国民年金法 第25条(公課の禁止)
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租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。
この条文の基本情報
公課の禁止とは何ですか?
定義公課の禁止とは、国民年金法第25条に定められた規定で、「租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第25条(公課の禁止)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第25条の条文原文は「租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。」で始まります。
- 国民年金法第25条は第一節 通則に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第25条の前の条は国民年金法第24条です。
- 国民年金法第25条の次の条は国民年金法第26条です。
- 国民年金法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法25条は、給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことを禁じる。ただし老齢基礎年金と付加年金は例外で、公的年金等の雑所得として課税対象となる。
Q · 年金には税金がかかりますか? 障害年金や遺族年金も課税されるのでしょうか?
障害・遺族基礎年金は非課税、老齢基礎年金と付加年金は課税対象です
国民年金法25条本文は、給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことを禁じています。したがって障害基礎年金と遺族基礎年金は非課税所得となり、所得税・住民税の課税所得にも、住民税非課税世帯の判定にも算入されません。他方、同条ただし書により老齢基礎年金と付加年金は例外とされ、所得税法35条の公的年金等として雑所得を構成します。ただし公的年金等控除と基礎控除を差し引いた結果、実際に税額が生じるかどうかは別の判断となります。
解説
年金は全部同じ扱いだと思っていないだろうか。国民年金法25条は、そこに一本の線を引いている。給付として受け取った金銭を標準にして租税その他の公課を課すことはできない、ただし老齢基礎年金と付加年金は別だ、と。つまり障害基礎年金と遺族基礎年金は、所得税も住民税もかからず、国民健康保険料の所得割の計算にも入らない。年間何百万円受け取っても、税法上の所得としては存在しないことになる。一方で老齢基礎年金と付加年金だけは、雑所得として課税の土俵に上がる(公的年金等控除があるので、実際に税額が出るかは別の話)。この線引きを知っているかどうかで、確定申告の要否、家族の扶養に入れるかどうか、住民税非課税世帯に該当するかどうか、そこから連鎖する自治体の給付金や保育料まで、あなたの手元に残る金額が変わる。
法的な位置づけ
国民年金法25条は公課の禁止を定める規定であり、給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課することを禁ずる。ただし書により老齢基礎年金及び付加年金は適用除外とされ、所得税法35条の公的年金等として雑所得を構成する。これにより障害基礎年金及び遺族基礎年金は非課税所得となり、課税所得を基礎とする各種公的判定からも除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受給中の年金が本文側かただし書側かを確定させる 年金振込通知書または年金証書で、受給しているのが障害基礎年金・遺族基礎年金(非課税)か、老齢基礎年金・付加年金(課税)かを確認する。源泉徴収税額欄に金額があれば、ただし書側の給付が含まれている
- 2.自治体の決定通知に非課税年金が混入していないか点検する 保育料、公営住宅家賃、給付金の非該当通知などを受け取ったら、算定に用いられた所得額と手元の課税所得を突き合わせる。差額が非課税年金の額と一致する場合は、窓口で算定根拠の開示を求める
- 3.誤りがあれば期限内に審査請求を出す 算定に非課税年金が混入していた場合、地方税の処分は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、国税の処分は通知を受けた日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)に不服申立てを行う
- 4.源泉徴収されていた分は更正の請求で取り戻す 非課税であるべき給付から所得税が徴収されていた場合や、控除の反映漏れがあった場合は、法定申告期限から5年以内に更正の請求を行う(国税通則法23条1項)。医療費控除等と併せて確定申告する方法もある
よくある質問 AI による整理
Q1公課の禁止とは何ですか?
年金給付として受け取った金銭を課税標準として、租税や公課を課すことを禁じる仕組みです。国民年金法25条本文が根拠で、障害基礎年金と遺族基礎年金がその対象になります。
Q2遺族基礎年金に住民税はかかりますか?
かかりません。25条本文により非課税所得となり、所得税だけでなく住民税の課税所得にも算入されません。国民健康保険料の所得割の算定基礎にも入らないのが原則です。
Q3障害年金は住民税非課税世帯の判定に入りますか?
入りません。判定は市町村民税の課税状況を基準としますが、障害基礎年金は課税所得に算入されないためです。給付金や高額療養費の区分にも連動します。
Q4年金から所得税が源泉徴収されるのはどの年金ですか?
課税対象である老齢基礎年金と付加年金です。障害基礎年金・遺族基礎年金は25条本文で非課税のため、源泉徴収の対象になりません。振込通知書の控除欄で確認できます。
Q5扶養親族等申告書を出さないとどうなりますか?
