要点国民年金法109条の10は、厚生労働大臣の権限を厚生労働省令(14条の4関係は政令)の定めにより地方厚生局長へ、さらに地方厚生支局長へ委任できると定める。
Q · 年金記録の訂正を認めないと決めたのは、本当に厚生労働大臣なんですか?
大臣ではなく、委任を受けた地方厚生局長等の名で決定されます
国民年金法109条の10により、厚生労働大臣の権限は厚生労働省令(記録訂正に関する第14条の4の権限は政令)の定めるところにより地方厚生局長へ、さらに地方厚生支局長へ委任できます。委任された範囲では受任者が自己の名で処分を行うため、決定通知の差出人は地方厚生局長等になります。ただし第109条の5第1項・第2項と第10章の権限は委任対象から除かれます。不服がある場合の入口は社会保険審査官への審査請求です。
年金記録が一年分抜けている。訂正を求めて出した書類の最終的な行き先は、東京の厚生労働省ではない。本条は、国民年金法が厚生労働大臣に与えた権限を、厚生労働省令(記録訂正に関する第14条の4の権限については政令)の定めるところにより地方厚生局長へ、さらに地方厚生支局長へと降ろせると定めている。押さえるべきは「委任」という語の重さだ。委任とは権限そのものが移ること(上の名義を残したまま決裁だけ下に任せる専決とは違う)。つまりあなたの請求を認めない決定を自分の名で出すのは地方厚生局長であり、通知書の末尾に印字されるのもその名になる。さらに第3項は、記録訂正の権限が降りた場合、諮問先が社会保障審議会から地方厚生局に置かれる審議会へ差し替わると定める。誰が判断したのかが変われば、不服を述べる相手も、書面に書くべき理屈も変わる。
国民年金法第109条の10は、権限の委任を定める規定である。厚生労働大臣の権限のうち第109条の5第1項・第2項および第10章に規定するものを除き、厚生労働省令(第14条の4に規定する権限は政令)の定めるところにより地方厚生局長に委任でき、さらに地方厚生支局長へ再委任できる。委任時は第14条の4第3項の諮問先が地方厚生局に置かれる審議会へ読み替えられる。
法律上の権限そのものを他の機関に移すことです。委任を受けた機関は自分の名で処分でき、委任した側は原則としてその権限を行使しなくなります。
地方厚生局は厚生労働省の地方支分部局で、本条の委任先です。年金事務所は日本年金機構の窓口であり、国の行政機関ではありません。系統が別です。
窓口は年金事務所ですが、訂正するかどうかの決定は本条の委任により地方厚生局長等の名で行われます。窓口と決定機関が一致しない点に注意が必要です。
専決は名義が大臣のまま内部で決裁を任せるもの、委任は権限自体が移り受任者名義で処分が出るものです。処分庁が誰かという結論が変わります。
第109条の5第1項・第2項の権限と、第10章に規定する厚生労働大臣の権限は本条の委任対象から明文で除外されています。
第14条の4第3項の「社会保障審議会」が「地方厚生局に置かれる政令で定める審議会」に読み替えられます。諮問を受ける主体が地方へ移ります。
処分庁が地方厚生局長でも、取消訴訟の被告は処分庁が所属する国となります(行政事件訴訟法11条)。処分庁は訴状で特定して記載します。
条文本体ではなく、国民年金法施行規則および施行令に列挙されています。争う前に委任範囲を確認すると、権限の有無自体が争点になることがあります。
決定は本条の委任により地方厚生局長の名で出ているが、不服の入口は社会保険審査官への審査請求である(国民年金法101条)。期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:2016年4月以降、社会保険審査官の決定が出れば、社会保険審査会への再審査請求まで踏まなくても取消訴訟を提起できる。二段階を全部通さないと裁判にできないと思い込み、時間だけを失う人が多い
法律が委任を許しているからだ。本条1項は厚生労働省令(記録訂正関係は政令)の定めるところにより地方厚生局長へ、2項はさらに地方厚生支局長へ降ろせるとする。委任された範囲では受任者が自分の名で権限を行使する。業界裏話ヒント:どの権限がどこまで降りているかは条文ではなく省令に書いてある。争う前に委任範囲を確認すると、そもそも決定した機関に権限があったのかという主張の芽が見つかることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 第109条の10:大臣権限を地方厚生局長・地方厚生支局長へ委任する根拠 | — |
| 委任の授権形式 | 厚生労働省令(第14条の4関係は政令) | — |
| 処分の名義 | 委任範囲では地方厚生局長・地方厚生支局長の名義 | — |
| 不服申立ての入口 | 処分庁が誰であっても社会保険審査官への審査請求(第101条) | — |
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