国民年金法 第112条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
- 一第十二条第一項又は第五項の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者
- 二第十二条第二項の規定により届出をする場合に虚偽の届出をした世帯主
- 三第百六条第一項の規定により資産若しくは収入の状況に関する書類その他の物件の提出を命ぜられてこれに従わず、若しくは虚偽の書類その他の物件の提出をし、又は同項の規定による当該職員(第百九条の八第二項において読み替えて適用される第百六条第一項に規定する機構の職員を含む。)の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をした被保険者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第112条は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第112条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 国民年金法第112条は第九章に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第112条の前の条は国民年金法第111条の3です。
- 国民年金法第112条の次の条は国民年金法第113条です。
- 国民年金法第112条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第112条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第112条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/112
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法112条は、虚偽の届出、書類提出命令への不従、職員の質問への不答弁や虚偽陳述を、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金で処罰する。保険料の未納は対象外である。
Q · 年金の免除申請で所得を少なめに書いたら、罰則ってあるんですか?
未納では罰されないが、嘘と非協力は刑罰の対象になる
国民年金法112条は、12条の届出義務に違反して虚偽の届出をした被保険者、世帯主として虚偽の届出をした者、106条1項の書類提出命令に従わずまたは当該職員の質問に答弁しなかった被保険者を、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金に処すると定めます。免除申請書の所得を事実と違うと知りながら書けば、免除の取消と保険料の遡及請求という行政処理の横に、この刑罰が並びます。一方、単なる記載ミスは故意を欠くため構成要件を満たしません。
解説
国民年金の免除申請書に、去年の収入を少なめに書いた。役所から届いた「収入の状況が分かる書類を出せ」という通知を、面倒で放置した。訪ねてきた職員の質問に、答えたくないので黙っていた。この三つは、どれも国民年金法112条が6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を予定している行為である。あなたが押さえるべきは二点だ。第一に、この罰則の入口は保険料の「未納」ではない。未納は差押えの世界であって刑罰の世界ではなく、112条が罰するのは嘘と非協力である。第二に、条文は「答弁せず」を明文で処罰対象に置いている。黙っていれば少なくとも罪にはならない、という刑事手続の常識が、行政調査の場面ではそのまま通らない。しかも罰則の入口が開くのは、多くの場合あなた自身が免除を申請した瞬間である。
法的な位置づけ
国民年金法第112条は、公的年金の届出および調査に関する罰則規定である。第12条第1項・第5項に違反する被保険者の虚偽届出、同条第2項による世帯主の虚偽届出、第106条第1項の物件提出命令への不従および虚偽提出、当該職員の質問に対する不答弁および虚偽陳述の四類型を構成要件とし、法定刑を六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金とする。
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金を払わないと逮捕されますか?
逮捕されません。112条は未納を一切罰していません。未納に対する国の手段は督促、延滞金、財産の差押えという滞納処分であり、刑罰の系統とは別軌道です。
Q2国民年金法112条とは何ですか?
届出と調査に関する罰則規定です。12条違反の虚偽届出、106条1項の提出命令への不従、職員の質問への不答弁・虚偽陳述を、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金で処罰します。
Q3免除申請で所得を少なく書いたらどうなりますか?
免除の取消と保険料の遡及請求という行政処理に加え、事実と違うと知って書いた場合は112条の虚偽の届出として刑罰の対象になり得ます。単純な記載ミスは故意を欠き対象外です。
Q4日本年金機構からの書類提出命令は無視できますか?
無視は112条3号の構成要件をそのまま満たします。106条1項の提出命令に従わない不作為は、条文上、虚偽の書類提出と同じ枠に置かれています。
Q5年金の届出をしないと罰則がありますか?
112条が罰するのは「虚偽の届出」であり、単なる不届出は本条の文言に含まれません。ただし未届は資格記録の不整合を招き、後日の訂正で虚偽と評価される余地を残します。
Q6国民年金法112条の公訴時効は何年ですか?
法定刑が長期5年未満の拘禁刑または罰金であるため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は虚偽の届出をした時、提出期限を徒過した時、答弁を拒んだ時です。
Q7罰金刑でも前科はつきますか?
つきます。罰金も刑罰であり前科として記録されます。資格職の欠格事由や外国人の在留資格更新の審査に影響する場合があるため、罰金だから軽いという理解は危険です。
Q8免除の取消と刑罰は同時に来ますか?
