宅地建物取引業法 第63条の3(指定等)
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- 第四十一条の二第一項第一号の指定(以下この節において「指定」という。)は、宅地又は建物の売買(第四十一条第一項に規定する売買を除く。)に関し、宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領し、当該宅地建物取引業者が受領した手付金等の額に相当する額の金銭を保管する事業(以下「手付金等保管事業」という。)を営もうとする者の申請により行う。
- 2.前節(第五十一条第一項、第五十七条から第六十条まで及び第六十二条第二項第六号を除く。)の規定は、指定保管機関について準用する。この場合において、第五十一条第二項第三号中「政令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第三項第三号及び第五十二条第四号中「保証委託契約約款」とあるのは「手付金等寄託契約約款」と、第五十一条第四項中「保証の目的の範囲、支店及び政令で定めるその他の営業所の権限に関する事項、保証限度、各保証委託者からの保証の受託の限度、保証委託契約の締結の方法に関する事項、保証の受託の拒否の基準に関する事項」とあるのは「手付金等の保管に関する事項」と、第五十二条第五号及び第七号ニ中「の規定により」とあるのは「又は第六十四条第一項の規定により」と、第五十三条中「書類」とあるのは「書類(事業方法書を除く。)」と、第五十六条第二項中「第四十一条の二第一項第一号」とあるのは「第四十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
指定等とは何ですか?
定義指定等とは、宅地建物取引業法第63条の3に定められた規定で、「第四十一条の二第一項第一号の指定(以下この節において「指定」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第63条の3(指定等)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第63条の3の条文原文は「第四十一条の二第一項第一号の指定(以下この節において「指定」という。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第63条の3は第四節 指定保管機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第63条の3の前の条は宅地建物取引業法第63条の2です。
- 宅地建物取引業法第63条の3の次の条は宅地建物取引業法第63条の4です。
- 宅地建物取引業法第63条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第63条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第63条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/63_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法63条の3は、手付金等保管事業を営もうとする者の申請に基づき国土交通大臣が指定保管機関を指定する手続を定める。工事完了前の物件の売買は対象から除かれる。
Q · 手付金を払う前に、その物件が建築中かどうかで何が変わるの?
建築中なら指定保管機関に預ける方式は使えません
宅地建物取引業法63条の3第1項は、指定保管機関による手付金等の保管の対象から、41条1項の売買(工事完了前の物件)を明文で除いています。したがって建築中のマンションや造成中の土地では、保全措置は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約の二択になります。完成物件で代金の10%または1,000万円を超える手付金等を受け取る場合に限り、指定保管機関への寄託という第三の選択肢が加わります。契約書の保全措置欄は、物件の完成状態と噛み合っているかという観点で読む必要があります。
解説
手付金等保管事業。聞き慣れない言葉だが、これはあなたが払った手付金が売主業者の倒産で消えないようにするための、第三の安全装置である。宅地建物取引業法63条の3は、その装置を運営する機関がどうやって国から指定されるかを定めている。見落とされるのは第1項の括弧書きだ。「第四十一条第一項に規定する売買を除く」、つまり工事完了前の物件(建築中のマンション、造成中の土地)の売買は、この制度の対象外である。青田買いで手付金を払うなら、保全措置は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約しかない。完成物件なら、代金の10%または1,000万円を超える手付金等について、指定保管機関への寄託という選択肢が加わる。あなたが契約書の「手付金等の保全措置」欄を見るとき、物件が完成しているかどうかと、選ばれた手段が噛み合っているか。そこが業者の適法性を測る一本の物差しになる。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法63条の3は、手付金等保管事業を営む指定保管機関の指定手続を定める規定である。指定は、工事完了前の売買を除く宅地又は建物の売買について、宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領し同額を保管する事業を営もうとする者の申請により、国土交通大臣が行う。第2項は指定保証機関に関する規定を準用し、監督の枠組みを及ぼす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.売主が誰かと物件の完成状態を先に確定する 契約書と重要事項説明書で、売主が宅地建物取引業者本人か(仲介ではないか)、買主である自分が宅建業者でないかを確認する。次に物件が工事完了前か完成済みかを、検査済証や引渡し予定の工程で確定する。この二点が保全措置義務の有無と使える方式を決める
- 2.閾値を計算して保全措置の要否を判定する 工事完了前なら代金の5%または1,000万円、完成物件なら代金の10%または1,000万円を計算し、支払予定の手付金等(中間金を含む)がこれを超えるかを確認する。超えなければ業者に保全措置義務は生じないため、措置がないこと自体は違法ではない
- 3.選ばれた方式が物件の状態と噛み合うか照合する 工事完了前の物件に指定保管機関への寄託方式が記載されていたら、63条の3第1項が対象から除いているため保全措置として成立しない。未完成物件は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約の二択であることを前提に、重要事項説明の記載を突き合わせる
- 4.寄託方式なら書面三点を入金前に受領する 指定保管機関への寄託方式では、手付金等寄託契約を証する書面、寄託金返還請求権への質権設定契約書、保管機関に対する確定日付ある通知の三点が揃って初めて効力が完成する。口頭で機関名を告げられただけの段階では振込を実行しない
- 5.不備があれば免許権者に申し出る 保全措置を講じないまま手付金等を受領された、未完成物件に寄託方式が使われていた等の場合、業者の免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)へ申出を行う。契約書、重要事項説明書、入金記録、業者とのやり取りを時系列で整理して提出する
よくある質問 AI による整理
Q1手付金等の保全措置とは何ですか?
