報
巡航高度とは何ですか?
定義巡航高度とは、航空法第82条に定められた規定で、「航空機は、地表又は水面から九百メートル(計器飛行方式により飛行する場合にあつては、三百メートル)以上の高度で巡航する場合には、国土交通省令で定める高度で飛行しな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第82条(巡航高度)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第82条の条文原文は「航空機は、地表又は水面から九百メートル(計器飛行方式により飛行する場合にあつては、三百メートル)以上の高度で巡航する場合には、国土交通省令で定める高度で飛行しな…」で始まります。
- 航空法第82条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第82条の前の条は航空法第81条の2です。
- 航空法第82条の次の条は航空法第82条の2です。
- 航空法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第82条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/82
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法82条は、地表から900m(計器飛行は300m)以上で巡航する航空機に省令の定める高度での飛行を義務づけ、告示の混雑空域では有視界飛行機の高度変更を原則禁止する。
Q · 飛行機って、空の上なら好きな高さを飛んでいいの?
省令で決まった高度を飛ぶ義務があり、混雑空域では変更も原則禁止
航空法82条1項により、地表または水面から900メートル(計器飛行方式なら300メートル)以上で巡航する航空機は、国土交通省令で定める高度で飛ばなければなりません。進行方向ごとに使う高度層を分け、対向機との衝突を防ぐ仕組みです。さらに2項により、告示で指定された高度変更禁止空域を有視界飛行で飛ぶ場合は、離陸後の上昇、着陸のための降下、空域外に出るいとまのない悪天候回避、その他やむを得ない事由がある場合を除き、高度を変えてはなりません。
解説
羽田から福岡へ飛ぶ便と、福岡から羽田へ戻る便は、同じ空路でも同じ高さを飛ばない。航空法82条1項は、地表から900メートル以上(計器飛行方式なら300メートル以上)で巡航する航空機に、国土交通省令が定める高度で飛ぶよう義務づけている。省令の中身は、原則として「進む方角によって使ってよい高度が奇数か偶数かに分かれる」という仕組みである。向かい合って飛ぶ機体を、高さの層で最初から分けておくためだ。2項はさらに踏み込む。国土交通大臣が告示で指定した混雑空域(高度変更禁止空域)では、有視界飛行(パイロットが目で外を見て安全を確保する飛び方)の機体は、離陸直後の上昇、着陸のための降下、悪天候回避、その他やむを得ない事由がない限り、高度を変えてはならない。空には道路標識がない。だから「高さ」そのものが車線になる。この条文を知っている人は、機長が勝手に高度を変えない理由と、変えた場合に問われる責任の重さを、外から正しく読み解ける。
法的な位置づけ
航空法第82条は巡航高度を定める規定であり、地表または水面から900メートル(計器飛行方式では300メートル)以上の高度で巡航する航空機に対し、国土交通省令で定める高度での飛行を義務づける。また、告示で指定された高度変更禁止空域を有視界で飛行する航空機には、離着陸時や悪天候回避等の例外を除き高度変更を禁止する。
よくある質問 AI による整理
Q1巡航高度とは何ですか?
航空機が上昇・降下を終えて水平に飛び続ける高度のことです。航空法82条は、一定以上の高さで巡航する場合、国土交通省令で定める高度を使うよう義務づけています。
Q2飛行機の高度は進む方角でどう決まる?
国際ルールに沿い、原則として磁方位0〜179度は奇数千フィート、180〜359度は偶数千フィートの高度層を使います。有視界飛行ではこれに500フィートを加えるのが基本です。
Q3900メートルより低く飛ぶなら高度は自由?
82条1項の巡航高度の規律は及びませんが、81条の最低安全高度など他の規律は適用されます。低ければ何をしてもよいわけではありません。
Q4ヘリコプターも航空法82条の対象?
対象です。ヘリコプターも航空法上の航空機であり、高度変更禁止空域を有視界飛行で飛ぶ場合は2項の高度変更禁止がそのまま適用されます。
Q5離陸直後の上昇は高度変更禁止の違反になる?
違反になりません。82条2項1号が「離陸した後引き続き上昇飛行を行なう場合」を明文で例外としています。着陸のための降下も2号で同様に例外です。
Q6「その他やむを得ない事由」とは何を指す?
条文に具体例はなく、機体の不具合や急病人の発生など、高度を維持できない切迫した事情が個別に判断されます。事後に理由を説明できる記録が不可欠です。
Q7特別管制空域でも82条2項は適用される?
適用されません。2項は航空路の空域から94条の2第1項の特別管制空域を明文で除いています。特別管制空域には別の規律がかかります。
Q8高度変更禁止空域で雲が迫ったらどうする?
まず空域外へ出られるかを検討します。出るいとまがない場合、または空域内での飛行維持が安全上必要な場合に限り、悪天候回避として高度変更が認められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1旅客機が飛行中に高度を変えるのは違反じゃないんですか?
違反ではない。旅客機は通常、計器飛行方式で飛び、管制官の指示(航空法96条)に従って高度を変える。82条2項の高度変更禁止は「計器飛行方式によらないで飛行する場合」が対象である。実務のポイント:機長が揺れを避けたいとアナウンスしてもすぐ高度が変わらないのは、管制の許可待ちだからである。機長の独断ではなく、空全体の交通整理を待っている時間なのである
Q2高度変更禁止空域って、どこを見れば分かるんですか?
