国民年金法 第26条(支給要件)
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老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が六十五歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年に満たないときは、この限りでない。
この条文の基本情報
支給要件とは何ですか?
定義支給要件とは、国民年金法第26条に定められた規定で、「老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第26条(支給要件)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第26条の条文原文は「老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。」で始まります。
- 国民年金法第26条は第二節 老齢基礎年金に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第26条の前の条は国民年金法第25条です。
- 国民年金法第26条の次の条は国民年金法第27条です。
- 国民年金法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法26条は、保険料納付済期間と免除期間の合算が10年以上ある者に、65歳から老齢基礎年金を支給すると定める。10年は資格の下限で、額は納付月数に比例する。
Q · 国民年金って結局、何年払えばもらえるんですか?
納付済と免除の合算が10年以上あれば65歳から出ます
国民年金法26条により、老齢基礎年金は保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者が65歳に達したときに支給されます。ただし書で、納付済期間と免除期間を合算した期間が10年(120月)に満たないときは支給されません。この10年は平成29年(2017年)8月1日に25年から短縮されたものです。厚生年金の被保険者期間も第2号被保険者期間として算入され、海外居住期間などの合算対象期間(カラ期間)も資格期間に数えられます。ただし10年はあくまで入口であり、年金額は納付月数に比例します(27条)。
解説
10年。これが老齢基礎年金の入口を開ける鍵の長さである。かつては25年で、平成29年(2017年)8月1日からこの水準に下がった。ここで多くの人が取り違えるのは、10年で「受給権が立つこと」と「食べていける額が出ること」が全く別だという点だ。10年しか納めていなければ、受け取れるのは満額の4分の1(120月÷480月)にすぎない。26条はさらに二重構造になっている。本文は「保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者が65歳に達したとき」と定め、その括弧書で学生納付特例(90条の3第1項)の期間だけを外している。つまり学生時代の特例期間は、ただし書の10年(受給資格期間)には数えられるのに、本文が求める「期間を有する者」からは除かれ、しかも年金額には一切反映されない(27条)。追納しなければ、あの猶予は資格の頭数にしかならない。
法的な位置づけ
国民年金法26条は老齢基礎年金の支給要件を定める規定であり、保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者が65歳に達したことを支給事由とする。ただし書は両期間を合算した期間が10年未満の場合に支給を否定し、受給資格期間の下限を画する。本文の括弧書は学生納付特例に係る期間を除外し、年金額の算定は27条が別途規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.納付記録を種類別に数える ねんきんネットまたは年金事務所で被保険者記録照会を出し、保険料納付済期間(第1号・第2号・第3号)、保険料免除期間、学生納付特例・納付猶予期間を種類別に分けて月数で集計する。26条ただし書の10年に入る期間と、27条で年金額に反映される期間は別物であることを前提に読む
- 2.合算対象期間(カラ期間)を申し出て加える 日本国籍を有する者の20歳以上60歳未満の海外居住期間、昭和61年3月以前に任意加入しなかった被用者の配偶者の期間などは合算対象期間として受給資格期間に算入される。年金機構の記録には自動では載らないため、パスポートや戸籍の附票を添えて自ら申し出る
- 3.不足月を任意加入・追納で埋める 60歳前に不足が判明した場合は60歳以降の任意加入(附則5条)で最大60月まで積み増す。申出をした月からしか被保険者にならず過去には遡れないため、先送りするたび埋められる月が消える。直近10年以内に免除・猶予期間があれば追納(94条)を優先する
- 4.65歳の3か月前に届く裁定請求書を出す 受給権は65歳到達(誕生日の前日)で発生するが、裁定請求(16条)をしない限り1円も支給されない。日本年金機構から誕生月の3か月前に届く年金請求書を提出する。繰下げを選ぶ場合は請求せずに待ち、1か月ごとに0.7%、最大84%の増額を取りにいく(28条、対象生年に限る)
よくある質問 AI による整理
Q1老齢基礎年金の受給資格期間は何年ですか?
