自衛隊法 第115条の5(医療法の適用除外等)
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- 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の規定は、第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられ、又は第七十七条の規定により出動待機命令(第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合に係るものに限る。)を受けた自衛隊の部隊等が臨時に開設する医療を行うための施設については、適用しない。
- 2.前項の医療を行うための施設は、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十四条第二項、歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第二十三条第二項、診療放射線技師法(昭和二十六年法律第二百二十六号)第二十六条第二項、歯科技工士法(昭和三十年法律第百六十八号)第二条第三項ただし書及び第十八条ただし書、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十号)第十三条第一項ただし書、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二十条の三第一項、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十二項ただし書、薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第二十二条ただし書並びに救急救命士法(平成三年法律第三十六号)第二条第一項及び第四十四条第二項ただし書の規定の適用についてはこれらの規定に規定する病院と、麻薬及び向精神薬取締法第五十条の十六第一項第一号及び第二項の規定の適用については同条に規定する病院等と、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十四条第五項の規定の適用については同項に規定する薬局開設者等と、同法第四十六条第二項及び第四十九条第一項ただし書の規定の適用についてはこれらの規定に規定する薬剤師等とみなす。
- 3.第一項に規定する医療を行うための施設が医療法第二条の二第二項に規定するオンライン診療受診施設に該当する場合については、前項の規定は適用しない。
この条文の基本情報
医療法の適用除外等とは何ですか?
定義医療法の適用除外等とは、自衛隊法第115条の5に定められた規定で、「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の規定は、第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の5(医療法の適用除外等)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の5の条文原文は「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の規定は、第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 自衛隊法第115条の5は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の5の前の条は自衛隊法第115条の4です。
- 自衛隊法第115条の5の次の条は自衛隊法第115条の6です。
- 自衛隊法第115条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の5は、防衛出動(76条1項1号)時に部隊が臨時開設する医療施設に医療法を適用せず、調剤・採血など列挙条項に限り「病院」等とみなす規定。
Q · 有事に自衛隊が開く野戦病院は、医療法の許可なしで運営していいの?
許可は不要。ただし医師免許などの資格規制は外れない
自衛隊法115条の5第1項により、76条1項1号の防衛出動、またはその発令が予測される場合の出動待機命令を受けた部隊等が臨時に開設する医療施設には、医療法が適用されません。開設許可や構造設備基準は不要です。一方で医師法17条などの資格規制は外れず、第2項は調剤・採血・医薬品の譲受けなど列挙された条項に限り、この施設を「病院」等とみなします。存立危機事態(同項2号)だけを根拠とする出動では、文言上この特例は働きません。
解説
戦時に自衛隊が張る野戦病院は、医療法上の「病院」ではない。第1項は、防衛出動(自衛隊法76条1項1号:日本への武力攻撃が発生した、または発生する明白な危険が差し迫った事態)を命じられた部隊や、その出動待機命令を受けた部隊が臨時に開く医療施設について、医療法をまるごと適用しないと定める。開設許可も、構造設備基準も、医療計画上の病床規制も及ばない。ただ、話はそこで終わらない。医療法を外すだけだと、別の法律が「病院だからこそ認める」としている例外まで使えなくなる。薬剤師は薬局の外で調剤できず、医薬品卸は売ってくれず、医療機関が診療のために行う採血まで採血業の許可が要ることになる。そこで第2項は、医師法・薬剤師法・薬機法・血液法など十本近い法律の特定条項に限り、この施設を「病院」や「薬局開設者等」とみなす。規制は外し、病院の特権は残す。外科手術のように細かい切り分けである。一方、第3項は、同じ施設が医療法上のオンライン診療受診施設に当たる場合、第2項のみなしを使わせない。ここまで読めば、「有事なら何でもあり」という雑な理解はもう通用しない
法的な位置づけ
自衛隊法115条の5は、防衛出動(76条1項1号)またはその発令が予測される場合の出動待機命令を受けた自衛隊の部隊等が臨時に開設する医療施設について、医療法の適用を除外する規定である。あわせて、医師法・薬剤師法・医薬品医療機器等法・血液法等の列挙条項の適用に限り、当該施設を病院・薬局開設者等とみなし、オンライン診療受診施設に該当する場合はみなしを適用しない。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の5とは?
