要点国民年金法125条の3は、国民年金基金の理事が自己または第三者の利益を図る目的で積立金の運用の適正を害する省令所定の行為をすることを禁じ、違反者は代議員会の議決で交代させられる。
Q · 国民年金基金の理事は、積立金の運用で何をしたら違反になるんですか?
自己や第三者の利益を図る目的の省令所定の行為が違反です
国民年金法125条の3第1項は、国民年金基金の理事が、自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理及び運用の適正を害する行為として厚生労働省令が定めるものをすることを禁じます。禁止行為の具体的な中身は条文になく、省令の側に置かれています。2項は違反した理事について、規約の定めるところにより代議員会の議決を経て交代させることが「できる」と定めるにとどまり、交代は義務ではありません。積立金に生じた損害の回復は、理事個人への損害賠償として別に立てる必要があります。
国民年金基金に毎月掛金を払っている人のうち、自分の老後資金を実際に誰が動かしているかを確かめた人はほとんどいない。答えは基金の理事である。125条の3第1項は、理事が自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理運用の適正を害する行為をすることを禁じる。ここで気付いてほしいのは、何が禁止行為かを条文自身は一つも書いていない点だ。中身は丸ごと厚生労働省令(厚生労働大臣が定める細則ルール)に委ねられている。条文だけを読んでも、違反かどうかは判定できない。さらに効くのが第2項である。違反した理事を「交代させることができる」。「しなければならない」ではない。判断するのは基金の代議員会(加入員側から選ばれた代表が議決する内部の会議体)だ。あなたの老後資金を守る最後の門番は、行政でも裁判所でもなく、基金の内部自治の側に置かれている。
国民年金法125条の3は、国民年金基金の理事に対する行為規制を定める規定である。1項は、自己または当該基金以外の第三者の利益を図る目的で、積立金の管理及び運用の適正を害する行為として厚生労働省令が定めるものを禁止する。2項は、違反した理事について、規約の定めに従い代議員会の議決を経て交代させる途を基金に認める。
加入員から選ばれた代議員が議決する基金の内部機関です。125条の3第2項の理事の交代も、規約の定めに従いこの代議員会の議決を経て行われます。
役員の選任は法と各基金の規約に従い、代議員会での選挙によるのが基本です。実際の手続や任期は基金ごとに異なるため、加入している基金の規約を確認してください。
理事の職務執行と基金の業務・財産状況を監査する役員です。125条の3の禁止行為に疑いがあるとき、代議員会に持ち込む前段として監事へ申し出る道があります。
基金が加入員へ交付・公表する事業報告書や運用状況の資料で確認します。記載が不十分なら書面で照会し、送付日と回答日を記録に残すと後の交渉材料になります。
あります。国民年金法125条の2が理事の忠実義務を定め、125条の3はその具体化として省令所定の禁止行為を置く二段構えです。争点は両者で別に立ちます。
本条が用意しているのは規約と代議員会の議決による交代です。行政処分としての解任とは根拠も手続も別枠であり、本条だけを読んで解任があると理解することはできません。
違います。iDeCo は加入者本人が運用商品を選びますが、国民年金基金では積立金の管理運用を理事が指図します。125条の3が理事を名宛人にする理由もここにあります。
本条自体は罰則を定めておらず、効果は代議員会の議決による交代にとどまります。悪質な事案で刑事責任や損害賠償責任が問題になるかは、本条とは別の枠組みで判断されます。
運用しているのは各基金という独立の法人で、指図するのは理事です。125条の3が理事個人の禁止行為をわざわざ定めているのは、運用の実権が理事の側にあるからです。国の役割は認可と監督にとどまります。業界裏話ヒント:加入員は利回りの数字だけを見がちだが、運用委託先の顔ぶれまで確認する人はほとんどいない。基金に照会すれば運用の概況が示されることは多く、聞く人と聞かない人の情報差は毎年開いていく
なりません。2項は「交代させることができる」と書いており、義務ではありません。判断するのも規約に基づく代議員会の議決です。内部の多数決が動かなければ、違反があっても理事はその座に残り得ます。業界裏話ヒント:代議員会の議案は理事側で組むのが通例なので、外から議題に載せられるのは議決権を持つ代議員だけ。加入員が動かすなら代議員経由という一本道になる
書いていないのが正しい読み方です。1項は「厚生労働省令で定める行為」とだけ定め、列挙は国民年金基金規則の側に置かれています。自己または第三者の利益を図る目的という主観要件と、省令の列挙が揃って初めて違反になります。業界裏話ヒント:この二段構えは企業年金でも同じ設計で、争いになると力点はほぼ全て「目的」の立証へ移る。取引条件が市場水準と比べてどうだったかを示す資料が、そこで決定打になる
本条は交代の根拠にはなりますが、損害を回復する規定ではありません。回復は理事個人への損害賠償として別に立てる必要があります(基金と理事の関係は委任なので民法644条の善管注意義務違反、または709条)。業界裏話ヒント:訴えるかどうかを決めるのは交代後の新しい執行部である。前任者を提訴する判断は内部で嫌われやすく、ここで話が止まりやすい構造がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の性質 | 125条の3:省令で列挙された具体的禁止行為 | — |
| 発動の入口 | 自己または第三者の利益を図る目的+省令所定の行為 | — |
| 効果 | 代議員会の議決による交代(任意・内部措置) | — |
| 損害の回復 | 本条には回復規定なし、別枠で請求が必要 | — |
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