10年(120月)です。国民年金法26条ただし書が定めます。平成29年(2017年)8月1日に25年から短縮されました。納付済期間と免除期間の合算で判定します。
Q265歳に達する日とはいつですか?
誕生日の前日です。年齢計算に関する法律により、誕生日の前日に年齢が加算されます。そのため4月1日生まれと4月2日生まれで受給権発生月がずれ、初回振込月も1か月変わります。
Q3保険料免除期間は年金額に反映されますか?
国庫負担分だけ反映されます。免除の種類(全額・4分の3・半額・4分の1)と承認時期により反映割合が異なります。学生納付特例と納付猶予は資格期間には入りますが額には一切反映されません。
Q4厚生年金に加入していた期間も受給資格期間に入りますか?
入ります。20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者期間は第2号被保険者期間として保険料納付済期間に通算されます。老齢厚生年金の受給資格期間も同じ10年で連動します(厚生年金保険法42条)。
Q5国民年金の任意加入はいつまでできますか?
原則60歳以上65歳未満で、申出をした月から被保険者になります。過去には遡れません。受給資格期間を満たしていない一定の生年の方は70歳未満まで特例任意加入ができる場合があります(附則)。
Q6追納はいつまでできますか?
免除・猶予の承認を受けた月から10年以内です(国民年金法94条)。古い期間から順に充当され、承認から3年度目以降は加算額が上乗せされます。未納のまま2年を過ぎた期間は追納の対象になりません。
Q7年金は何月に振り込まれますか?
支給は受給権発生の事由が生じた日の属する月の翌月分から始まり(18条)、偶数月に前2か月分がまとめて支払われます。初回のみ支払日や対象月がずれることがあります。
Q8国民年金の保険料は何年前まで遡って納められますか?
原則2年です。保険料を徴収する権利は2年で時効消滅します(102条4項)。2年を過ぎた未納期間は納付も追納もできず、資格期間にも年金額にも一切反映されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q110年ちょうどしか払ってないんですけど、いくらもらえるんですか?
納付済120月÷480月で、満額の4分の1です(27条の年金額計算)。資格は立つが生活費にはならない水準になります。実務のポイント:60歳以降でも任意加入で最大60月積み増せます。65歳直前に気付いても、5年分積めば満額の8分の1ぶん上乗せできる。年金事務所は不足の事実は教えてくれるが、任意加入で何月まで積めるかの試算は、こちらから頼まないと出てこないことが多い
Q2学生のとき猶予にしてもらったんですが、あれって払ったことになってますか?
なっていません。学生納付特例期間は26条ただし書の10年には算入されますが、26条本文の括弧書で外され、年金額にも反映されません(27条)。実務のポイント:追納(94条)は承認から10年以内、しかも古い期間から順に充当されるルールです。3年度目以降は加算額が上乗せされる。30代前半で気付けば全部戻せるが、35歳を過ぎると古い方から順に手が届かなくなる
Q365歳になれば勝手に振り込まれますよね?
振り込まれません。裁定請求(16条)をして初めて支給が始まり、権利は5年で時効消滅します(102条1項)。日本年金機構から3か月前に請求書が届くので、それを出す必要があります。実務のポイント:令和5年4月から、70歳到達後に請求する場合は請求の5年前に繰下げ申出があったとみなす特例があり、放置しても増額分が救済されうる。ただし対象生年が限られるので、自分が該当するかを先に確認する
Q4海外に住んでいた期間や、昔の専業主婦の期間はどうなりますか?
