自衛隊法 第115条の6(漁港及び漁場の整備等に関する法律の特例)
クイックジャンプ
- 第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられ、又は第七十七条の二の規定による措置を命ぜられた自衛隊の部隊等が漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和二十五年法律第百三十七号)第三十九条第一項の規定により許可を要する行為をしようとする場合における同条第四項の規定の適用については、撤収を命ぜられ、又は第七十七条の二の規定による命令が解除されるまでの間は、同法第三十九条第四項中「協議する」とあるのは、「その旨を通知する」とする。
- 2.前項の規定により読み替えられた漁港及び漁場の整備等に関する法律第三十九条第四項の通知を受けた漁港管理者は、漁港の保全上必要があると認めるときは、当該通知をした部隊等の長に対し意見を述べることができる。
この条文の基本情報
漁港及び漁場の整備等に関する法律の特例とは何ですか?
定義漁港及び漁場の整備等に関する法律の特例とは、自衛隊法第115条の6に定められた規定で、「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の6(漁港及び漁場の整備等に関する法律の特例)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の6の条文原文は「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 自衛隊法第115条の6は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の6の前の条は自衛隊法第115条の5です。
- 自衛隊法第115条の6の次の条は自衛隊法第115条の7です。
- 自衛隊法第115条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の6は、武力攻撃事態で出動した部隊等が漁港区域で許可対象行為をする際、漁港管理者との協議を通知に読み替える特例。存立危機事態の出動には適用されない。
Q · 有事に自衛隊が漁港で工事をするとき、自治体と話し合う必要はあるの?
話し合いは不要で、通知だけで足りる。意見は述べられる
自衛隊法115条の6により、76条1項1号の防衛出動または77条の2の措置を命じられた部隊等が漁港区域内で許可対象行為をする場合、漁港及び漁場の整備等に関する法律39条4項の「協議」は「通知」に読み替えられます。漁港管理者は、漁港の保全上必要なときは部隊等の長に意見を述べることができます。特例が続くのは撤収命令または措置命令の解除までで、存立危機事態(76条1項2号)による出動には適用されません。
解説
漁港の岸壁に土のうを積む。防波堤の脇に陣地を掘る。平時なら、国の機関がこうした行為をするときでも、漁港管理者(漁港を管理する都道府県や市町村)とあらかじめ「協議」しなければならない。本条はこの協議を「通知」に置き換える。対象は二つの部隊に限られる。一つは、日本への武力攻撃が発生した、または攻撃の明白な危険が差し迫ったとして防衛出動を命じられた部隊。もう一つは、出動に先立って防御施設を築く部隊(77条の2)である。つまり、相手の意向を聞く手続が、知らせるだけの手続に変わる。そのかわり漁港管理者には、漁港の保全上必要なときに部隊等の長へ意見を述べる権利が残る。ただし、この意見に部隊を拘束する効力は定められていない。特例が効くのは撤収命令か措置命令の解除までである。存立危機事態(76条1項2号)による出動には及ばない。有事に港が誰の判断で動くのか、その線引きがこの一条に書かれている。
法的な位置づけ
自衛隊法115条の6は、漁港及び漁場の整備等に関する法律39条4項の適用に関する特例規定である。武力攻撃事態による防衛出動または防御施設構築の措置を命じられた部隊等が漁港区域内で許可対象行為をする場合、漁港管理者との協議を通知に読み替え、管理者には保全上の意見表明権を認める。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の6とは?
防衛出動などを命じられた部隊等が漁港区域で工事などをするとき、漁港管理者との協議を通知で済ませられるとする特例規定です。
Q2有事に漁港は自衛隊が使える?
武力攻撃事態で出動した部隊等は、漁港管理者への通知で許可対象行為ができます。ただし管理者の意見表明権は残ります。
Q3漁港管理者とは誰のこと?
漁港を管理する地方公共団体で、多くは都道府県または市町村です。本条の通知を受け取り、意見を述べる立場にあります。
Q4自衛隊の漁港工事 いつまで特例?
撤収命令または77条の2の措置命令が解除されるまでです。それ以降の行為は通常どおり協議が必要になります。
Q5存立危機事態でも漁港の特例は使える?
使えません。本条は76条1項1号(武力攻撃事態)に係る出動に限定しており、2号の存立危機事態には及びません。
Q6自衛隊は漁港管理者に通知しないで工事できる?
できません。本条は協議を通知に置き換えるだけで、通知そのものは必要です。通知の省略を認める文言はありません。
Q7漁港管理者の意見に法的拘束力はある?
本条は意見を述べる権利を定めるのみで、部隊を拘束する効力は規定していません。実務上は具体性と提出時期が重要です。
Q8防御施設構築の措置とは?
防衛出動が予想される場合に、展開予定地域内で陣地などの防御施設を構築する措置で、自衛隊法77条の2が根拠です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通知が来たら、漁港管理者は工事を止められないんですか?
本条2項で認められているのは、部隊等の長に意見を述べることまでである。意見に部隊を拘束する効力は定められていない。もっとも、平時の協議(漁港及び漁場の整備等に関する法律39条4項)も同意権ではなかった。実務のポイント:意見の効き目を左右するのは、法的な拘束力より出すタイミングと具体性だ。「ここを塞ぐと救難船が出られない」といった代替案つきの意見は、実務で通りやすい
Q2集団的自衛権で自衛隊が出動した場合も同じですか?
