航空法 第89条(物件の投下)
クイックジャンプ
何人も、航空機から物件を投下してはならない。但し、地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれのない場合であつて国土交通大臣に届け出たときは、この限りでない。
この条文の基本情報
物件の投下とは何ですか?
定義物件の投下とは、航空法第89条に定められた規定で、「何人も、航空機から物件を投下してはならない。但し、地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれのない場合であつて国土交通大臣に届け出たときは、こ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第89条(物件の投下)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第89条の条文原文は「何人も、航空機から物件を投下してはならない。但し、地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれのない場合であつて国土交通大臣に届け出たときは、こ…」で始まります。
- 航空法第89条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第89条の前の条は航空法第88条です。
- 航空法第89条の次の条は航空法第90条です。
- 航空法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第89条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/89
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法89条は、何人も航空機から物件を投下してはならないと定める。例外は、地上・水上の人や物に危害のおそれがなく、国土交通大臣に届け出た場合に限られる。
Q · ヘリや飛行機から物を落とすのは、法律上許されるの?
原則禁止。安全かつ国交大臣への届出がある場合のみ例外
航空法89条は「何人も」航空機から物件を投下してはならないと定めており、操縦者だけでなく同乗者も対象です。例外は、地上・水上の人や物に危害を与えるおそれがなく、国土交通大臣に事前に届け出た場合に限られます。届出は審査を経る許可とは異なるため、安全判断の責任は投下する側に残ります。なお、ドローンは本条の航空機に含まれず、物件投下には別条文に基づく承認が必要です。
解説
上空から何かを落とす行為は、日本では原則として全面禁止である。旅客機に限らず、遊覧ヘリ、農薬散布機、イベントの宣伝飛行もすべて対象になる。航空法89条の主語は「何人も」であり、機長だけでなく実際に手を離した同乗者も含まれる。指示した依頼主も共犯として問われうる。例外が認められるのは、二つの条件がそろったときだけだ。一つは、地上や水上の人・物に危害や損傷を与えるおそれがないこと。もう一つは、国土交通大臣に届け出ていることである。注意すべきは、ここでいう手続が「許可」ではなく「届出」(役所に事前に知らせる手続で、審査して認めてもらうものではない)だという点だ。そのため、安全かどうかを判断する責任はあなたの側に残る。届出をしたから何が落ちても免責される、という仕組みではない。さらに、ドローンは本条の「航空機」に含まれない。物件の投下には別の条文(132条の86)に基づく国の承認が必要になる。届出なのか承認なのか、この一語の違いを知らないまま空から物を落としている事業者が、今日もいる。
法的な位置づけ
航空法第89条は、航空機からの物件投下を禁止する規定である。主語を「何人も」とし、操縦者に限らず搭乗者全員を名宛人とする。地上または水上の人・物件に危害や損傷を与えるおそれがなく、かつ国土交通大臣への届出がある場合に限り、投下を例外的に適法とする。無人航空機は本条の規律対象外である。
よくある質問 AI による整理
Q1航空法89条とは何ですか?
航空機から物を投下することを原則禁止する規定です。危害のおそれがなく、国土交通大臣に届け出た場合に限り例外として投下が認められます。
Q2物件投下の届出はどこに出す?
届出先は国土交通大臣で、実務上の窓口は地方航空局などです。投下を行う前に届け出る必要があり、事後の届出では例外要件を満たしません。
Q3物件投下の届出 いつまでに出す?
条文は「届け出たとき」と定めるため、投下より前に届出を済ませる必要があります。具体的な提出期限や様式は所管の航空局に事前確認するのが確実です。
Q4飛行機から物を落とすのは違法?
原則として違法です。地上・水上の人や物に危害を与えるおそれがなく、国土交通大臣に届け出た場合だけが例外として適法になります。
Q5同乗者が物を落とした場合も違反になる?
なりえます。89条の主語は「何人も」であり、操縦者に限らず実際に物を投下した同乗者も規制対象です。企画した依頼主の責任も問われる余地があります。
Q6農薬の空中散布にも届出は必要?
有人ヘリ等による農薬散布は物件の投下として届出の対象とされるのが実務の運用です。低空で飛ぶ場合は最低安全高度以下の飛行許可(81条)も別途必要です。
Q7航空機から部品が落ちたら89条違反?
意図しない部品の脱落は「投下」に当たらず、89条違反の問題にはなりません。ただし地上の被害については民法上の損害賠償を請求する余地があります。
Q8届出をすれば何を落としても免責される?
免責されません。届出に加えて「危害を与えるおそれがない」という実体要件を満たす必要があります。人のいる場所に落とせば例外の要件を外れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ヘリから花びらを撒く演出って、本当に役所に届け出ないとダメなんですか?
必要である。89条は物の種類を限定しておらず、花びらでも「物件」に当たるとするのが実務の運用だ。届出先は国土交通大臣で、実務上の窓口は地方航空局などになる。投下の前に済ませなければならない。実務のポイント:届出を出すのは通常、運航会社である。演出業者は「ヘリ会社がやってくれる」と思い込み、ヘリ会社は「依頼主が地上の安全を確保する」と思い込んでいる。役割分担を契約書に一行書いておくだけで、当日中止のリスクはほぼ消える
Q2ドローンで物を落とすのも、同じ届出でいいんですよね?
違う。ドローン(無人航空機)は89条の「航空機」に含まれない。物件の投下は132条の86の規律を受け、原則として国土交通大臣の承認が必要になる。届出はただの通知だが、承認は審査を経る手続であり、手間も期間も異なる。実務のポイント:承認申請は DIPS(ドローン情報基盤システム)でオンライン申請でき、飛行予定日の少なくとも10開庁日前までに出すよう案内されている(最新の改正状況をご確認ください)。直前に気付いても間に合わない
Q3飛行機から落ちてきた部品で車がへこんだら、誰に請求すればいいの?
