宅地建物取引業法 第64条(指定の取消し等)
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- 国土交通大臣は、第六十三条の三第二項において準用する第五十四条第一項又は第六十二条第二項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保管機関が次の各号の一に該当する場合においては、当該指定保管機関に対し、その指定を取り消し、又は六月以内の期間を定めて手付金等保管事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 一第六十三条の三第二項において準用する第五十一条第三項第一号の事業方法書(第六十三条の四の規定による認可を受けたものを含む。第八十二条において同じ。)によらないで手付金等保管事業を営んだとき。
- 二前条の規定に違反して寄託金保管簿を備えず、これに同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は寄託金保管簿を保存しなかつたとき。
- 2.国土交通大臣は、前項の規定により手付金等保管事業の全部又は一部の停止を命じようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
- 3.第十六条の十五第三項から第五項までの規定は、第一項の規定による処分に係る聴聞について準用する。
この条文の基本情報
指定の取消し等とは何ですか?
定義指定の取消し等とは、宅地建物取引業法第64条に定められた規定で、「国土交通大臣は、第六十三条の三第二項において準用する第五十四条第一項又は第六十二条第二項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保管機関が次の各号の一に該当す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第64条(指定の取消し等)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第64条の条文原文は「国土交通大臣は、第六十三条の三第二項において準用する第五十四条第一項又は第六十二条第二項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保管機関が次の各号の一に該当す…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第64条は第四節 指定保管機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第64条の前の条は宅地建物取引業法第63条の5です。
- 宅地建物取引業法第64条の次の条は宅地建物取引業法第64条の2です。
- 宅地建物取引業法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法64条は、指定保管機関が事業方法書に反する運営や寄託金保管簿の違反をした場合、国土交通大臣が指定の取消し又は六月以内の事業停止を命じうると定める。
Q · 手付金を預かる指定保管機関が、国から処分されることってあるんですか?
帳簿違反だけでも指定取消しや六月以内の事業停止がありえます
宅地建物取引業法64条により、国土交通大臣は指定保管機関に対し、指定の取消し、又は六月以内の期間を定めた手付金等保管事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができます。取消事由は、事業方法書によらない事業運営と、寄託金保管簿を備えない・記載しない・虚偽の記載をする・保存しないという帳簿系の違反の二つです。停止命令にあたっては、行政手続法13条1項の区分にかかわらず聴聞が義務付けられ、処分を受ける側に反論と証拠提出の機会が保障されます。
解説
マンションの売買契約で手付金を払ったとき、そのお金が売主の口座に消えず、第三者の保管機関に預けられる仕組みがある。宅地建物取引業法41条の2の手付金等保管制度だ。あなたの数百万円を預かるその機関を、国土交通大臣が監督し、必要なら指定を取り消して事業を止められる、という条文が本条である。取消しの引き金は二つ。事業方法書(どう保管するかを書いた設計図)を無視した運営と、寄託金保管簿を備えない・書かない・嘘を書く・保存しない、この帳簿系の違反だ。あなたのお金が「誰にいくら預かられているか」の記録が消えることを、法は指定取消しに値する重大事と位置付けている。もう一つ、あなたが知っておくべき仕掛けがある。事業停止命令を出すとき、大臣は必ず聴聞を行わなければならない。行政手続法13条1項では停止命令は弁明の機会付与で足りる場面もあるが、本条はそれを上書きして重い手続を強制している。行政が動くほど、相手にも防御の場が与えられる、その構造がここに見える。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法64条は、手付金等保管事業を営む指定保管機関に対する監督処分を定める規定である。事業方法書によらない事業運営、又は寄託金保管簿の備付け・記載・保存に関する違反があるとき、国土交通大臣は指定の取消し又は六月以内の事業停止を命ずることができる。停止命令には聴聞の実施が必要となる。
よくある質問 AI による整理
Q1指定保管機関とは?
宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣の指定を受け、買主が支払った手付金等を売主に代わって預かる機関です。指定・監督・取消しはいずれも国土交通大臣が行います。
Q2手付金等保管事業の停止は最長どのくらい?