防衛出動時に自衛隊の部隊等が臨時に開設する医療施設について、医療法の適用を外し、特定の法律の条項に限って病院等とみなす規定です。
Q2野戦病院は法律上「病院」ですか?
医療法上の病院ではありません。ただし医師法24条2項や薬剤師法22条ただし書など、列挙された条項の適用に限っては病院とみなされます。
Q3出動待機命令の段階でも特例は使える?
使えます。ただし77条の待機命令のうち、76条1項1号の防衛出動命令が予測される場合のものに限られます。準備段階から施設を立ち上げられます。
Q4自衛隊の医療施設は医薬品卸から薬を買える?
買えます。第2項により、薬機法34条5項の適用についてこの施設は「薬局開設者等」とみなされ、卸売販売業者からの譲受けが可能になります。
Q5災害派遣の救護所にも115条の5は適用される?
されません。本条の対象は76条1項1号の防衛出動と、それを見込んだ待機命令を受けた部隊等の施設に限られ、災害派遣は文言上含まれません。
Q6野戦病院の診療録は誰が保存する?
第2項により医師法24条2項の適用上この施設は病院とみなされるため、診療録は施設の管理者側で保存することになります。
Q7野戦病院で救急救命士は救命処置できる?
救急救命士法2条1項と44条2項ただし書の適用上、施設は病院とみなされるため、病院内での救急救命処置に関する規定が適用されます。
Q8野戦病院で向精神薬は扱える?
麻薬及び向精神薬取締法50条の16第1項1号・第2項の適用上、施設は「病院等」とみなされ、向精神薬の譲受け・譲渡の規定が適用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医療法が適用されないってことは、看護師じゃない隊員が点滴してもいいってこと?
そうはならない。本条1項が外しているのは医療法だけで、保健師助産師看護師法や医師法の資格規制はそのまま適用される。施設の許可が要らなくなるのと、医療行為をしてよい人の範囲が広がるのとは、まったく別の話である。実務のポイント:だからこそ有事の医療で本当に足りなくなるのは施設ではなく有資格者であり、防衛医官や予備自衛官の医療職の確保こそが実務の核心になる
Q2存立危機事態で出動したときは、野戦病院はどういう扱いになるの?
本条1項の文言は76条1項1号の出動に限っているので、2号(存立危機事態)の出動だけでは適用除外は働かない。ただし、武力攻撃事態等の認定が同時に行われていれば1号の出動もありうる。実務のポイント:政府の対処基本方針は、二つの事態を併せて認定する形をとることがある。実際の法的地位は、事態の認定の書き方で決まる(実務運用は最新の対処基本方針を確認されたい)
Q33項のオンライン診療受診施設って、何のために入ってるの?
