要点宅地建物取引業法 64 条は、指定保管機関が事業方法書に反する運営や寄託金保管簿の違反をした場合、国土交通大臣が指定の取消し又は六月以内の事業停止を命じうると定める。
Q · 手付金を預かる指定保管機関が、国から処分されることってあるんですか?
帳簿違反だけでも指定取消しや六月以内の事業停止がありえます
宅地建物取引業法 64 条により、国土交通大臣は指定保管機関に対し、指定の取消し、又は六月以内の期間を定めた手付金等保管事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができます。取消事由は、事業方法書によらない事業運営と、寄託金保管簿を備えない・記載しない・虚偽の記載をする・保存しないという帳簿系の違反の二つです。停止命令にあたっては、行政手続法 13 条 1 項の区分にかかわらず聴聞が義務付けられ、処分を受ける側に反論と証拠提出の機会が保障されます。
マンションの売買契約で手付金を払ったとき、そのお金が売主の口座に消えず、第三者の保管機関に預けられる仕組みがある。宅地建物取引業法 41 条の 2 の手付金等保管制度だ。あなたの数百万円を預かるその機関を、国土交通大臣が監督し、必要なら指定を取り消して事業を止められる、という条文が本条である。取消しの引き金は二つ。事業方法書(どう保管するかを書いた設計図)を無視した運営と、寄託金保管簿を備えない・書かない・嘘を書く・保存しない、この帳簿系の違反だ。あなたのお金が「誰にいくら預かられているか」の記録が消えることを、法は指定取消しに値する重大事と位置付けている。もう一つ、あなたが知っておくべき仕掛けがある。事業停止命令を出すとき、大臣は必ず聴聞を行わなければならない。行政手続法 13 条 1 項では停止命令は弁明の機会付与で足りる場面もあるが、本条はそれを上書きして重い手続を強制している。行政が動くほど、相手にも防御の場が与えられる、その構造がここに見える。
宅地建物取引業法 64 条は、手付金等保管事業を営む指定保管機関に対する監督処分を定める規定である。事業方法書によらない事業運営、又は寄託金保管簿の備付け・記載・保存に関する違反があるとき、国土交通大臣は指定の取消し又は六月以内の事業停止を命ずることができる。停止命令には聴聞の実施が必要となる。
宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣の指定を受け、買主が支払った手付金等を売主に代わって預かる機関です。指定・監督・取消しはいずれも国土交通大臣が行います。
六月以内です。64 条 1 項が上限を法定しており、大臣がこれを超えて事業を止めることはできません。それ以上を望むなら指定取消しという別の重い判断に踏み込む必要があります。
備えない、記載しない、虚偽の記載をする、保存しないのいずれも 64 条 1 項 2 号の事由に当たり、帳簿の違反だけで指定取消しや事業停止の対象になりえます。
国土交通省および地方整備局が監督処分の情報を公表しており、機関名から過去の処分の有無を確認できます。高額取引の契約前に照会するのが実務的な習慣です。
手付金等保管事業をどのように運営するかを記載した書面で、指定申請時に提出し、変更には認可が必要です。これに反する運営は 64 条 1 項 1 号の取消事由になります。
64 条は機関に対する処分権限を定めるのみで、寄託された金銭の帰趨を直接規定していません。具体的な取扱いは寄託契約と 41 条の 2 の保全措置の枠組みによります。
審査請求は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内(行政不服審査法 18 条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から 6 か月以内(行政事件訴訟法 14 条)が原則です。
いいえ。63 条の 3 第 2 項が準用する 54 条 1 項、62 条 2 項による取消しもあり、64 条はそれ以外の場合について取消しと停止を定める規定と位置付けられます。
本条 1 項が挙げる取消事由は二つに絞られており、事業方法書に反する運営と、寄託金保管簿の未備付け・未記載・虚偽記載・未保存です。帳簿系の違反が単独で取消事由として並んでいる点が特徴で、寄託の記録が失われることを法は重大視しています。業界裏話ヒント:国土交通省は宅地建物取引業者や関連機関への監督処分を公表しており、処分歴は誰でも確認できる。高額取引の前にこれを照会するのは実務家の習慣だが、一般の買主でほぼ誰もやらない
本条 2 項が、行政手続法 13 条 1 項の区分にかかわらず聴聞を行わなければならないと定めています。行政手続法上、聴聞は許認可の取消しなど重い処分に用意される手続で、停止命令はより簡易な弁明の機会付与で足りる場面もありますが、この法律はあえて聴聞を義務付けました。業界裏話ヒント:聴聞が法定されている処分では、手続の瑕疵が処分そのものの取消理由になりうる。処分を争うとき、実体の当否より先に手続が正しく踏まれたかを検証するのが実務の定石
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 64 条:指定保管機関に対する監督処分(取消し・停止) | — |
| 義務を負う主体 | 指定保管機関(処分の名宛人) | — |
| 手続的保障 | 停止命令でも聴聞が必須(2 項)、16 条の 15 第 3 項から第 5 項を準用(3 項) | — |
| 効果 | 指定の失効、又は六月以内の事業の全部若しくは一部停止 | — |
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