82条2項に基づき国土交通大臣の告示で指定され、3項により規制時間も告示で定められる。実務では告示に加え、航空路誌(AIP)や航空図で確認する。実務のポイント:規制が終日ではなく時間帯限定の空域もある。経験の浅い操縦士ほど「いつも禁止」と思い込み、時間外の逃げ道を使えていない。告示の時間指定まで読む人は少ない
Q3違反したら罰金だけで済みますか?
本条違反は航空法の罰則で罰金の対象となりうるが、操縦士にとってより重いのは、航空法30条による技能証明の取消しや業務停止の可能性である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:事業用操縦士にとって、罰金額より業務停止の日数のほうが収入へのダメージははるかに大きい。処分前の弁明で記録を出せるかどうかが勝負になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「高い空はガラ空きだから、パイロットは好きな高さを飛べる」と思われがちだが、地表から900メートル以上で巡航する時点で、使える高度は省令で方角別に絞り込まれている。自由に見える空ほど、実は細かく区切られている
- 2項の「高度変更禁止」は旅客機を縛るルールだと考える人が多いが、条文の対象は「計器飛行方式によらないで飛行する場合」、つまり主に有視界飛行の小型機やヘリコプターである。旅客機は計器飛行方式で管制の指示に従って高度を変えるので、問題の立て方そのものがずれている
- 「悪天候だったと言えば例外で済む」と軽く見る操縦士がいるが、条文の要件は「当該空域外に出るいとまがないとき」または「航行の安全上当該空域内での飛行を維持する必要があるとき」に限定されている。雲が見えたというだけでは足りず、空域外へ出る選択肢がなかったことまで説明できて初めて例外になる。この落差が、違反認定と免責の分かれ目である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法82条:巡航時に使う高度(高さの割当て)と混雑空域での高度変更 | 航空法81条:これ以下を飛んではならない最低安全高度(下限) 航空法82条の2:飛行時の速度の制限 |
| 適用される場面 | 地表・水面から900m(計器飛行方式は300m)以上で巡航する場合、告示空域を有視界で飛ぶ場合 | 離着陸時を除く飛行全般 国土交通省令で定める条件下の飛行 |
| 守るもの | 航空機同士の空中衝突の防止(空域の予測可能性) | 地上の人・物件の安全 管制・回避のための時間的余裕 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾もシカゴ条約附属書2の国際標準に沿い、進行方向ごとの巡航高度を規則で定める構造をとる
韓国も法律で委任し、施行規則で方角別の巡航高度を定める点で日本と類似する
ドイツを含む EU 加盟国は、国内法ではなく EU 共通の航空規則(SERA)で巡航高度表を一元的に定める
米国は連邦航空規則で VFR と IFR の巡航高度を別条文で規定し、方角による奇数・偶数の割当てを明文化している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自家用操縦士の免許を取ったばかりのあなたが、関東上空の有視界飛行中に前方の雲を避けようと500フィート上昇した。そこは告示で指定された高度変更禁止空域の内側だった。「悪天候回避」の例外に当たるかどうかは、空域外に出るいとまがなかったか、空域内での飛行維持が安全上必要だったかで判断される。その説明を後から書面で求められたとき、記録がなければ例外は証明できない
- 東行きの便に乗ったのに、機内モニターの高度表示が往路と1,000フィート違う。整備不良ではない。方角ごとに使える高度が割り振られているだけである
- もしフライトクラブの仲間が「混んでる空域でもちょっと高度を変えるくらい誰も見ていない」と言い出したら、どう返す? レーダーの航跡データは管制側に残る。違反が確認されれば、罰則とは別に技能証明(操縦免許)そのものへの行政処分が待っている
- 遊覧飛行会社の運航管理者であるあなたのもとに、地方航空局から「○月○日の運航における高度変更について報告を求める」と連絡が来た。回答期限まであと5日。当日の気象情報、機長の判断記録、管制との交信記録の三点を、今日中に揃えなければ説明が組み立たない
- グライダーの体験搭乗を企画するあなた。グライダーも航空法上の「航空機」であり、巡航高度の規律は適用されうる。上昇気流を追って高度が上下するグライダーの性質と、混雑空域の規制がぶつかる場所を、事前に把握しているか
取るべき行動
被害を受けた側:1. ニアミスや異常接近に遭遇した操縦士・運航者は、日時、位置、高度、相手機の特徴をただちに記録する2. 航空法76条の2に基づく報告(異常事態の報告)が必要かを確認し、地方航空局へ速やかに報告する3. 管制交信記録や自機の飛行記録の保全を運航会社または関係機関に依頼する4. 損害が生じた場合は、相手機の運航者に対する民法709条の損害賠償請求を検討する
訴えられた側:1. 高度を変えた時点の気象情報、雲の位置、空域外へ出る経路がなかった理由を時系列でまとめる2. 2項各号(離陸後の上昇、着陸のための降下、悪天候回避、やむを得ない事由)のどれに当たるかを特定する3. 技能証明への処分(航空法30条)が検討される場合、聴聞や弁明の機会で記録に基づき説明する4. 必要に応じて航空法令に詳しい弁護士へ早期に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。罰則が適用される場合、罰金刑のみが定められた罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、違反行為の終了時から起算)。技能証明への行政処分には時効の定めがないため、違反発覚後は速やかに説明資料を準備すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法(昭和27年法律第231号)の制定とともに巡航高度の規律が置かれた。その後の改正経過は e-Gov の改正履歴で要確認
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