自衛隊法 第115条の14(海岸法の特例)
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- 第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられ、又は第七十七条の二の規定による措置を命ぜられた自衛隊の部隊等が海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第七条第一項、第八条第一項、第三十七条の四又は第三十七条の五の規定により許可を要する行為をしようとする場合における同法第十条第二項(同法第三十七条の八において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、撤収を命ぜられ、又は第七十七条の二の規定による命令が解除されるまでの間は、同法第十条第二項中「協議する」とあるのは、「その旨を通知する」とする。
- 2.前項の規定により読み替えられた海岸法第十条第二項の通知を受けた海岸管理者は、海岸の保全上必要があると認めるときは、当該通知に係る部隊等の長に対し意見を述べることができる。
この条文の基本情報
海岸法の特例とは何ですか?
定義海岸法の特例とは、自衛隊法第115条の14に定められた規定で、「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の14(海岸法の特例)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の14の条文原文は「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 自衛隊法第115条の14は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の14の前の条は自衛隊法第115条の13です。
- 自衛隊法第115条の14の次の条は自衛隊法第115条の15です。
- 自衛隊法第115条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の14は、武力攻撃事態の防衛出動等を命ぜられた部隊が海岸法上の許可を要する行為をする際、海岸管理者との協議を通知に代える特例。撤収等まで適用される。
Q · 有事の自衛隊は、海岸に陣地を作るとき知事と協議しなくていいの?
協議は不要になるが、海岸管理者への通知は必要
自衛隊法115条の14により、武力攻撃事態で防衛出動(76条1項1号)を命ぜられた部隊や、77条の2の措置を命ぜられた部隊は、海岸法上の許可を要する行為について、同法10条2項の協議に代えて海岸管理者への通知で足ります。通知を受けた海岸管理者は、海岸保全上必要なら部隊等の長に意見を述べられます。存立危機事態での出動は対象外で、撤収や命令解除後は協議に戻ります。
解説
砂浜に土のうを積む、護岸の脇を掘る、海岸保全区域に仮設の施設を置く。こうした行為には通常、海岸管理者(原則として都道府県知事、一部の海岸では市町村長)の許可が要る。国や地方公共団体であれば、許可の代わりに「協議」で足りる。これが海岸法10条2項の平時ルールである。本条は、この協議をさらに軽い手続に置き換える。対象は二つの部隊である。一つは武力攻撃事態で防衛出動(自衛隊法76条1項1号)を命じられた部隊、もう一つは出動前に展開予定地域で陣地などの防御施設を築く措置(77条の2)を命じられた部隊である。これらの部隊は、協議ではなく「通知」だけで動ける。協議は相手の意見を聞いてすり合わせる手続であり、通知は知らせれば終わる手続である。知事側に残るのは、海岸保全上必要なときに部隊長へ意見を述べる権限だけで、その意見に拘束力はない。一方で、特例が効く範囲は狭い。存立危機事態での出動(同項2号)には及ばず、撤収命令や措置命令の解除と同時に平時の協議に戻る。海辺の自治体職員や漁業者は、何も言えないわけではない。意見を述べる線が一本だけ残されている。その線を事前に誰が握るかで、有事の海岸の姿が変わる。
法的な位置づけ
自衛隊法第115条の14は、防衛出動(76条1項1号)または77条の2の措置を命ぜられた自衛隊の部隊等が、海岸保全区域または一般公共海岸区域で許可を要する行為をする場合に、海岸法10条2項の協議を通知に読み替える手続特例である。適用は撤収または命令解除までに限られ、海岸管理者には意見申述権が留保される。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の14とは?
防衛出動(76条1項1号)や77条の2の措置を命ぜられた部隊が、海岸法上の許可を要する行為をする際、海岸管理者との協議を通知に読み替える特例規定です。
Q2海岸管理者とは誰のことですか?
海岸法上、海岸保全区域などを管理する者で、原則として都道府県知事です。一部の海岸では市町村長が管理者となります。本条の通知の宛先もこの海岸管理者です。
Q3自衛隊が海岸保全区域に施設を置くのに許可はいる?
平時でも国は許可に代えて協議で足ります(海岸法10条2項)。本条の要件を満たす有事には、その協議がさらに通知へと軽くなります。
Q4自衛隊法77条の2の措置命令とは?
防衛出動が予測される段階で、展開予定地域に陣地などの防御施設を構築させる命令です。本条は出動命令前のこの段階から通知制を適用します。
Q5部隊の通知はいつまでに出す必要がある?
条文は「許可を要する行為をしようとする場合」の読替えとしており、行為に着手する前の通知が前提と読むのが自然です。具体的な期限日数は定められていません。
Q6海岸法の特例はいつ終わる?
撤収を命ぜられるか、77条の2の命令が解除されるまでです。その時点以降は、海岸法10条2項の平時の協議ルールに戻ります。
Q7海岸管理者の意見に部隊は従う義務がある?
条文上は「意見を述べることができる」とのみ定め、部隊を拘束する効力は規定されていません。根拠と代替案を示した意見ほど実際の判断に反映されやすくなります。
Q8部隊の活動で護岸が壊れたら補償される?
本条自体は補償を定めていません。損害の性質に応じて国家賠償法などによる救済を検討することになり、扱いは個別事案で判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「協議」と「通知」って、実際そんなに違うんですか?
