警察法 第30条の2(関東管区警察局の所掌事務の特例)
クイックジャンプ
前条の規定にかかわらず、関東管区警察局は、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち第五条第四項第十六号に掲げるものに係るものを分掌する。
この条文の基本情報
関東管区警察局の所掌事務の特例とは何ですか?
定義関東管区警察局の所掌事務の特例とは、警察法第30条の2に定められた規定で、「前条の規定にかかわらず、関東管区警察局は、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち第五条第四項第十六号に掲げるものに係るものを分掌する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第30条の2(関東管区警察局の所掌事務の特例)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第30条の2の条文原文は「前条の規定にかかわらず、関東管区警察局は、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち第五条第四項第十六号に掲げるものに係るものを分掌する。」で始まります。
- 警察法第30条の2は第四節 地方機関に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第30条の2の前の条は警察法第30条です。
- 警察法第30条の2の次の条は警察法第31条です。
- 警察法第30条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第30条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第30条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/30_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法第30条の2は、関東管区警察局が全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち重大サイバー事案に係るものを分掌すると定める。
Q · 日本で全国を管轄してサイバー攻撃を捜査する警察はどこ?
重大サイバー事案に限り関東管区警察局が全国管轄
警察法第30条の2により、関東管区警察局(さいたま市)が全国を管轄区域として、同法第5条第4項第16号に掲げる重大サイバー事案に係る警察庁の事務を分掌します。対象は国や重要インフラの機能に重大な支障を及ぼすおそれがある事案、高度な技術を用いる事案、国外から行われる事案などに限られます。フィッシング詐欺やアカウント乗っ取りなど一般のサイバー犯罪は、引き続き各都道府県警察の担当です。
解説
日本の警察は都道府県ごとに分かれている。東京の事件は警視庁、大阪の事件は大阪府警が担当し、国の機関である警察庁は原則として自分で捜査をしない。この仕組みには一つだけ例外がある。本条は令和4年(2022年)の改正で追加された条文で、関東管区警察局(さいたま市にある、警察庁の地方機関)に全国を管轄させている。対象は、警察法第5条第4項第16号に定める「重大サイバー事案」に関する事務である。重大サイバー事案とは、国や自治体、重要インフラの機能に重大な支障を及ぼすおそれがある事案、高度な技術を使う事案、海外から行われる事案などを指す。ランサムウェアで病院の電子カルテが止まった場合や、国の機関に対する組織的な攻撃がこれに当たりうる。都道府県の境界で捜査が分断されないよう、この分野に限って全国を担当する部隊が作られた。あなたの会社がサイバー攻撃を受けたとき、捜査に来るのは地元の県警だけとは限らない。
法的な位置づけ
警察法第30条の2は、管区警察局の管轄区域を定める前条の特則であり、関東管区警察局に対し、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち同法第5条第4項第16号に掲げる重大サイバー事案に係る事務を分掌させる規定である。令和4年(2022年)の改正により新設された。
よくある質問 AI による整理
Q1重大サイバー事案とは何ですか?
警察法第5条第4項第16号が定める事案で、国や自治体、重要インフラの機能に重大な支障を及ぼすおそれがあるもの、高度な技術を用いるもの、国外から行われるものなどを指します。
Q2関東管区警察局とはどんな組織ですか?
警察庁の地方機関である管区警察局の一つで、さいたま市に置かれています。本来は関東地方を管轄しますが、重大サイバー事案に限っては全国を管轄します。
Q3警察法30条の2はいつできた条文ですか?
令和4年(2022年)の警察法改正で新設され、同年4月1日に施行されました。警察庁にサイバー警察局を設ける改正と同時に導入されています。
Q4警察庁は自分で捜査できるのですか?
警察法は捜査を都道府県警察が担うことを基本としています。本条は警察庁の本庁ではなく、地方機関の関東管区警察局に限定的な全国管轄を与える形をとっています。
Q5ランサムウェア被害は重大サイバー事案に当たる?
病院や重要インフラの機能が止まるような大規模被害は該当しうる一方、個別の小規模被害は通常の都道府県警察の事件として扱われます。判断は個別の事案によります。
Q6サイバー特別捜査部とは何ですか?
重大サイバー事案の捜査を担う全国部隊です。当初はサイバー特別捜査隊として発足し、その後サイバー特別捜査部に改組されました。本条がその法的根拠です。
Q7都道府県警察と全国部隊は一緒に捜査するの?
重大サイバー事案では、都道府県警察と全国部隊が連携して捜査することがあります。被害企業の最初の窓口は、引き続き所在地の都道府県警察です。
Q8国の警察が捜査することに問題はないの?
