自衛隊法 第115条の16(道路交通法の特例)
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- 第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられた自衛隊の部隊等が応急措置として行う防御施設の構築その他の行為であつて道路交通法第七十七条第一項の規定により許可を要するものに対する同項の規定の適用については、撤収を命ぜられるまでの間は、同項中「の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない」とあるのは、「にあらかじめ当該行為の概要を通知しなければならない。この場合において、当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長に通知すれば足りる」とする。
- 2.前項の規定により読み替えられた道路交通法第七十七条第一項の通知を受けた警察署長は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、当該通知をした部隊等の長に対し意見を述べることができる。
- 3.第七十六条第一項の規定による防衛出動命令又は第七十七条の規定による出動待機命令を受けた隊員が受けている都道府県公安委員会の運転免許に係る運転免許証及び道路交通法第九十五条の二第二項第一号に規定する免許情報記録の有効期間並びにその更新については、同法第九十五条の六第一項及び第二項並びに第百一条第一項の規定にかかわらず、政令で特別の定めをすることができる。
この条文の基本情報
道路交通法の特例とは何ですか?
定義道路交通法の特例とは、自衛隊法第115条の16に定められた規定で、「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の16(道路交通法の特例)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の16の条文原文は「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 自衛隊法第115条の16は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の16の前の条は自衛隊法第115条の15です。
- 自衛隊法第115条の16の次の条は自衛隊法第115条の17です。
- 自衛隊法第115条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の16は、武力攻撃事態で防衛出動した部隊が応急措置として道路に防御施設を築く場合、警察署長の道路使用許可を事前通知に読み替える特例である。
Q · 有事に自衛隊が道路に土のうや防御施設を築くとき、警察の許可はいるの?
許可は不要だが、警察署長への事前通知は必須
自衛隊法115条の16第1項により、武力攻撃事態で防衛出動(76条1項1号)を命じられた部隊が応急措置として防御施設を構築する場合、撤収命令までの間は道路交通法77条1項の道路使用許可が「事前の通知」に読み替えられます。通知を受けた警察署長は交通の安全のため意見を述べられますが(第2項)、法的拘束力はありません。存立危機事態による出動は対象外です。
解説
平時なら、道路に土のうを積むにも、工事現場を設けるにも、警察署長の「許可」が必要である(道路交通法第77条第1項)。国の組織である自衛隊も、この原則の例外ではない。そのため自衛隊法は、条件を絞って手続を軽くする特例を置いた。武力攻撃事態で防衛出動(第76条第1項第1号)を命じられた部隊が、応急措置として防御施設の構築などを行う場合に限り、「許可」を「事前の通知」に読み替える。つまり、警察の承認を待たずに動いてよい。ただし通知そのものは省けない。通知を受けた警察署長は、交通の安全のために意見を述べることができる(第2項)。ただしこれは停止命令ではなく、法的な拘束力もない。見落とされがちなのが第3項である。防衛出動や出動待機を命じられた隊員の運転免許について、有効期間と更新の手続を政令で特別に定められるようにしている。有事の最中に、隊員が更新期限を理由に運転できなくなる事態を防ぐための条文である。平時の条文と比べて何が省かれ、何が残されたかを見れば、有事法制の設計が分かる
法的な位置づけ
自衛隊法第115条の16は、武力攻撃事態に係る防衛出動を命じられた自衛隊の部隊等が応急措置として行う防御施設の構築その他の行為について、撤収命令までの間、道路交通法第77条第1項の道路使用許可を所轄警察署長への事前通知に読み替え、警察署長に意見陳述の権限を与えるとともに、出動隊員の運転免許の有効期間と更新について政令による特例を認める規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の16とは?
有事に防衛出動した自衛隊の部隊が道路に防御施設を築く際、道路交通法の道路使用許可を警察署長への事前通知に読み替える特例規定です。
Q2防衛出動中の自衛隊は道路使用許可がいらない?
武力攻撃事態による防衛出動で、応急措置として行う防御施設の構築等に限り、許可の代わりに事前通知で足ります。通知自体は省略できません。
Q3存立危機事態でも道路使用の特例は使える?
使えません。条文は76条1項のうち第1号(武力攻撃事態)に係る部分に限定しており、第2号の存立危機事態による出動は対象外です。
Q42つの警察署の管轄にまたがる場合はどこに通知する?
同一の公安委員会の管理に属する複数の警察署長の管轄にまたがるときは、そのいずれかの所轄警察署長に通知すれば足ります(第1項)。
Q5道路使用の特例はいつまで続く?
撤収を命ぜられるまでの間に限られます。撤収命令後は通常どおり道路交通法77条1項の許可が必要になるため、施設撤去や許可申請への切替えが必要です。
Q6災害派遣でも同じ道路使用の特例がある?
本条の対象は武力攻撃事態に係る防衛出動に限られ、災害派遣は含まれません。災害時の扱いは別の法令によります。
Q7自衛隊の防御施設で店の前が使えなくなったら補償される?
自衛隊法103条の損失補償や国家賠償法による請求の対象となる可能性がありますが、事案によって判断が分かれます。写真や日時の記録を残しましょう。
Q8自衛官の運転免許は有事に自動延長される?
自動延長ではありません。第3項は政令で特別の定めができるとするだけで、具体的な扱いは政令の規定によります。対象は出動命令・待機命令を受けた隊員です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛隊が道路をふさいだら、警察は止められないんですか?