大きく違う。協議は双方がすり合わせて合意を目指す手続で、実務では管理者側の条件が反映されることが多い。通知は知らせた時点で手続が終わる。本条はこの協議を通知に読み替え、代わりに2項で意見申述権を残した。実務のポイント:意見に拘束力はないが、部隊側も海岸の地形や侵食の専門知識は持っていない。代替位置を具体的に示した意見は採用されやすく、抽象的な反対意見はほぼ通らない
Q2存立危機事態で自衛隊が出動した場合も、海岸は通知だけで使われるんですか?
使われない。本条は76条1項を「第一号に係る部分に限る」としており、2号の存立危機事態による出動は対象外である。その場合は海岸法10条2項の平時ルールどおり協議が必要になる。実務のポイント:条文のかっこ書きは読み飛ばされやすい。自治体側が出動の根拠を1号か2号かまで確認するだけで、協議を求められるかどうかが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事になれば自衛隊は海岸法など無視して何でもできる」と思われがちだが、そうではない。本条が変えるのは海岸法10条2項の「協議」を「通知」に読み替える一点だけであり、通知義務そのものは残る。海岸管理者の意見申述権も明文で保障されている。法律の枠外に出るのではなく、手続が一段軽くなるにすぎない
- 防衛出動なら一律に特例が使えると考えるのは危うい。76条1項のうち1号(武力攻撃事態)に限定されており、2号(存立危機事態)での出動は対象外である。平和安全法制で出動類型が二つに分かれた後も、海岸の特例は日本自体が攻撃される場面にとどめられている。この線引きを見落とすと、自治体は協議を求められる場面で黙ってしまう
- 自治体職員から見れば、「意見を述べることができる」は形だけの権限に映る。しかし法律から見れば、専門的な海岸保全の知見を部隊に届ける唯一の公式ルートである。拘束力がないからこそ、根拠データと具体的な代替案を添えた意見だけが部隊の判断を動かす。準備なしに臨めば、その一本の線も実際には使えない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠と場面 | 自衛隊法115条の14:76条1項1号出動・77条の2措置の部隊による海岸での行為 | 海岸法10条2項(平時):国・地方公共団体による海岸での行為 自衛隊法103条:防衛出動時の土地・物資の使用や収用 |
| 管理者・所有者側の関与 | 通知で足り、海岸管理者は意見を述べることができる | 協議が必要で、管理者側の条件が反映されうる 都道府県知事の処分等を介した使用・収用の手続 |
| 適用期間 | 撤収または77条の2命令の解除まで | 常時 防衛出動の期間を中心とする有事 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾にも有事の軍事上の措置に関する特則はあるが、海岸管理法の協議手続を個別に読み替える規定は確認できない。対応関係は概括的なものにとどまる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし武力攻撃が切迫し、町の海水浴場に部隊が展開して陣地を築き始めたら、県の河川海岸課にできることは何か? 協議を求める権利はもうない。残るのは「海岸保全上必要」という理由を添えて部隊長に意見を述べることだけである。その意見書の雛形が平時に用意されているかどうかで、侵食対策の護岸が守られるかが決まる
- あなたは部隊の施設担当幹部である。77条の2の措置命令を受け、海岸保全区域に掩体を構築する。海岸法上の許可は要らず、知事への通知で足りる。ただし通知を出さずに着工すれば、本条の特例に乗っていないことになる。命令書の日付と通知の発出記録は、後で必ず照合される
- 同じ部隊が存立危機事態で出動していた場合、本条の特例は使えない。平時どおり協議が必要になる
- 撤収命令が出た翌日、部隊が残した土のうと掘削跡を前に漁協の組合長が県に詰め寄る。特例の期間は終わり、ここから先の工事は通常の協議ルートに戻る。原状回復の段取りを誰が主導するか、県に残された時間は数日しかない
取るべき行動
被害を受けた側:海沿いの住民や漁業者、海岸管理者側の立場なら、1. 部隊の展開が始まったら、命令の種類(76条1項1号か77条の2か)と通知の有無を県に確認する2. 侵食の進行、護岸の損傷、漁場への影響を写真と日付で記録する3. 県を通じて部隊長への意見申述(本条2項)を求める4. 損害が生じた場合は国家賠償法などによる救済を検討する。個別事案の扱いは実務上解釈が分かれうる
訴えられた側:部隊や、対応を問われる自治体の立場なら、1. 特例の根拠となる命令の日時と種類を文書で特定する2. 通知は着工前に出し、発出記録を残す3. 知事から受けた意見と、それへの対応結果を記録する4. 撤収命令や措置命令の解除後は協議に戻ることを前提に、原状回復の計画を早めに共有する。記録が欠けると、特例に乗っていたことを後から示せない
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。特例が適用されるのは、防衛出動命令(76条1項1号)または77条の2の措置命令が出てから、撤収命令や措置命令の解除があるまでの間に限られる。損害賠償を国家賠償法で請求する場合は、同法4条により民法724条が適用される。期間は損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、行為の時から20年である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 改正:平和安全法制により防衛出動の類型が武力攻撃事態(76条1項1号)と存立危機事態(同項2号)に分かれ、本条の特例は1号に係る部分に限定された
- 自衛隊法 第76条防衛出動、本条は1項1号の場合に限定
- 自衛隊法 第77条の2防御施設構築の措置、特例の第二の起点
- 自衛隊法 第103条防衛出動時の物資収用等、有事の財産利用の特則
- 海岸法 第10条国等の協議規定、本条が読み替える対象
- 海岸法 第7条海岸保全区域の占用許可、特例対象の行為
- 海岸法 第37条の4一般公共海岸区域の占用許可、特例対象の行為
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