国民年金法 第125条の3(理事の禁止行為等)
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- 理事は、自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもつて、積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。
- 2.基金は、前項の規定に違反した理事を、規約の定めるところにより、代議員会の議決を経て、交代させることができる。
この条文の基本情報
理事の禁止行為等とは何ですか?
定義理事の禁止行為等とは、国民年金法第125条の3に定められた規定で、「理事は、自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもつて、積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第125条の3(理事の禁止行為等)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第125条の3の条文原文は「理事は、自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもつて、積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。」で始まります。
- 国民年金法第125条の3は第三款に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第125条の3の前の条は国民年金法第125条の2です。
- 国民年金法第125条の3の次の条は国民年金法第125条の4です。
- 国民年金法第125条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第125条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第125条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/125_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法125条の3は、国民年金基金の理事が自己または第三者の利益を図る目的で積立金の運用の適正を害する省令所定の行為をすることを禁じ、違反者は代議員会の議決で交代させられる。
Q · 国民年金基金の理事は、積立金の運用で何をしたら違反になるんですか?
自己や第三者の利益を図る目的の省令所定の行為が違反です
国民年金法125条の3第1項は、国民年金基金の理事が、自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理及び運用の適正を害する行為として厚生労働省令が定めるものをすることを禁じます。禁止行為の具体的な中身は条文になく、省令の側に置かれています。2項は違反した理事について、規約の定めるところにより代議員会の議決を経て交代させることが「できる」と定めるにとどまり、交代は義務ではありません。積立金に生じた損害の回復は、理事個人への損害賠償として別に立てる必要があります。
解説
国民年金基金に毎月掛金を払っている人のうち、自分の老後資金を実際に誰が動かしているかを確かめた人はほとんどいない。答えは基金の理事である。125条の3第1項は、理事が自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理運用の適正を害する行為をすることを禁じる。ここで気付いてほしいのは、何が禁止行為かを条文自身は一つも書いていない点だ。中身は丸ごと厚生労働省令(厚生労働大臣が定める細則ルール)に委ねられている。条文だけを読んでも、違反かどうかは判定できない。さらに効くのが第2項である。違反した理事を「交代させることができる」。「しなければならない」ではない。判断するのは基金の代議員会(加入員側から選ばれた代表が議決する内部の会議体)だ。あなたの老後資金を守る最後の門番は、行政でも裁判所でもなく、基金の内部自治の側に置かれている。
法的な位置づけ
国民年金法125条の3は、国民年金基金の理事に対する行為規制を定める規定である。1項は、自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理及び運用の適正を害する行為として厚生労働省令が定めるものを禁止する。2項は、違反した理事について、規約の定めに従い代議員会の議決を経て交代させる途を基金に認める。
手順
- 1.事業報告書と運用状況の資料を取り寄せる 加入している基金へ事業報告書、決算関係書類、運用状況の資料を請求し、運用委託先と取引の相手方を一覧化する。理事の関係先が混じっていないかを名寄せの目で読む
- 2.疑問点を書面で照会し記録化する 抽象的な忠実義務ではなく、国民年金法125条の3第1項と厚生労働省令の禁止行為を条項単位で名指しして照会する。送付日と回答日、回答書面の原本を必ず保存する
- 3.監事へ申し出る 理事の職務執行を監査する監事に対し、収集した資料と照会結果を添えて申し出る。代議員会に持ち込む前の段階で、基金内部に事実確認の記録を残すことが目的
- 4.招集通知が届いたら代議員へ書面で議題化を求める 代議員会の議案は理事側で組まれるのが通例のため、外から動かせるのは議決権を持つ代議員経由の一本道になる。決議が終わってからでは次の招集まで手段が消える
- 5.実損があれば損害賠償を別枠で立てる 本条2項の交代は損害を回復する規定ではない。積立金に実損が出ている場合は、基金と理事の委任関係を前提に民法644条の善管注意義務違反または709条による賠償請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金基金の代議員会とは?
加入員から選ばれた代議員が議決する基金の内部機関です。125条の3第2項の理事の交代も、規約の定めに従いこの代議員会の議決を経て行われます。
Q2国民年金基金の理事は誰が選ぶ?