医療法2条の2第2項が定めるオンライン診療受診施設に当たる場合、本条2項の「病院」みなしを適用しないという調整である。オンライン診療を受ける場所にすぎない施設にまで病院の特権を与えないため、と読める。実務のポイント:この概念は近年の医療法改正で導入されたもので、施行時期と運用はまだ動いている(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事の自衛隊医療は法律の外で動く」と思われがちだが、実際は逆である。外れるのは医療法だけで、医師法・薬剤師法などの資格規制はそのまま生きている。医師法17条(医師でない者の医業禁止)が外れる条文はここにはない
- 防衛出動さえ出れば特例が働くという理解は、問いの立て方がずれている。問うべきは「出動したか」ではなく「76条1項のどの号で出動したか」である。1号(武力攻撃事態等)なら働き、2号(存立危機事態)だけでは本条の文言上働かない。平和安全法制の議論で集団的自衛権ばかりが注目された裏で、この線引きはほとんど語られていない
- 第2項の「病院とみなす」を全面的な病院扱いだと読むと足をすくわれる。みなしの対象は列挙された条項ごとに限られていて、列挙にない規定についてまで病院の地位を得るわけではない。現場の感覚では「病院」でも、法律上はパッチワークでつないだ存在である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 115条の5:部隊等が臨時開設する医療施設への医療法適用除外と病院みなし | 76条:防衛出動の要件と命令 77条:防衛出動待機命令 |
| 本条の特例との関係 | 特例そのものを定める | 1号(武力攻撃事態等)の出動のみ発動要件。2号単独は対象外 1号の防衛出動命令が予測される場合の待機命令に限り、前倒しで特例が働く |
| 実務上の意味 | 施設の許可は不要、資格規制は存続 | 出動根拠の「号」が医療施設の法的地位を決める 医療部隊の展開・医薬品調達を準備段階から開始できる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は戦時の医療資源を動員法制で確保する枠組みをとる。施設単位で医療法の適用を外す日本型の規定との対応関係は要検証
中国は国防動員の一環として医療資源の徴用を規律する。軍の臨時医療施設への衛生法規の適用関係は要検証
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 有事の報道で、自衛隊の野戦病院に民間の負傷者が運び込まれる映像を見たとする。家族の一人が「医療法の許可もない場所で手術なんて違法じゃないのか」と言い出す。第1項が医療法を外しているから許可は要らない。ただし、執刀するのは医師免許を持つ医師でなければならない点は変わらない
- あなたが予備自衛官の薬剤師で、防衛出動待機命令が出た直後に招集されたとする。テントの中で処方箋どおりに調剤してよいのか。薬剤師法22条は原則として薬局以外での調剤を禁じるが、第2項によってこの施設は同条ただし書の「病院」とみなされる。迷ってためらっている時間はない
- もし出動命令の根拠が76条1項2号(存立危機事態)だったら、どうなるか。第1項は「第一号に係る部分に限る」と書いている。同じ防衛出動でも、医療法の適用除外は自動的には働かない
- 野戦病院で輸血用の血液が尽きかけ、現場の隊員から採血して輸血するしかない状況。あと数時間で患者の容体が決まる。血液法13条1項ただし書の例外が使えるのは、第2項でこの施設が「病院」とみなされているからである。後日、採血の記録と手順が検証される側になるのは、判断した責任者のあなたである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 野戦施設で治療を受けた場合も、診療の記録は残る。第2項で医師法24条2項が適用されるため、診療録は施設の管理者の側で保存される2. 治療後に後遺症などが出たら、受診した日時・部隊名・担当医の名前をメモしておく3. 賠償を求める相手は、原則として国(国家賠償法1条、または民法715条)。どちらの枠組みになるかは実務上解釈が分かれるので、弁護士に両方の構成で検討してもらう
訴えられた側:1. 医療従事者として関わるなら、まず出動命令の根拠となった号(76条1項1号か)と、待機命令の趣旨を記録上で確認する2. 調剤・採血・医薬品の譲受けを行う際は、第2項の列挙条項に当たる行為かどうかを確認する3. 列挙にない行為は通常の規制が及ぶ前提で動き、判断の経過を記録として残す4. 医師免許などの資格要件は外れないので、有資格者の配置を最優先で確保する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。診療に関する損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2。国家賠償法4条により国賠請求にも適用)。特例が働く期間は、防衛出動命令または該当する待機命令が出ている間に限られる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)前後の有事法制整備(要検証) 武力攻撃事態対処関連法制の整備に伴い、防衛出動時の医療法特例として新設されたとみられる。新設年と法律番号は人的検証が必要
- 平成26年(2014年)以降の関連法改正(要検証) 薬事法から医薬品医療機器等法への改称、救急救命士法の改正などに伴い、第2項の引用条項が改正されたとみられる
- 近年の医療法改正(要検証) オンライン診療受診施設の制度化に伴い、第3項が追加されたとみられる。改正年と施行日は要確認
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