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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

国民年金法 第22条(損害賠償請求権)

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  1. 政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となつた事故が第三者の行為によつて生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
  2. 2.前項の場合において、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、給付を行う責を免かれる。

この条文の基本情報

損害賠償請求権とは何ですか?

定義損害賠償請求権とは、国民年金法第22条に定められた規定で、「政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となつた事故が第三者の行為によつて生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国民年金法第22条(損害賠償請求権)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
  2. 国民年金法第22条の条文原文は「政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となつた事故が第三者の行為によつて生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に…」で始まります。
  3. 国民年金法第22条は第一節 通則に置かれています。
  4. 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
  5. 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 国民年金法第22条の前の条は国民年金法第21条の2です。
  7. 国民年金法第22条の次の条は国民年金法第23条です。
  8. 国民年金法第22条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第22条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141
  • 本サイト収録国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第22条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/22

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国民年金法22条は、第三者の行為による障害や死亡で年金給付をしたとき、政府がその価額の限度で受給権者の損害賠償請求権を取得すると定める。先に賠償を受けた場合は給付が調整される。

Q · 交通事故で障害基礎年金をもらいながら、加害者から示談金も満額もらえるんですか?

年金と賠償金の二重取りはできず、政府に請求権が移ります

できません。国民年金法22条1項により、政府が年金給付をした時点で、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償請求権は政府へ移転します。逆に受給権者が先に第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、2項により政府はその価額の限度で給付を行う責を免れます。つまり同一の損害を年金と賠償で二重に埋めることは制度上できません。実務上の分岐点は順序で、年金の裁定が確定する前に示談を成立させると、控除される金額を交渉する余地が失われます。

解説

交差点で車にはねられ、障害が残った。障害基礎年金の請求をして受給が始まる。同時に、加害者の保険会社と示談交渉も進んでいる。ここであなたが知らないと危険なのは、この二つが別々の財布ではないという事実だ。国民年金法22条1項により、政府はあなたに年金を支払った瞬間、その支払額の限度であなたが加害者に対して持つ損害賠償請求権を自動的に取得する。あなたの手から、その分の請求権が政府へ移る。2項はその裏返しで、あなたが先に加害者から賠償金を受け取ると、政府はその価額の限度で年金の支給を止められる。つまり二重取りは制度上できない仕組みになっている。問題は順番とタイミングだ。示談書に「今後一切の請求をしない」と書いて署名した時点で、あなたは自分の分だけでなく、政府が取得するはずだった求償権まで放棄したかのような外観を作ってしまう。すると年金側から支給調整を受け、加害者からも取れず、両方から取り損ねる最悪の位置に立たされる。

法的な位置づけ

国民年金法22条は、第三者行為による障害または死亡について、政府が給付を行った場合にその価額の限度で受給権者の損害賠償請求権が政府へ移転する旨(1項)と、受給権者が先に同一の事由について損害賠償を受けた場合に政府が同額の限度で給付義務を免れる旨(2項)を定める、社会保険給付と損害賠償の二重填補を防止するための調整規定である。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.第三者行為による事故であることを届け出る 年金請求と並行して、日本年金機構(年金事務所)または市区町村の国民年金窓口に、第三者の行為による事故である旨を届け出る。隠したり遅らせたりすると、後の調整局面で不利に働く
  2. 2.年金の裁定通知が届くまで示談書に署名しない 年金額が確定していない段階では、控除される額も交渉できない。相手方担当者に急かされても、裁定通知の到達を待つ。待つこと自体が交渉材料になる
  3. 3.示談金の内訳を項目別に開示させる 提示額に「年金控除済」の記載があれば、その計算根拠の開示を求める。逸失利益・治療費・慰謝料・物損を項目別に分けさせ、年金と性質が重なる部分がどこかを可視化する
  4. 4.示談書に社会保険給付分の扱いを明記させる 清算条項の直前に「本示談は社会保険給付分を含まない」等、給付分の扱いを明記した一文を入れる。署名後には書き換えられないため、この段階で必ず確定させる
  5. 5.求償通知が届いたら支払記録と突き合わせる 加害者側に立つ場合、保険者から求償の通知が来たら、被害者へ既に支払った額と重複がないかを支払記録・示談書と照合する。重複があれば内訳を示して協議する

よくある質問 AI による整理

Q1第三者行為による事故とは何ですか?

自分以外の他人の行為が原因で障害や死亡が生じた事故を指します。交通事故、暴行、他人の管理する施設の欠陥による事故などが典型で、国民年金法22条の求償が動く場面です。

Q2第三者行為の届出はどこに出すのですか?

年金の請求窓口である日本年金機構(年金事務所)または市区町村の国民年金担当に、第三者行為による事故である旨を届け出ます。国民年金法施行規則が届出を定めています。

Q3年金機構から求償の通知が来たらどうすればいいですか?