戦後の警察は分権を原則としてきたため、改正時に国会で懸念が議論されました。対象を重大サイバー事案に絞る定義の限定が、権限拡大の歯止めとされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社がサイバー攻撃にあったら、全国を担当する部隊に直接連絡すればいいんですか?
通報先は、原則として所在地の都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口です。本条による全国管轄は、重大サイバー事案(警察法第5条第4項第16号)に関する事務を関東管区警察局が担当するという、組織内での役割分担の規定です。実務のポイント:案件が重大事案と判断されると、県警と全国部隊が共同で捜査することがあり、被害企業に求められるログの量と期間は急に増えます。ログを最低でも数か月分残す設定にしておくことが、捜査の実効性を大きく左右します
Q2なぜ警察庁ではなく「関東管区警察局」に全国を担当させたんですか?
警察法は、捜査を都道府県警察が担うことを基本にしています。警察庁の本庁に捜査部隊を置くと、この原則を正面から変えることになります。そこで既存の地方機関である関東管区警察局に、第5条第4項第16号の事務に限って全国管轄を与えました。実務のポイント:改正当時は、国の警察が捜査権限を持つことへの懸念が国会で議論されました。対象を「重大サイバー事案」に絞った定義の書き方そのものが、権限拡大を抑える仕組みとして働いています
間違えやすい点 AI による整理
- 「国の警察が直接捜査するようになった」と説明されることがあるが、正確ではない。全国を管轄するのは警察庁の本庁ではなく、その地方機関である関東管区警察局である。都道府県警察を基本とする警察法の原則は形の上では維持されたまま、例外が一点だけ設けられた
- サイバー犯罪なら何でも全国部隊が扱うと考えるのは、問いの立て方がずれている。フィッシング詐欺やSNSアカウントの乗っ取りといった個人の被害は、今も地元の都道府県警察の担当である。全国部隊が扱うのは、第5条第4項第16号の要件に当たる「重大」な事案に限られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 警察法30条の2:関東管区警察局に重大サイバー事案の全国管轄 | 警察法30条:管区警察局の設置と各局の管轄区域 警察法36条:都道府県に都道府県警察を置く |
| 管轄の範囲 | 全国(事務は重大サイバー事案に限定) | 各管区ごとの地域 当該都道府県の区域 |
| 組織の位置づけ | 警察庁の地方機関(国の機関)による例外的な全国管轄 | 警察庁の地方機関(国の機関) 地方公共団体である都道府県の機関 |
| 一般市民との接点 | 通報窓口ではなく、重大事案の捜査を担う | 市民が直接関わる場面は少ない 被害届・相談の第一窓口 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は内政部警政署が全国的警察業務を担い、刑事警察局がサイバー犯罪捜査の中核を担う。日本のような都道府県分権の例外規定という形はとらない
韓国は国家警察を基本とし、国家捜査本部の下でサイバー捜査を行う。自治警察は2021年に導入されたが、捜査の中心は国家警察にある
ドイツは州警察が原則だが、連邦刑事庁(BKA)に一定の重大犯罪の原始的管轄を認める。分権を原則としつつ例外的に中央が捜査する点で日本の構造に近い
米国は州・地方警察と連邦機関が併存し、コンピュータ不正行為には FBI が連邦法に基づく捜査管轄を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先のシステム保守会社がランサムウェアに感染し、そこを経由してあなたの会社の顧客データも暗号化された。県警に被害届を出したあと、担当窓口から「国の部隊と連携して捜査する」と伝えられる。攻撃元が海外で、被害が複数の県にまたがる場合、本条の全国管轄が根拠になりうる
- 情報システム部に配属されて三日目、上司にこう聞かれた。「うちが攻撃されたら、どこの警察に連絡するんだ?」。まずは所在地の都道府県警察のサイバー窓口である。全国を管轄する部隊は通報を受け付ける窓口ではなく、重大事案で捜査を担う部隊であることを押さえておく
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正、同年4月1日施行 警察庁にサイバー警察局を設ける改正と同時に新設された。関東管区警察局に重大サイバー事案に関する全国管轄を与え、サイバー特別捜査隊(後にサイバー特別捜査部へ改組)の法的根拠となった
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:警察庁にサイバー警察局を設ける警察法改正と同時に新設され、同年4月1日に施行された。関東管区警察局に重大サイバー事案に係る事務の全国管轄を与え、全国部隊の法的根拠となった
- 警察法 第30条管区警察局の所掌事務の原則規定
- 警察法 第5条第4項第16号で重大サイバー事案を定める
- 警察法 第36条都道府県警察を置く原則
- 警察法 第61条の3重大サイバー事案の処理権限(現行効力を要確認)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第3条典型的な捜査対象となる犯罪類型
- サイバーセキュリティ基本法 第2条サイバーセキュリティの定義
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める