制度上は併存し得ます。免除取消と保険料の遡及請求は行政処理、112条は刑事処理で別軌道です。実務では自主的な訂正届があれば行政処理に収まることが多いとされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1免除申請の所得欄、うっかり間違えて書いちゃったんですけど、これも捕まるんですか?
112条の「虚偽の届出」は、事実と違うと分かっていて書いた場合を指す。単純な記載ミスや記憶違いは構成要件を満たさない。ただし気付いた後に放置すると、故意の推認材料になる。実務のポイント:年金事務所は市町村の課税情報と照合できる立場にあるため、ずれはほぼ確実に見つかる。見つかってから訂正するのと、自分から訂正届を出すのとでは、担当者の処理方針が刑事告発側に振れるか事務処理側に収まるかで実質的に分かれる
Q2職員が来て収入のことを聞いてきたけど、答えたくない場合は?
106条1項による質問に答弁せず、または虚偽の陳述をした被保険者は、112条3号で罰則の対象になる。黙秘が安全という刑事手続の発想はここでは通らない。実務のポイント:条文が罰するのは「答弁しないこと」であって「即答しないこと」ではない。日を改めて資料を揃えて回答する、弁護士に相談してから回答すると伝えて記録に残す、という対応は答弁拒否とは性質が異なる。この違いを知らずにその場で押し黙る人が、最も不利な位置に立つ
Q3年金をもらっている親の代わりに書類を出しているけど、私が罰せられることはある?
112条3号の主体は「被保険者」に限定されており、受給権者の分は本号の対象外である。一方、12条2項で世帯主として被保険者に代わって届出をした場合は、虚偽をすれば112条2号で届出をした世帯主自身が問われる。実務のポイント:家族の手続を善意で代行しているつもりでも、条文が名指しするのは届出をした人間である。代行するなら本人の資料を必ず現物で確認し、聞き取りだけで数字を埋めない
間違えやすい点 AI による整理
- 「年金を払わないと捕まるのか」という問いを立てる人が多いが、その問いの前提が外れている。112条は保険料の未納を一切罰していない。未納に対する国の武器は督促、延滞金、財産の差押えであって刑罰ではない。罰せられるのは、嘘をついた者、書類を出さなかった者、黙った者である。払えないことと、ごまかすことは、法的にまったく別の場所に置かれている
- 免除申請の所得を少なめに書いても、せいぜい免除が取り消されて保険料を払い直すだけ、と理解している人へ。取消と遡及請求はあくまで行政処理の側面であり、条文上はその横に6月以下の拘禁刑が並んでいる。罰金でも前科は残り、資格職の欠格事由や外国人の在留資格更新の審査にまで影が伸びる。深刻度の見積もりが一桁違っている
- あなたから見れば「役所からの手紙を無視した」だけだが、法律から見れば106条1項による物件の提出命令に従わなかった不作為であり、112条3号の文言をそのまま満たす。無視は中立な態度ではなく、条文上は積極的な虚偽と同じ枠に入れられている。この落差が、悪気のなかった人を最も危うい位置に立たせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 問題となる行為 | 国民年金法112条:虚偽の届出・提出命令への不従・不答弁 | 国民年金法12条:届出義務そのもの(義務規定、罰則なし) 刑法246条:虚偽により現に給付を受けた場合の詐欺罪 |
| 主体 | 被保険者(1号・3号)/世帯主(2号) | 被保険者および12条2項の世帯主 欺罔行為をした者一般 |
| 法的効果 | 六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金 | 違反しても直ちに刑罰はなく、112条を通じて罰則に接続 十年以下の拘禁刑(刑の重さが一桁異なる) |
| 未納との関係 | 未納は対象外。罰されるのは嘘と非協力のみ | 未納は届出義務の問題ではない 未納だけでは詐欺罪の構成要件を満たさない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は不実申報に対して行政罰(罰鍰)と給付の追回を中心に構成し、詐取に至れば刑法の詐欺罪で処理する。日本のように調査への不答弁それ自体を自由刑で罰する規定は前面に出ていない
韓国も虚偽申告と調査拒否・妨害を処罰対象とするが、罰金刑を中心に据える構成が目立つ。国民年金公団の調査権に対する非協力を制裁する構造は日本と近い
ドイツは社会保険上の届出・報告義務違反を原則として過料(Ordnungswidrigkeit)で処理し、自由刑は詐欺罪(StGB § 263)の領域に委ねる。制裁の階層が日本より明確に分かれている
