警察法 第61条の3(広域組織犯罪等に対処するための措置)
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- 長官は、広域組織犯罪等に対処するため必要があると認めるときは、都道府県警察に対し、広域組織犯罪等の処理に係る関係都道府県警察間の分担(重大サイバー事案の処理にあつては、警察庁及び関係都道府県警察間の分担)その他の広域組織犯罪等に対処するための警察の態勢に関する事項について、必要な指示をすることができる。
- 2.都道府県警察は、前項の指示に係る事項を実施するため必要があるときは、第六十条第一項の規定により他の都道府県警察に対し広域組織犯罪等の処理に要する人員の派遣を要求すること、第六十条の三の規定により広域組織犯罪等を処理するためその管轄区域外に権限を及ぼすことその他のこの節に規定する措置をとらなければならない。
- 3.長官は、重大サイバー事案について警察庁と都道府県警察が共同して処理を行う必要があると認めるときは、当該重大サイバー事案の処理に関する方針を定め、警察庁又は関係都道府県警察の一の警察官(第六十条第一項の規定による援助の要求又は第一項の規定による指示により派遣された者を含む。)に、当該重大サイバー事案の処理に関し、当該方針の範囲内で、警察庁及び関係都道府県警察の警察職員に対して必要な指揮を行わせることができる。
- 4.第一項の規定による指示により重大サイバー事案の処理に関して警察庁に派遣された都道府県警察の警察官は、国家公安委員会の管理の下に、当該重大サイバー事案の処理に必要な限度で、全国において、職権を行うことができる。
この条文の基本情報
広域組織犯罪等に対処するための措置とは何ですか?
定義広域組織犯罪等に対処するための措置とは、警察法第61条の3に定められた規定で、「長官は、広域組織犯罪等に対処するため必要があると認めるときは、都道府県警察に対し、広域組織犯罪等の処理に係る関係都道府県警察間の分担(重大サイバー事案の処理にあ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第61条の3(広域組織犯罪等に対処するための措置)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第61条の3の条文原文は「長官は、広域組織犯罪等に対処するため必要があると認めるときは、都道府県警察に対し、広域組織犯罪等の処理に係る関係都道府県警察間の分担(重大サイバー事案の処理にあ…」で始まります。
- 警察法第61条の3は第四節 都道府県警察相互間の関係等に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第61条の3の前の条は警察法第61条の2です。
- 警察法第61条の3の次の条は警察法第62条です。
- 警察法第61条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第61条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第61条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/61_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法61条の3は、警察庁長官が広域組織犯罪等への対処のため都道府県警察に分担や態勢を指示でき、県警は必要な措置をとる義務を負うと定める。
Q · サイバー攻撃の捜査をするのは警察庁? それとも県警?
原則は県警、重大サイバー事案なら警察庁と共同処理
日本の捜査の主力は都道府県警察で、被害の届出も所在地の県警にするのが原則です。ただし警察法61条の3により、警察庁長官は広域組織犯罪等への対処として県警間の分担や態勢を指示できます。重大サイバー事案であれば警察庁と関係県警の分担も指示でき、共同で処理する必要があるときは処理方針を定め、一人の警察官に両者の職員を指揮させることができます。
解説
日本の警察は「国の警察」ではない。捜査をしているのは47の都道府県警察であり、警察庁は原則として自分では捜査しない。これが戦後警察制度の基本設計である。だから、県をまたいで動く暴力団、特殊詐欺グループ、海外から仕掛けられるサイバー攻撃は、長いあいだ「縄張りの継ぎ目」を突くことができた。本条は、その継ぎ目をふさぐための仕組みである。警察庁長官は都道府県警察に対し、どの県警がどこを担当するか、人をどれだけ出すかといった態勢を「指示」できる。指示を受けた県警は、他県への応援要請や管轄区域外での権限行使などの措置を「とらなければならない」。お願いではなく、義務である。さらに令和4年(2022年)の改正で重大サイバー事案が加わり、警察庁と県警が共同で処理し、一人の警察官が方針の範囲内で両者の職員を指揮できるようになった。警察庁に派遣された県警の警察官は、全国どこでも職権を行える。あなたの会社のサーバーがランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求する不正プログラム)に襲われたとき、相手にしているのはもう地元の県警だけではない
法的な位置づけ
警察法61条の3は、広域組織犯罪等に対処するための警察の態勢を定める規定である。警察庁長官による都道府県警察への分担・態勢の指示、指示を受けた都道府県警察の措置義務、重大サイバー事案における警察庁と都道府県警察の共同処理と一元的な指揮、警察庁に派遣された警察官の全国での職権行使を内容とする。
よくある質問 AI による整理
Q1警察法61条の3とは?
広域組織犯罪等や重大サイバー事案に対処するため、警察庁長官が都道府県警察の分担と態勢を指示できると定めた規定です。
Q2重大サイバー事案とは何ですか?
重要インフラへの重大な支障、高度な技術的手法、国外の者の関与などを伴うサイバー事案で、警察法5条で定義されています。
Q3広域組織犯罪等とは何ですか?
複数の都道府県にまたがり、全国の広い範囲で生命・身体・財産や公共の安全を害する、またはそのおそれがある事案を指します。
Q4警察庁は捜査できる?
