要点国民年金法 20 条の 2 は、受給権者の申出により年金の全額の支給を停止できると定める。受給権は消滅せず、申出はいつでも将来に向かって撤回できる。
Q · 自分の年金って、本人から「止めてください」と言って止められるんですか?
はい。受給権者本人の申出で全額停止でき、撤回も自由です
国民年金法 20 条の 2 により、年金給付の受給権者は自ら申し出て、その年金の全額の支給を停止できます。受給権自体は消滅せず、申出は 3 項によりいつでも将来に向かって撤回できます。ただし 4 項により、停止中の年金は政令で定める法令の適用上は「支給を停止されていないもの」とみなされるため、他制度の判定で収入ゼロ扱いになるとは限りません。既に他の規定で全額停止されている年金は本条の対象外です。
年金は「もらう権利がある人が、必ず受け取らなければならないもの」だと思われている。だが国民年金法 20 条の 2 は、その常識に穴を開ける。受給権者が自分から申し出れば、年金の全額支給を止められる。権利そのものが消えるわけではない。止めるだけで、しかも 3 項によって、いつでも将来に向かって撤回できる。なぜこんな制度があるのか。年金を受け取ることで扶養控除の枠から外れる、相手方の所得制限に引っかかる、生活保護の運用上不利になる、あるいは家族の関係上その口座に入金されると困る。金額の多寡ではなく、入金されること自体が不利益を生む場面が現実に存在するからだ。さらに 4 項が効く。支給停止中でも、政令で定める法令の適用上は「停止されていないものとみなす」。つまり止めたことで他の資格まで失うわけではない。あなたが握るのは、年金を蛇口のように開閉できるレバーである。
国民年金法 20 条の 2 は、受給権者の申出による年金給付の支給停止を定める規定である。既に全額停止されている年金は対象外であり、一部停止中の場合は停止されていない部分の額が対象となる。申出は将来に向かって撤回でき、停止中の年金は政令で定める法令の適用については支給を停止されていないものとみなされる。
受給権者本人が年金事務所に申し出ることで、年金給付の全額の支給を止める制度です。国民年金法 20 条の 2 が根拠で、役所側の判断による停止とは力の向きが逆です。
消えません。本条が止めるのは支給だけで、受給権そのものは残ります。だからこそ 3 項により、いつでも将来に向かって申出を撤回して支給を再開できます。
家族という立場だけでは足りません。本条は受給権者本人の申出を要件とするため、本人に判断能力がなければ成年後見人等の法定代理権、または本人からの委任が必要です。
年金事務所または街角の年金相談センターです。所定の申出書を提出します。効果が発生する月と、撤回した場合の取扱いを窓口で必ず確認し、記録に残してください。
目的と効果が噛み合うかを事前に確認する必要があります。扶養控除や被扶養者の判定基準と、本条の停止の効果は別の法令に属します。税理士・社会保険労務士への事前相談が前提です。
申出および撤回そのものに期限の定めはありません。3 項は「いつでも」撤回できると明記します。ただし年金給付を受ける権利の消滅時効(国民年金法 102 条)とは別問題です。
申出自体は可能ですが、生活保護は他の制度を優先する仕組みであり、年金を止めれば保護が有利になるとは限りません。4 項により他法令上は受給しているものとみなされる場面もあります。
本条の対象は国民年金法上の「年金給付」であり、老齢基礎年金だけに限られません。ただし既に他の規定で全額停止されている年金は、1 項括弧書きにより対象外です。
撤回自体はいつでもできる(本条 3 項)。ただし条文は「将来に向かつて」と書いており、止めていた期間分が自動的に遡って支払われるとは書かれていない。業界裏話ヒント:この「遡及の可否」こそ相談で最初に聞くべき点であり、条文だけ読んで判断すると数十万円単位の差が出る。申出書を出す前に、撤回時の取扱いを窓口に確認して記録に残しておくこと
そう単純ではない。4 項は、政令で定める法令の適用については支給を停止されていないものとみなすと定めている。つまり制度によっては、止めていても受け取っているものとして計算される。業界裏話ヒント:どの法令が政令で指定されているかが実務の分かれ目であり、ここを確認せずに申出をすると「年金は入らないが他制度上は収入があるものとされる」という最悪の組み合わせになりうる
できる。1 項ただし書が正面から手当てしており、一部停止されている場合は停止されていない残りの部分が申出の対象になる。さらに 2 項により、その後に他の規定による停止が解除されたときは、全額が停止される扱いに移行する。業界裏話ヒント:既に全額停止されている年金は 1 項括弧書きで対象外である。自分の年金が全額停止か一部停止かを先に確定させないと、申出自体が空振りする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 停止を決める主体 | 20 条の 2:受給権者本人の申出 | — |
| 受給権への影響 | 受給権は残り、支給だけが止まる | — |
| 元に戻す方法 | 3 項によりいつでも将来に向かって撤回できる | — |
| 他法令上の扱い | 4 項により政令で定める法令の適用上は停止されていないものとみなす | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。