国民年金法 第37条(支給要件)
クイックジャンプ
- 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
- 一被保険者が、死亡したとき。
- 二被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であるものが、死亡したとき。
- 三保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者が、死亡したとき。
この条文の基本情報
支給要件とは何ですか?
定義支給要件とは、国民年金法第37条に定められた規定で、「遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第37条(支給要件)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第37条の条文原文は「遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつ…」で始まります。
- 国民年金法第37条は第四節 遺族基礎年金に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第37条の前の条は国民年金法第36条の4です。
- 国民年金法第37条の次の条は国民年金法第37条の2です。
- 国民年金法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法37条は、被保険者等の死亡時に配偶者又は子へ遺族基礎年金を支給する規定。死亡日の前日時点で納付済+免除期間が被保険者期間の3分の2未満なら支給されない。
Q · 夫が亡くなったら、遺族基礎年金は誰でももらえるんですか?
子がいない配偶者には出ません。納付要件は死亡日の前日で判定されます
国民年金法37条により、遺族基礎年金は被保険者等が死亡した場合に「配偶者又は子」へ支給されます。ただし配偶者への支給は子と生計を同じくすることが条件です(37条の2)。さらに同条ただし書は、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2に満たない場合を支給対象から除きます。死亡後の追納は判定に反映されず、免除期間は未納と異なり分子に算入されます。対象外でも寡婦年金(49条)、死亡一時金(52条の2)、遺族厚生年金という別ルートがあります。
解説
配偶者が亡くなった後に未納分をまとめて納める。それでは一円も動かない。国民年金法37条ただし書は、納付要件を「死亡日の前日において」判定すると書いている。死んだ後の追納は、遺族年金の世界では存在しなかったことになる。判定されるのは、死亡月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上あるかどうか。ここで効いてくるのが免除だ。免除は「払っていない」側ではなく「払ったのと同じ扱い」の側に立つ。収入が苦しいとき、放置して未納にするか、役所に免除申請を出すか。その紙一枚が、残された家族が遺族基礎年金を受け取れるかどうかを分ける。そしてもう一つ。この年金は「子のある配偶者」か「子」にしか出ない。子がいなければ、40年完納していても支給額はゼロである。
法的な位置づけ
国民年金法37条は遺族基礎年金の支給要件を定める規定であり、被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合に、その配偶者又は子に年金を支給する旨を規定する。ただし書は保険料納付要件を定め、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間の合算が3分の2に満たない場合を支給対象から除く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.故人の年金記録を取り寄せて納付割合を出す 年金事務所または市区町村窓口で、死亡月の前々月までの被保険者期間、保険料納付済期間、保険料免除期間を確認する。納付済+免除が被保険者期間の3分の2以上かを自分の目で確かめる
- 2.3分の2に届かない場合は直近1年の特例を確認する 死亡月の前々月までの1年間に未納がなければ、特例により納付要件を満たす取扱いがある。適用期限は延長が重ねられているため、必ず窓口で現行の適用可否を確認する
- 3.子の要件を戸籍と住民票で確定させる 18歳到達年度末までの子、または障害等級1級・2級で20歳未満の子がいるか、その子と配偶者が生計を同じくしているかを確認する。別居中でも送金記録があれば生計同一を主張できる余地がある
- 4.年金請求書を提出、対象外なら同じ窓口で別給付を聞く 要件を満たすなら年金請求書を提出する。対象外と判明したら、その場で寡婦年金(49条)、死亡一時金(52条の2)、遺族厚生年金の可否を必ず質問する。聞かなければ提示されないことがある
よくある質問 AI による整理
Q1遺族基礎年金とは何ですか?
国民年金の被保険者等が死亡したときに、その配偶者又は子へ支給される1階部分の遺族給付です。根拠は国民年金法37条で、対象は子のある配偶者又は子に限られます。
Q2遺族基礎年金はいくらもらえますか?
定額の基本額に子の加算を上乗せする仕組みで(39条)、金額は毎年度改定されます。具体的な額は日本年金機構が公表する当該年度の支給額でご確認ください。
Q3遺族基礎年金の請求方法は?
原則として住所地の市区町村の国民年金窓口、又は年金事務所へ年金請求書を提出します。死亡の事実と、子との生計同一関係を示す書類の添付が必要です。
Q4遺族基礎年金の必要書類は何ですか?
戸籍謄本、世帯全員の住民票、死亡診断書の写し、請求者の収入を確認する書類、受取口座の情報などが基本です。事案により追加書類を求められることがあります。
Q5遺族基礎年金はいつまでもらえますか?
子が18歳到達年度の末日、障害等級1級・2級の子なら20歳に達するまでが原則です。その時点で配偶者側の受給権も失われます。
Q6再婚したら遺族基礎年金はどうなりますか?
配偶者が再婚すると受給権は消滅します。事実上婚姻関係と同様の事情に入った場合も同じ扱いです。届出を怠ると過払分の返還を求められます。
Q7遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いは?
