国民年金法 第52条の6(支給の調整)
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第五十二条の三の規定により死亡一時金の支給を受ける者が、第五十二条の二第一項に規定する者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。
この条文の基本情報
支給の調整とは何ですか?
定義支給の調整とは、国民年金法第52条の6に定められた規定で、「第五十二条の三の規定により死亡一時金の支給を受ける者が、第五十二条の二第一項に規定する者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第52条の6(支給の調整)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第52条の6の条文原文は「第五十二条の三の規定により死亡一時金の支給を受ける者が、第五十二条の二第一項に規定する者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡…」で始まります。
- 国民年金法第52条の6は第三款 死亡一時金に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第52条の6の前の条は国民年金法第52条の5です。
- 国民年金法第52条の6の次の条は国民年金法第53〜68条です。
- 国民年金法第52条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第52条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第52条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/52_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法52条の6は、死亡一時金と寡婦年金の両方を受けられるとき、本人の選択で一方のみを支給し他方は支給しないと定める。死亡一時金の請求期限は2年である。
Q · 夫が亡くなって死亡一時金と寡婦年金の両方に該当したら、両方もらえますか?
両方は不可。選んだ一方だけが支給されます
国民年金法52条の6により、死亡一時金を受ける者が同一の死亡で寡婦年金も受けられる場合は、本人の選択でどちらか一方のみが支給され、他方は支給されません。判断材料は金額だけではなく、妻の年齢、再婚の見込み、老齢基礎年金の繰上げ予定です。死亡一時金の請求権は死亡日の翌日から2年で時効消滅するため(同法102条)、決めずに待つこと自体が一時金を放棄する結果になります。
解説
夫を亡くした妻の手元に、性質のまったく違う二つの給付が並ぶことがある。片方は死亡一時金、最大32万円の一回きりの現金。もう片方は寡婦年金、60歳から65歳になるまで、夫の第一号被保険者期間で計算した老齢基礎年金の4分の3が毎年入り続ける給付。52条の6は、その両方を受けられる立場になったとき「その者の選択により、その一を支給し、他は支給しない」と定める。役所は選べとしか言わない。どちらが得かは教えてくれない。総額だけ並べれば寡婦年金が圧勝する場面が多いが、再婚すれば受給権は消え、65歳前に老齢基礎年金を繰り上げれば寡婦年金の道は閉じる。一方の死亡一時金は、請求できる期間が死亡日の翌日から2年しかない。「とりあえず寡婦年金を待とう」と決めた時点で、2年の壁の向こうに死亡一時金は静かに消えている。選択とは選ぶ自由ではなく、選ばなかった方を捨てる決断である。
法的な位置づけ
国民年金法52条の6は、死亡一時金と寡婦年金の併給調整を定める規定である。同法52条の3により死亡一時金を受ける者が、同一の被保険者の死亡により寡婦年金の受給権も取得した場合、受給権者の選択に従って一方のみが支給され、他方は支給されない。同一の保険料納付実績を原資とする一時金と有期年金の二重取得を排除する趣旨に基づく。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.夫の年金記録を取り寄せて土俵を確認する 年金事務所または市区町村窓口で、夫の第一号被保険者としての保険料納付済期間・免除期間の合計月数を取得する。納付済期間が10年に満たなければ寡婦年金の要件を欠き、そもそも選択問題が生じない
- 2.死亡一時金と寡婦年金の見込額を書面で試算してもらう 窓口で「死亡一時金の額と寡婦年金の年額・総額の両方を書面で出してほしい」と明示的に依頼する。聞かれなければ選択を迫るだけなのが窓口の立場であり、この一言の有無で比較材料を持ち帰れるかが分かれる
- 3.自分側の三条件(年齢・再婚・繰上げ)を先に固める 妻が現在何歳か、60歳到達まで何年あるか、再婚の可能性はあるか、老齢基礎年金の繰上げ受給を予定していないかを確認する。この三つが寡婦年金の失権・不支給に直結し、期待値を大きく変える
- 4.死亡一時金の2年時効から逆算して決断日を決める 死亡日の翌日から2年後をカレンダーに記入し、その1か月前を最終決断日として設定する。寡婦年金の初回支給は多くの場合この期限より後に来るため、受け取ってから比べることは制度上できない
- 5.選択した給付を請求し、不服なら期限内に審査請求する 選んだ給付の請求書を提出する。不支給決定や想定外の決定を受けたら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求し、その決定に不服なら決定書謄本の送達の翌日から2か月以内に社会保険審査会へ再審査請求する
よくある質問 AI による整理
Q1死亡一時金はいくらもらえる?
第一号被保険者としての保険料納付済期間の月数に応じた定額で、上限は32万円です。付加保険料を3年以上納めていれば8,500円が加算されます(国民年金法52条の4、最新の改正状況をご確認ください)。
Q2寡婦年金はいつからもらえる?