宅建業者が自ら売主となる取引で、買主が払った手付金等を業者の倒産から守る仕組みです。銀行等の保証委託契約、保険会社の保証保険契約、指定保管機関への寄託の三方式があります。
Q2手付金はいくらから保全措置が必要ですか?
工事完了前の物件は代金の5%または1,000万円を超えるとき、完成物件は代金の10%または1,000万円を超えるときに保全措置が必要になります。閾値以下なら義務は生じません。
Q3手付金等寄託契約とは何ですか?
指定保管機関が宅建業者に代理して手付金等を受領し、同額を保管する契約です。買主には寄託契約を証する書面と質権設定に関する書面が交付されて初めて保全措置が完成します。
Q4売主業者が倒産したら手付金は返ってきますか?
保全措置が講じられていれば、寄託方式なら指定保管機関、保証方式なら銀行等、保険方式なら保険会社に返還を求められます。措置がなければ一般債権者として配当を待つことになります。
Q5保全措置がないまま手付金を払ってしまったらどうなりますか?
業者が保全措置を講じない場合、買主は手付金等の支払を拒むことができます。既に払っていれば免許権者への申出や返還請求を検討し、契約書と入金記録を保全してください。
Q6宅建業者同士の取引でも保全措置は必要ですか?
不要です。保全措置義務は宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合に限られます。買主も業者なら制度の保護は及ばず、契約条項で自衛する必要があります。
Q7手付金等の「等」には何が含まれますか?
契約締結後から引渡し前までに支払われ、代金に充当される金銭を広く含みます。手付金のほか中間金や内金も対象で、名目ではなく実質で判断されます。
Q8指定保管機関の指定は誰が行いますか?
国土交通大臣です。手付金等保管事業を営もうとする者の申請により行われ(63条の3第1項)、指定後は準用規定を通じて財産的基礎や業務方法の監督を受けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1重要事項説明で「指定保管機関に預けます」と言われたんですが、その機関ってどこなんですか?
手付金等保管事業を営もうとする者の申請に基づき、国土交通大臣が指定した機関である(63条の3第1項)。実務上、指定を受けている機関は極めて少なく、業者が自由に選べる性質のものではない。実務のポイント:機関名より先に確認すべきは書面である。手付金等寄託契約を証する書面と質権設定に関する書面が買主に交付されて初めて保全措置は完成する(41条の2)。口頭で機関名を告げられて安心した時点が、いちばん危うい。
Q2建築中のマンションでも、同じように預かってもらえるんですよね?