遺族基礎年金は国民年金の1階部分で、子のある世帯に限られます。遺族厚生年金は厚生年金加入者が対象で(厚生年金保険法58条)、子がいなくても支給され得ます。
Q8納付要件の「直近1年の特例」とは?
死亡日の前日において、死亡月の前々月までの1年間に未納がなければ3分の2要件を満たさなくても支給される特例です。適用期限は延長が重ねられており、最新の状況確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫が危ないと言われてから、未納分をまとめて払えば間に合いますか?
納付が死亡日の前日までに完了していれば判定に入りますが、死亡当日や死亡後の納付、後からの追納は反映されません。37条ただし書が判定時点を「死亡日の前日において」と定め、対象を死亡月の前々月までの期間に区切っているためです。実務のポイント:同じ理屈で、死亡日の前日までに免除申請が受理されていればその期間は分子に入る。納付が難しい状態なら、納めるより先に免除申請を通す方が確実です
Q2子どもがいない場合、本当に一円も出ないんですか?
遺族基礎年金は出ません。配偶者への支給には子と生計を同じくすることが必要だからです(37条の2)。ただし別枠があります。第1号被保険者の夫が死亡した場合の寡婦年金(49条)、死亡一時金(52条の2)、厚生年金加入者なら遺族厚生年金です。実務のポイント:寡婦年金と死亡一時金は選択制で両取りできない。金額を試算してから選ぶ人と、窓口で勧められた方に丸をつける人とで、生涯の受取総額が数十万円変わります
Q3未納が何か月あったらアウトなんですか?
月数では決まりません。死亡月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上あるかという割合判定です(37条ただし書)。加入20年なら未納が6年8か月を超えるとアウト、加入2年なら8か月でアウトになります。実務のポイント:分母が小さい若年層ほど一発で落ちる。20代のうちの数か月の未納が、実は人生で最も危険な未納です
Q4第3号の「25年」って、老齢基礎年金が10年でもらえるようになったのに、まだ25年なんですか?
はい。老齢基礎年金の受給資格期間は10年に短縮されましたが、37条3号のルートは納付済期間と免除期間の合計25年以上のままです。10年納めて老齢基礎年金を受けている人が死亡しても、それだけでは3号には該当しません。実務のポイント:「年金は10年で権利がつく」という広報だけを聞いて安心している自営業世帯が多い。老後の自分の年金と、家族に残る遺族年金は、別のハードルで動いています
間違えやすい点 AI による整理
- 配偶者が死ねば残された配偶者に年金が出る、と考えられている。だが遺族基礎年金が出る先は「子のある配偶者」または「子」だけである。子がいない、あるいは子が18歳到達年度末を過ぎていれば対象外。故人が40年間完納していても結果は変わらない
- 未納があると危ない、という程度の認識は多くの人が持っている。知られていないのは、それが月数ではなく割合で決まるという構造の方だ。被保険者期間の3分の2以上が納付済+免除であればよい。裏を返せば、分母が小さい若い世代ほど脆い。加入2年の人にとって8か月の未納は致命傷だが、加入30年の人の8か月は誤差の範囲である。20代の未納は40代の未納より重い
- 免除について。あなたから見れば免除は「保険料を払えなかった記録」であり、できれば残したくない汚点だろう。法律から見れば、免除期間は納付済期間と並んで3分の2の分子に入る。未納は分子に入らない。同じ「払っていない」でも、片方は家族に年金を残し、片方は家族を無防備にする。この落差を知らずに窓口へ行かなかった人が、遺族を裸にしている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 受け取れる人 | 37条:子のある配偶者、又は子 | 49条 寡婦年金:子のない妻も対象(婚姻期間などの要件あり) 52条の2死亡一時金:配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹まで |
| 給付の形 | 37条:定額の年金+子の加算(39条) | 49条:妻が60歳から65歳になるまでの期間限定の年金 52条の2:一回限りの一時金 |
| 納付側の要件 | 37条ただし書:納付済+免除が被保険者期間の3分の2以上 | 49条:第1号被保険者としての納付済+免除期間が一定年数以上 52条の2:第1号被保険者としての保険料納付済期間が一定月数以上 |
| 他制度との関係 | 37条:受給できる場合、死亡一時金は支給されない | 49条:死亡一時金との選択制で、両取りはできない 52条の2:時効が2年と短く、放置すると先に消える |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も遺族給付を国民年金と労工保険の二層で構成する点は日本と同型。ただし台湾は配偶者の年齢・所得や子の有無で受給順位を定める方式で、日本のような『子のない配偶者は1階部分ゼロ』という切り方とは設計が異なる
韓国は配偶者・子・父母等の受給順位を法定し、子の有無を絶対条件としない点で日本の遺族基礎年金より対象が広い。加入期間に応じた給付率方式である点も定額+子の加算方式の日本と異なる
ドイツは配偶者年金と遺児年金を別条で構成し、子のない配偶者にも小額の配偶者年金が支給される。日本の37条が子の存在を配偶者受給の前提とするのとは対照的
