国民年金法 第52条(支給停止)
クイックジャンプ
寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。
この条文の基本情報
支給停止とは何ですか?
定義支給停止とは、国民年金法第52条に定められた規定で、「寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第52条(支給停止)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第52条の条文原文は「寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。」で始まります。
- 国民年金法第52条は第二款 寡婦年金に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第52条の前の条は国民年金法第51条です。
- 国民年金法第52条の次の条は国民年金法第52条の2です。
- 国民年金法第52条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第52条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第52条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/52
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法52条は、夫の死亡について労働基準法79条の遺族補償が行われるべきときは、寡婦年金を死亡日から6年間支給停止すると定める。労災保険適用時は停止しない。
Q · 夫が仕事中に亡くなったら、寡婦年金は本当に6年も止まるんですか?
6年停止。ただし労災保険が動けば停止しません
国民年金法52条により、夫の死亡について同法41条1項の給付(労働基準法79条の遺族補償)が行われるべきものであるときは、寡婦年金は死亡日から6年間支給停止されます。停止された期間の年金は後からまとめて支払われません。もっとも、労災保険から遺族補償年金が支給される事案では労働基準法84条1項により事業主の補償責任が消滅し、79条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなるため、本条の停止は生じません。実際に停止が問題になるのは、同居の親族のみの事業や暫定任意適用事業など、労災保険が適用されない現場です。
解説
夫の死亡について労働基準法79条の遺族補償が「行われるべきもの」であるとき、妻の寡婦年金は死亡日から6年間止まる。条文は41条1項を指し示すだけなので、読んでも何が起きるか分からない。核心はここにある。寡婦年金は妻が60歳から65歳になるまでの5年間しか出ない年金だ(国民年金法49条、51条)。停止期間6年は、受け取れる期間より長い。夫が亡くなったとき妻が60歳前後なら、停止が明ける前に65歳が来て受給権そのものが消える。停止という名の消滅である。ただし逆側の扉もある。労災保険から遺族補償年金が出る事案では、労働基準法84条1項によって事業主の補償責任が消え、79条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなる。つまり52条が実際に牙をむくのは、労災保険が適用されない事業、同居の親族だけで営む店や暫定任意適用の農林水産業。国民年金第1号被保険者の世界と、ぴたりと重なる場所だ。
法的な位置づけ
国民年金法52条は寡婦年金の支給停止を定める規定であり、当該夫の死亡について同法41条1項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間その支給を停止する旨を規定する。使用者の遺族補償と公的年金給付との重複を調整する機能を持ち、停止期間は金額ではなく期間によって区切られる。
よくある質問 AI による整理
Q1寡婦年金の支給停止とは何ですか?
国民年金法52条により、夫の死亡について労働基準法79条の遺族補償が行われるべきときに、寡婦年金の支払いが死亡日から6年間止まる制度です。止まった期間分は後から支払われません。
Q2「行われるべきものであるとき」とはどういう意味ですか?
現実に支払われたかどうかではなく、法律上その補償義務が発生している状態を指します。事業主が一円も払っていなくても、義務が残っていれば寡婦年金は停止されます。
Q3支給停止はいつからいつまでですか?
夫の死亡日を起算日として6年間です。裁定請求をした日や通知が届いた日ではありません。妻の65歳到達日と比べて、どちらが先に来るかを必ず確認してください。
Q4会社が労災保険に未加入でも労災請求できますか?
できます。労働者災害補償保険法31条により、政府は事業主から費用を徴収したうえで遺族へ給付します。労災が動けば労働基準法84条1項で52条の停止の前提が崩れます。
Q5支給停止に納得できないときはどうすればいいですか?
社会保険審査官に審査請求できます。期限は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です。通知の封筒を開けないまま置くと期限だけが進みます。
Q6寡婦年金はいくらもらえますか?
夫の第1号被保険者期間に基づく老齢基礎年金額の4分の3相当額が、妻の60歳から65歳になるまで支給されます(国民年金法50条、最新の改正状況をご確認ください)。
Q7老齢基礎年金を繰上げすると寡婦年金はどうなりますか?
繰上げ請求をすると寡婦年金を受けられない扱いになるとされています。窓口で繰上げを勧められても、停止中の寡婦年金の復活余地を先に確認してください(最新の改正状況をご確認ください)。
Q8同居の親族だけの事業は労災保険の対象ですか?
原則として労災保険の適用対象外です。労働者5人未満の個人経営の農林水産業も暫定任意適用事業です。これらの現場が52条の停止が実際に発動する数少ない場所です。
この条文についての質問 AI による整理
Q16年たったら、止まってた分をまとめて振り込んでもらえるんですか?
振り込まれません。支給停止された期間の年金は消滅し、遡って支払われることはありません。しかも寡婦年金は妻が65歳に達すると受給権自体が消えるため(国民年金法51条)、停止が明ける前に権利が終わる例が多くあります。実務のポイント:窓口では「停止」としか説明されないことがあります。停止解除の予定日と65歳到達日のどちらが先かを、その場で職員に紙に書いて確認させてください。
Q2夫は仕事中の事故で亡くなりました。労災だと寡婦年金も止まるんですよね?