日本国籍を有する者の20歳以上60歳未満の海外居住期間、昭和61年3月以前に任意加入しなかった被用者の配偶者の期間などは、合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間に算入されます。額には反映されません。実務のポイント:カラ期間は年金機構の記録に自動では載らず、こちらから申し出て証明しないと計算に入らない。無年金だと諦めていた人が、パスポートや戸籍の附票を出して資格を満たした例は珍しくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「10年払えばもらえる」ことは多くの人が知っている。知られていないのはその深刻度だ。10年ちょうどでは満額の4分の1、40年フル納付との差は一生続く。無年金は免れたが低年金になる、という着地点が制度上いちばん起きやすい。受給資格の議論だけして安心した人ほど、この落差に無防備になる(最新の年度額は日本年金機構の公表値をご確認ください)
- 「何年『払えば』もらえるのか」という問いの立て方自体がずれている。26条ただし書が数えているのは保険料納付済期間と保険料免除期間の合算であり、さらに附則の合算対象期間(カラ期間)まで資格期間に入る。単位は「払った年数」ではなく「制度に紐づいていた期間」である。この一点を取り違えると、本当は資格があるのに請求しないまま終わる人が出る
- 65歳になれば自動的に振り込まれると思っているなら、そこが最大の穴である。年金は裁定請求(16条)をしない限り1円も出ない。しかも年金給付を受ける権利は5年で時効消滅する(102条1項)。誕生日の3か月前に請求書が届くが、封を切らずに置いた人の分は、古い月から順に静かに消えていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 26条:受給資格(10年の壁を越えたか) | 27条:年金額(部屋の広さ) 90条の3:学生納付特例(納付を要しない扱い) |
| 10年(受給資格期間)への算入 | 納付済期間+免除期間を合算して判定 | 算入の可否は判断しない(26条の結論を前提とする) 算入される(ただし書の10年には入る) |
| 年金額への反映 | 反映は27条に委ねる(26条は要件のみ) | 納付月数に比例、免除は国庫負担分のみ反映 一切反映されない(追納しない限りゼロ) |
| 満たさなかった場合の帰結 | 老齢基礎年金は支給されない(無年金) | 受給はできるが低年金にとどまる 資格の頭数にはなるが額は増えない |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は2008年に国民年金を施行し、被保険者が65歳に達したときに老年年金給付を請求できる。日本のような10年の最低加入期間を老年年金の一般的要件としては置かず、給付算式の中で加入年資を評価する点が構造的に異なる。労工保険の老年年金は年資15年以上を要件とし、二本立ての設計になっている
韓国は加入期間10年以上を老齢年金の要件とし、日本の10年と数字が一致する。支給開始年齢は段階的に引き上げられ、1969年以降生まれは65歳となる。日本の統治期以降に形成された社会保険の系譜を引きつつ、1988年施行と後発である分、当初から10年要件を採用した
法定退職年齢に達し、基本養老保険料の累計納付が15年に達した者に基本養老金が支給される。15年に満たない場合は納付を継続して15年に達させる仕組みが置かれ、日本の任意加入に近い救済経路がある
ドイツの通常老齢年金は待機期間(Wartezeit)5年と規則的年齢限(67歳へ段階的引上げ)を要件とする。最低加入期間が5年と短い一方、支給開始年齢は日本より高い。受給資格の敷居を下げ年齢で調整するという逆の設計思想が読める
フランスは最低加入期間ではなく四半期(trimestres)の累積で満額率(taux plein)を判定する。期間が足りなくても年齢到達により満額率に達する経路があり、日本の10年のような支給・不支給の二値的な壁を置かない
米国は40 quarters(実質10年)の被保険資格を要件とし、日本の10年と結果的に一致する。給付算式は生涯平均所得(AIME)に累進的な代替率を掛ける方式で、低所得層ほど代替率が高い点が日本の定額基礎年金と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 45歳、厚生年金の被保険者期間が5年、国民年金の納付済が3年、あとは未納。今から埋めて間に合うのか? 20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者期間は第2号被保険者期間として保険料納付済期間に通算されるので、実はすでに8年分ある。老齢厚生年金の受給資格期間も同じ10年で連動する(厚生年金保険法42条)。あと2年で壁は越える。だが越えた先の額は、40年フル納付の5分の1でしかない