各種控除が反映されず、老齢基礎年金からの源泉徴収税率が高くなる場合があります。提出を忘れた場合でも、翌年に確定申告をすれば払い過ぎた税を精算できます。
Q6付加年金は課税されますか?
課税されます。25条ただし書が老齢基礎年金と並べて付加年金を除外しているため、公的年金等の雑所得として老齢基礎年金と合算して計算されます。
Q7保育料の算定に障害基礎年金は入りますか?
原則として入りません。保育料の階層は市町村民税の課税額で決まり、25条本文により障害基礎年金は課税所得に算入されないためです。疑問があれば算定根拠の開示を求められます。
Q8年金にかかる課税処分に不服があるときの期限は?
国税の処分は通知を受けた日の翌日から3か月(国税通則法77条)、住民税など地方税は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1障害年金をもらってると、親の扶養から外れちゃうんですか?
税法上は外れない。25条本文で非課税なので、扶養控除の判定基準である合計所得金額に一円も算入されないためである。ただし健康保険の被扶養者認定は別基準で、障害年金も収入として数えられる。実務のポイント:税と社会保険で判定のものさしが違うので、年末調整で扶養に入れたからといって健保でも被扶養者のままとは限らない。健保組合へは別途届出が要る。
Q2年金をもらってたら、確定申告っているんですか?
障害・遺族基礎年金しかなければ、そもそも所得が存在しないので申告義務は生じない。老齢基礎年金がある場合も、公的年金等の収入400万円以下かつ他の所得20万円以下なら確定申告不要(所得税法121条3項)。実務のポイント:申告不要と、申告して損しないは別。日本年金機構から秋に届く扶養親族等申告書を出し忘れると源泉徴収税率が上がり、医療費控除と併せて確定申告すれば戻ってくる。
Q3年金って絶対に差し押さえられないんじゃないんですか?
差押禁止は25条ではなく24条の話で、しかも老齢基礎年金は国税滞納処分による差押えが同条ただし書で明示的に認められている。さらに口座へ振り込まれた後は預金債権に変わり、原則として差押禁止の効力が及ばなくなる。実務のポイント:振込日直後を狙った預金差押えを権利濫用とした裁判例もある。年金専用口座を分けておくと、年金由来だと特定しやすくなる。
Q4老齢基礎年金は課税って書いてありますけど、実際いくら取られるんですか?
満額でも年80万円台で、65歳以上の公的年金等控除110万円を引けば雑所得はゼロになる。他に所得がなければ所得税も住民税も出ない(年金額は最新の改定状況をご確認ください)。実務のポイント:税が発生するのは給与・企業年金・不動産所得と合算されたとき。繰下げ受給で増額した分はまるごと課税所得になり、医療・介護の自己負担割合の判定にも跳ね返る。増やす額と手取りは比例しない。
間違えやすい点 AI による整理
- 年金が非課税だと知っている人でも、その効果が「税金がかからない」で止まると思っている。非課税所得は住民税の課税所得にも入らないため、住民税非課税世帯の判定、高額療養費の自己負担限度額の区分、介護保険料の所得段階、臨時給付金の支給対象、公営住宅の家賃まで芋づる式に連動する。25条は税法の条文というより、生活コスト全体の分岐スイッチである。
- 「年金に税金はかかりますか」という問いの立て方そのものが不正確。かかるかどうかはまず年金の種類で決まり、土俵に上がるのは老齢基礎年金と付加年金だけ。土俵に上がったうえで、公的年金等控除と基礎控除を引いて課税所得が残るかが第二の問いである。一段目と二段目を混ぜて考えると、必要のない申告書を書いたり、逆に取り戻せる源泉徴収税を放置したりする。
- あなたから見れば障害年金は毎月確実に入ってくる収入。税法から見れば存在しない所得。健康保険から見れば被扶養者認定に算入される収入。同じ一つの入金が制度ごとに三つの顔を持つ。この落差を知らないまま税務署の回答を健保組合に持ち込むと、話がまったく噛み合わない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国民年金法25条:給付への課税の可否 | 国民年金法24条:譲渡・担保・差押えの可否 国民年金法15条:給付の種類そのものの画定 |
| 保護のかたち | 課税権を封じ、手取り額を維持する | 債権者からの取立てを封じ、受給権を保全する どの給付が制度上存在するかを列挙する |
| 例外の設計 | ただし書で老齢基礎年金・付加年金を課税対象に戻す | ただし書で老齢基礎年金への国税滞納処分による差押えを認める 例外なし(給付類型の列挙規定) |
| 下流への波及 | 住民税非課税判定、扶養控除、保育料、医療の負担区分 | 強制執行、債務整理、口座振込後の預金差押え 支給要件、裁定請求の対象範囲 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は年金法自体ではなく所得税法側で、労工保険・軍公教保険等の保険給付を免税所得として列挙する。免税の入口が税法にある点が日本と逆方向の立法技術