多くの場合、逆です。労災保険から遺族補償年金が支給される事案では労働基準法84条1項により事業主の補償責任が消え、同法79条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなるため、国民年金法52条の停止は働きません。実務のポイント:止まるのは労災保険が適用されない事業のときです。事業主が未加入でも労働者側は労災請求できます。先に労災を通すことが、年金を守る最短ルートになります。
Q3寡婦年金と死亡一時金、どっちを選ぶのが得なんですか?
両方は受けられず選択になります(国民年金法52条の6、現行効力を要確認)。金額は通常、寡婦年金(夫の老齢基礎年金額の4分の3を最大5年)が死亡一時金(12万円から32万円)を上回りますが、52条で停止される場合は逆転します。実務のポイント:時効が違います。死亡一時金は2年、寡婦年金は5年。迷って寡婦年金の様子を見ていると、先に死亡一時金の請求権だけが消えます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「6年たてば止まっていた分がまとめて入る」という問いの立て方そのものが誤っている。支給停止は権利の凍結ではなく、その期間の年金は消えて戻らない。まして妻が65歳に達すれば受給権自体が失われるため(国民年金法51条)、解除の日は来ないまま終わる
- あなたから見れば「事業主は遺族補償を一円も払っていない」。法律から見れば問われているのは「払われるべき状態にあるか」だけである。この落差のせいで、現金は入らないのに年金だけが止まるという最悪の空白が生まれる
- 「労災で亡くなったのだから52条で止まる」と考えるのは事実の裏返しだ。労災保険の遺族補償年金が支給される事案では、労働基準法84条1項により事業主の補償責任が消滅し、79条の遺族補償は「行われるべきもの」ではなくなる。労災保険が機能している限り、52条は発動しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる給付 | 52条:寡婦年金(60歳から65歳までの最長5年) | 41条1項:遺族基礎年金 51条:寡婦年金の受給権そのもの |
| 生じる効果 | 死亡日から6年間の支給停止(停止期間分は消滅) | 遺族補償が行われるべき期間の支給停止 受給権の消滅(回復しない) |
| 引き金 | 労働基準法79条の遺族補償が「行われるべきもの」であること | 同旨の遺族補償の存在 妻の65歳到達など |
| 覆せる手段 | 労災保険給付を起こし労働基準法84条1項で補償責任を消す | 同左 覆せない(事前に死亡一時金へ切替) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一事故についての職災給付と国民年金遺属年金の重複を制限するが、調整は主として給付の選択・併給制限で行われ、日本のような6年という期間停止方式は採らない
韓国は산재보험の遺族給付を受ける場合に国民年金の遺族年金を減額する方式を採り、期間停止ではなく額の調整で重複を処理する
ドイツは労災年金(Unfallrente)と遺族年金の合算額に上限(Grenzbetrag)を設け、超過分のみ年金を減額する。給付を全額止める設計ではない
米国は連邦の遺族給付と州の労災給付を合算額の上限で調整する offset 方式が中心で、期間による全面停止は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫が61歳、建設現場の事故で亡くなり、事業主は労災保険に未加入だったとしたら、あなたの寡婦年金はどうなる? 死亡日から6年停止。だがあなたは4年後に65歳で受給権を失う。停止が明ける日は永遠に来ない。しかも死亡一時金に切り替える道は死亡日の翌日から2年で閉じる(国民年金法102条1項)
- 同居の家族だけで営む町工場。夫が作業中に亡くなり、労災保険の適用がなかった。労働基準法79条の遺族補償が事業主に発生し、52条のスイッチが入る
- あなたが事業主の側。亡くなった従業員は同居の兄で、労災保険の対象外だった。遺族補償1000日分の義務があなたに残り、実際に一円も払っていなくても義理の姉の寡婦年金は6年止まる。条文が書いているのは「行われるべきものであるとき」であって、「行われたとき」ではない
- 年金事務所から支給停止の通知が届いた封筒を、開けないまま二か月置いてしまった。社会保険審査官への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内。残り時間はもう一か月を切っている(最新の改正状況をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 夫の死亡が業務上か、事業所が労災保険の適用事業かを最優先で確認する2. 未加入でも労災保険給付は請求できる(労働者災害補償保険法31条)。労災が動けば労働基準法84条1項で79条の遺族補償が消え、52条の停止は起きない3. 停止が避けられないなら、妻の65歳到達日と死亡日 + 6年を比較し、寡婦年金が実質ゼロになるかを判定4. ゼロなら死亡一時金へ切替(国民年金法52条の2)。請求は死亡日の翌日から2年で時効
訴えられた側:事業主側は、同居親族のみの事業や暫定任意適用事業であっても、業務上死亡があれば労働基準法79条の遺族補償義務(平均賃金1000日分)が現実に残る。1. 労災保険への加入状況を直ちに確認2. 未加入なら遡及加入と保険料・費用徴収の負担を試算3. 遺族に対しては、支払の有無にかかわらず年金が6年止まる構造を早期に説明する。説明の遅れが、補償交渉の決裂と紛争の長期化を招く
時効(請求できる期限):支給停止は死亡日から6年間。寡婦年金の裁定請求は年金給付を受ける権利の時効5年(国民年金法102条1項)、死亡一時金は死亡日の翌日から2年で時効。支給停止処分に不服があれば、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める