- 62歳、納付済9年2か月。10年まであと10か月。60歳以降の任意加入(国民年金法附則5条)は申出をした月からしか被保険者にならず、過去には遡れない。今月申し出れば65歳の誕生日前に10年を満たせるが、来月に先送りするたび、埋められる月が1つずつ消えていく
- 4月1日生まれの父と、4月2日生まれの叔父。同じ学年、同じ職歴なのに年金の初回振込月が1か月ずれる。65歳に達する日は誕生日の前日だからだ
- あなたは子どもに「国民年金なんて払うだけ損だ」と言い続けてきた側かもしれない。その子が学生納付特例だけで20代を通過し、追納の10年期限(94条)を逃したとき、消えるのは受給資格ではなく額の方だ。2年分が年金額に反映されないだけで、生涯受取額は数十万円単位で削られる
- 海外赴任で7年、日本の年金制度から外れていた同僚が「自分はもう無年金だ」と諦めている。日本国籍を有する者の20歳以上60歳未満の海外居住期間は合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間に算入される。額には1円も反映されないが、10年の壁を越える頭数にはなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたは年金事務所で納付記録を出し、保険料納付済期間・免除期間・学生納付特例期間を種類別に分けて数える2. 合算が10年に届かなければ、60歳前なら任意加入(附則5条)、直近10年以内の免除・猶予期間があれば追納(94条)で埋める3. 海外居住・昭和61年3月以前の任意加入対象期間は合算対象期間になるので、資格期間の計算に必ず申告する4. 65歳の3か月前に届く裁定請求書は放置しない。請求しなければ支給は始まらない
訴えられた側:保険料の未納で督促や差押えを受けている立場なら、放置が最悪手である。1. 所得に応じて全額免除・一部免除・納付猶予の申請を出す。免除が通れば未納ではなく免除期間になり、資格期間に算入され、国庫負担分は年金額にも反映される2. 過去分は原則2年で納付できなくなるので、申請免除の遡及可否を年金事務所で確認する3. 一部免除は残りを納めないと未納扱いになる点に注意する
時効(請求できる期限):受給権は65歳到達(誕生日の前日)で発生するが、年金給付を受ける権利は5年で時効消滅する(国民年金法102条1項)。支給は事由が生じた日の属する月の翌月分から(18条)。追納は免除・猶予の承認月から10年以内(94条)、保険料の納付そのものは原則2年で時効(102条4項)。なお70歳到達後に請求する場合、請求日の5年前に繰下げ申出があったとみなす特例(令和5年4月施行、対象生年あり)がある
学説
通説(社会保険方式の理解):老齢基礎年金は拠出を前提とする社会保険給付であり、26条の受給資格期間は保険原理の最低限の担保として機能する。他方で受給資格期間の短縮と免除期間の資格算入は扶助原理の要請に応えるものであり、両原理の妥協点として現行制度が説明される。
受給資格期間短縮に対する批判的見解:10年への短縮は無年金者を減らす一方、給付水準を伴わないため低年金層を制度的に拡大するにとどまるとの指摘がある。生活保障機能を担うのは資格要件ではなく給付水準であり、27条の算定構造と最低保障の設計こそが論点であるとする。
改正沿革 AI による整理
- 昭和60年(1985年)改正、昭和61年4月1日施行 基礎年金制度の創設に伴う改正。全国民共通の老齢基礎年金として再構成され、支給開始年齢65歳、受給資格期間25年という現行条文の骨格が定まった
- 平成29年(2017年)8月1日施行 ただし書の受給資格期間が25年から10年へ短縮された。無年金者の相当数が新たに受給権を得た一方、年金額は納付月数比例のままであるため、低年金層が拡大する構造となった
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法制定。被用者年金の対象外であった自営業者・農林漁業者等を包摂し、国民皆年金体制の一翼を担う拠出制年金として老齢年金の支給要件が置かれた
- 2.昭和60年(1985年)改正、昭和61年4月1日施行 改正:基礎年金制度の創設に伴う改正。全国民共通の老齢基礎年金として再構成され、支給開始年齢65歳、受給資格期間25年という現行条文の骨格が定まった
- 3.平成29年(2017年)8月1日施行 改正:ただし書の受給資格期間が25年から10年へ短縮された。無年金者の相当数が新たに受給権を得た一方、年金額は納付月数比例のままであるため、低年金層が拡大する構造となった
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