故意に障害又はその直接の原因となつた事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は、支給しない。
要点国民年金法 69 条は、故意に障害やその原因事故を生じさせた者には、その障害を支給事由とする障害基礎年金を支給しないと定める。ただし精神疾患による自殺企図は故意に当たらない。
Q · 自殺未遂で重い障害が残った場合、障害基礎年金はもらえないのですか?
一律不支給ではなく、精神疾患下の自殺企図は故意に当たりません
国民年金法 69 条は、故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者について、当該障害を支給事由とする障害基礎年金を支給しないと定めます。ただしここでの「故意」は自由な意思決定のもとで自らの障害を意図した場合を指し、うつ病等の症状として自殺企図に至った場合は故意に当たらないという扱いが定着しています。制限が及ぶのは当該障害の障害基礎年金だけで、老齢基礎年金や別の傷病による障害基礎年金は影響を受けません。重大な過失や故意の犯罪行為は同法 70 条の裁量的制限の領域です。
うつ病の果てに自ら命を絶とうとして、一命は取り留めたが重い後遺障害が残った。この人に障害基礎年金は出るのか。条文だけを読めば「故意に障害を生じさせた者」に見え、69 条で門前払いされそうに思える。ところが実務の答えは逆に近い。精神疾患の症状として自殺企図に至った場合、自由な意思決定ができる状態ではなかったとして 69 条の「故意」には当たらないと扱うのが定着した運用である。ここであなたが握るべき事実は三つ。第一に、69 条が消すのは「その障害を支給事由とする障害基礎年金」だけで、老齢基礎年金も遺族基礎年金も、別の傷病による障害も無傷であること。第二に、故意があったことを立証する側は請求者ではなく保険者であること。第三に、故意と認められない重過失や犯罪行為は 70 条の領域に落ち、そちらは「全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定で、ゼロか満額かの世界ではないこと。
国民年金法 69 条は障害基礎年金の給付制限を定める規定であり、故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者について、当該障害を支給事由とする障害基礎年金を支給しない旨を規定する。制限の効果は当該障害に係る年金に限定され、他の給付には及ばない。重大な過失又は故意の犯罪行為による場合は、裁量的制限を定める同法 70 条の適用範囲に属する。
支給要件を満たしていても、一定の事情があるときに年金を支給しない仕組みです。国民年金法 69 条(故意)と 70 条(故意の犯罪行為・重大な過失・療養指示不遵守)が中心で、69 条は全部不支給、70 条は裁量による全部または一部の不支給です。
自らの障害、またはその直接の原因となった事故を故意に生じさせた場合に限られます。自由な意思決定のもとで障害という結果を意図したことが前提で、精神疾患の症状として判断能力を失っていた場合は適用されません。
社会保険審査官への審査請求は処分を知った日の翌日から 3 か月以内、社会保険審査会への再審査請求は決定書謄本の送付日の翌日から 2 か月以内です。期限を過ぎると処分が確定し、争う道がほぼ閉じます。
国民年金法 30 条の 4 により、20 歳前傷病による障害基礎年金は保険料納付要件を問いません。所得制限はありますが、納付要件で落ちる心配がない別ルートとして、69 条の議論とは独立に検討する価値があります。
年金を受ける権利は、支給すべき事由が生じた日から 5 年で時効消滅します(国民年金法 102 条)。遡及請求できる範囲が 5 年に限られるため、認定日請求を考えるなら早く動くほど受け取れる額が増えます。
なりません。69 条が止めるのは当該障害を支給事由とする障害基礎年金だけです。老齢基礎年金の受給権、遺族基礎年金、別の傷病を原因とする障害基礎年金は影響を受けず、制度から追放されるわけではありません。
あります。厚生年金保険法 73 条が故意による障害についての支給制限を定めており、国民年金法 69 条と同旨の構造です。2階部分も同時に判断されるため、争点は共通になることが多いです。
受け取れる場合があります。労災の給付制限(労働者災害補償保険法 12 条の 2 の 2)と国民年金法 69 条の認定は別々に行われるため、片方で制限されてももう片方が残ることがあります。まず年金側の請求書を提出して書面の決定を得ることが出発点です。
一律に不支給ではない。69 条の故意は自由な意思決定のもとで障害を生じさせた場合を指し、うつ病等の症状としての自殺企図は故意に当たらないという扱いが定着している。争点は初診日と保険料納付要件(30 条)に移ることが多い。業界裏話ヒント:窓口で「対象外です」と言われても、それは職員の説明であって処分ではない。請求書を出して書面の不支給決定を取らない限り、審査請求という土俵にすら上がれない
別枠である。69 条は自分の障害そのものを意図した場合の規定で、無謀運転や飲酒運転は 70 条の「重大な過失」または「故意の犯罪行為」に整理される。70 条は「全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定なので、ゼロか満額かの二択ではない。業界裏話ヒント:不支給や減額の通知が届いたら、理由欄がどちらの条文を引いているかを最初に見る。70 条なら、減額の幅そのものを争える余地が残っている
支給しないという不利益な決定を下す保険者の側である。69 条は支給要件ではなく支給制限であり、請求者が「故意でなかったこと」を積極的に証明する構造にはなっていない。業界裏話ヒント:理由が「〜と認められる」の一行だけで根拠資料の特定がない決定は珍しくない。審査請求の前に保有個人情報の開示請求で認定の元資料を取り、その一行が何に依拠しているのかを先に潰す
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の対象となる行為 | 69 条:自らの障害又はその直接の原因となった事故を故意に生じさせた場合 | — |
| 効果の性質 | 69 条:当該障害の障害基礎年金を支給しない(羈束的、ゼロか満額か) | — |
| 影響が及ぶ給付の範囲 | 69 条:当該障害を支給事由とする障害基礎年金のみ。老齢・遺族・別傷病の障害年金は無傷 | — |
| 実務上の主要争点 | 69 条:精神疾患下の自殺企図が「故意」に当たるか、立証責任の所在 | — |
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