役員の選任は法と各基金の規約に従い、代議員会での選挙によるのが基本です。実際の手続や任期は基金ごとに異なるため、加入している基金の規約を確認してください。
Q3国民年金基金の監事は何をする?
理事の職務執行と基金の業務・財産状況を監査する役員です。125条の3の禁止行為に疑いがあるとき、代議員会に持ち込む前段として監事へ申し出る道があります。
Q4国民年金基金の運用状況はどこで確認できる?
基金が加入員へ交付・公表する事業報告書や運用状況の資料で確認します。記載が不十分なら書面で照会し、送付日と回答日を記録に残すと後の交渉材料になります。
Q5国民年金基金の理事に忠実義務はある?
あります。国民年金法125条の2が理事の忠実義務を定め、125条の3はその具体化として省令所定の禁止行為を置く二段構えです。争点は両者で別に立ちます。
Q6理事の「交代」と「解任」は違う?
本条が用意しているのは規約と代議員会の議決による交代です。行政処分としての解任とは根拠も手続も別枠であり、本条だけを読んで解任があると理解することはできません。
Q7国民年金基金と iDeCo は運用の仕組みが違う?
違います。iDeCo は加入者本人が運用商品を選びますが、国民年金基金では積立金の管理運用を理事が指図します。125条の3が理事を名宛人にする理由もここにあります。
Q8理事が違反したら刑事罰はある?
本条自体は罰則を定めておらず、効果は代議員会の議決による交代にとどまります。悪質な事案で刑事責任や損害賠償責任が問題になるかは、本条とは別の枠組みで判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国民年金基金って、国が運用してくれてるんじゃないんですか?
運用しているのは各基金という独立の法人で、指図するのは理事です。125条の3が理事個人の禁止行為をわざわざ定めているのは、運用の実権が理事の側にあるからです。国の役割は認可と監督にとどまります。実務のポイント:加入員は利回りの数字だけを見がちだが、運用委託先の顔ぶれまで確認する人はほとんどいない。基金に照会すれば運用の概況が示されることは多く、聞く人と聞かない人の情報差は毎年開いていく
Q2理事が違反したら、必ずクビになるんですか?
なりません。2項は「交代させることができる」と書いており、義務ではありません。判断するのも規約に基づく代議員会の議決です。内部の多数決が動かなければ、違反があっても理事はその座に残り得ます。実務のポイント:代議員会の議案は理事側で組むのが通例なので、外から議題に載せられるのは議決権を持つ代議員だけ。加入員が動かすなら代議員経由という一本道になる
Q3禁止行為って具体的に何ですか。条文を読んでも書いてないんですけど
書いていないのが正しい読み方です。1項は「厚生労働省令で定める行為」とだけ定め、列挙は国民年金基金規則の側に置かれています。自己または第三者の利益を図る目的という主観要件と、省令の列挙が揃って初めて違反になります。実務のポイント:この二段構えは企業年金でも同じ設計で、争いになると力点はほぼ全て「目的」の立証へ移る。取引条件が市場水準と比べてどうだったかを示す資料が、そこで決定打になる
Q4積立金に穴が空いたら、その理事から取り返せますか?