六月以内です。64条1項が上限を法定しており、大臣がこれを超えて事業を止めることはできません。それ以上を望むなら指定取消しという別の重い判断に踏み込む必要があります。
Q3寄託金保管簿の不備はどう扱われる?
備えない、記載しない、虚偽の記載をする、保存しないのいずれも64条1項2号の事由に当たり、帳簿の違反だけで指定取消しや事業停止の対象になりえます。
Q4指定保管機関の処分歴は調べられる?
国土交通省および地方整備局が監督処分の情報を公表しており、機関名から過去の処分の有無を確認できます。高額取引の契約前に照会するのが実務的な習慣です。
Q5事業方法書とは何ですか?
手付金等保管事業をどのように運営するかを記載した書面で、指定申請時に提出し、変更には認可が必要です。これに反する運営は64条1項1号の取消事由になります。
Q6事業停止になったら預けた手付金はどうなる?
64条は機関に対する処分権限を定めるのみで、寄託された金銭の帰趨を直接規定していません。具体的な取扱いは寄託契約と41条の2の保全措置の枠組みによります。
Q764条の処分に不服があるときは?
審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則です。
Q8指定の取消しは64条だけ?
いいえ。63条の3第2項が準用する54条1項、62条2項による取消しもあり、64条はそれ以外の場合について取消しと停止を定める規定と位置付けられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手付金を預ける保管機関って、そんなに簡単に指定を取り消されるものなんですか?
本条1項が挙げる取消事由は二つに絞られており、事業方法書に反する運営と、寄託金保管簿の未備付け・未記載・虚偽記載・未保存です。帳簿系の違反が単独で取消事由として並んでいる点が特徴で、寄託の記録が失われることを法は重大視しています。実務のポイント:国土交通省は宅地建物取引業者や関連機関への監督処分を公表しており、処分歴は誰でも確認できる。高額取引の前にこれを照会するのは実務家の習慣だが、一般の買主でほぼ誰もやらない
Q2役所が事業を止めるのに、わざわざ相手の言い分を聞く必要があるんですか?
本条2項が、行政手続法13条1項の区分にかかわらず聴聞を行わなければならないと定めています。行政手続法上、聴聞は許認可の取消しなど重い処分に用意される手続で、停止命令はより簡易な弁明の機会付与で足りる場面もありますが、この法律はあえて聴聞を義務付けました。実務のポイント:聴聞が法定されている処分では、手続の瑕疵が処分そのものの取消理由になりうる。処分を争うとき、実体の当否より先に手続が正しく踏まれたかを検証するのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 手付金等保管制度を知っている人でも、その保管機関が国土交通大臣の監督下にあり、帳簿一つで指定を取り消されうることまでは知らない。制度の存在を知ることと、その制度が誰にどう担保されているかを知ることの間には、実務上の大きな差がある。破綻リスクを評価するとき、後者を知る者だけが監督処分歴という判断材料を持つ
- 「行政の処分は役所が一方的に決めるもの」という前提そのものが誤っている。本条2項は、事業停止命令という比較的軽い処分ですら聴聞を義務付けている。行政手続法上、聴聞は許認可の取消しなど重い処分に用意される手続で、停止命令は本来より簡易な弁明の機会付与で足りる場面もある。この法律はあえて重い方を選んだ
- 本条の停止命令の上限が「六月以内」であることを、単なる期間の数字と読み流しがちだが、これは処分の上限を法律で縛る安全装置である。行政が無期限に事業を止めることはできず、それ以上を望むなら指定取消しという別の重い判断に踏み込まなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 64条:指定保管機関に対する監督処分(取消し・停止) | 63条の2:指定保管機関の指定(入口の資格付与) 41条の2:手付金等の保全措置(買主保護の実体) |
| 義務を負う主体 | 指定保管機関(処分の名宛人) | 指定を申請する法人 宅地建物取引業者(売主) |
| 手続的保障 | 停止命令でも聴聞が必須(2項)、16条の15第3項から第5項を準用(3項) | 指定時の審査手続 行政手続上の保障規定なし(私法上の保全の枠組み) |
