特許法 第187条(特許表示)
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特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附するように努めなければならない。
この条文の基本情報
特許表示とは何ですか?
定義特許表示とは、特許法第187条に定められた規定で、「特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第187条(特許表示)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第187条の条文原文は「特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生…」で始まります。
- 特許法第187条は第十章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第187条の前の条は特許法第186条です。
- 特許法第187条の次の条は特許法第188条です。
- 特許法第187条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第187条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第187条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/187
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法187条は、特許権者等が特許に係る物やその包装に特許表示を附するよう努める努力義務を定める。表示は任意で罰則はないが、虚偽の特許表示は188条・198条で処罰される。
Q · 特許を取ったら、製品に「特許第○○号」って必ず書かないとダメ?
義務ではなく努力義務。付けなくても罰則はありません
特許法187条により、特許権者・専用実施権者・通常実施権者は、特許に係る物またはその包装に特許表示を附するよう努めなければなりません。ただしこれは努力義務であり、表示しなくても罰則はなく、損害賠償上も不利になりません(過失は特許公報の公開で推定、103条)。逆に実体のない特許表示や満了番号の放置は188条の虚偽表示となり、198条で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象です。
解説
「Patent Pending」「特許第○○号」、商品やパッケージで見かけるあの表示。多くの経営者は「特許を取ったら必ず付けなければならない」と思い込んでいる。だが特許法187条が課すのは「努めなければならない」という努力義務にすぎず、付けなくても罰則は一切なく、損害賠償でも不利にならない。アメリカ(35 USC 287)と違い、日本では侵害者の過失は特許公報の公開で推定される(103条)ため、表示の有無は賠償請求の要件ではないからだ。本当に怖いのは逆側にある。特許が無いのに「特許」と表示したり、満了した特許番号を貼り続けると、188条違反となり198条で3年以下の拘禁刑(2025年6月施行、従来は懲役)または300万円以下の罰金。つまりこの条文の真の射程は「付けろ」ではなく「嘘をつくな」にある。
法的な位置づけ
特許法187条は特許表示に関する規定であり、特許権者・専用実施権者・通常実施権者が、特許に係る物またはその包装に、その物や方法が特許に係る旨の表示を附するよう努めなければならないと定める努力義務規範である。表示の有無に罰則や損害賠償上の不利益はなく、付すか否かは任意とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.J-PlatPat で自社特許の現在の有効性を確認 表示を付ける前に、特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で対象特許番号を検索し、権利が現に有効か、満了・放棄・無効になっていないかを確認する。表示は権利の生死とともに管理し続ける対象である
- 2.生きている特許のみを正確な番号で表示 現に有効な特許番号だけを用い、経済産業省令(特許法施行規則)が定める方法に従って「特許第○○号」等を記載する。実施権に基づく表示ならその範囲を逸脱しない
- 3.満了・放棄・無効になったら速やかに削除 特許が満了・放棄・無効になったら、金型・パッケージ・広告・ECページから表示を直ちに除去する。是正の日付と記録を残し、放置による虚偽表示化を防ぐ
- 4.「特許出願中」表示は係属状態を定期確認 「特許出願中」と表示している場合、出願が現に係属しているかを定期的に確認する。拒絶査定の確定・取下げ後も表示を続けると虚偽表示(188条)となるため、確定後は速やかに表示を消すか刷り直す
よくある質問 AI による整理
Q1特許表示とは何ですか?
特許に係る物やその包装に、その物や方法が特許に係る旨を示す表示です。特許法187条が根拠で、特許権者・専用実施権者・通常実施権者が付すよう努める努力義務とされます。
Q2特許表示に決まった書き方はありますか?
経済産業省令(特許法施行規則)で表示の方法が定められています。「特許第○○号」のように現に有効な特許番号を記載する形が一般的で、虚偽や紛らわしい表示は避ける必要があります。
Q3特許が満了したら表示はどうすればいいですか?