妻が60歳に達した月の翌月から65歳に達する月まで、最長5年間です。夫の死亡時に妻が60歳未満なら、支給開始まで待つ期間が生じます(国民年金法49条、50条)。
Q3死亡一時金の請求期限はいつまで?
死亡日の翌日から2年で時効消滅します(国民年金法102条)。この2年は寡婦年金の初回支給日より先に到来することが多く、待つ判断が実質的な放棄になります。
Q4寡婦年金は再婚したらどうなる?
受給権は失われます。65歳到達や再婚などが失権事由とされており(国民年金法51条)、支給開始前に再婚すれば一円も受け取らないまま権利が消えます。
Q5死亡一時金の請求手続きはどこでする?
住所地の市区町村役場の年金担当窓口、または年金事務所・街角の年金相談センターです。死亡一時金請求書に戸籍、住民票、死亡の事実を確認できる書類などを添えて提出します。
Q6老齢基礎年金を繰り上げたら寡婦年金はもらえない?
繰上げ受給を選択すると寡婦年金は受けられなくなる取扱いです。繰上げ請求書に署名する前に、将来の寡婦年金の可能性を必ず確認してください(最新の改正状況をご確認ください)。
Q7死亡一時金は誰が請求できる?
死亡した者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のうち最先順位者です(国民年金法52条の3)。妻以外が受給者になる場合もあります。
Q8付加保険料を払っていたら死亡一時金は増える?
付加保険料の納付済期間が3年以上あれば、死亡一時金に8,500円が加算されます。月400円の付加保険料が遺族の受取額に反映される仕組みです(最新の改正状況をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1結局、死亡一時金と寡婦年金ってどっちが得なんですか?
単純な総額では寡婦年金が上回る場面が多いです。夫の第一号被保険者期間で計算した老齢基礎年金の4分の3を60歳から65歳まで受けられるので(国民年金法50条)、納付期間が長い夫なら5年分で百万円単位になります。死亡一時金は最大32万円の一回限り(同法52条の4)。実務のポイント:勝負を分けるのは金額ではなく妻の年齢です。妻が63歳なら受給できるのは2年分だけ。60歳到達まで何年あるかを最初に数えると、比較の答えは驚くほど早く出ます
Q2一度どちらかを請求したあとで、やっぱり反対にしたいと言えますか?
52条の6は選択の撤回や変更を認める規定を置いておらず、実務上はいったん一方の支給を受けた後の変更は認められない扱いが原則です。特に死亡一時金を受け取った後は寡婦年金を請求できません。実務のポイント:逆方向はさらに危険で、寡婦年金を選んで待っている間に死亡一時金の2年時効が完成します。その後に再婚して寡婦年金が失権しても、一時金に戻る扉は既に閉じている。待つ判断は、実質的に一時金を放棄する判断だと理解しておく必要があります
Q3子どもがいて遺族基礎年金ももらえる場合は、どうなりますか?
遺族基礎年金を受けられる遺族がいる場合、死亡一時金はそもそも支給されません(国民年金法52条の2)。この段階では52条の6の選択問題は起きません。実務のポイント:問題は子が18歳到達年度末を過ぎて遺族基礎年金が終わった後です。妻が60歳から65歳の間なら、そこから寡婦年金を受けられる可能性が残ります。遺族基礎年金が終わった時点で年金事務所に再確認しないと、誰も教えてくれないまま5年が過ぎます
Q4夫が会社員だった期間もあるんですが、遺族厚生年金と両方もらえますか?