原則として捜査の主体は都道府県警察です。ただし重大サイバー事案では、警察庁が都道府県警察と共同で処理できます。
Q5県警は管轄外で捜査できる?
警察法60条の3や61条により、広域組織犯罪等の処理などに必要な限度で、管轄区域の外にも権限を及ぼせます。
Q6ランサムウェア被害はどこに相談する?
会社や自宅の所在地を管轄する都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が入口です。重大な事案なら警察庁との共同処理に移ることもあります。
Q7警察庁長官の指示に県警は従う義務がある?
あります。警察法61条の3第2項は、指示に係る事項を実施するため必要な措置を県警が「とらなければならない」と定めています。
Q8警察庁に派遣された警察官の権限は?
重大サイバー事案の処理のため警察庁に派遣された県警の警察官は、国家公安委員会の管理の下、必要な限度で全国で職権を行えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社がサイバー攻撃を受けたら、警察庁に直接届ければいいんですか?
通常は所在地の都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に届け出る。警察法61条の3は、重大サイバー事案について警察庁と県警が共同で処理する仕組みを定めるが、入口は県警である。実務のポイント:届出時に侵入時刻、影響範囲、攻撃者からの連絡内容、ログ保全の状況をまとめて渡せると、重大性の判断が速くなる。ログを上書きする前に保全することが、捜査に乗るかどうかの分かれ目になる
Q2警察庁長官の「指示」って、県警は断れるんですか?
本条2項は、指示に係る事項を実施するため必要があるとき、県警は他県への人員派遣要求(60条1項)や管轄区域外での権限行使(60条の3)などの措置を「とらなければならない」と定めており、義務である。実務のポイント:ただし指示の対象は分担や態勢であり、個々の事件をどう捜査するかを細かく命じる規定ではない。分権の原則を崩さず、広域事案に限って協力を義務化する設計である
間違えやすい点 AI による整理
- 「警察庁が全国の警察を指揮して捜査している」と思われがちだが、実際は逆で、捜査の主力は都道府県警察である。警察庁長官が指示できるのは本条のような限られた場面の態勢であり、日常の事件について県警に個別の命令を出せる万能の上司ではない
- 「サイバー犯罪なら全部警察庁が扱う」と考えるのは前提がずれている。警察庁と県警の共同処理の対象は、重要インフラへの重大な支障を生じさせるもの、高度な技術的手法によるもの、国外の者による不正な活動に関わるものなど、法律上の重大サイバー事案に限られる。フィッシング詐欺の被害一件は、通常どおり地元県警の事件として扱われる
- 被害者から見れば「警察は一つ」だが、法律から見れば47の独立した組織の集まりである。この落差のせいで、広域事案では「どこに届けたか」「どの県警が主担当か」で捜査の進み方や連絡窓口が変わる。複数の県に同時に被害届を出したのに連絡が来ないのは、担当の分担を調整している最中ということがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動かすか | 警察法61条の3:警察庁長官の指示を受けて県警が措置 | 警察法60条:県警が自ら警察庁・他県警に援助を要求 警察法60条の3:県警が自らの判断で管轄区域外へ権限行使 |
| 対象事案 | 広域組織犯罪等(重大サイバー事案を含む) | 援助が必要な事案一般 広域組織犯罪等 |
| 拘束力 | 指示を実施するための措置は県警の義務 | 要求するかどうかは県警の判断 権限を及ぼすかどうかは県警の判断 |
| 警察庁の関与 | 重大サイバー事案では共同処理、一人の警察官による指揮も可能 | 援助の要求先として関与 直接の関与は想定されない |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は内政部警政署が全国の警察を統一的に指揮する中央集権型であり、日本のように県境を越える例外規定を置く必要が小さい。サイバー犯罪は刑事警察局が全国を担当する
ドイツも州警察が原則で、連邦刑事庁(BKA)は法律が列挙する重大事案に限って自ら捜査する。分権を原則としつつ例外を列挙する点で日本の本条と発想が近い
米国は州・地方警察と連邦機関が並立しており、重大サイバーインシデントでは FBI が脅威対応を主導する連邦調整の枠組みがある。法律ではなく大統領指令である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが勤める地方の病院の電子カルテがある朝すべて暗号化され、犯人が海外にいるとしたら、捜査するのは誰なのか? 地元県警の窓口に届け出た事件が、重大サイバー事案として警察庁と県警の共同処理に切り替わる可能性がある。担当者の名刺の所属が変わっても、慌てる必要はない
- あなたは中小企業の情報システム担当者。取引先から「御社経由で不正アクセスを受けた」と連絡が入り、東京と大阪と福岡の県警からそれぞれ事情聴取の打診が来た。広域事案では長官の指示で担当県警の分担が整理されることがあるので、まず窓口がどこに一本化されるのかを確認する
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)改正(要確認) 広域組織犯罪等に対処するための措置として、長官の指示と都道府県警察の措置義務の枠組みが設けられたとされる。条文の新設時期と文言は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)改正(要確認) 重大サイバー事案への対処が加わり、警察庁と都道府県警察の分担、共同処理における指揮、派遣警察官の全国での職権行使が規定されたとされる。各項の追加時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:重大サイバー事案への対処が加わり、警察庁と都道府県警察の分担の指示、共同処理での一元的な指揮、警察庁に派遣された警察官による全国での職権行使が規定された
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