速やかに削除すべきです。満了・放棄・無効になった番号を製品や金型・広告に残し続けると、188条の虚偽表示と評価されかねず、198条の刑事罰リスクが生じます。
Q4特許の虚偽表示にはどんな罰則がありますか?
188条違反として198条で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(2025年6月施行で懲役から拘禁刑に変更)。実体のない特許表示や他社番号の流用が対象です。
Q5実用新案や意匠にも表示のルールはありますか?
あります。実用新案法51条に登録実用新案表示の並行規定があり、意匠法・商標法にも同様の表示制度があります。いずれも虚偽表示は処罰対象です。
Q6「特許出願中」と「特許取得済み」の違いは何ですか?
出願中は審査係属中の状態で権利未確定、取得済みは特許登録が完了し権利が発生した状態です。拒絶確定後も「出願中」と表示し続けると虚偽表示になります。
Q7ライセンスを受けた製品に特許表示は必要ですか?
187条の努力義務は通常実施権者(ライセンシー)にも及びます。ただし表示方法が契約で指定されていない場合は、特許権者と表示方法を確認してからのほうが無難です。
Q8個人がネット販売で特許表示を使うときの注意点は?
実在しない特許や他人の特許を「特許取得済み」と表示すると、個人でも188条・198条の虚偽表示として刑事罰の対象になります。J-PlatPat で番号の有効性を確認しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許を取ったら、製品に必ず「特許第○○号」と書かないといけないんですか?
義務ではありません。187条は「努めなければならない」という努力義務で、表示しなくても罰則も、損害賠償上の不利益もありません(過失は特許公報の公開で推定、103条)。実務のポイント:アメリカでは表示しないと過去分の損害賠償が制限される(マーキング要件)ため、日米両方で売る企業は米国基準で表示を整える。日本だけなら表示は任意、でも付けるなら正確に、が鉄則
Q2「特許出願中」ってよく見ますが、出願していれば自由に書いていいんですか?
出願が実際に係属している間は表示できます。ただし拒絶査定が確定したり取り下げた後も「出願中」と表示し続けると虚偽表示(188条)になり、198条で刑事罰の対象です。実務のポイント:出願番号を併記しておくと、相手や消費者がJ-PlatPatで真偽を確認できて信用が増す。逆に番号を書かない「出願中」表示は、後で実体がなかったと疑われやすい
Q3他社が「特許取得済み」と書いているのに、調べても特許が見つかりません。これって問題ですか?
虚偽表示(188条)の疑いがあります。実在しない特許、他人の特許、満了した特許を自社製品に表示する行為は禁止され、198条で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。実務のポイント:競合の虚偽特許表示は、警告書や不正競争防止法・景品表示法での対応で広告を止められる「攻めのカード」になる。まずJ-PlatPatで番号を確認し、スクショで証拠を固めるのが先決
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許を取ったら表示を付けなければ損害賠償できない」というアメリカのルール(マーキング要件)をそのまま日本に持ち込む人がいる。だが問いの立て方そのものが誤っている。日本では表示は賠償の要件ではなく、過失は特許公報の公開で推定される(103条)。表示の有無で勝敗は決まらない
- 「努力義務だから何をどう表示しても自由」と思いがちだが逆。自由なのは「付けるか付けないか」であって「何を書くか」ではない。表示する内容が虚偽なら188条・198条で刑事罰に直結する
- 特許番号を貼ること自体は知っていても、特許が満了・無効になった後もその表示を放置する危険(虚偽表示化)を知らない人が多い。表示は一度貼ったら終わりではなく、権利の生死とともに管理し続ける対象だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規範の性質 | 187条:特許表示を付すべき努力義務(任意) | 188条:虚偽の特許表示・紛らわしい表示の禁止(強行規範) 103条:侵害者の過失の推定(表示の有無を問わず適用) |
| 違反した場合 | 付さなくても罰則なし・損害賠償上も不利にならない | 198条で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 推定を覆せなければ侵害者に過失ありとされる |
