故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくはその原因となつた事故を生じさせ、又は障害の程度を増進させた者の当該障害については、これを支給事由とする給付は、その全部又は一部を行わないことができる。自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、死亡又はその原因となつた事故を生じさせた者の死亡についても、同様とする。
要点国民年金法 70 条は、故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示違反で障害や死亡を招いた者への給付の全部又は一部を行わないことができると定める裁量規定である。
Q · 国民年金法 70 条で年金を止められたら、もう覆せないんですか?
止められることはあるが、義務ではなく裁量なので争える
覆せる余地があります。国民年金法 70 条は「その全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定であり、故意による絶対的不支給を定める 69 条とは構造が違います。制限の可否と範囲は行政の判断であるため、判断が重すぎる、あるいは要件を満たしていないという主張は、社会保険審査官への審査請求(同法 101 条)で争えます。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内です。とくに療養指示違反の類型では、経済的事情や症状そのものによる受診困難が「正当な理由」に当たり得ます。
無免許で原付を飛ばして電柱に激突し、下半身に麻痺が残った。障害基礎年金を請求すると、日本年金機構から「支給しない」という通知が届くことがある。その根拠がこの 70 条だ。ここで押さえるべきは語尾である。「行わないことができる」、つまり不支給は義務ではなく行政の裁量にすぎない。同法 69 条の「故意に障害を生じさせた者には支給しない」が問答無用の遮断であるのに対し、70 条は全部止めることも、一部だけ止めることも、止めないことも選べる余地を残している。裁量である以上、その選び方は審査請求で争える。医師の指示に従わなかったとされた場合も、「正当な理由」(費用が払えない、指示内容の説明を受けていない、副作用が耐え難い)を立証できれば要件そのものが崩れる。年金が止まる理由は、あなたが思っているより脆い足場の上に立っている。
国民年金法 70 条は、給付制限のうち裁量的制限を定める規定である。故意の犯罪行為、重大な過失、または正当な理由のない療養指示違反によって障害・死亡またはその原因となる事故を生じさせ、あるいは障害の程度を増進させた者について、それを支給事由とする給付の全部又は一部を行わないことができるとする。効果は義務的遮断ではなく行政裁量である。
故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示違反で障害や死亡を招いた者への給付を、全部または一部行わないことができると定める裁量的給付制限の規定です。
保険料納付要件や障害等級を満たさない場合のほか、70 条の給付制限が使われる場合があります。決定通知書の理由欄でどの類型が根拠になったかを必ず特定してください。
もらえる可能性はあります。70 条は裁量規定で、全部制限・一部制限・制限なしのいずれも選べます。無免許という事実だけで自動的にゼロになるわけではありません。
社会保険審査官へ審査請求します。期限は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内。決定後の取消訴訟は 6 か月以内が原則です。
わずかな注意で結果を回避できたのに漫然と見過ごした、著しく注意を欠いた状態を指します。通常の不注意(軽過失)は 70 条の対象になりません。
本人が自己の故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示違反で死亡またはその原因となる事故を生じさせた場合です。この場合も全部・一部の裁量制限にとどまります。
69 条は故意に障害を生じさせた場合の絶対的不支給、70 条は犯罪行為・重過失・療養指示違反に対する裁量的制限です。70 条は一部制限という選択肢が残ります。
あります。条文が「全部又は一部」と定めているため、全部不支給は重すぎるとして一部制限への引き下げを求める主張が成り立ちます。
出る。70 条後段が止めるのは、故意の犯罪行為・重大な過失・療養指示違反による死亡であって、自殺そのものは日本では犯罪ではないため類型に当たらない。遺族基礎年金(37 条)の要件を満たせば支給される。業界裏話ヒント:民間生命保険の自殺免責で断られた遺族が、公的年金も同じだと思い込み、請求しないまま 5 年の時効(102 条)を越える例がある。保険会社の回答と年金の可否は完全に別物である
絶対ではない。70 条は「全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定であり、故意による絶対的不支給を定める 69 条とは構造が違う。飲酒の程度、事故態様、障害の重さで結論は動く。業界裏話ヒント:決定通知の理由欄には認定の根拠事実が書かれる。そこに書かれていない事情は、審査されていない事情である。審査請求で最初に突くのはその空白部分だ
中断の事実だけでは足りない。70 条の要件は「正当な理由がなくて」指示に従わないことであり、経済的に通院できなかった、症状自体が受診を妨げた、副作用が耐え難かったといった事情があれば要件は満たされない。業界裏話ヒント:正当な理由は本人の陳述だけでは弱い。中断期間の家計状況の記録と、再開後に主治医が中断の経緯をカルテに書いているかが、実際の分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の性質 | 70 条:裁量的制限(全部又は一部を行わないことが「できる」) | — |
| 対象となる行為 | 故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示違反 | — |
| 結果の幅 | 全部不支給・一部制限・制限なしのいずれも選択可能 | — |
| 争い方 | 要件不充足の主張+裁量権の逸脱・濫用の主張(審査請求 101 条) | — |
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