使えない。63条の3第1項は対象から41条1項に規定する売買、つまり工事完了前の物件を明文で除いている。未完成物件の保全は銀行等の保証委託契約か保険会社の保証保険契約の二択になる。実務のポイント:未完成物件は保全措置が必要となる閾値も低く、代金の5%または1,000万円を超えれば義務が生じる(完成物件は10%)。手付金を「代金のちょうど5%」で提案されたら、それは偶然ではない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「指定保管機関ってどこの銀行か」という問いの立て方自体が外れている。指定保管機関は銀行でも保険会社でもなく、手付金等保管事業を営もうとして国土交通大臣の指定を受けた者であり、実務上その数はごく限られる。銀行等の保証委託契約とは根拠条文も請求相手も別ルートである。
- 保全措置が必要なことは知っていても、それが「宅地建物取引業者が自ら売主で、買主が宅地建物取引業者でない場合」に限られると知る人は少ない。個人が売主で業者は仲介するだけの取引には、この義務は及ばない。同じ1,000万円の手付金でも、売主が誰かで安全網の有無が入れ替わる。
- あなたから見れば「手付金を預かってくれる親切な仕組み」だが、法律から見れば63条の3は保管機関を国の監督下に囲い込むための入口である。第2項が前節(指定保証機関に関する規定)をまるごと準用し、財産的基礎、約款、業務方法、監督処分まで縛りをかける。安心の正体は機関の善意ではなく、この監督の網である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 63条の3:指定保管機関を指定する入口と監督の準用 | 41条:工事完了前の物件における保全措置義務 41条の2:完成物件における保全措置義務 |
| 対象となる物件 | 完成物件の売買のみ(41条1項の売買を明文で除外) | 工事完了前の宅地・建物 工事完了後の宅地・建物 |
| 使える保全方式 | 指定保管機関への寄託(第三の方式)を成立させる根拠 | 銀行等の保証委託契約・保険会社の保証保険契約の二択 銀行等の保証・保険・指定保管機関への寄託の三択 |
| 義務が生じる金額の閾値 | 本条自体に閾値の定めはない(指定手続の規定) | 代金の5%または1,000万円を超えるとき 代金の10%または1,000万円を超えるとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個別の指定機関制度ではなく、定型化契約の必要記載事項として價金信託・價金返還保證など複数の履約擔保機制から選択させる方式をとる。未完成物件(預售屋)こそが主戦場である点で、未完成を除外する日本の63条の3と発想が逆になる
韓国は公的機関である住宅都市保証公社が分譲保証を担い、事実上の単一窓口となる。日本のように民間の申請と国土交通大臣の指定を経て機関が現れる構造ではなく、公的保証機関への集中が特徴
ドイツは不動産開発業者が注文者から受領した資金について、保証や工程連動の分割払という形で保全を義務づける。工事の進捗に応じた支払解放という発想が強く、完成/未完成で方式を切り分ける日本とは軸が異なる
米国は手付金を第三者エスクロー会社やブローカーの信託口座に預けるのが標準実務で、州のライセンス制で規律される。指定を受けた特定機関に集約する日本型ではなく、多数のエスクロー事業者が競合する市場型
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、決済まで残り10日という段階で売主業者が民事再生を申し立てたら、あなたが払った手付金800万円は今どこにある? 完成済みマンションで指定保管機関に寄託されていれば、保管機関に対して返還を求める道がある。銀行の保証委託契約なら請求先は銀行になる。契約書にどちらが書かれているかで、明日かける電話の相手も、金が戻る速度も変わる。
- あなたが自ら売主として建売住宅を売る側に立った。完成物件のつもりで指定保管機関の寄託方式を選んだが、引渡しは外構工事の完了後である。この物件が工事完了前と評価されれば、寄託方式は保全措置として使えず、監督処分の射程に入る。
- 重要事項説明で「手付金等の保全措置は講じません」と告げられた。代金3,000万円の完成済み物件で手付金は200万円。10%の300万円以下なので、そもそも保全措置の義務が生じていない。制度が存在することと、その取引で業者に義務があることは、まったく別の問題である。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書と重要事項説明書から保全措置の方式を特定する(指定保管機関への寄託か、銀行等の保証か、保険か)2. 寄託方式なら、手付金等寄託契約を証する書面、質権設定契約書、保管機関への確定日付ある通知の三点が揃っているか確認する3. 揃っていれば保管機関に対して返還を求める4. 書面が交付されていない、または工事完了前の物件に寄託方式が使われていた場合は、保全措置義務違反として免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)への申出を検討する
訴えられた側:1. 自ら売主かつ買主が宅地建物取引業者以外かを確認する。該当しなければ保全措置義務自体が及ばない2. 該当するなら工事完了の有無で41条(未完成)か41条の2(完成)かを判定する。未完成物件に指定保管機関の寄託方式は使えない3. 閾値(未完成は代金の5%または1,000万円、完成は10%または1,000万円)を超えるか計算する4. 措置未了で受領していたなら直ちに措置を講じるか返還し、買主が支払を拒める旨の規定(41条4項、41条の2にも同旨)の主張に備える
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。指定保管機関への監督処分や指定の取消しは、第2項が準用する前節の枠組みで随時行われる。買主にとっての実質的な期限は「手付金等を実際に支払う前」という一点に尽きる。支払後に生じた返還請求権は、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年)に服する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:63条の3は指定保管機関制度の入口規定であり、実体的な保全義務の根拠は41条・41条の2にある。第2項が指定保証機関に関する規定を包括的に読み替え準用することで、参入は申請という民間発意に委ねつつ、財産的基礎・業務方法・監督処分の面では保証機関と同水準の規律を及ぼす構造と理解されている。
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