本条は交代の根拠にはなりますが、損害を回復する規定ではありません。回復は理事個人への損害賠償として別に立てる必要があります(基金と理事の関係は委任なので民法644条の善管注意義務違反、または709条)。実務のポイント:訴えるかどうかを決めるのは交代後の新しい執行部である。前任者を提訴する判断は内部で嫌われやすく、ここで話が止まりやすい構造がある
間違えやすい点 AI による整理
- 国民年金基金は国が直接運用していると思われがちだが、運用の主体は各基金という独立した法人であり、日々の判断を下すのは理事である。国が担うのは認可と監督であって、運用の指図ではない。本条がわざわざ理事個人を名宛人にしているのは、実権がそこにあるからにほかならない
- 理事に忠実義務があることまでは知られている。だがその違反に対して本条が用意した効果が「交代させることができる」という任意の内部措置にとどまることまでは、ほとんど知られていない。違反が認められても交代は自動では起きず、積立金の穴埋めも自動では起きない。深刻なのは禁止していることではなく、禁止の後始末が内部の多数決に委ねられている点である
- 「どんな行為が禁止なのか条文を読めば分かる」という前提そのものが誤っている。1項は「厚生労働省令で定める行為」としか書いておらず、列挙は省令の側にある。争うつもりなら、法律の条文で止まらず省令まで降りなければ、そもそも土俵に立てない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の性質 | 125条の3:省令で列挙された具体的禁止行為 | 125条の2:理事の忠実義務という一般規定 民法644条:委任における善管注意義務の一般法 |
| 発動の入口 | 自己または第三者の利益を図る目的+省令所定の行為 | 基金のために忠実に職務を行ったかの評価 受任者として通常要求される注意を尽くしたか |
| 効果 | 代議員会の議決による交代(任意・内部措置) | 義務違反の評価軸を提供、効果は他条・一般法に接続 債務不履行に基づく損害賠償 |
| 損害の回復 | 本条には回復規定なし、別枠で請求が必要 | 同じく回復規定なし 回復の直接の根拠になり得る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は年金基金理事の禁止行為を単一条文で列挙せず、信託法上の善管注意義務と利益衝突禁止、および労働基金の運用監理の枠組みで規律する
韓国も退職給付の受託機関に忠実義務と禁止行為を課す構造をとる。具体的列挙は下位法令に委ねられる点で日本と発想が近い
ドイツは職域年金の担い手を監督法上の事業体として捉え、業務組織要件と役員の適合性審査を監督当局が直接に担う。内部議決に委ねる日本型とは重心が異なる
米国は忠実義務と禁止取引を法律本体に置き、受託者個人の賠償責任と労働省・受益者による訴訟で実効性を確保する。回復手段が法律本体に組み込まれている点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが加入している基金の理事が、旧知の人物が関与する運用先へ積立金を回していたとしたら? 損失が表面化しても、本条が用意しているのは代議員会での交代決議だけである。減った積立金を取り戻す作業は、理事個人への損害賠償として別の土俵で立てるしかない
- あなたが職能型基金の理事に就任した。長い付き合いの金融機関の担当者から「今期だけ少し付き合ってもらえませんか」と持ちかけられる。断りにくい相手だ。だがその一本の電話に応じた瞬間、あなたは省令の禁止行為リストに触れる側へ立場が入れ替わる
- 代議員会の招集通知が届いた。議題に理事一名の交代がある。理由欄が一行しかないとき、読むべきはその一行の裏にある省令違反の中身だ。
- 代議員会まであと10日。運用委託先の選定に不透明な点があると気付いた加入員のあなたは、議決権を持つ代議員へ書面で情報を届けなければならない。会議が閉じてしまえば、次の招集まで実質的に打つ手がなくなる
- 自営業の友人が「国民年金基金は国がやってるから安心でしょ」と言ってくる。運用主体は基金という別法人であり、適正を担保しているのは理事の忠実義務と省令の禁止行為リストだ、と三分で説明できるか
取るべき行動
被害を受けた側:1. 基金の事業報告書と運用状況の資料を取り寄せ、運用委託先と取引の相手方を確認する2. 疑問点は書面で照会し、送付日と回答日を記録に残す3. 監事(理事の職務執行を監査する立場の役員)に申し出る4. 代議員会の招集通知が届いたら、議決権を持つ代議員へ書面で問題提起し、議題化を求める5. 積立金に実損が出ている場合は、交代とは別枠で理事個人への損害賠償を検討する(民法644条、709条)
訴えられた側:1. まず厚生労働省令の禁止行為を条項単位で確認する。抽象的な忠実義務違反(125条の2)と、本条1項の具体的な禁止行為違反は争点が別である2. 「自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的」という主観要件が入口なので、目的の不存在を示す稟議書・比較検討資料・議事録を時系列で揃える3. 代議員会の交代決議は規約の定めに従う手続なので、招集・定足数・議決要件の履践を確認する4. 交代を受け入れても損害賠償責任は消えない。二つを切り離して防御を組む
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。理事の交代は規約の定める代議員会の議決手続に従うため、実際の期限は各基金の規約次第となる。理事個人に対する損害賠償請求権については、特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
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