本条第2項で警察署長に認められているのは、意見を述べる権限だけです。許可制が通知制に読み替えられているため、許可しないことで止める手段はありません。実務のポイント:意見に法的拘束力はありませんが、意見が記録として残ることで、後に国家賠償が争われた際の判断材料になります。拘束力のない意見でも、事後の責任を問う場面では重みを持ちます
Q2出動待機中に免許が切れそうです。更新に行けなかったらどうなりますか?
第3項は、防衛出動命令または出動待機命令を受けた隊員の免許の有効期間と更新について、政令で特別の定めができるとしています。具体的な扱いは政令の規定次第です(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:特例はあくまで命令を受けた隊員が対象です。命令が出る前に期限切れになれば、平時と同じ扱いになります。期限を早めに確認しておくのが最も確実な対策です
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事になれば自衛隊は道路交通法を無視できる」と思われがちだが、本条が読み替えるのは道路使用許可(道路交通法第77条第1項)に関する部分だけである。しかも防衛出動のうち武力攻撃事態(第76条第1項第1号)に限られ、存立危機事態(同項第2号)による出動は対象に含まれない。それ以外の道路交通法の規定は、原則どおり適用される
- 警察署長の「意見」は、実質的な拒否権だと受け取られることがある。しかし第2項は意見を述べる権限を与えただけで、部隊に従う法的義務はない。一方、部隊の指揮官から見れば、意見を無視して事故が起きれば、国家賠償責任(国家賠償法第1条)で不利な事情になりうる。法的拘束力がないことと、無視しても何の影響もないことは同じではない
- 第3項は隊員の特権に見えるかもしれないが、実際は部隊の戦力を保つための仕組みである。更新の手続が理由で車両の運転手が欠けることを防ぐのが目的であり、個々の隊員に対する優遇措置ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 115条の16:防御施設構築等の道路使用(道交法77条の読替え)と隊員免許の特例 | 76条:防衛出動命令の発令要件(武力攻撃事態・存立危機事態) 103条:防衛出動時の土地・物資の使用と損失補償 |
| 適用される事態 | 76条1項1号(武力攻撃事態)の出動に限る。免許特例は77条の出動待機命令も含む | 1号・2号の両方 防衛出動時(条文の要件による) |
| 警察・市民との接点 | 警察署長への事前通知義務と、警察署長の意見陳述(拘束力なし) | 国会承認等の民主的統制 損失を受けた者への補償 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は戒厳の宣告や動員体制の下で軍・行政に交通管制権限を与える枠組みで、日本のような条文単位の許可→通知の読替えとは設計が異なる
ドイツは連邦軍が高権的任務の遂行に緊急に必要な場合、道路交通規則の適用を免除する一般規定を平時から置いており、有事限定の日本より広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 武力攻撃事態で防衛出動が命じられ、近所の幹線道路に自衛隊が土のうを積み始めた。警察の許可は出ていないが、違法なのか? 部隊が警察署長へ事前に通知していれば、本条による手続としては適法である。ただし本条が特例を認めるのは道路使用許可についてだけで、あらゆる制約を外しているわけではない
- あなたは警察署の交通課長である。夜中に部隊から「明朝六時、交差点付近に防御施設を構築する」と通知が届いた。取れる手段は、許可を出さないことではなく、第2項に基づいて意見を述べることだけである。迂回路や信号制御の具体案を示せるかどうかで、翌朝の渋滞と事故のリスクが変わる
- 運転免許の更新期限まで残り10日というところで、出動待機命令が出た。更新手続に行く時間はない。第3項は、こうした隊員の免許の有効期間や更新について政令で特例を設けることを認めている。自分の免許が失効してしまうと慌てる前に、部隊の総務担当に政令の特例を確認すること
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自宅や店舗の前の道路に防御施設が築かれたら、まず施設を管理している部隊の名前と、所轄の警察署を確認する2. 出入りができない、救急車が入れないなど具体的な支障があれば、警察署に伝えて第2項の意見に反映するよう求める3. 損害が出た場合は、写真・日時・支障の内容を記録しておく。国家賠償法第1条・第2条による請求や、自衛隊法第103条の損失補償の対象になるかは、事案によって判断が分かれる
訴えられた側:1. 部隊の側は、行為が「応急措置」の範囲内か、防衛出動の根拠が第76条第1項第1号かを確認してから動く2. 警察署長への事前通知は、日時・場所・行為の概要を書面などで記録に残す3. 警察署長から意見が出たら、採用するかどうかとその理由を記録しておく。事後に国家賠償が争われたとき、判断が合理的だったことを示す重要な資料になる4. 撤収命令が出た後は特例が使えなくなるため、施設の撤去や通常の許可申請への切り替えを急ぐ
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。特例が効力を持つのは、防衛出動を命じられてから撤収が命じられるまでの間に限られる。損害賠償には国家賠償法第4条を通じて民法第724条・第724条の2が適用される。損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:武力攻撃事態対処法の制定と併せた有事関連法整備の一環として、防衛出動時の関係法律の特例群とともに道路交通法の特例が設けられた(改正法の詳細は e-Gov の沿革で要確認)
- 2.平成27年(2015年) 改正:平和安全法制により76条1項に存立危機事態(第2号)が加わったことに伴い、本条の対象を「第一号に係る部分に限る」とし、武力攻撃事態による出動に限定した
- 自衛隊法 第76条防衛出動命令、特例の発動要件
- 自衛隊法 第77条出動待機命令、免許特例の対象
- 自衛隊法 第103条防衛出動時の土地使用と損失補償
- 道路交通法 第77条道路使用許可、読替えの対象
- 国家賠償法 第1条部隊行為による損害の国家責任
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