要点宅地建物取引業法63条の3は、手付金等保管事業を営もうとする者の申請に基づき国土交通大臣が指定保管機関を指定する手続を定める。工事完了前の物件の売買は対象から除かれる。
Q · 手付金を払う前に、その物件が建築中かどうかで何が変わるの?
建築中なら指定保管機関に預ける方式は使えません
宅地建物取引業法63条の3第1項は、指定保管機関による手付金等の保管の対象から、41条1項の売買(工事完了前の物件)を明文で除いています。したがって建築中のマンションや造成中の土地では、保全措置は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約の二択になります。完成物件で代金の10%または1,000万円を超える手付金等を受け取る場合に限り、指定保管機関への寄託という第三の選択肢が加わります。契約書の保全措置欄は、物件の完成状態と噛み合っているかという観点で読む必要があります。
手付金等保管事業。聞き慣れない言葉だが、これはあなたが払った手付金が売主業者の倒産で消えないようにするための、第三の安全装置である。宅地建物取引業法63条の3は、その装置を運営する機関がどうやって国から指定されるかを定めている。見落とされるのは第1項の括弧書きだ。「第四十一条第一項に規定する売買を除く」、つまり工事完了前の物件(建築中のマンション、造成中の土地)の売買は、この制度の対象外である。青田買いで手付金を払うなら、保全措置は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約しかない。完成物件なら、代金の10%または1,000万円を超える手付金等について、指定保管機関への寄託という選択肢が加わる。あなたが契約書の「手付金等の保全措置」欄を見るとき、物件が完成しているかどうかと、選ばれた手段が噛み合っているか。そこが業者の適法性を測る一本の物差しになる。
宅地建物取引業法63条の3は、手付金等保管事業を営む指定保管機関の指定手続を定める規定である。指定は、工事完了前の売買を除く宅地又は建物の売買について、宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領し同額を保管する事業を営もうとする者の申請により、国土交通大臣が行う。第2項は指定保証機関に関する規定を準用し、監督の枠組みを及ぼす。
AI 輔助整理,以條文原文為準
宅建業者が自ら売主となる取引で、買主が払った手付金等を業者の倒産から守る仕組みです。銀行等の保証委託契約、保険会社の保証保険契約、指定保管機関への寄託の三方式があります。
工事完了前の物件は代金の5%または1,000万円を超えるとき、完成物件は代金の10%または1,000万円を超えるときに保全措置が必要になります。閾値以下なら義務は生じません。
指定保管機関が宅建業者に代理して手付金等を受領し、同額を保管する契約です。買主には寄託契約を証する書面と質権設定に関する書面が交付されて初めて保全措置が完成します。
保全措置が講じられていれば、寄託方式なら指定保管機関、保証方式なら銀行等、保険方式なら保険会社に返還を求められます。措置がなければ一般債権者として配当を待つことになります。
業者が保全措置を講じない場合、買主は手付金等の支払を拒むことができます。既に払っていれば免許権者への申出や返還請求を検討し、契約書と入金記録を保全してください。
不要です。保全措置義務は宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合に限られます。買主も業者なら制度の保護は及ばず、契約条項で自衛する必要があります。
契約締結後から引渡し前までに支払われ、代金に充当される金銭を広く含みます。手付金のほか中間金や内金も対象で、名目ではなく実質で判断されます。
国土交通大臣です。手付金等保管事業を営もうとする者の申請により行われ(63条の3第1項)、指定後は準用規定を通じて財産的基礎や業務方法の監督を受けます。
手付金等保管事業を営もうとする者の申請に基づき、国土交通大臣が指定した機関である(63条の3第1項)。実務上、指定を受けている機関は極めて少なく、業者が自由に選べる性質のものではない。業界裏話ヒント:機関名より先に確認すべきは書面である。手付金等寄託契約を証する書面と質権設定に関する書面が買主に交付されて初めて保全措置は完成する(41条の2)。口頭で機関名を告げられて安心した時点が、いちばん危うい。
使えない。63条の3第1項は対象から41条1項に規定する売買、つまり工事完了前の物件を明文で除いている。未完成物件の保全は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約の二択になる。業界裏話ヒント:未完成物件は保全措置が必要となる閾値も低く、代金の5%または1,000万円を超えれば義務が生じる(完成物件は10%)。手付金を「代金のちょうど5%」で提案されたら、それは偶然ではない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 63条の3:指定保管機関を指定する入口と監督の準用 | — |
| 対象となる物件 | 完成物件の売買のみ(41条1項の売買を明文で除外) | — |
| 使える保全方式 | 指定保管機関への寄託(第三の方式)を成立させる根拠 | — |
| 義務が生じる金額の閾値 | 本条自体に閾値の定めはない(指定手続の規定) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。