韓国も年金法本体に租税その他の公課の減免規定を置く。日本と同様、給付保護と課税公平の調整を年金法側で行う構造。条番号は人的検証が必要
中国は個人所得税法の免税所得列挙に退職金・年金等を含める。社会保険法にも給付保護規定があるが、課税可否は税法側で画定する
ドイツは法定年金を原則課税(後置課税)としつつ、拠出段階の控除拡大と対で設計する。日本の25条ただし書と同じ「拠出時控除・給付時課税」の思想が全面化した形
フランスも年金は原則として課税所得(art. 79)とし、非課税とすべき給付を art. 81で個別列挙する。列挙型の非課税設計という点で台湾に近い
米国は社会保障給付を所得水準に応じて段階的に課税する。給付の種類で切り分ける日本の25条と異なり、受給者の総所得を基準に課税割合が変わる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 遺族基礎年金を受け取り始めた年、確定申告はどうなる? その年金は、申告書に書く欄すら存在しない。非課税所得は所得の計算に入らないので、他に収入がなければ申告義務そのものが発生しない。
- 保育園の保育料決定通知を開いたら、あなたの障害基礎年金が算定の土台に混ざっているように見える。保育料は市町村民税の課税額で階層が決まるが、25条本文により障害基礎年金は課税所得に入らない。算定根拠の開示を窓口で求めるだけで、階層区分が下がる場合がある。
- 住民税の納税通知書が届き、明らかに年金分まで課税されている。不服申立ての期限は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。夏の予定より先に、市役所の課税課へ行く順番を入れ替えないと、争う入口自体が閉じる。
- あなたが会社の年末調整担当で、社員から「同居の母が障害基礎年金を年150万円もらっているが、扶養に入れられるか」と相談された。税法上その年金は所得に算入されないので扶養控除の判定には響かない。ところが健康保険の被扶養者認定では、障害年金も収入として数えられる。片方の答えだけを返すと、後日健保から遡及して資格喪失の通知が飛ぶ。
- 70歳まで繰り下げて老齢基礎年金を42% 増やした。増えた分はまるごと25条ただし書の側、つまり課税対象である。住民税の課税所得が押し上げられ、後期高齢者医療の窓口負担割合や介護保険料の段階の分岐点をまたいでしまうことがある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 年金振込通知書で、受給しているのが障害基礎年金・遺族基礎年金か、老齢基礎年金・付加年金かを確定させる。2. 自治体の決定通知(保育料、家賃、給付金の非該当)に非課税年金が算定へ混入していないか、算定根拠の開示を求める。3. 誤りがあれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を出す。4. 所得税を源泉徴収されていた場合は、法定申告期限から5年以内の更正の請求で取り戻す。
訴えられた側:税務署から老齢基礎年金の申告漏れを指摘された場合、まず公的年金等控除と基礎控除を引いた後の雑所得を自分で再計算する。年金以外の所得と合算して初めて税額が出る構造なので、指摘額がそのまま正しいとは限らない。年末調整や扶養判定を誤った担当者であれば、税法上の扶養(非課税年金は不算入)と健康保険の被扶養者認定(算入)を切り分けたうえで、遡及処理の範囲を先に確定させる。
時効(請求できる期限):国税の課税処分を争う不服申立ては、処分の通知を受けた日の翌日から3か月(国税通則法77条)。住民税など地方税は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。払い過ぎた所得税の更正の請求は法定申告期限から5年(国税通則法23条1項)。なお年金給付そのものを受ける権利の時効は5年(国民年金法102条)。
学説
通説(社会保障法学):25条本文の非課税は、稼得能力の喪失を補填する給付から国家が再度徴収することを封じ、給付の実質的水準を確保する趣旨と解される。ただし書が老齢基礎年金と付加年金を除外するのは、拠出段階で社会保険料控除による課税繰延べを受けているため、給付段階で清算する必要があるからと説明される。
改正沿革 AI による整理
- 昭和60年(1985年)改正、昭和61年(1986年)4月施行 基礎年金制度の創設に伴い、ただし書の課税対象が旧制度の「老齢年金」から「老齢基礎年金」へ改められたと解される。改正回数および文言の変遷は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法の制定に伴い、給付として支給を受けた金銭を標準とする公課を禁止する規定が置かれた
- 2.昭和60年(1985年)改正・昭和61年(1986年)4月施行 改正:基礎年金制度の創設に伴い、ただし書の課税対象が旧制度の老齢年金から老齢基礎年金へ改められたと解される。改正回数および文言の変遷は人的検証が必要
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