寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、第二十七条の規定の例によつて計算した額の四分の三に相当する額とする。
要点国民年金法50条は、寡婦年金の額を第一号被保険者期間のみについて27条の例により計算した額の4分の3と定める。厚生年金期間は算入されず、納付状況は死亡日の前日で判定される。
Q · 寡婦年金って、夫がもらうはずだった年金の4分の3がもらえるってこと?
夫の年金全体の4分の3ではなく、第一号期間だけで計算した額の4分の3です
国民年金法50条は、寡婦年金の額を「第一号被保険者としての被保険者期間」に係る保険料納付済期間及び保険料免除期間について、27条の例により計算した額の4分の3としています。夫が会社員だった厚生年金期間、妻が第三号被保険者だった期間は算入されません。さらに納付状況は「死亡日の前日」で確定するため、死亡後に未納分を納付しても額は変わりません。全額免除期間は27条の計算で2分の1として反映されますが、未納期間はゼロ換算です。
夫の老齢基礎年金の4分の3がもらえる。窓口でそう聞いて安心した人は、条文の一行を読み落としている。50条が数えるのは「第一号被保険者としての被保険者期間」だけだ。夫が会社員だった20年も、その間あなたが第三号被保険者だった期間も、計算から丸ごと消える。自営業20年・会社員20年の夫なら、満額の半分の、さらに4分の3。年約31万円(令和7年度満額831,700円で試算、最新の改定状況をご確認ください)にしかならない。もう一つの縛りが「死亡日の前日における」という七文字だ。夫の死後に慌てて未納分を払っても、その保険料は年金額に1円も乗らない。逆に、夫が生きているうちに免除申請を出しておけば、免除期間として2分の1で計算に乗る。動くべき時点は、葬儀のあとではない。
国民年金法50条は、寡婦年金の額の算定方法を定める規定である。死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る、死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間について、老齢基礎年金の額を定める27条の規定の例により計算した額の4分の3に相当する額とする。
第一号被保険者だった夫が老齢基礎年金等を受けずに死亡した場合、婚姻期間等の要件を満たす妻に60歳から65歳までの間支給される国民年金の給付です。額の算定は50条が定めます。
妻が60歳に達した月の翌月から、65歳に達する月までです。最長でも5年間に限られ、夫の死亡時に妻が若いほど待機期間が長くなります。
かかりません。国民年金法25条の公課禁止が及ぶため、所得税も住民税も課されません。雑所得として課税される老齢基礎年金とは手取りの前提が異なります。
51条の失権事由に当たり、受給権は消滅します。届出をせず受け取り続けた分は不正受給として返還を求められるため、事由発生時点で速やかに届け出る必要があります。
入ります。50条は27条の例によるため、全額免除期間は原則2分の1として反映されます。一方、未納期間はゼロ換算で、額に一切反映されません。
増えません。50条は「死亡日の前日における」納付状況で判定するため、死亡後の納付や追納は額に反映されません。動くべき時点は死亡日より前です。
遺族基礎年金は子のある配偶者等が対象で、子のいない妻を救うのが寡婦年金という役割分担です。時期が重なる場合の調整は年金事務所で受給関係を確認してください。
住所地の市区町村国民年金担当窓口または年金事務所です。夫の年金記録、戸籍、住民票、生計維持関係を示す書類が必要になり、記録の取り寄せから始めます。
50条が数えるのは第一号被保険者としての期間だけなので、会社員だった20年は寡婦年金の計算から完全に外れます。自営業の20年分だけで27条の計算をし、その4分の3です。ただし厚生年金の20年があるなら、要件を満たせば遺族厚生年金が別に出る可能性があります(厚生年金保険法58条)。業界裏話ヒント:窓口で「寡婦年金の相談です」とだけ言うと寡婦年金の試算しか出てきません。「厚生年金の記録も含めて、受けられる遺族給付を全部並べて比べたい」と言うこと。この一言で出てくる紙の枚数が変わる
総額だけなら寡婦年金が圧倒的です。死亡一時金は最高32万円(付加分3年以上で8,500円加算)、寡婦年金は満額計算で年約62万円が最大5年です。ただし60歳から65歳の間しか出ず、再婚すれば失権します(51条)。40代で再婚の可能性があるなら死亡一時金という判断も成り立ちます。業界裏話ヒント:死亡一時金の時効は2年(102条)。何もせず2年過ぎると片方の選択肢が黙って消え、「選ばなかった」ではなく「選べなくなった」状態になる
両取りはできません。繰上げ請求をすると寡婦年金の受給権は消滅します。しかも繰上げによる減額は一生続くのに対し、寡婦年金は60歳から65歳の5年間限定で、かつ非課税です(国民年金法25条)。順序を間違えると二重に損をします。業界裏話ヒント:まず寡婦年金を65歳まで受け、そのあと本来の老齢基礎年金を減額なしで受け取るのが定石。窓口は繰上げの手続方法は丁寧に教えてくれるが、寡婦年金が消えることを先に言ってくれるとは限らない
受給資格を判定する期間(49条)には数えられるのに、50条の額の計算では27条の例によることになるため1円も足されません。追納すれば納付済期間になりますが、追納できるのは承認から10年以内、しかも死亡日の前日までに済んでいる必要があります。業界裏話ヒント:夫の余命が見えた段階での追納は、寡婦年金の額を合法的に増やせる数少ない手段。ただし死亡日の前日という線を一日でも越えたら効果はゼロになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 算定の対象期間 | 50条(寡婦年金の額):第一号被保険者期間のみ。厚生年金期間・第三号期間は不算入 | — |
| 給付水準 | 27条の例により計算した額の4分の3 | — |
| 判定の基準時 | 死亡日の前日における納付済期間・免除期間(事後の納付は不反映) | — |
| 支給の形態と終期 | 妻が60歳から65歳までの最長5年間の年金。再婚等で失権(51条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。