米国は社会保障番号の不正使用や虚偽陳述を連邦重罪として構成し、法定刑が日本より格段に重い。一方で調査への不答弁それ自体を独立の犯罪とする構造は取っていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- フリーランス3年目、売上が落ちた年に保険料の全額免除を申請した。所得欄は「だいたいこのくらい」で丸めて記入。数か月後、日本年金機構から資産と収入の状況に関する書類の提出命令が届く。市町村が持っている課税情報と申請書の数字が合っていない。ここで訂正して謝るか、それとも辻褄を合わせた書類を作るかで、行き先は免除取消どまりか112条3号かに分岐する
- 大学生の子の学生納付特例を、親が世帯主として代わりに申請した。子の家庭教師収入を書かなかった。12条2項による世帯主の代理届出だから、虚偽の届出をした者として112条2号で問われるのは子ではなく親自身である。善意の代行が、代行者の前科リスクになる
- 引っ越したが住民票は実家に置いたまま。年金の住所も実家のまま。届出義務だけが宙に浮いた状態が続いている
- もし、職員の質問に「弁護士に相談してから答えます」と言ったら、それは答弁拒否になるのか。条文は「答弁せず」を罰すると書いているが、即答義務までは書いていない。この隙間をどう読むかで、その場の判断が変わる
- 提出命令の書面に「◯月◯日まで」と期限が書かれている。残り10日。この期間内に、市町村の課税証明を取り寄せて申請内容と突き合わせ、ずれがあれば訂正届を添えて出せるかどうかが分水嶺になる
取るべき行動
被害を受けた側:世帯主や家族に、あなたに無断で虚偽の届出をされた場合。1. まず年金事務所で自分の被保険者記録と届出履歴を開示請求し、誰が何をいつ届け出たかを特定する2. 事実と異なる部分を訂正届で是正、この時点で自分が届出者でないことを書面で明確にしておく3. 12条2項の代理届出で虚偽をした者は届出者自身が112条2号の対象になるため、あなたが処罰される立場にはない。ただし記録上の不利益は自分で直す必要がある
訴えられた側:1. 提出命令や質問を受けた段階なら、まだ「虚偽」の要件は完成していない。ここで正確な資料を出すのが最も安い解決である2. すでに事実と異なる届出をしていた場合、自主的な訂正届と経緯の説明書を出す。故意の有無が争点になるため、記憶違いや記載ミスの経緯は時系列で残す3. 刑事事件化の兆候があれば、その場での即答を避け弁護士に相談する。行政調査の答弁義務と自己負罪拒否の関係は解釈が分かれており、この判断は素人がその場でできる種類のものではない
時効(請求できる期限):本条の法定刑は長期5年未満の拘禁刑または罰金であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時、すなわち虚偽の届出をした時、提出期限を徒過した時、答弁を拒んだ時である。なお免除の取消と保険料の遡及請求は刑事時効とは別軌道で動く(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:112条の「虚偽の届出」は故意犯であり、事実と異なることを認識しながら届け出た場合に限り構成要件を満たす。記載ミスや記憶違いは対象外だが、誤りを認識した後の放置は故意の推認材料となり得ると解されている
有力説(自己負罪拒否特権との緊張を重視する立場):106条の質問検査が既に不正受給の嫌疑を前提として行われる段階では、答弁義務と刑罰の接続が実質的に刑事責任追及へ直結し得るとして、憲法38条1項の保障が及ぶ余地を認めるべきだとする議論がある
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役と禁錮の拘禁刑への統合に伴い、本条の法定刑が「六月以下の懲役」から「六月以下の拘禁刑」に改められた。既存条文の文言改正であり、罰則の重さ自体は変わっていない
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法の制定に伴い、届出義務違反および調査非協力に対する罰則として設けられた。国民皆年金体制における自己申告制度の実効性を担保する位置づけ
- 2.平成19年(2007年) 改正:日本年金機構法の制定に伴う関係法律の整備により、機構職員による質問等を対象に含める読替規定(109条の8)との接続が整えられた
- 3.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)6月1日施行 改正:刑法改正による懲役と禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、法定刑が「六月以下の懲役」から「六月以下の拘禁刑」に改められた。罰則の重さ自体は変わっていない
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