| 効果 | 指定の失効、又は六月以内の事業の全部若しくは一部停止 | 手付金等保管事業を営む資格の取得 保全措置が講じられない間、買主は手付金等の支払を拒める |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は預售屋の価金を信託や保証で保全する仕組みを契約規制として置き、信託業者は金管會、経紀業は內政部が監督する。保全の担い手を業法で直接指定・取消しする日本の構造とは経路が異なる
韓国は公的保証機関による分譲保証を中核とし、国土交通部が監督する。民間の指定保管機関を大臣が指定・取消しする日本型より公的機関への集約度が高い
中国は予売資金を監督口座で管理させ、住房城乡建设主管部門が銀行と協働して資金の引出しを段階管理する。監督対象は資金口座そのものであり、保管機関の指定制度とは設計が異なる
ドイツは Bauträger の営業許可と取得者資金の保全義務を組み合わせ、義務違反は許可の取消しにつながる。資金保全と営業資格を連動させる点で本条の発想に近い
フランスは VEFA において完成保証を金融機関に担わせ、その金融機関は ACPR の健全性監督に服する。保全の担い手を金融監督法制に委ねる構造
米国はエスクロー事業者を州がライセンスし、帳簿・信託口座の記録義務違反はライセンス停止・取消しの事由となる。帳簿違反を処分事由に据える点は本条1項2号と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新築マンションの手付金800万円を払った直後、売主が倒産の噂に包まれた。保管機関に預けられているはずのその金が、帳簿に載っていなかったら? 本条1項2号はまさにその状態を指定取消事由に据えている。あなたが確認すべきは、保管証書に記載された保管機関名と寄託の事実である
- 指定保管機関の実務担当者として、月末処理で寄託金保管簿の記載を後回しにした。数か月分がまとめて未記載のまま監査が入る。あなたの側から見れば単なる事務の遅れだが、法から見れば1項2号の「備えず、記載せず」に該当しうる。この落差が、組織の事業停止という結果を招く
- 国土交通省から「聴聞を行う」という通知が届いた。あと2週間で期日。ここで何を主張し、どの資料を出すかが、指定取消しか一部停止かの分岐点になる。聴聞は儀式ではなく、弁明の機会付与より厚い防御手続である
- 取引先の不動産会社から「手付金は当社の指定保管機関に預けます」と説明された。その機関が過去に業務停止処分を受けていないか、国土交通省の処分情報で確認できる。3分の検索で、預ける相手の履歴が分かる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保管証書または保管を証する書面を確保し、保管機関名・寄託額・寄託日を控える2. 保管機関に対し、自分の寄託が寄託金保管簿に記載されているかを照会する3. 記載がない、回答が得られないなど不審があれば、国土交通省または所管の地方整備局に情報提供する。本条1項2号の取消事由に直結する事実である4. 並行して、売主である宅地建物取引業者に対する保全措置の履行状況を確認し、必要なら弁護士に返還請求の組み立てを相談する
訴えられた側:1. 聴聞通知が届いたら期日と主宰者を確認し、行政手続法18条により処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を請求する2. 事業方法書と実際の運営の差異、帳簿の記載状況を時系列で整理し、是正済みの事項と未了の事項を分けて資料化する3. 期日には代理人を立てることができる。聴聞での主張と証拠提出が、指定取消しか一部停止かの分岐を作る4. 処分後は行政不服審査法による審査請求または行政事件訴訟法による取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。聴聞期日は通知書に記載された日時であり、この期日を逃すと防御の主要な機会を失う
学説
行政手続法と個別法の関係に関する一般的理解:行政手続法は不利益処分の手続を聴聞と弁明の機会の付与に区分する一般法であり、個別法が本条2項のように区分を加重して聴聞を義務付けることができる。加重された手続を欠いた処分は、実体判断の当否にかかわらず取消しの対象となりうる。
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