同じではない。本条の特例は、76条1項のうち1号(武力攻撃事態)による出動に限られる。2号(存立危機事態)による出動には及ばず、通常どおり協議が必要になる。実務のポイント:自衛隊法の「特例」規定は、同じように1号に限定しているものが多い。条文の括弧書き「第一号に係る部分に限る」を読み飛ばす解説は少なくないので、原文で確認する習慣が役に立つ
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事なら自衛隊は何でも自由にできる」と思われがちだが、本条が変えるのは漁港法39条4項の協議を通知にする一点だけである。通知そのものは必要で、漁港管理者の意見表明権も残る。適用される事態と期間も限られている
- 漁港管理者の「協議」は拒否権だと思っている人がいるが、平時の協議もそもそも同意権ではない。本条で失われるのは拒否の力ではなく、工事の前に話し合い、調整する時間である。この時間がなくなる重みは、実際に通知を受け取る側でないと実感しにくい
- 防衛出動と聞けば一括りに考えがちだが、法律は76条1項1号(武力攻撃事態)と2号(存立危機事態)を明確に分けている。同じ出動命令でも、2号で出動した部隊には本条の特例が適用されない。どちらの号による出動かを確認しないまま議論すると、前提から誤ることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 115条の6:漁港法39条4項の協議を通知に読み替える手続特例 | 76条:防衛出動の発動要件(1号 武力攻撃事態・2号 存立危機事態) 77条の2:出動前の防御施設構築の措置 |
| 存立危機事態との関係 | 適用外(1号に係る部分に限る) | 2号として出動の根拠になる 防御施設構築の措置として別途規定 |
| 終了時点 | 撤収命令または措置命令の解除まで | 撤収命令により出動が終わる 措置命令の解除により終わる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では動員実施段階における物資・施設の徴用を動員法制で規律する。漁港管理手続を個別に読み替える形式の特例は確認できていない
韓国は統合防衛事態下の協力義務と徴発制度で施設使用を規律する。本条と同様の読替え方式かは要確認
ドイツは防衛目的の給付要求を包括的に定める法律で規律しており、個別の港湾法の手続を読み替える方式とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし武力攻撃事態が認定され、あなたの町の漁港に部隊がやって来たらどうなる? 県の漁港担当課に届くのは「協議のお願い」ではなく「実施の通知」である。担当者が上司に相談している間にも、岸壁では作業が進んでいる
- あなたは部隊等の長である。77条の2の措置命令を受け、展開予定地域内の漁港区域で防御施設の構築を始める。やるべきことは許可申請ではなく漁港管理者への通知である。ただし、通知を省いてよいとはどこにも書かれていない
- 存立危機事態で出動した部隊が同じ漁港で同じ工事をする場合、本条の特例は使えない。通常どおり協議が必要になる
- 町の漁港管理者として部隊からの通知を受け取った。明朝には漁船が出漁し、夕方には水揚げが始まる。漁港の保全に支障があると考えるなら、残された時間は数時間しかない。意見を述べるなら今夜のうちに書面を用意する必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:漁港管理者や漁業者の立場では、1. 部隊からの通知を受け取った日時と、行為の内容・場所・期間を記録する。2. 漁港の保全上の支障(航路の閉塞、係留場所の喪失、汚水の流入など)を具体的に書いて、部隊等の長に意見を述べる(本条2項)。3. 漁業者は漁協を通じて漁港管理者に被害の実情を伝え、意見に反映してもらう。4. 損失補償が受けられるかどうかは個別の規定によるので、自衛隊法103条などの適用を専門家に確認する
訴えられた側:部隊側の立場では、1. 出動の根拠が76条1項1号か77条の2かを確認する。2号による出動なら通常の協議が必要になる。2. 行為の前に、漁港管理者へ行為の内容を具体的に通知する。3. 意見が寄せられたら記録に残し、可能な範囲で工法や位置に反映する。4. 撤収命令や措置命令が解除された時点で特例は終わるので、以後の行為は協議に戻す
時効(請求できる期限):特定の時効はない。特例が適用されるのは、防衛出動命令(76条1項1号)または77条の2の措置命令を受けたときから、撤収命令か措置命令の解除までの期間に限られる。損失補償などの金銭請求については、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や個別規定の期間を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)前後(要確認) 武力攻撃事態対処関連法制の整備に伴い、防衛出動時に関係法令の適用を読み替える特例群の一つとして設けられたとみられる。新設の時期と経緯は人による検証が必要
- 令和5年(2023年)法改正関連(要確認) 引用先の法律の題名が「漁港漁場整備法」から「漁港及び漁場の整備等に関する法律」に改められたことに伴い、本条の引用法令名が改正されたとみられる。施行日と条項番号の変動の有無は要確認
- 自衛隊法 第76条防衛出動、本条特例の発動根拠
- 自衛隊法 第77条の2防御施設構築の措置、特例の対象行為
- 自衛隊法 第103条防衛出動時の土地使用等と損失補償
- 漁港及び漁場の整備等に関する法律 第39条漁港区域内行為の許可と国等の協議
- 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 第9条対処基本方針、事態認定の手続(通称 事態対処法)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める