寡婦年金は夫の第一号被保険者期間だけで計算される給付です(国民年金法49条、50条)。遺族厚生年金も受けられる場合、65歳前は一人一年金の原則により制度をまたぐ併給は原則できず、選択になります。実務のポイント:夫の職歴が自営業と会社員の両方にまたがっている遺族は、国民年金側と厚生年金側で別々に試算を出してもらうこと。窓口が違うと、片方の見込額だけを見て決めてしまう事故が起きます(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「どちらが多くもらえるか」という問いの立て方自体がずれている。寡婦年金は60歳から65歳までの5年間、生き延びて、再婚せず、老齢基礎年金の繰上げもしないという条件を満たし切って初めて満額が実現する将来の期待値である。比べるべきは金額の大小ではなく、その条件を自分が満たし切れる確率の方だ
- 死亡一時金の請求期限が2年であることは案内文にも書いてあり、多くの人が知っている。だが、その2年が「じっくり考えてから決める」という選択肢を実質的に消していることまでは意識されていない。妻が50代前半なら、寡婦年金の初回支給日は2年の期限よりはるかに先に来る。受け取ってから比べることは制度上できない
- 役所が有利な方を案内してくれると思われがちだが、年金事務所は中立であり、どちらが得かの助言はしない立場にある。選択の結果を負うのは請求書に署名した本人だけで、後から「説明されなかった」と言っても給付は戻らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の形 | 52条の6:どちらか一方のみを本人の選択で支給 | 52条の2・52条の4:死亡一時金、最大32万円の一回限り 49条・50条:寡婦年金、老齢基礎年金の4分の3を60歳から65歳まで |
| 受給までの時間 | 選択の判断は死亡直後に迫られる | 請求後おおむね数か月で一括入金 妻が60歳に達するまで待機、50代前半なら十年前後の待機 |
| 権利が消える事由 | 他方を選んだ時点で選ばなかった給付は支給されない | 死亡日の翌日から2年で時効消滅(102条)、遺族基礎年金の受給者がいると不支給 65歳到達、再婚、老齢基礎年金の繰上げ受給などで失権(51条) |
| 有利になりやすい局面 | 三条件(年齢・再婚見込み・繰上げ予定)で判断が分かれる | 妻が若く再婚の可能性がある、当面の現金需要が切迫している場合 妻が既に60歳前後、再婚予定なし、繰上げをしていない場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一の死亡事故について複数制度の遺屬給付を重複請領できず、擇一が原則。日本と同じく請求者側の選択に委ねる構造だが、勞保と國保のどちらの制度に属していたかで窓口が分かれる点が実務上の混乱要因となる
韓国も遺族給付の重複を調整し、原則として一方のみを支給する。制度全体が日本の国民年金・厚生年金の設計を強く参照しており、選択構造は日本に最も近い
ドイツは複数の年金請求権が競合する場合、選択ではなく法定の順位・高額優先ルールで自動的に一方のみを支給する。遺族が判断を誤るリスクは小さい反面、個別事情に合わせる自由度は日本より低い
米国は255ドルの定額 lump-sum death payment と遺族給付が併存し、選択制ではない。少額の一時金と継続給付を分離しているため、日本のような『どちらかを捨てる』判断は生じない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 四十九日が終わり、ようやく年金事務所に行ったら「どちらかを選んでください」と言われたら、その場で答えられるだろうか? 死亡一時金の請求期限は死亡日の翌日から2年。相続や名義変更に追われて悩んでいるうちに、選択肢が一つ勝手に消えていく構造になっている
- 妻45歳、夫が死亡。寡婦年金の支給開始は15年後の60歳から。その15年のどこかで再婚すれば、受け取る前に権利ごと消える
- あなたが自営業で国民年金を払っている側だとする。納付済期間が3年で止まっているか10年を超えているかで、妻に残せるのは数十万円の一時金だけか、5年分の年金かに分かれる。52条の6の選択肢そのものを用意できるかどうかは、生きている今日の納付行動で決まっている
- 生活が苦しく、60歳になった時点で老齢基礎年金の繰上げ受給を申請した。その数年後に夫が死亡。寡婦年金は受けられず、選択肢は死亡一時金だけになっている。繰上げの申請書にサインしたとき、誰もこの話をしてくれなかった
- 姉から「年金事務所でどっちか選べと言われた、どうしたらいい?」と電話がかかってきた。あなたが聞くべきは三つ。姉は今何歳か、再婚の予定はあるか、夫の国民年金の納付期間は何年か。この三つで答えはほぼ決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 夫の年金記録(第一号被保険者としての納付済期間と免除期間の合計月数)を年金事務所で取得、死亡一時金の額と寡婦年金の年額の両方を試算してもらう2. 自分の年齢を確認。60歳未満なら寡婦年金の支給開始まで何年待つかを数える3. 再婚の可能性と、老齢基礎年金を繰り上げる予定の有無を先に決める。この二つが寡婦年金の失権事由に直結する4. 死亡日の翌日から2年という死亡一時金の期限を逆算し、決断のデッドラインをカレンダーに入れる
訴えられた側:1. 請求後に不支給決定や思っていたのと違う決定を受けたら、決定通知書の日付と理由欄をまず確認2. 処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、社会保険審査官へ審査請求。ここを過ぎると原則として争えない3. 審査請求の決定に不服なら、決定書の謄本が送達された日の翌日から2か月以内に社会保険審査会へ再審査請求4. 争点が納付済期間や生計維持関係の認定なら、通帳・住民票・健康保険の被扶養者記録など事実を裏付ける資料を先に揃える
時効(請求できる期限):死亡一時金を受ける権利は、行使できる時(死亡日の翌日)から2年で時効消滅する(国民年金法102条)。寡婦年金は年金給付なので支給すべき事由が生じた日から5年(同条)だが、妻が60歳未満で夫が死亡した場合の実際の支給開始は60歳到達時である。不服申立ては処分を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(併給調整の理解):52条の6は、同一の保険料納付実績を原資とする死亡一時金と寡婦年金の二重給付を排除する規定であり、いずれを受けるかの判断のみを遺族の選択に委ねた趣旨と解されている。条文は選択の撤回・変更を認める規定を置いておらず、実務上も一方の支給を受けた後の変更は原則として認められない扱いである。
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