要点国民年金法49条は、第1号被保険者だった夫の死亡時に、65歳未満の妻へ60歳から65歳まで寡婦年金を支給すると定める。夫が老齢基礎年金を受給済みなら支給されない。
Q · 自営業だった夫が亡くなりました。妻の私がもらえる年金はありますか?
原則もらえます。ただし夫が老齢基礎年金を受給済みなら出ません。
国民年金法49条により、第1号被保険者としての保険料納付済期間と免除期間の合計が10年以上ある夫が死亡し、婚姻関係が10年以上続き、その夫に生計を維持されていた65歳未満の妻には寡婦年金が支給されます。金額は夫の老齢基礎年金相当額の4分の3(50条)で、60歳から65歳までの5年間が上限です。ただし夫が老齢基礎年金または障害基礎年金を受け取ったことがある場合は支給されません。請求しなければ振り込まれず、権利は死亡日から5年で時効消滅します(102条1項)。
夫が自営業、フリーランス、農業、つまり国民年金の第1号被保険者だった。その夫を亡くした妻には、60歳から65歳までの5年間だけ振り込まれる年金がある。寡婦年金という。金額は夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3(国民年金法50条)。年額で数十万円、5年分なら百万円を超えることも珍しくない。ただし条件が四重にかかる。夫の保険料納付済期間と免除期間の合計が10年以上、婚姻関係が10年以上継続、夫の死亡当時その夫に生計を維持されていたこと、妻が65歳未満であること。ここまでは案内文にも書いてある。書いていないのは最後の但書だ。夫が老齢基礎年金または障害基礎年金を一度でも受け取っていたら、この年金は出ない。65歳になって年金を受け始めた直後に夫が亡くなると、妻の手元に残るのはゼロになる。しかも役所は請求しない限り振り込まない。
国民年金法49条にいう寡婦年金とは、第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年以上ある夫の死亡により、婚姻関係が10年以上継続した65歳未満の妻に対し、60歳から65歳に達するまでの間支給される有期の遺族給付をいう。夫が老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがある場合は支給されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国民年金の第1号被保険者だった夫を亡くした妻に、60歳から65歳までの間だけ支給される有期の遺族給付です。国民年金法49条が根拠で、夫の保険料の掛け捨てを埋める趣旨の制度です。
夫が受け取るはずだった老齢基礎年金相当額の4分の3です(50条)。年額で数十万円、最長5年分を受け取ると総額が百万円を超える場合もあります。
妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給が始まり(49条3項)、65歳に達すると失権します(52条)。受給できるのは最長5年間です。
年金請求書のほか、夫の死亡を確認できる戸籍謄本、婚姻期間がわかる戸籍、世帯全員の住民票、妻の所得を確認できる書類などです。事実婚なら生計維持を示す資料が追加で必要です。
受給権は夫の死亡日に発生し、年金給付を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅します(102条1項)。60歳になるまで待って放置すると時効に触れます。
49条1項ただし書により寡婦年金は支給されません。老齢基礎年金または障害基礎年金を一度でも受給していれば掛け捨てにあたらないため、対象外となります。
52条により失権します。65歳到達、再婚、直系血族・直系姻族以外の養子となったときが失権事由です。失権後に離婚しても復活しません。
夫の死亡当時に生計を維持されていたことが要件で、認定基準では前年収入850万円未満などが目安とされます。共働きでも基準内なら対象になり得ます。
自営業世帯にも制度はある。ただし名前が違う。18歳年度末までの子がいれば遺族基礎年金(37条)、子がいない、または子が育ち切っていれば60歳から65歳までの寡婦年金(49条)、どちらも要件を満たさなければ死亡一時金(52条の2)である。業界裏話ヒント:この三つは窓口で全部を並べて説明されるとは限らない。請求書の様式が別々だからだ。「うちに該当する給付を全部教えてください」と一言で聞くのが最も早い
なる。49条1項は「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む」と条文本文に明記している。争点は資格ではなく立証で、10年以上の継続と生計維持を書面で示せるかに尽きる。業界裏話ヒント:住民票の続柄を「妻(未届)」にしておくと、後の認定で決定的な証拠になる。逆に「同居人」のままだと、他の資料をかき集めることになる。夫の生前に役所で続柄を直せるかどうかが、10年後の分かれ目
52条の6により選択制で、両取りはできない。死亡一時金は納付月数に応じ12万円から32万円の一括、寡婦年金は夫の老齢基礎年金相当額の4分の3(50条)を最大5年間。妻が60歳に近いほど寡婦年金の総額が圧倒的に大きくなる。業界裏話ヒント:判断を変えるのは再婚の可能性である。寡婦年金は再婚すると失権する(52条)が、死亡一時金は一度受け取れば返還不要。再婚の見込みがある人にとっては一時金が合理的になる場面がある
老齢基礎年金の繰上げ請求をすると、寡婦年金は支給されない(51条)。繰上げによる減額は生涯続き、そのうえ寡婦年金の5年分が消えるという二重の損失になりうる。業界裏話ヒント:繰上げ請求の窓口相談は減額率の説明が中心で、寡婦年金との連動まで自動で警告される保証はない。請求書に署名する前に「寡婦年金の権利はどうなりますか」と口頭で確認し、回答を記録しておくこと
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|---|---|---|
| 受給できる人 | 49条:第1号被保険者だった夫を亡くし、婚姻10年以上・生計維持ありの65歳未満の妻 | — |
| 支給の形と期間 | 60歳から65歳まで最長5年間の年金(49条3項・52条) | — |
| 金額の決まり方 | 夫の老齢基礎年金相当額の4分の3(50条) | — |
| 他の給付との関係 | 死亡一時金とは選択制(52条の6)、繰上げ請求で不支給(51条) | — |
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