被害者へ既に支払った賠償額と重複していないか、支払記録と示談書を突き合わせて確認します。示談で社会保険給付分の扱いを整理していれば、二重払いを避けられる余地があります。

Q4自賠責保険と障害基礎年金は両方もらえますか?

同一の損害を埋める部分は調整されます。国民年金法22条2項により、先に賠償を受けた価額の限度で政府は給付の責を免れるため、内訳の性質ごとの整理が重要になります。

Q5遺族基礎年金も調整の対象になりますか?

なります。22条は「障害若しくは死亡」を対象としており、死亡事故で遺族基礎年金が支給された場合も、給付の価額の限度で政府が損害賠償請求権を取得します。

Q6慰謝料も年金と調整されますか?

慰謝料は年金が填補する損害と性質が異なると整理されるのが一般的です。調整は同一の事由で重なる部分に及ぶため、示談金の内訳を項目別に明記させる実益があります。

Q7求償権に時効はありますか?

政府が取得する請求権は元の不法行為に基づく請求権と同じ時効に服します。損害と加害者を知った時から3年、生命身体侵害は5年、不法行為時から20年です(民法724条、724条の2)。

Q8加害者が無保険や無資力でも年金は調整されますか?

2項の調整は現実に損害賠償を受けたときに働きます。実際に賠償を受け取れていなければ、その分の調整は生じません。届出を怠らず状況を正確に伝えることが重要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1示談金をもらったら、年金は完全に止まるんですか?

全部止まるわけではない。22条2項は「その価額の限度で」給付の責を免れると定めており、賠償額に対応する範囲で支給が調整される。調整の期間や範囲は実務上の取扱いに従う。実務のポイント:調整の対象になるのは損害の性質が重なる部分だけである。慰謝料や物損は年金が填補する損害とは性質が違うため、示談金の内訳を項目別に明記させておくと、調整対象になる金額を小さく整理できる余地が出る

Q2自分で保険料を納めてきた年金なのに、なぜ加害者の賠償と調整されるんですか?

22条は保険料の拠出と給付の対価関係ではなく、同一の損害を二重に填補しないという原則に立っている。政府が給付をした時点で、その額の限度で受給権者の請求権が政府へ移転する構造である。実務のポイント:この理屈に納得できず争った例は過去にもあるが、社会保険給付と損害賠償の調整は制度の前提として広く定着している。争点にする実益は薄く、内訳の整理に力を注いだ方が金額への影響は大きい

Q3示談書に「今後一切請求しない」と書いてしまいました。もう手遅れですか?

あなた自身の請求権については放棄の効力が及ぶが、すでに政府へ移転した部分は、あなたが処分できる権利ではない。ただし年金側からは支給調整を受ける可能性が残り、実質的に不利益を被る構造になる。実務のポイント:署名済みでも、示談時に年金受給の事実を保険会社が知っていたかどうかは、後の交渉で意味を持つことがある。示談交渉時のメールやメモは捨てずに残しておくこと

間違えやすい点 AI による整理

  • 「年金は保険料を自分で払ってきた対価だから、加害者からの賠償金とは無関係」と考える人が圧倒的に多い。だが22条は保険料拠出の有無を問わない。損害の填補という機能が重なる限り、社会保険給付と損害賠償は同一の損害を二重に埋めるものと扱われる。自分が払った保険料は、この調整を止める理由にならない
  • 年金と賠償の調整があること自体は知っていても、その深刻度を見誤っている。調整は「多い方に合わせる」ではなく「重複部分を消す」方向にしか働かない。しかも消えるのは通常、後から動いた側の取り分だ。順番を誤ると、制度が想定した填補水準そのものが下がる
  • 「示談は自分と加害者の問題だから、自由に金額を決めていい」という前提そのものが誤っている。あなたが年金を受給した瞬間、その損害賠償請求権の一部はすでに政府のものになっている。他人の権利を含んだ状態で「一切請求しない」と約束することになり、示談の効力自体が争いの種になる
  • 調整対象は将来分だけだと思われがちだが、実務では既に支給された分についても求償が動く。過去に受け取った年金が、後から成立した示談によって精算の対象になる構造を理解していないと、家計の見通しが立たない
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割22条:第三者行為があった場合の求償と支給調整の仕組み30条:障害基礎年金の支給要件そのもの
37条:遺族基礎年金の支給要件そのもの
発動する場面加害者など第三者の行為が障害・死亡の原因である場合初診日・保険料納付要件・障害等級を満たした場合
被保険者等の死亡と遺族の生計維持要件を満たした場合
お金の向き受給権者の請求権が政府へ移る/賠償先取りなら給付が減る政府から受給権者へ年金が支給される
政府から遺族へ年金が支給される
示談交渉への影響示談の順序と文言が最終的な手取りを直接左右する受給の可否そのものは示談内容に左右されない
受給の可否そのものは示談内容に左右されない