意図しない部品の脱落は89条の「投下」には当たらない。それでも、運航した航空会社に民法709条などで賠償を求めることができる。最大の壁は、どの機体から落ちたかの特定だ。実務のポイント:日本には自動車の自賠法のような、航空機による地上第三者被害を対象とする特別法がない。無過失責任をどこまで認めるかは、実務上も解釈が分かれている。一方で国は航空会社に部品欠落の報告を求めており、空港事務所への通報が機体を特定する近道になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「届出が受理されたかどうか」を気にする人は多いが、問いの立て方が誤っている。届出は審査を経て認められる許可とは異なり、形式を満たしたものが窓口に到達した時点で手続上の義務は果たされる(行政手続法37条)。本当に問われるのは、「危害を与えるおそれがない」という実体的な要件を満たしていたかどうかだ。届出書が通っていても、人のいる場所に落とせば但書の例外から外れる
- あなたから見れば、ドローンも空を飛ぶ機械であり、同じ「航空機」に思える。しかし法律上、89条の航空機は人が乗ることのできる機器を指し、ドローンは「無人航空機」として別の章で規律される。こちらは物件投下に承認、つまり事前審査が必要だ。日数も提出書類も違う。この落差に気付かないまま直前に手配すると、当日飛ばせないか、無承認で違反するかの二択に追い込まれる
- 落としてはいけないのは爆発物のような危険物だけだと思われがちだが、規制の射程はずっと広い。花びら、紙のビラ、液体の農薬も「物件」として届出の対象に扱われるのが実務の運用である。軽くて無害に見える物であることは、届出を省いてよい理由にはならない。届出を出したうえで安全性を説明する材料になるにすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 航空法89条:航空機からの物件投下 | 航空法90条:航空機からの落下傘降下 航空法132条の86:無人航空機(ドローン)からの物件投下(現行条番号要確認) |
| 手続の種類 | 国土交通大臣への届出(審査なし) | 国土交通大臣の許可(審査あり) 国土交通大臣の承認(審査あり) |
| 実体要件 | 地上・水上の人や物件に危害・損傷を及ぼすおそれがないこと | 許可審査で安全性が判断される 承認審査で安全確保体制が判断される |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も航空器飛航中の物件投擲を原則禁止し、法令に定める場合などに限り例外を認める構造をとる(具体的な条番号は要確認)
米国は人や財産に危害を与えるおそれのある投下を禁止しつつ、合理的な予防措置を講じた投下を認める。日本と異なり届出手続を要件としない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 結婚式の演出で、チャーターしたヘリから花びらを撒きたいと業者に頼んだら、どうなる? 花びら一枚でも「物件」として扱われる。運航会社が届出をしていなければ、手を離した人も企画したあなたも、違反の当事者になりうる
- あなたは農業法人の担当者で、来週に有人ヘリでの水田への農薬空中散布を控えている。散布は物件の投下として事前の届出が必要であり、低空で飛ぶなら最低安全高度以下の飛行許可(81条)も別に要る。残りは5日。書類がそろっていなければ、ヘリは来ても散布は始められない
- 遊覧ヘリの窓から、記念にとペットボトルを放った乗客がいた。「何人も」の一語により、操縦していない彼も違反者になる
- 自宅のカーポートの屋根に、上空を通過した機体から部品のような金属片が落ちてきた。意図的な「投下」ではないため、89条違反の問題にはならない。それでも賠償を求める道は閉ざされない。請求の根拠が民法の不法行為に移るだけである
- 友人が「届け出れば大丈夫でしょ」と言いながら、ドローンで釣り餌を沖まで運んで落とそうとしている。ドローンは航空法上の「航空機」ではなく、物件投下には国土交通大臣の承認が要る。届出の感覚で飛ばせば、別の条文に引っかかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 落ちてきた物は動かす前に写真で位置と状態を記録し、時刻と機体の特徴(ヘリか飛行機か、色、機体番号)をメモする2. 警察と最寄りの空港事務所・地方航空局へ通報し、通報した日時を控える3. 運航者が特定できたら、民法709条に基づき修理費などを請求する。意図的な投下で届出がなかった場合、89条違反は過失を強く裏付ける材料になる4. 損害額が60万円以下なら少額訴訟も選択肢になる
訴えられた側:1. 届出書の控えと届出日時、投下区域の地図、立入管理の記録をすぐに集める2. 高度、投下物の重さと材質、地上の人払いの状況を整理し、「危害のおそれがなかった」ことを具体的に説明できるようにする3. 届出漏れがあった場合は隠さず航空局に報告し、再発防止策を書面にまとめる。事後対応の誠実さは、処分を判断する際の事情として考慮されうる4. 地上に被害が出ていれば、その日のうちに保険会社へ連絡する
時効(請求できる期限):89条自体に特定の時効はなく、届出は投下の前に済ませなければならない。地上被害の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、行為時から20年で消滅する。違反に罰金刑が科される場合の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)である(罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和27年(1952年) 航空法の制定とともに設けられた。原文には旧仮名遣い(「あつて」)が残っており、本文の骨格は制定当初から大きく変わっていないとみられる
- 平成13年(2001年)中央省庁再編 届出先が「運輸大臣」から「国土交通大臣」に改められたとみられる。改正の回数と年次は人による検証が必要である
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法の制定とともに設けられた。条文に旧仮名遣い(「あつて」)が残り、本文の骨格は制定当初から大きく変わっていないとみられる
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める