| 実務上の意味 | 付けるか付けないかは自由(公示による取引安全の奨励) | 何を書くかは不自由——嘘だけは刑事罰の一線 表示なしでも公報公開で過失推定、賠償請求は可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特許表示を原則として求め、未標示の場合は損害賠償を請求できないとする(マーキング要件型)。付けないことに不利益がない日本の努力義務型とは対照的。
韓国も特許表示の制度を置き、虚偽の特許表示を禁じ処罰する点は日本と類似。表示自体の位置づけは日本の努力義務に近い。
ドイツ特許法には特許表示を一律に求める一般的な義務規定はなく、表示は任意。日本の努力義務型に近いが、明文の表示規定を持たない点が異なる。
米国はマーキング要件を採り、表示または通知をしないと表示前の期間の損害賠償が制限される。表示が賠償の実際的要件となる点で日本と大きく異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社製品に「特許出願中」と印刷して販売を続けた。だが出願は1年前に拒絶査定で確定していた。それでも在庫パッケージを使い切ろうと表示を残した瞬間、それは虚偽表示。188条違反、198条で刑事罰の対象になる。あと数か月で在庫を売り切る前に、表示を消すか刷り直すかの判断を今夜迫られている
- もし他社の特許番号をコピーして自社のOEM製品に貼ったら? それが他社の有効な特許でも、自分に実施権がなければ虚偽表示。さらに特許権侵害(100条、102条)も重なる二重のリスクが立ち上がる
- 特許が満了した。だが製品の金型には特許番号が刻印されたまま。放置すれば満了後の番号表示が虚偽表示と評価されかねない
- 発明をパクられた。でも自社製品に特許表示を付けていなかったから損害賠償は無理だと諦めている。実は日本では表示は賠償の要件ではない。103条の過失推定は特許公報の公開で働くので、表示の有無に関係なく請求できる
- ライセンスを受けて他社の特許製品を製造しているメーカー。特許表示を付ける努力義務はライセンシー(通常実施権者)にも及ぶ(187条)。だが契約で表示方法が指定されていない場合、自己判断の表示が逆に特許権者とのトラブルの種になることもある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の特許表示を付けるかは任意だが、付けるなら正確に。生きている特許番号のみを使い、満了・放棄したら速やかに金型・パッケージ・広告から削除する2. 競合の虚偽表示を見つけたら、J-PlatPatで番号の有効性を確認し、広告・パッケージ・購入記録を証拠保全3. 虚偽表示は188条違反として警告書を送付、改善なければ刑事告発(198条)や不正競争防止法・景品表示法での対応も検討する
訴えられた側:1. 自社表示が虚偽と指摘されたら、まず該当特許の現在の有効性をJ-PlatPatで確認2. 満了・無効が原因なら、直ちに全在庫・広告・金型から表示を除去し、是正の日付と記録を残す3. 188条・198条は故意犯であり、管理ミスによる放置は是正の迅速さが情状を大きく左右する4. 特許侵害の警告であれば論点は別。表示の有無は侵害成立と無関係なので、二つを混同して譲歩しない
時効(請求できる期限):虚偽表示罪(198条)の法定刑は3年以下の拘禁刑、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。表示を続けている限り違反状態が継続すると評価されうるため、時効起算点は表示をやめた時とみる余地がある。民事の特許権侵害(時効は別途)とは別軌道で進む(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:187条の特許表示は付すか否かが任意の努力義務にとどまり、不表示に罰則や賠償上の不利益はない。他方、表示の内容が虚偽であれば188条・198条で刑事罰に直結する。任意性(努力義務)と正確性(刑事罰)を切り分けて理解するのが通説的整理である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、特許表示に関する規定として新設。特許権者・専用実施権者・通常実施権者を主体とする努力義務として構成された。
- 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁再編に伴い、本条の委任先である省令を定める省の名称が「通商産業省令」から「経済産業省令」へ改められた。
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