米国は子のいる遺族配偶者への給付(mother's/father's insurance benefit)と子自身への給付を分け、子が一定年齢に達すると配偶者給付が止まる。子の存在に紐づく点で日本の37条・37条の2と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- フリーランスで国民年金を2年滞納したまま、あなたは40歳で交通事故に遭った。妻と小学生の子が残される。死亡月の前々月までの被保険者期間が20年で未納が2年なら、納付済+免除は9割、3分の2の線は越えている。滞納があった=即アウトではない。分子と分母の割合の問題であり、そこを窓口で自分から確認できるかどうかで、請求を諦めるか出すかが変わる
- もし、夫が亡くなった当日に未納分を全額納めたらどうなる? 判定には反映されない。ただし書は「死亡日の前日において」と書いており、年金事務所はこの一行を淡々と適用する
- あなたは45歳、子はいない。夫が急死し、年金事務所で「遺族基礎年金の対象にはなりません」と告げられる。理不尽に感じるが、配偶者への支給は子と生計を同じくすることが条件だ(37条の2)。あなたが次に口にすべき言葉は「では寡婦年金と死亡一時金と遺族厚生年金はどうなりますか」の一文である
- 夫の死亡から4年10か月。葬儀と相続と子の進学に追われ、遺族基礎年金の裁定請求書をまだ出していない。年金を受ける権利は5年で時効にかかる(102条1項)。残り2か月を切った今、書類を揃える順番を間違えると、古い月の分から順に消えていく
- 海外赴任で日本の住所を抜いたまま、58歳の父が現地で死亡した。第2号は「日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満」を要件にしている。住所を抜いて任意加入もしていなければ、第1号のルートも第2号のルートも同時に閉じることがある。海外転出届を出す前に確認すべきだったのは、家族の年金である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 年金事務所または市区町村で故人の年金記録を取り寄せ、被保険者期間と納付済+免除期間の割合を出す2. 3分の2に届かない場合でも、直近1年に未納がなければ特例で救われる可能性がある(特例の適用期限は延長を重ねているため、最新の改正状況をご確認ください) 3. 子の要件(18歳到達年度末まで、障害等級1級・2級なら20歳未満)を戸籍と住民票で確認4. 対象外と判明したら同じ窓口で寡婦年金(49条)、死亡一時金(52条の2)、遺族厚生年金を必ず聞く。聞かなければ提示されないことがある
訴えられた側:不支給決定を受けた側の手順。1. 決定通知書の理由欄と末尾の教示欄を先に読む2. 社会保険審査官への審査請求は、決定を知った日の翌日から3か月以内3. 争点はほぼ「生計維持・生計同一」か「納付要件」のどちらか。前者は送金記録、住民票、健康保険の被扶養者記録、通信履歴で覆せる余地がある4. 納付記録そのものが誤っている疑いがあるなら、審査請求とは別に年金記録の訂正請求という入口がある
時効(請求できる期限):年金給付を受ける権利は、支給すべき事由が生じた日から5年で時効(国民年金法102条1項)。ただし納付要件の判定基準日は「死亡日の前日」で固定され、請求時期をどう動かしても変わらない。死亡一時金は死亡日の翌日から2年(同条)。不支給決定への審査請求は、決定を知った日の翌日から3か月以内
学説
社会保障法学の通説的理解:37条ただし書の納付要件は、社会保険としての拠出と給付の対応関係を維持するための規律と解される。他方で支給対象を子のある世帯へ絞る構造は、限られた財源を養育中の遺族へ集中させる政策判断であり、子のない遺族の保障は寡婦年金・死亡一時金・遺族厚生年金が分担する補完構造と説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)成立・平成26年(2014年)4月施行 年金機能強化法により、支給対象が「妻又は子」から「配偶者又は子」へ改正され、父子家庭にも遺族基礎年金が支給されるようになった
- 平成29年(2017年)前後の受給資格期間短縮に伴う整備 老齢基礎年金の受給資格期間が25年から10年へ短縮された際、第3号の要件が納付済期間と免除期間の合計25年以上に整理されたとされる。改正の時期と条文文言の変遷は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法制定。自営業者等を含む全国民を対象とする公的年金として、遺族に対する給付の枠組みが設けられた
- 2.昭和60年(1985年)成立・昭和61年(1986年)施行 改正:基礎年金制度の導入により、従前の遺族関係給付が遺族基礎年金として再編され、現行37条の骨格が形成された
- 3.平成24年(2012年)成立・平成26年(2014年)4月施行 改正:年金機能強化法により支給対象が「妻又は子」から「配偶者又は子」へ改められ、父子家庭にも遺族基礎年金が支給されるようになった
- 4.平成29年(2017年)前後 改正:老齢基礎年金の受給資格期間が25年から10年へ短縮された際の整備。第3号のルートは納付済期間と免除期間の合計25年以上のままとされたが、条文文言の変遷は人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める