寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。
要点国民年金法 52 条は、夫の死亡について労働基準法 79 条の遺族補償が行われるべきときは、寡婦年金を死亡日から 6 年間支給停止すると定める。労災保険適用時は停止しない。
Q · 夫が仕事中に亡くなったら、寡婦年金は本当に 6 年も止まるんですか?
6 年停止。ただし労災保険が動けば停止しません
国民年金法 52 条により、夫の死亡について同法 41 条 1 項の給付(労働基準法 79 条の遺族補償)が行われるべきものであるときは、寡婦年金は死亡日から 6 年間支給停止されます。停止された期間の年金は後からまとめて支払われません。もっとも、労災保険から遺族補償年金が支給される事案では労働基準法 84 条 1 項により事業主の補償責任が消滅し、79 条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなるため、本条の停止は生じません。実際に停止が問題になるのは、同居の親族のみの事業や暫定任意適用事業など、労災保険が適用されない現場です。
夫の死亡について労働基準法 79 条の遺族補償が「行われるべきもの」であるとき、妻の寡婦年金は死亡日から 6 年間止まる。条文は 41 条 1 項を指し示すだけなので、読んでも何が起きるか分からない。核心はここにある。寡婦年金は妻が 60 歳から 65 歳になるまでの 5 年間しか出ない年金だ(国民年金法 49 条、51 条)。停止期間 6 年は、受け取れる期間より長い。夫が亡くなったとき妻が 60 歳前後なら、停止が明ける前に 65 歳が来て受給権そのものが消える。停止という名の消滅である。ただし逆側の扉もある。労災保険から遺族補償年金が出る事案では、労働基準法 84 条 1 項によって事業主の補償責任が消え、79 条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなる。つまり 52 条が実際に牙をむくのは、労災保険が適用されない事業、同居の親族だけで営む店や暫定任意適用の農林水産業。国民年金第 1 号被保険者の世界と、ぴたりと重なる場所だ。
国民年金法 52 条は寡婦年金の支給停止を定める規定であり、当該夫の死亡について同法 41 条 1 項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から 6 年間その支給を停止する旨を規定する。使用者の遺族補償と公的年金給付との重複を調整する機能を持ち、停止期間は金額ではなく期間によって区切られる。
国民年金法 52 条により、夫の死亡について労働基準法 79 条の遺族補償が行われるべきときに、寡婦年金の支払いが死亡日から 6 年間止まる制度です。止まった期間分は後から支払われません。
現実に支払われたかどうかではなく、法律上その補償義務が発生している状態を指します。事業主が一円も払っていなくても、義務が残っていれば寡婦年金は停止されます。
夫の死亡日を起算日として 6 年間です。裁定請求をした日や通知が届いた日ではありません。妻の 65 歳到達日と比べて、どちらが先に来るかを必ず確認してください。
できます。労働者災害補償保険法 31 条により、政府は事業主から費用を徴収したうえで遺族へ給付します。労災が動けば労働基準法 84 条 1 項で 52 条の停止の前提が崩れます。
社会保険審査官に審査請求できます。期限は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内です。通知の封筒を開けないまま置くと期限だけが進みます。
夫の第 1 号被保険者期間に基づく老齢基礎年金額の 4 分の 3 相当額が、妻の 60 歳から 65 歳になるまで支給されます(国民年金法 50 条、最新の改正状況をご確認ください)。
繰上げ請求をすると寡婦年金を受けられない扱いになるとされています。窓口で繰上げを勧められても、停止中の寡婦年金の復活余地を先に確認してください(最新の改正状況をご確認ください)。
原則として労災保険の適用対象外です。労働者 5 人未満の個人経営の農林水産業も暫定任意適用事業です。これらの現場が 52 条の停止が実際に発動する数少ない場所です。
振り込まれません。支給停止された期間の年金は消滅し、遡って支払われることはありません。しかも寡婦年金は妻が 65 歳に達すると受給権自体が消えるため(国民年金法 51 条)、停止が明ける前に権利が終わる例が多くあります。業界裏話ヒント:窓口では「停止」としか説明されないことがあります。停止解除の予定日と 65 歳到達日のどちらが先かを、その場で職員に紙に書いて確認させてください。
多くの場合、逆です。労災保険から遺族補償年金が支給される事案では労働基準法 84 条 1 項により事業主の補償責任が消え、同法 79 条の遺族補償は「行われるべきもの」でなくなるため、国民年金法 52 条の停止は働きません。業界裏話ヒント:止まるのは労災保険が適用されない事業のときです。事業主が未加入でも労働者側は労災請求できます。先に労災を通すことが、年金を守る最短ルートになります。
両方は受けられず選択になります(国民年金法 52 条の 6、現行効力を要確認)。金額は通常、寡婦年金(夫の老齢基礎年金額の 4 分の 3 を最大 5 年)が死亡一時金(12 万円から 32 万円)を上回りますが、52 条で停止される場合は逆転します。業界裏話ヒント:時効が違います。死亡一時金は 2 年、寡婦年金は 5 年。迷って寡婦年金の様子を見ていると、先に死亡一時金の請求権だけが消えます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる給付 | 52 条:寡婦年金(60 歳から 65 歳までの最長 5 年) | — |
| 生じる効果 | 死亡日から 6 年間の支給停止(停止期間分は消滅) | — |
| 引き金 | 労働基準法 79 条の遺族補償が「行われるべきもの」であること | — |
| 覆せる手段 | 労災保険給付を起こし労働基準法 84 条 1 項で補償責任を消す | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。