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
全民健康保險法第95條

台湾は健康保険の保険者が交通事故等について第三者に代位求償する構造を採る。年金分野では独立した求償条項の整備が日本ほど体系化されておらず、健保を中心に運用されている点が対照的

韓国
대한민국 국민연금법 제114조(구상권)

第三者の行為で給付事由が発生し給付をした場合、その給付額の限度で第三者に対する損害賠償請求権を取得するとされ、日本の22条1項とほぼ同型。先行賠償時の調整も併せて規律される

中国
中華人民共和国社会保険法 第30条・第42条

第三者が負担すべき費用について基金が先行支払をしたうえで第三者に追償する構造。日本の「請求権の取得」に対し、中国は「先行支払+追償」という給付先行を前面に出した書き方をとる

ドイツ
SGB X § 116

損害発生と同時に、給付義務を負う社会保険者へ賠償請求権が法律上当然に移転する(gesetzlicher Forderungsübergang)。移転時期を給付時ではなく損害発生時とする点が日本の22条1項と異なる

フランス
Code de la sécurité sociale art. L376-1

保険金庫が第三者責任者に対して求償権(recours)を行使する。求償は費目別(poste par poste)に行うと整理されており、日本で争点になる「同一の事由」の切り分けが制度上明示されている

アメリカ
Medicare Secondary Payer Act, 42 U.S.C. § 1395y(b)

公的医療保険(Medicare)については第三者への求償・返還請求が強力に制度化されている一方、社会保障年金(OASDI)には同種の一般的な代位求償規定がなく、日本の22条に完全対応する条文は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 通勤中でも業務中でもない、私生活の交通事故で下肢に重い後遺障害。障害基礎年金2級が決まった。同じ月、相手方任意保険会社から示談金の提示が届く。逸失利益の項目に「年金受給分控除済」と小さく書かれている。この一行が22条2項を前提にした計算であり、そのまま呑むか争うかで手取りが数百万円動く
  • 夫が第三者の暴行で死亡し、遺族基礎年金の受給が始まった。加害者側は刑事裁判で示談を急いでいる。もし、示談書に清算条項を入れて署名した後で、日本年金機構から「支給停止」の通知が届いたらどうなるか。年金と賠償金、どちらも満額のつもりだった計算が根本から崩れる
  • あなたが加害者側に立つ場合。被害者と示談が成立し、賠償金を全額支払った。半年後、日本年金機構から求償の通知が届く。被害者に払った分と別に、年金機構へも支払えという内容だ。示談時に「年金給付分を含む一切」と整理していなければ、二重払いのリスクを負う
  • あと数日で示談書に署名という段階。担当者は「早くしないと提示額を下げる」と急かす。だが年金の裁定通知がまだ届いていない。この状態で署名すると、後から確定する年金額と示談額の関係を調整する手段が、事実上消える

取るべき行動

被害を受けた側:1. 事故が第三者行為であることを年金の窓口に届け出る、隠すと後で不利に働く2. 年金の裁定通知が届くまで示談書に署名しない、確定額が分からなければ控除額も交渉できない3. 示談書の清算条項と、社会保険給付分の扱いを明記した文言を要求する4. 加害者側の提示に「年金控除済」の記載があれば、その計算根拠の開示を求める5. 複数の社会保険を使っている場合は、それぞれの保険者への届出状況を一覧にする

訴えられた側:1. 被害者が社会保険給付を受けているか早期に確認する、放置すると被害者への支払後に保険者からの求償が重なる2. 示談の際は保険者の求償分を含めた総額として整理し、その旨を書面に残す3. 保険者から求償の通知が来たら、既払額と重複していないか支払記録を突き合わせる4. 任意保険会社に対応を任せる場合も、示談書の文言だけは自分で確認する

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間の定めはない。政府が取得する損害賠償請求権は、元の不法行為に基づく請求権と同じ時効に服し、損害および加害者を知った時から3年、人の生命または身体を害する不法行為は5年、不法行為時から20年(民法724条、724条の2)。年金給付の支給を受ける権利自体の時効は5年(国民年金法102条)。起算点は事故日ではなく、損害と加害者を知った日である点に注意(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説・実務:本条は社会保険給付と損害賠償が同一の損害を二重に填補することを防ぐ調整規定であり、保険料拠出の有無は調整を否定する理由にならないと解されている。1項の法定移転と2項の支給免責は、迅速な救済と最終的な負担の第三者への転嫁を両立させる二段構えである。

実務上の争点:調整が及ぶ範囲は「同一の事由」による対応関係のある部分に限られるため、示談金の費目構成が最終的な調整額を左右する。内訳を項目別に明示させる交渉が、被害者側の実質的な填補水準を守る要になると整理されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法(昭和34年法律第141号)の制定に伴い、第三者行為に起因する給付について、政府による損害賠償請求権の取得(1項)と、先行して賠償を受けた場合の給付免責(2項)を定める調整規定として置かれた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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